デスを食らった男   作:もっち~!

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ティアン暗殺計画

---アズライト---

 

今更、私が王女ですと名乗るのは恥ずかしい気がする。彼には私の総てを見られてしまった。薬を盛られたとは言え、ケダモノ達に弄ばれる姿、全身もくまなく見られている。怪我の見落としが無いかチェックされ、汚れ残しが無いかチェックされ、全身を泡だったスポンジで、優しく洗い上げてくれた。

 

「アルティミア様、どうされましたか?ニューワールドからの客人を、待たせております」

 

そうは言うが、恥ずかしいのだ。

 

「会わないとダメか?リリアーナよ」

 

「ダメです!」

 

ダメなのか。では、化粧をして別人になりきるか。

 

「で、彼らの実力はどの位なのか?」

 

「超級殺しを倒し、あの破壊王すら倒した強さは本物です。只、一人一人の実力は分かりませんけど」

 

彼らのエンブリオはチャリオッツだろうか?機械兵器だったし。

 

「我が国のマスターとして迎え入れられないか?」

 

敵にはなりたくない。

 

「客人ですから、難しいと思います」

 

「リリアーナの美貌で落とせないか?」

 

「はぁい?」

 

私自ら落とすのが一番であるが、立場が立場だから…

 

「私は…レイさんが…」

 

レイ?あの破壊王の弟か。う~ん…

 

 

 

---ダン---

 

PKをしていたら、女の子が攫われる現場を目撃してしまった。アスカと共に追跡をしていく。途中でサリー、カスミ、フレデリカが合流して、町外れの墓地に辿り着いた。なんか出そうでいいなぁ。

 

「ダンさん…」

 

真っ青な顔のサリー。あぁ、こういう場所はお嫌いだったねぇ。

 

賊は建物の入り口にいた衛兵を殺し、建物へと入っていく。

 

「サリーはメイプル達を呼んでくれ。フレデリカはサリーのガードを頼む」

 

三人で建物へ入っていく。内部はゾンビ系モンスターの巣窟だった。斬っても撃ってもダメージが少なそうだ。

 

「どうする?」

 

アスカに訊かれ、デミウルゴスを召喚してどうにかして貰った。ゾンビ程度では魔神を止められないようだ。そして、賊に追いついた。

 

「おい!女の子を放せよ」

 

「なんだ?テメェらは?ザコは引っ込んでいろよ!」

 

マスター相手なら、アスカとカスミの敵では無い。ほぼ瞬殺でデスペナ送りにしていく。

 

「大丈夫か?」

 

「お願い。お姉ちゃんを助けて!」

 

クエストが発生したのか、メニュー画面がポップアップした。『副団長を救え!』って…

 

「これって、リリアーナのことかな?」

 

「お姉ちゃんを知っているの?」

 

この少女はリリアーナの妹のようだ。助けに行くか…

 

 

上の階へと向かうと、リリアーナの声が聞こえてきた。

 

「お願いです。妹を返して下さい」

 

「この薬を飲め」

 

あれって、アズライトを狂わせた薬か?

 

パン!

 

ポーションの入った瓶を狙撃したアスカ。

 

「そこまでだ。彼女の妹は助けたよ」

 

「お姉ちゃん!」

 

「ミリアーヌ!」

 

「貴様ら!余計なマネをしおって!」

 

よくわからん。速攻で狙撃だな。賊を瞬殺する俺達。そして建物を出ると、メイプル達が待っていた。こちらも瞬殺だったようだ。サリーが真っ青な顔でガクブルしている以外、問題はなさそうである。

 

 

「で、アイツらは誰だ?」

 

「この国を転覆させようとしている不穏分子です」

 

きな臭い世界のようだ。まぁ、プレイヤーも腐っているのが多い。AVシーンを見たいならDVDを借りれば良いのに。まぁ、風俗代わりなのかもしれないが。

 

 

 

---サリー---

 

リリアーナがダンさんに近い。彼女の妹を助けて以来、ダンさんに近い。う~ん…アズライトもそうだけど、二人共スタイルが良く、ボンキュボンである。それに比べると、貧弱なスタイルである私。

 

「ダンさんの好みの女性って?」

 

メイプルがナイスタイミングな質問をした。

 

「好みの女性?う~ん、ストレスが溜まらない女性かな。あれしろ、これしろって言わないというか」

 

指示されることが嫌いなのか?

 

「お兄ちゃんの好みは、スタイルの良いサリーかな?」

 

それは成長待ちってことかな?

 

「私の好みはメイプルだけど」

 

そうかスタイルが良い女性かぁ…アズライト一歩リードかな?

 

「どんなスタイル持ちだって、骨になれば皆同じだよ。区別はつかない」

 

ダンさんの口から極論が飛び出した。それはそうだけど…

 

「今一番興味あるのは、夏向けのケーキだな。どうするかな…」

 

そっち?女性には興味が無いのかな?

 

 

 

---ダン---

 

この世界にはPKランキングという物があるそうだ。なので、決闘都市ギデオンにやってきた。ここの競技場で、決闘という名の公式試合でのPKが出来るそうだ。その上、死んでもなかったことにしてくれるそうなので、思い切り出来るらしい。

 

それとは別にクランランキングというのもあるそうだ。クランメンバーのクリアしてきたクエストのポイントの合計ポイントで順位を付けるそうだ。

 

「この度、ギルド楓の木はクラン楓の木になりました」

 

と、メイプルが宣言をした。クランの本拠地は王都の前にある元森にある。そこに移動式ギルドホームを置いて使っていた。が、決闘都市には平原が無い…

 

「宿屋三昧ですね」

 

「俺は野宿三昧でもいいぞ。超級激突って言う試合を見たら、王都に帰るしなぁ」

 

この国のPKランキングトップと、他国のPKランキングトップが戦うそうだ。それを見れば、この世界の実力が分かるはずである。

 

「で。クランランキングは?」

 

「下の方です」

 

クエストらしいクエストをしていない俺達。さて、どうするかな?

 

「PKランキングはどうですか?」

 

「もちろん、下の方だよ」

 

公式な試合をしていない俺達。当然、ポイントは入らない。

 

「まぁ、来賓扱いだしなぁ。あの戦艦ヤローに、リベンジがしたいだけだよ」

 

見つからない。マスターを見つけ次第、PKしているが、中々強いヤツに出くわさないし。見た目で判断ではダメかな?取り合えず、王都とギデオンを行ったり来たりして、絡んできた相手を片っ端からPKしておく。

 

「どう?調子は?」

 

王都でアズライトと出会った。

 

「どこかで、戦艦ヤローの噂を聞かないか?」

 

「戦艦ヤロー?まさか、破壊王のこと?」

 

アイツは破壊王と呼ばれる、この国の<超級>のようだ。

 

「どこで出会えるんだ?」

 

「あのクマがそうだけど…」

 

広場でポップコーンを売っているクマ…アイツがそうなのか。

 

「ねぇ、私のお願いを聞いてくれる?」

 

一応聞いてあげた。それは一晩かかり、翌日、クマの元を訪れた俺。

 

「何か用かクマ」

 

「俺と戦え!リベンジしてやる!」

 

「お前じゃ無理だクマ」

 

「あんだと~!」

 

「なら、お願いを聞いてくれたら、考えてあげるクマ」

 

お願い?一応訊いてみた。

 

 

超級激突の日、俺達はギデオンでは無くドライフ皇国に来ていた。あの戦艦ヤローと再戦する為の条件をクリアしに来たのだ。それはこの国の皇王である<超級>の排除であった。問題は相手はティアンであることだな。

 

「どうするんですか?」

 

メイプルに訊かれた。プレイヤーがティアンを殺すのは御法度であるが、ティアンがティアンを殺すのは問題は少ないらしい。クマの合図で、メイプル達が騒ぎを起こし、俺がティアンを排除する作戦にした。俺にしか出来無い手である。

 

この日、皇国サイドはギデオンでテロを起こすらしい。クマの情報であるが、アズライトに確認するとあり得ると言われたので、話に乗ってみた。

 

『起きたクマ~』

 

予定通りメイプル達が皇国内で暴れ始めた。俺は皇王の前に現れ、フレイヤを召喚してティアン達を『魅了』させていった。フレイヤの『魅了』は男女問わずに発動し、人間風情では防げないそうだ。俺に敵対する者達が次々と退場していき…

 

「貴様…うっぐぅ…」

 

皇王を討ち取った。魅了したティアン達の手で…

 

作戦を終え、クマの元へと戻った俺達。そこではモンスター達が多数出現し、街を飲み込もうとしていた。

 

「これって、どっちも敵かな?」

 

「街を襲っている方を先に排除ですよ!」

 

メイプルが方針を決め、街を襲っている方に襲い掛かった。

 

 

俺の目の前に、【魔将軍】ローガン・ゴッドハルトと名乗る輩がいる。コイツ、悪魔使いのくせに名前にゴッドが入っている。詐欺師か?

 

「お前みたいな貧弱なマスターが、俺に勝てる訳ないだろ?」

 

ボロボロな道着姿の俺。貧弱そうに見えるのだろうな。魔将軍はたくさんの悪魔を召喚し、俺に襲わせようとするが、悪魔達はピクリとも動かない。俺は魔神にして魔王であるデミウルゴスを既に召喚している。魔王に着くか、魔将軍に着くか、悪魔達は難しい選択を迫られていた。

 

「何をしているんだ?!襲え!」

 

「我がマスターに手を出す?面白い、やってみなさい」

 

デミウルゴスが不敵な笑みを浮かべ、俺は『ホーリークロウ』で、板挟み状態の悪魔達を灰に変えていった。

 

 

 

---サリー---

 

目の前には心を折られ、放心状態になっているリリアーナがいた。彼女が対峙しているのは、科学者とソイツの作った人造モンスターらしい。

 

「君達に、私の作品が倒せるかな?」

 

倒す必要は無い。ダンさんが来るまでの時間稼ぎが出来れば良いのだ。

 

「『捕食者』『滲み出る混沌』『暴虐』」

 

メイプルが悪魔シリーズになり、戦いを挑んだ。

 

「はぁい?悪魔に変身ですか?これは面白い」

 

敵の攻撃は入らないが、メイプルの攻撃も私の攻撃も入らない。これでリリアーナの心は折れたのか?

 

「リリアーナ!ダンさんが来るまで、頑張りなさいよ!」

 

「ダン…さん…」

 

リリアーナの目には涙が…悔しいのだろう。攻撃が一切通らないなんて。

 

「無駄無駄。私はこの国の心を圧し折りたいんだからねぇ。お前らの心も圧し折ってあげるよ」

 

愉快そうに笑う男。

 

『32連打!』

 

聞き慣れた声が響いた。目の前の人造モンスターが四散していく。

 

「何?!」

 

「サリー!その男を仕留めろ!」

 

「了解!メイプル!」

 

「うん!」

 

メイプルとのツーマンセル、負ける気はしない。

 

「頑張ったなぁ、リリアーナ」

 

ダンさんに抱き起こされるリリアーナ。そいつ、全然頑張っていないけど…

 

「ここにあるスイッチを押せば、500体以上の亜龍クラスのモンスターが放たれ…」

 

メイプルと科学者に迫るが、突然何かのスイッチを手にした。なんかマズいことを説明しているが…そのスイッチは説明中に破壊された。そして、スイッチを持っていた男の腕すら貫通している。アスカさんのレールガンでの狙撃のようだ。

 

「なんだとぉ~、貴様ら、何者だ?」

 

計算外だったのか?私達を知らないようだ。

 

「戦艦クマさんをたたきのめし隊だよ」

 

屈託のない笑顔で応じるメイプル。

 

「はぁ?なんだ、それは?破壊王の敵ならば、我々の味方では無いのか?」

 

「チェックメイト!『レベルドレイン』」

 

相手の男のレベルを吸収したダンさん。

 

「はぁ?なんだよ、そのチートな能力は?」

 

「お前の心をへし折ってやるよ、ふふふ」

 

どっちが悪役なんだ?これ…

 

 

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