デスを食らった男   作:もっち~!

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本日3本目


SS:再会

 

妹の明日奈と街を歩いている。帰路と言えばそうだし、ウィンドショッピングと言えばそうだし、なんだろうか?こうして街を眺めるのも仕事だと父は言う。

 

「兄さん、このVLのバッグが欲しいなぁ」

 

「そういうのは彼氏に買って貰えよ」

 

「兄さん以外、考えていないもん」

 

「ラノベのような義妹ならな。お前は血の繋がった妹だろ?それも二卵性双生児だぞ」

 

俺と明日奈は同じ高校で同じクラスである。学校では他人の目を気にしてクールビューティー、俺と二人になると甘えん坊って、落差ありすぎるだろう。

 

「あれ?」

 

「どうした?」

 

明日奈が何かを見つけた。前を歩くJCの二人連れのようだが。明日奈がその内の一人を捕まえた。あっ…あの横顔。もう一人の子の横顔も似ている。まさかなぁ。

 

「ねぇねぇ、サリーちゃんだよね?ちょっと、顔貸してくれない?」

 

「えっ!」

 

「ほら!明日奈、びびって居るぞ」

 

「ふふふ、ソッチの子もだよ。逃がさないからね」

 

JC二人を拉致して、いつも行くカラオケボックスに入った。

 

「好きな物を頼んでえぇでぇ~」

 

「おい!明日奈、口調がおかしいぞ」

 

「サリーちゃん、顔をよく見せて」

 

「えっ!」

 

顎クイをして、顔を近づける明日奈。

 

「ほら、怖がって居るぞ」

 

「ねぇねぇ、兄さん、サリーと私、どっちがかわいい?」

 

 

 

---本条 楓---

 

見た事の無い高校生の男女に、カラオケボックスに連れ込まれた。う~ん、ゲーム内なら悪食で退治するんだけど…理沙をゲーム内のサリー呼びしている。

 

ゲーム内で恨まれたのかな。私も連れ込まれたってことは、メイプルってバレているのかな?

 

「サリーちゃん、どうしたの?ゲーム内のように勇ましい言葉を言ってみて」

 

理沙は蛇に睨まれたカエル状態で、されるがままである。この後、簀巻きにされて、コンクリート詰めで、海にポイかな?こんな時にダンさんがいれば、助けて貰えるのに…

 

「明日奈!いい加減にしないと、晩ご飯抜きな」

 

「えぇぇぇぇ~、そんなぁぁぁぁ~」

 

「悪いなぁ。妹が馬鹿しやがって」

 

「そうだ!兄さん、メイプルちゃんと結婚して、男の子を産んでよ。私のお婿さんにする」

 

なんで、そこで私の名前が…結婚…まだ中学生だし…まだまだ先のことである。

 

「俺が産むわけではないぞ」

 

「きっと、メイプルちゃんみたいな、かわいい男の子もありかなって」

 

「あの…あなた達は誰です、ひゃぅ!」

 

女性が手を上げると、軽い悲鳴を上げた理沙。

 

「なんか、言った?」

 

「いえ…」

 

完全にびびっている。こんな理沙を初めてみた。涙目で顔色が悪い。お化け屋敷に入った時のようだ。

 

「君の名前は?俺の名前は諸星正、あっちは妹の諸星明日香だ」

 

「モロボシ…ダン?」

 

震える声の理沙。

 

「正解だ」

 

へ?モロボシダン?もろぼしただし、って名乗ったのに…はて?

 

「びびらせないでよ~」

 

彼の手の平が理沙の頭を撫でると、理沙から笑みがこぼれた。どうしたんだ?知り合いだったのか?

 

「いやぁ~、こんなにびびるとは」

 

妹さんは笑っている。

 

「妹が無礼を働いたので、もっといいお店に連れて行ってあげるよ。明日奈はハウスだ!」

 

「なんで?実の妹がかわいくないのか?」

 

「さぁ、いこう、サリー、メイプル」

 

が…腰が抜けていた理沙。

 

「びびりすぎだよ~、サリー」

 

「びびるでしょ?一応、中学生なんですからね」

 

正さんが理沙を背負い、私の手を握り、どこかへと連れて行かれる。

 

「兄さん、子持ちでも似合うねぇ~」

 

「お前、言い加減にしないと、後でしばくからな」

 

幸い、裏路地の怪しいお店ではなさそうだ。大通りに出て、甘い香りのする館へと入っていく。

 

 

高級洋菓子店に連れて行かれた。ここのケーキは美味として有名である。

 

「好きなだけ食べていいよ。明日奈はいつものでいいなぁ」

 

「あい」

 

「すいません。レスカ1つにジャンクリアンを1つ、この子達にはケーキセットをお願いします」

 

店員さんに注文してくれた正さん。

 

「ここのは、ワゴンでケーキと飲み物を運んで来るんだ。目の前で選ぶんだよ」

 

「楓…ダンさんとアスカさんだよ」

 

私の耳元で囁く様に、教えてくれた理沙。

 

「ダンさん?」

 

「はい、正解」

 

はぁい?イメージが違う…うっ…ゲーム内では父親的なポジションで、現実では憧れ…

 

「こんな高級なお店、大丈夫ですか?」

 

思い出した…ケーキのワゴンサービス…2000円くらいしたはず。

 

「大丈夫だよ、ここは俺達の家だからね」

 

あっ!モロボシ洋菓子店って、店名だった。

 

「跡継ぎ?」

 

理沙が訊いた。

 

「あぁ、明日奈がパティシエで、俺がデザインだな。高校に入ったら、菓子作りの勉強で、武道を習う時間が無くなったんだ。それで、ゲーム内で身体を動かしているんだよ」

 

「じゃ、アスカさんが、ゲーム内でケーキ作りが上手なのって?」

 

「PSだよ」

 

近所に住んでいたんだ…運命的な出会いかな?

 

 

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