デスを食らった男   作:もっち~!

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PK天国

---ダン---

 

あのクソ科学者は、ティアンの少女を攫い、モンスター製造工場に立てこもった。次々に出来上がるモンスター達が、排出されていく。

 

「マスターはティアンを殺せないんだよな?」

 

「いや、殺せるクマ。監獄行き覚悟ならクマ~」

 

はぁ?じゃ、人質の少女の命は危ないのか。

 

あの戦艦クマと、モンスター製造工場の前で、モンスターを次々に排除している俺。

 

「あの工場を壊すとダメなんだよな?」

 

工場を壊すと、人質のティアンの少女の命が危ない。う~ん…

 

「先に助けるクマ」

 

助けるて言ってもなぁ…あの科学者に効くかな?ダメ元で『子羊の行進』からの『添い寝』を掛けてみた。あの少女には効かないはずである。少女相手にフレイヤが不埒な真似をする訳がないし。

 

『正解です。マスター』

 

正解らしい。あの科学者が眠りこき始めた。『超加速』で少女の元へと行き、助け出してきた。

 

「本当にチートクマ」

 

戦艦クマには言われたくない。陸上で超武装戦艦なんてチートすぎる。助け出した少女をリリアーナに預け、仕上げに入る。クマは戦艦に、メイプルは機械神に、そして俺は機龍となり、モンスター製造工場を含め、総てのモンスターを消し去っていく。

 

一夜明け、モンスター達のいた場所には、クレーター多数で、ペンペン草さえも生えていない荒れ地が誕生した。

 

「本当にチートクマ」

 

「さぁ~、戦えぇぇぇ~!」

 

「弾薬を補充した後クマ」

 

はぁ?今じゃないのか?

 

「弾薬なければ只の船クマ」

 

約束を果たしたのに…凹む俺。

 

「約束…果たすクマ。しばらく待つクマ」

 

果たしてくれそうだ。

 

 

王都に戻り、リリアーナとアズライトに会った。ギデオンで助けた少女はアズライトの妹だったらしい。

 

「妹を助けてくれたお礼…」

 

王都にある安宿にいる俺達。目の前で一糸纏わぬ姿になる二人…二人に挟まれての添い寝。幸せすぎる。死亡フラグか?デスしたらどうしよう。だけど、気持ちが良い。身も心も蕩けるようだ。リアルでの経験は無いが、これはこれで気持ちが良い…そして、翌朝になるまで、楽しんだ。

 

「どこ行っていたんですか?」

 

翌朝、街でサリー達と会った。

 

「安宿…」

 

「ギルドホームに戻って来ないのは、なんでですか?」

 

「まぁ、色々と…で、今回のクエストはポイントを稼げたのか?」

 

「はい、たっぷりと」

 

メイプルは嬉しそうな顔だが、サリーは怪訝な顔をしている。何を疑っているんだ?

 

「サリー、何を疑っているんだ?」

 

「まさか、娼館通いじゃないですよね?」

 

「娼館ではない」

 

「じゃ、ナンパですか?」

 

「違うよ」

 

「リリアーナですか?アズライトですか?」

 

「…」

 

これが世に言う女の勘ってヤツか?

 

「ふ~ん。興味が無いって言っていて、これですか?」

 

「サリー、どうした?」

 

「なんでも無いわよ!」

 

なんで、怒っているんだ?言い訳を言った方が良いか?

 

「サリー、違うんだよ。助けた少女はアズライトの妹で、お礼をしたいって、リリアーナを通じて言われたんだよ」

 

「ほぉ~、俗に言う3Pですか?」

 

「3Pってなんだ?」

 

たまに、サリーは意味不明ワードを口にする。これが厨二病ってヤツか?

 

「え…いや…それは…」

 

サリーの顔は茹だったようになっていた。

 

 

 

---サリー---

 

迂闊だった。ダンさんは3Pの意味を知らないとは…まぁ、ゲーム内のことと割り切るか。気分を切り替え、ギルドホームでランキングを確認している。

 

「おぉ、急上昇しているわね」

 

イズさんが見つけてくれた。そんな上にいるとは…メンバー別のポイントをチェックすると、ダンさんのポイントが大変なことになっていた。個人ランキングで3位って何?急上昇過ぎるでしょ?

 

「これって、あの皇王の暗殺のポイントが高かったみたいね」

 

あれって、クエストなの?戦艦クマに条件として出されていたって…

 

「王都ではレイ・スターリングってヤツが英雄視されていたけど」

 

カスミとフレデリカが情報収集から戻って来た。

 

「何者?」

 

「リリアーナの彼氏みたい」

 

二股なのか?あの女…清純そうな顔をしていて…負けられない。

 

「ギデオン攻防戦の立役者だって。本当はダンさんなのに…」

 

フレデリカがプンプンしている。まぁ、真実を知る者はそうなるが…

 

「いいんじゃないの?ダンさん、目立つのは嫌いだし」

 

 

 

---ダン----

 

フルアーマーの大男をPKした。防御力無視の上『32連打』で簡単に倒せた。次の獲物を探す俺。数の上ではアスカに負けている。やはり遠距離狙撃って有利なんじゃないか?

 

今、チャイナドレスの女性を締め落とし、全裸にしてガン見している。ティアンとの違いを見つけようと思ったのだが、質感、見た目、感触共に違いは無さそうであり、用済みになった女性の心臓を貫通させてデスペナを与えた。

 

さて、次はどんな獲物かな?

 

「おい!お前!レイレイさんに何をしたんだ?」

 

見るからに凶悪そうな装備をしている男が声を掛けてきた。隣に少女を侍らせている。マスターとエンブリオか?

 

「レイレイさんって?」

 

「お前がイタズラした挙げ句に殺した女性だよ」

 

イタズラ?何の話だ?こういう訳分からんヤツはスルーだな。

 

カッツン!

 

フルカウンターが発動した。攻撃されたようだ。俺よりもレベルが上なのか。

 

「ネメシス、大丈夫か?」

 

エンブリオに攻撃させたのか?少女が吹き飛んでいた。この男、クズだな。

 

「『ウッドオクトパス』」

 

貫通攻撃を一気に8発放つと、相手の男はモザイク状に欠けていった。デスペナ決定だ。

 

「お前、レイに何するのだ?」

 

「やらないと俺がやられる。そういう世界だろ?ここは」

 

男が消滅すると、エンブリオも消滅した。次の相手を探さないとなぁ。

 

 

 

---マリー・アドラー---

 

出版社DINの記者である。あのギデオンでのテロ事件以降、王都とギデオンとを繋ぐ街道でPKが盛んに起きているらしいので張り込みをしていると、【鎧巨人】バルバロイ・バッド・バーンが一撃でデスペナ送りにされていた。PKした男を張っていると、次に【酒池肉林】レイレイが締め落とされ、全裸に剥かれてから心臓を一突きにされているし。なんだコイツ…強い。更にギデオン攻防戦の立役者であるレイ・スターリングまでもが心臓を貫かれてデスペナ送りにされていた。コイツ、何者だ?

 

気配を消して追尾していくと、【破壊王】のクマニイサンに何かを確認している。

 

「まだまだクマ」

 

「いつになるんだ?」

 

「決闘は逃げないクマ。ポップコーンを買って行くクマ」

 

「なぁ、お金はどう稼ぐんだ?俺、無一文なんだけど…」

 

「商売するクマ。後は、モンスターのドロップ品を売るクマ」

 

「あんな大量に倒したのに、ドロップなんてあったか?」

 

「人造モンスターには無いクマ」

 

「なんだと…PKしても儲からないしなぁ」

 

「決闘場で公式戦をするクマ」

 

「あぁ、賞金が出るのか。ちょっと稼いでくるわ」

 

そこで意識が途絶え、ログアウトしていた。この私が街中でPKされたのか?得体の知れないPK集団がいるのだろうか?

 

デスペナ明けにログインをした。DINの支社で情報を探す。新たなPK集団の情報を。だが、無かった。PK集団ではないのか?街を練り歩き、アイツを探すが見つからない。そうだ、ギデオンに向かったのか。公式戦の賞金狙いで…

 

ギデオンに着いてすぐ、PKランキングに目を通した。思った通り変動があった。ランキング4位にダン、5位にメイプル、6位にサリー、7位にアスカと新顔が並んでいた。全員同じクランで『楓の木』と言うらしい。

 

「ダンさん、勝負!」

 

「メイプルじゃ無理だよ。サリーが厄介だな」

 

見つけた。アイツだ。次の瞬間、ログアウトしていた。誰に狙われているんだ?デスペナ明け、レイを訪ねた。

 

「あれ?マリーさん、久しぶりですね」

 

「ちょっとね、色々遭って。で、この前デスペナを喰らっていたよね?」

 

「あぁ、見ていたんですか?アイツ、レイレイさんへイタズラをした挙げ句に殺したんですよ」

 

レイレイがイタズラされるイメージが湧かない。寧ろ、レイレイがイタズラする側の気がするし。接近戦において無敵に近いレイレイはアイツに何をされたのだ?遠くから見ていたのでよく分からなかった。

 

「アイツ、見かけませんか?」

 

「ギデオンにいるのは見たけど」

 

「ギデオンですか。何か、悪さをするつもりか?まさか、皇国の工作員なのか?」

 

「この国のマスターだと思うよ。決闘ランキングの4位にいたから」

 

「4位?そんなに強いのか…」

 

「よぉ、レイ」

 

「あぁ、ビースリー先輩」

 

こいつ、バルバロイか?

 

「あら?マリー・アドラー…アンタも、やられた口でしょ?」

 

「相手に心辺りがあるの?」

 

「あなたの相手は、7位の【スナイパー】アスカよ。私とレイの相手は4位の【チーター】ダン」

 

スナイパーに狙われているのか。なんで?

 

「今、クマニイサンに相談しているの。インする度にデスペナはキツいからね」

 

クマニイサンの知り合いなのか?って、バルバロイもインする度にデスペナを喰らっているのか。

 

「みんな、いるクマ」

 

噂のクマニイサンがやってきた。

 

「アニキ…」

 

「話は着いたクマ。街中はカンベンしてもらったクマ」

 

道の上は狙われるのか…

 

「アイツら、何がしたいの?」

 

「武者修行クマ。強い相手の隙を突く練習クマ。で超級殺しには復讐らしいクマ」

 

復讐?なんかしたっけ?あっ!まさか、あの時の集団か?

 

「しかも、エンブリオはまだ覚醒していないクマ」

 

覚醒していない?それで、ランカー?覚醒したら、更に上に行く可能性は大ね。って、私も和解しないと…

 

「どんな風にチートなんだ?」

 

レイがクマニイサンに訊いた。

 

「ニューワールドオンラインからの来賓クマ」

 

NWO?そう言えば、強く成りすぎたギルドを追放してって…まさか、そのギルドがここに来たのか?

 

「ゲームシステムは同じなのか?」

 

「違うクマ。だから、徐々に修正しているクマ」

 

まだコンバートしきれていないのか?まだ全開で戦っていないのか?おいおい…

 

 

 

---ダン---

 

戦艦クマと和解をした。今度は決闘場で賞金を稼ぎながら戦うと取り決めをした。

 

「まぁ、リリアーナの知り合いならしょうがない」

 

「ありがとう、ダンさん」

 

戦艦クマとの和解の立ち会い人になってくれたリリアーナとアズライト。

 

「しかしなぁ~クマ」

 

「何か?問題でも?」

 

アズライトが戦艦クマを牽制している。どういう関係だ?

 

「じゃ、俺は行くよ」

 

「どこへ行くの?今夜も朝までお願いね」

 

「アルじゃなくて、アズライト様、ズルいですよ」

 

「あら?勿論三人でよ」

 

今夜も眠れないようだ。

 

翌日、アズライトが王都にある迷宮の通行証をくれた。

 

「ありがとう」

 

「もっと強くなってね」

 

「あぁ…」

 

これで、みんなで潜れる。

 

 




次回、リクエストのあったレイVSメイプル(1回目)です(^^;
普通、聖剣士VS大盾使いなら、聖剣士が有利ですけど…
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