デスを食らった男   作:もっち~!

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パーティー戦に向けて

 

第一回イベントが終わった翌日、ログインをした。アバターがデフォの為か、俺はモブとしてそこにいた。メイプルに勝てたのは、運が良かっただけと、納得している。メイプルから聞いた城塞のような防御力。相手の防御力無視で戦える俺だから、勝てたようなもので、逆に言えば、俺はメイプル以外の強敵相手だと、勝て無いと言うことだ。

 

即死系のスキルは確率性が問題である。さて、どうしたものか?

 

毒竜相手に経験値を稼いでいく。周回プレイである。ただ、レベルが上がり、AGIが上がると、攻撃を避けやすくなっていく。そして、レベル25に達した時、新たなスキルを覚えた。

 

【32連打】

一発のパンチで、32連続のパンチが放てる。クールタイムは5分

取得条件:ゲームを開始してから、累計1万発パンチを繰り出す

 

これは便利である。流石に32発放てば、クリティカルも出るだろうし、即死系の一発も出ると思う。なんせ、確率が50%だから。試しに毒竜に叩き込んでみた。一撃で倒れた毒竜。これは使える。試しに森で見つけた赤い大盾の人に放つと、やはり一撃で倒せた。と言っても5発目で当たりが出たようだ。対人戦だと、確率が悪いのか?もしかして、相手は確率変動系の防具持ちがいたりするのか?検証が必要であるな。

 

ゲーム配信から3ヶ月目になると、大型アップデートが行われると告示があった。新階層の実装のようだ。新階層の実装に向けて、装備やアイテムを置いている店を回って、欲しい物の見積もりのメモを取っていく。今は、お金が回復薬でもMP回復薬を買いだめているので、備蓄ゼロである。なので、これから稼ぐ額の総計を出し、節約プレイをしようと言う訳だ。

 

そんな最中、メイプルに呼び出された。釣り竿を持参で、街の南にある地底湖に来て欲しいと…地底湖?そんな場所があったのか。釣り竿を買い、言われた場所へ向かい、メイプルと合流した。

 

魚を釣って欲しいと頼まれた。DEX0だと、釣りの効率が悪いそうだ。メイプルの目当ては、釣り上げた魚のドロップアイテムだと言う。

 

「狙う魚は雪のように白く、硬質な鱗を持つ魚です。群れで行動していて、群れのボスは、水に溶け込むような青色だそうです」

 

試しに釣り糸を湖に投げ込むと直ぐに一匹目が掛かった。釣り上げてみると、水に溶け込む様な蒼い魚だった。

 

「しゅごい…いきなりボスを釣り上げますか?」

 

ボスがドロップしたのは宝箱だった。箱を開けると、装備が入っていた。

 

「あっ、これ、ユニークシリーズですよ」

 

メイプルの説明によると、ユニークシリーズとは、単独で尚且つボスを初回戦闘で撃破し、ダンジョンを攻略した者に贈られる攻略者だけの為の唯一無二の装備だそうだ。いきなりボスを釣り上げたのが良かったのか?一つのダンジョンに一つきりしか出ないレア物で、取得した者はこの装備を譲渡出来ないそうだ。一生物の装備なのか?装備を見ていく。

 

今回の取得条件は、初めての釣りで、あの蒼いボスを釣り上げることのようだ。

 

『蒼き竜騎士のヘッドガード』

【INT +20】

【破壊不可 雷撃無効】

スキルスロット空欄

 

『蒼き竜騎士の鎧』

【VIT +25】

【破壊不可 ブレス無効】

スキルスロット空欄

 

『蒼き竜の爪』

【STR +30】

【破壊不可 呪い無効】

スキルスロット【ホーリークロウ】聖属性攻撃が出来ます。パッシブです。魔属性、闇属性の敵に対して威力は倍になる

 

『蒼き竜の翼』

【VIT +20】

【破壊不可、飛行可能】

スキルスロット空欄

 

『蒼き竜騎士の脚』

【VIT +25】

【破壊不可 AGI+50】

スキルスロット空欄

 

『蒼き竜騎士のブーツ』

【VIT +25】

【破壊不可 地形ハンデ無効】

スキルスロット空欄

 

 

魚なのにドラゴン?これはコ●キングが進化するとドラゴンになるような物か?全般的にお得感があるが、【ホーリークロウ】は、少し厄介である。聖属性の相手には威力が半減しそうである。何よりも、この装備は目立つ気がする。俺ってバレるだろうに。

 

「スゴイですね。かっこいいですよ」

 

装備してみた。目立つ…あっ!副賞でメイプルの希望品が100枚付いて来た。

 

「じゃ、これ、メイプルの取り分な」

 

「ありがとうございます。困った時には、いつでも相談に乗りますから」

 

なんか、メイプルが絡むと良い方向に進むような気がしてきた。街への帰路、メイプルを背負ってダッシュした。力も増え、素早さも増したので、メイプルを背負っても、問題無いレベルで街に着いた。問題があるとすれば、俺の背中でメイプルが、ヨダレを垂らして寝ていたことか?

 

「だって…ダンさんの背中は心地よかったんですよ」

 

って…だが、一番の問題は、漆黒の装備のメイプルと、蒼き装備の俺が並んでいると注目の的で、目立ち過ぎることだな。普段は初期装備にするかな。

 

「今日はありがとうございました。1日で素材が集まりましたよ」

 

大喜びしているメイプル。

 

「なぁ、あれって、麻痺させて、浮いてきた処を網で掬えば、メイプルでも大漁だったんじゃ」

 

「あっ、あぅ…」

 

俺の閃きでメイプルが撃沈してしまった。

 

 

翌日も、メイプルに呼び出された。リア友がゲームを始めたので、紹介してくれると言う。指定された宿へと向かった。

 

宿にはメイプルより歳上に見えるアバター、サリーがいた。

 

「ねぇ、二人共化け物クラスだよ」

 

三人でステイタスの見比べをしていて、サリーが笑って、そういった。

 

「ダンさん、攻略サイトを見ていないんですか?」

 

攻略サイト?そんなのが有るのか?

 

「見ていません…」

 

もっと、効率良くプレイ出来たのかあぁぁぁぁ~!

 

「攻略サイトの掲示板で、二人とも有名人ですよ。要塞メイプル、レールガンのダンってね」

 

俺とメイプルが凹んだ。俺もメイプルも、モブとしてプレイしていたのだった。

 

「モブ?あり得ないでしょ?あのイベントの衝撃的シーン、ネットで拡散していますし」

 

そのシーンとは、俺が3位のメイプルを10位に落としたシーンだそうだ。

 

「鉄壁のメイプルが一撃で即死って、あれって、頂上対決でしょ?」

 

散々弄られた後、サリーのレベル上げに協力をした。盾のメイプル、遊撃の俺が組むと、どんな敵でも行けそうな上、サリーの戦闘能力がすごかった。サリーの回避力がハンパ無い。俺の攻撃が中々当たらないし。いや、当てるのは大人げ無いか。擦っただけで、殺しちゃいそうなステイタスであるものな。

 

「でも、無敵のパーティーになりそうね。回避盾の私、要塞のメイプルがいて、攻撃にレールガンがいるし」

 

俺は、メイプル達のパーティー構想に入っていた。たまにはパーティープレイも良いかな?どうせ、イベントだけだしな。ただ、レールガンと言われるには攻撃レンジがショート過ぎるな。今後の課題か。

 

 

もう、1階層のモンスターを倒しても、レベルが上がらない。狩り場が悪いのか?実装されたばかりの2層目へ向かった。初期装備で…蒼きシリーズは、イベントまで封印だな。目立ち過ぎる。PKがしづらい。

 

メイプル達が2階層に来たのは、イベントの2週間前だった。

 

「ダンさん、一人でアレを超えたの?」

 

階層ボスのことかな??

 

「そうだよ。だから、ここにいるんだ。あぁ、ソロで初戦で勝利だったせいか、またユニーク装備が貰えたよ」

 

二人に俺のステイタスを見せた。新装備セットは、蒼きシリーズの方が上のようなので、しばらくはお蔵入りである。

 

「一段と化け物化が進んでいますね」

 

サリーのコメントは辛口である。

 

「ダンさんは、ステイタス外の強さが怖いですよ」

 

【蜂の一刺し】のことだろうか?まぁ、STRが1でも結果は同じだしな。問題は防御だな。フルカウンターが発動した敵は、危険だってことだし。特にロングレンジ攻撃持ちの敵は課題である。

 

「防御に不安があるけど、盾役が2枚いるから、問題は少ないか?」

 

「ですね。私達は、ダンさんの攻撃力に賭けてますから」

 

「しかし、死ぬ度にステイタスが増えるのは脅威ですよね」

 

確かに。何度も死んだおかげで、ここまでのステイタスになっている。

 

 

翌日、メンテナンスだった。ログイン出来無いのか…パーティーとしての連携の練習しようとしていたのに。しかし、そのメンテナンスは、寝耳に水の結果をまき散らすことになった。

 

翌日、メンテ明けでログインすると、メイプルの口から恨み節が湧き出てきた。

 

「ダンさん聞いて下さい。防御力貫通攻撃スキルの実装…私の優位性が失われた感じです」

 

これは、運営による、化け物退治だろうか?スキルの修正…メイプルの【悪食】に回数制限が付いた。出る杭は打たれるのだ。

 

「で、ダンさんのスキルは制限無しですか?」

 

「俺のは確率で発動だからじゃないの?毎回発動する訳でも無いし、32連打はクールタイムがあるし」

 

それに対し、メイプルの方は、今まで無制限だったからなぁ~。

 

努力もした。俺は運営の目に目立たないように、プレイしてきた。こうなることは良くあることだ。それに、俺のスキルは制限付きの物ばかりである。無制限な物は、極力使わないようにしているし。もしかしたら、メイプルキラーとして、運営は俺をキープしたいのかもしれない。

 

 

「まぁ、貫通攻撃だけが問題だな。喰らえば、俺は勿論、メイプルも危ないし」

 

「このゲーム、プレイヤースキルが有効なのは、ラッキーだよ」

 

と、サリーはニヤリと笑った。プレイヤースキルとは、プレイヤーがリアルで持っているスキルのことである。例えば、リアルで柔道を習っていた場合、ゲーム内でも柔道の技が使えたり、シューティングゲームが得意ならば、回避力があったりだな。

 

「ダンさんは、どんなプレイヤースキルをお持ちなんですか?」

 

メイプルに訊かれた。

 

「俺は、柔道、空手、剣道だな。だから、使おうと思えば、剣や刀も使えるのだが、爪装備時には、刀剣類は握れなかった」

 

実験済みである。だが、PKで柔道の極め技で、相手を殺すことが出来た。

 

「う~ん…私は何も出来ないなぁ」

 

凹むメイプル。

 

「足り無い部分は、皆で補えば良いだろ?それがパーティープレイだと思う」

 

「ですね」

 

俺の意見にサリーが同意してくれた。それからの1週間は、仲間の足り無い処を補う連携プレイを確認し、残りの1週間は、おのおのスキル探しに出た。

 

 

翌日から、俺は、ある人物をPKで狙い続けた。炎の魔法を駆使する女である。俺よりもレベルが上な為、フルカウンターが起動するが、相手にダメージが入らない。勿論、フルカウンターが起動しない場合、俺は瀕死状態に陥る。何よりも厄介なのは、相手の攻撃がロングレンジであることだ。懐に入りきる前に、全身火だるまになってしまう。どうすれば、勝てるんだ?

 

蒼きシリーズを装備すれば、勝てるかもしれないが、あれはイベント専用である。俺がそう決めた。普段から、アレを装備していると、目立ってしまうし。

 

もう1つ厄介なのは、相手がトドメを刺してくれないことだ。俺の特性に気づかれたのか?瀕死状態では、パラメーターが上がらないのに…だが、新スキルは習得出来た。

 

【爆炎の守護者】

爆発系、炎系の攻撃を無効にできるパッシブスキルである。

取得条件:爆発系、炎系の攻撃で瀕死状態を100回経験する

 

俺は100回も瀕死状態にされたのか?まぁ、これでPKを完遂できるな。

 

 

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