デスを食らった男   作:もっち~!

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ライバル

 

---Mr.フランクリン---

 

ギデオンから帰還すると皇国は焼け野原だった。何が起きたのだ?破壊王はギデオンに釘付けだった。こんな真似が出来るマスターは、王国には破壊王以外浮かばない。衝撃的な事実は他にもあった。皇王クラウディア・L・ドライフが討たれたそうだ。ティアンをキルしたヤツは監獄送りであろう。まぁ、それはそれで、心を入れ替えて、更なるモンスター製造をしなければ。あの破壊王と、私の計画を再三に渡ってジャマしたレイ・スターリングにリベンジである。

 

作ったモンスターの強さを見極める為のテスト要員を準備した。あの破壊王と共に、私に挑んできたヤツをだ。

 

「このお金は王国で使えるのか?」

 

丁度金欠だったヤツは金で雇えた。

 

「で、どれと戦えばいんだ?」

 

目の前のバトルバカに新作のモンスター100体を差し出した

 

「さぁ、殺し合え!」

 

「お替わり!」

 

はぁい?今私は、100体出しましたよね?

 

「準備運動にもならないぞ」

 

は…い?もう倒したんですか?どうやって?はぁ、瞬殺ですか。コイツ、思ったよりも強い。敵にするとヤバいヤツだな。

 

「ちょっと、お待ちください」

 

久しぶりの動揺に口調が壊れていく。久しぶりに感じる、殺されるかもしれない恐怖感。中々新鮮であるが、マズいって…こっそり毒薬を盛ってみたが、状態異常無効みたいで、麻酔薬、猛毒も、睡眠薬、媚薬に至るまで、一切効かないようだ。

 

「お前、今攻撃したな。おい!有り金を出せよ!」

 

あぁ、怒らせてしまった。まぁ、今回は非を認めよう。えっ…意識が…

 

 

 

---ユーゴー・レセップス---

 

あの姉が…あの姉が演じるMr.フランクリンが、私の目の前で、泣きながら謝罪をしているが、相手の怒りは収まらず、姉の頭を掴んで脳天に何かを貫通させた。ドット落ちするようにデスペナを受ける姉、Mr.フランクリン…

 

「お前、関係者か?」

 

「あぁ、そうだ。なんで殺したんだ?」

 

「協力者に、猛毒の薬を注射するって、どういうことだ?」

 

あぁ、よくある事だ。姉にとって、約束なんて無いも同然である。

 

「代わりに、お前が約束の物を払え!」

 

契約書を見せて貰った、約束を反故にした場合は3倍の保障額も払うとある。約束した金額の4倍払うのか。研究費を渡せば、払えるかな?

 

「お前、中の人は女性か?」

 

えっ!なんで分かったんだ?アバターは男性である。

 

「動作で分かるんだよ」

 

動作で…相手の男の言葉巧みな話術で、個人情報を話してしまった。なんだろう、この感じは。誘導尋問では無いのだが、つい、話したくなる。彼に興味を持って貰いたい。そんな感じで、私のこと、姉のことを話してしまう。

 

彼も私に、どうしてアレコレ訊いたのかを話してくれた。パティシエである彼は、現在スランプであり、新作のケーキのアイデアが浮かばないそうだ。そこで、私に目をつけたそうだった。

 

「ユーリ・ゴーティエっていうフランスの中学生か。なぁ、フランスではどんなケーキが流行っているんだ?」

 

彼と共にホテルに行き、フランスでのケーキ事情を話している。なんだか楽しいんだけど。このゲームって、戦闘ゲームだったよな?そんなことを忘れるくらい、彼との時間は楽しい。あぁ、なんでアバターを男性にしてしまったのだろうか?スキンシップの障害である。

 

「また、会ってくれますか?実際に会うのは難しいですが」

 

「それは構わないよ。俺は王国のギデオンか王都にいる」

 

「王国に移籍しようかな…同じクランになりたいです」

 

同じクランになれば、もっとお話が出来そうである。

 

「俺はクランマスターでは無いから、マスターに相談してくれ。じゃ、リアルな話を聞けたから、保障額は免除でいい。但し、お前の姉はPKの対象にする。見かけ次第キルすると、伝言を頼む」

 

そう私に告げ、彼は皇国から去って行った。見えなくなるまで、彼の後ろ姿を追っている私…

 

ちなみに姉は、今までのティアン殺しを問われ、監獄送りになったらしい。

 

 

---ダン---

 

王都に戻り、リリアーナを通して、アズライトへ連絡をした。

 

『戦艦クマにリベンジするとき、王都前の荒れ地を貸してくれ』

 

っと。で、直接返事を言いたいとアズライトが訪ねて来て、また三人で宿屋にいる。

 

「1ヶ月前に言ってくれれば、対応します。あのクマの破壊力を考えると、準備は必要ですから」

 

俺の上でリリアーナが唄いながら踊っている。アズライトは、俺に寄り添い、俺の腕に抱きついている。全身を使って…

 

また、朝帰りである。移動式ギルドホームへ戻ると、サリーとメイプルがいた。

 

「また、朝帰りですか?いつもの女二人ですか?」

 

「まぁ、そんな感じだ。それよりも、スイカのケーキってどうだろうか?」

 

「興味あります」

 

メイプルは喰い付いたが…

 

「話題を変えて、ごまかすんですか?」

 

「いや、フランスの中学生と知り合えて、フランスのケーキについて訊いて来たんだよ」

 

スイカってウォーターメロンってことを忘れていた。メロンであるならば、メロンで作るケーキと同じにいけそうである。

 

「また女を増やしたんですか?」

 

「その子、アバターは男性だぞ。さすがに男と添い寝はしない」

 

「それは、あの二人とは添い寝をしているってことですね」

 

「サリーもしたいのか?メイプルも?」

 

「えっ…それは…」

 

「私はダンさんの背中がいいな。だから、サリーは前担当だね」

 

 

 

 

----サリー---

 

「私はダンさんの背中がいいな。だから、サリーは前担当だね」

 

はぁい?前担当って…心臓がバクバク言っている。ダンさんに抱き抱えられて、私とメイプルは、ダンさんの部屋にお持ち帰りされた。いや、心の準備が…まだ…

 

服を着たままであるが、ベッドの上で川の字で寝ている。メイプルとダンさんの寝息と、私の心臓の音が聞こえる。なんで、この状況で安眠出来るんだ、この二人は?興奮して眠れない私。これはゲームなんだと思うのだが、身体と心が受け付けない。マズい、自制心が崩れそうだよ。

 

服という布地を通して感じるダンさんの温もり…なんだろう、この感覚は、アバター上は何も問題無いのだが…もしかしてリアル体の方か…おいおい…急いでログアウトした。

 

 

 

---白峯理沙---

 

ログアウトして直ぐに、異変に気が付いた。替えの下着とパジャマを持ち、お風呂場へ急行した。メイプルは大丈夫なのか?私が意識過剰なのか?私の妄想がいけないのか?ゲーム内でのことなのに、私の身体は何かを体験したかの如くである。リアルでされたら死んじゃうかな。ゲーム内でも、心臓がバクバクである。落ち着け、私!

 

お風呂でリラックスし、乾いた下着を着込み、ゲームへと戻ることにした。

 

 

 

---サリー---

 

ログインすると、私のいたスペースは消えていた。これ、どういうこと?カエデが現れて、私のいたスペースで添い寝をしていた。しまった…虎視眈々と狙っていたよな、コイツも…

 

傷心状態でリビングに行くと、アスカさんがいた。

 

「何をしているんですか」

 

「新作のケーキ…お兄ちゃんがデザインをしてくれたから、実現出来るか、検証中だよ」

 

スイカのケーキって言っていたっけ?

 

「う~ん、難しいけど、やりがいは感じるかな。ウォーターメロンだけに水分過多だよね?」

 

「まぁ、乾燥したスイカは美味しく無いですよね?」

 

「お兄ちゃんのアイデアだと、濃縮したスイカジュースをスポンジ生地に染みこませるんだよ」

 

「水っぽくなりませんか?」

 

「だから、粘度を上げる。シロップ状態とかジュレ状態とか。今週末の昼間は試作だな」

 

それは、行かないとなぁ。

 

 

 

---白峯理沙---

 

週末、開店前のモロボシ洋菓子店へと向かった。

 

「理沙、今日は早いなぁ」

 

正さんがスイカを前にしていた。明日奈さんは材料を抱えて来て、それそれを計量していた。

 

「えぇ、試作作業を見たくて…」

 

正さんが、厨房へ立ち入れる作業服を貸してくれ、厨房へ入る為の注意を教えてくれた。

 

「近くで見ていいよ」

 

「ありがとうございます」

 

おぉ~、特等席状態だ。

 

「どうする、兄さん?」

 

「スイカジュースを煮詰めてゼリー状態にしてくれ。イメージはシベリアだ」

 

「なるほど、シベリアね。了解」

 

シベリア?

 

「でも、シベリアなら羊羹の方が良く無い?」

 

「色がくすむだろ?ういろうにしても、色がなぁ」

 

「タネは?」

 

「粒あんの粒。下段のスポンジは抹茶で」

 

「了解」

 

スポンジ生地を調合して、焼き上げていく明日奈さん。スイカジュースを煮詰めて、甘みを調整する正さん。

二人の作業が共同作業になると、完成は間近である。

 

ホールが出来上がり、切り分けて、試食タイムだ。

 

「う~ん…」

 

唸る正さんが、店長の元へ試作を持っていく。納得できていないようだ。

 

「どう?」

 

明日奈さんに訊かれた。

 

「スイカの味がしておいしいけど…」

 

「けど?水っぽいよね?」

 

抹茶とスイカと小豆、有りだと思う。だけど…

 

「こっちはオーケーが出た。理沙、試食タイムだよ」

 

スイカのジャムが挟まっているショートケーキであった。これって、私が来る前に作ったのかな?純白の生クリームで外側を塗られ、下段は抹茶のスポンジ、中段はジャム、上段はスイカのスポンジであった。

 

「う~ん…美味しいけど…」

 

「そう美味しいけど、なんか違うんだよな。まぁ、もう1つの方が納得出来なければ、これだけを売り出しだよ」

 

生クリームはウェディングケーキを作る際に、研究したそうだ。隠し味に洋酒がちょっと入っているそうだ。

 

「今月はウェディングケーキを幾つ作るんですか?」

 

「1週間に1つが限界だよ。ウチみたいな街のケーキ屋さんレベルだとね。だから、毎回最良な物を心がけているんだ」

 

う~ん、将来ケーキ職人もありかな?

 

 

 

---サリー---

 

ゲームにインをすると、NWOからメッセージが届いていた。イベントのお知らせで、遠征中の『楓の木』には、本戦から出て欲しいとある。本来は予選があるようだ。内容はギルドでの生き残り戦で、ボスクラスのモンスターを倒すと、メダルが貰え、生き残ると、更にメダルが貰えるらしい。

 

「どうします?」

 

メイプルがみんなに訊いた。いや、ダンさんに訊いた。

 

「罠ぽいよな。生き残り戦ってさぁ。こっちでの鍛錬した結果が反映されるなら出る」

 

しばらくすると運営からメッセージが届いたようだ。

 

「反映してくれるみたいだ。出よう。みんなで」

 

「異議のある方はいらっしゃいますか?」

 

誰からも異議は出ない。参加決定のようだ。

 

 

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