04/27 修正加えました
---レン---
スペシャル・スクワッド・ジャムが行われるらしい。何がスペシャルかと言うと、違うゲームの最強最悪と呼ばれるギルドを招いたそうだ。
「う~む、思い当たるギルドは1つだけじゃな」
相棒であるフカ次郎が教えてくれるようだ。中の人は地元である北海道の親友であり、GGOの他、ALOもプレイしているゲーマーである。
「フカ、それって何のゲームのギルド?」
ゲーム名で戦い方が分かるかもしれない。
「NWOの楓の木じゃ」
えっ…運営の予想を斜め上に行く強さで、追放された噂があるギルドか…実際には追放では無く、彼らのレベルにあったゲームへの遠征らしいが、銃の世界で戦えるのか?NWOってファンタジー要素のゲームだよね?魔法と剣のVR-MMOだった気がする。
「現在、デンドロに遠征中のようじゃが、既にランカーが数名いるそうじゃ。適応力も最強レベルなのじゃろう」
銃弾で鎧を撃ち抜けば良いはずだ。最悪な場合は頭部を砕けば良い。
「なら、いけそうだね」
「どうだろうな。実際問題…銃が効くか、そこか問題だよ」
へ?銃が効くか?普通に考えて、ファンタジー世界の鎧は銃で貫通じゃないのか?
「そんなに鎧が固いの?」
「ギルドリーダーのVIT値は素で20000を越えているそうだよ。GGO換算だとグレネードで倒せるかどうかのレベルなんだよ」
グレネードランチャーで倒せないの?装備無しの状態で…バケモノか?
「付いた二つ名が【歩く要塞】とか【空飛ぶ要塞】だと」
飛ぶ?飛べるの?はぁ~?浮遊魔法かな?
「まぁ、ファンタジーな世界だからだよね?」
「他にも【姿無き狙撃手】、【情け容赦無きテロリスト】なんかがいるそうじゃ…ピトフーイとエムのコンビでもキツいかもな」
なんか、ヤバい相手のようだ。
◇
イベント当日…いつもよりも異様な雰囲気に包まれている参戦者の待合所。まだ見ぬ強敵に対し、スクワッドと呼ばれる分隊ごとに作戦会議をしている。今回の目的の1つは、スペシャルゲスト集団の殲滅で、その後、生き残り戦をするようだ。それはGGOの全プレイヤーVS楓の木という構図になる。イベントとして成り立つのか?たった1つのギルドの殲滅程度で…
イベントが開始され、スクワッドごとにマップに転移されていく。地形なんかは出たとこ勝負である。私達が出たのは岩山の頂上であった。ラッキーである。狙撃するには最適な場所だ。私達のチームの狙撃手二名が狙撃態勢の準備に入った。ピトさんとエムさんのコンビである。私の銃は短距離用で、フカのランチャーは中距離用であるので狙撃には向かず、周囲の警戒をする。
突然地面が揺れ、遠くで火柱が上がっている。魔法攻撃か?
バシャ!
近くで何かをぶちまけた音がした。音源の方を向くと、エムさんの頭部が砕け散っていた。岩山の頂上を狙撃って?どこから?周囲にはここより高い山は無い。
「いた!レン!上だよ!うえぇぇぇぇ~!」
フカの叫び声で上を見上げると、上空に何かが浮かんでいて、たまに光点を周囲へ撃ち出している。ウソっ!上空からの狙撃…フカがプラズマ光弾を上空へ撃ち出した。すると何かが飛び出し、浮遊していた物が消えた。飛び降りたのか?
「プラズマランチャーがあるのか」
聞いたことの無い男性の声。振り返ると、ピトさんの生首を手にした男性が立っていた。
「はい、プレゼント」
ピトさんの生首を放り投げてきた。思わず手が引っ込み、ピトさんの生首は岩山を駆け下りていった。
「君達、いいねぇ。メイプルと良いトリオになりそうだ。俺達のギルドに来ないか?」
フカと共に銃を連射していく。彼の目の前に黒い鎧の少女が二人現れ、マシンガンの弾を弾き、グレネードランチャーの弾は撃ち出した瞬間に爆発していく。狙撃されているの?どこから?
「弾切れかな?アスカ、ここから狙撃してくれ。カエデはアスカの盾、アリスはこの二人のコンバートを頼む」
頷く三名の少女達…コンバートって何?
「あの…クラン<楓の木>のマスターのメイプルです。毒と防御が得意です。あ…の…仲間になってもらいましゅ…あっ、噛んだ」
黒い鎧の少女は真っ赤な顔で俯いてしまった。
「すまない。コイツ、あがり症なもので」
デフォルト顔の男性…
「お前は何者だ?」
フカが訊いてくれた。しかし、返答は無く、
「マスター、コンバート成功です。フカ次郎、レンともにデンドロのクラン<楓の木>のメンバーになりました」
デンドロのゲームにコンバートされたの?どうやって?
「俺はダンだ。クラン<楓の木>のメンバーで役職は無い。得意なのは、狙撃と飛行かな?。向こうにいる狙撃手はアスカだ。射程距離は10キロだから、まず逃げられない」
射程距離が10キロ?手にしているのは短銃なのに…うん?あの短銃から光弾が撃ち出されている。あれって…
「あれは手持ちのレールガンだ。最近じゃ、撃ち出した弾がホーミングするらしい」
追従するって、逃げられないのか。
「二人の情報が分かりました。ピンクの子はレン、本名が小比類巻 香蓮、二つ名は【ピンクの悪魔】で東京の大学に通い、もう一人はフカ次郎、本名が篠原 美優、二つ名は無く、北海道の大学に通っています」
黄金の鎧の少女は何者だ?私達の本名や通っている大学までがバレている。ヘタを踏むと、リアルで痛い目に遭いそうだ。
「あぁ、彼女はアリス・セカンド。俺のエンブリオ、相棒だよ」
エンブリオ?使い魔か?まさか、システム潜入タイプか?
「ダンさん、残り1時間ですよ」
「じゃ、最後に暴れるか?」
「いいですね」
『機龍』
『ジャガーノートドライブ』
二人の姿がメカゴ●ラとメカキングギ●ラになっていく。なんだ、この二人の能力は…地面が紫色に染まっていく。ツーンとする臭い…毒の海…そういえば、さっき、毒が得意って…
---サリー---
アリスのチートさは最強レベルであった。GGOで見つけたメイプルと似た感じのプレイヤー2名を、デンドロにコンバートさせたとか。
「ダンさん、いいの?」
「運営が何も言わないし、言われたら返却するみたいだし」
まぁ、運営から何もクレームは無いからいいのか?そもそも、運営が納得していなかったら、コンバートは出来無いものね。それに、二人の得物である銃に無限カートリッジがプレゼントされた。運営が認めた証か?
「ダンさん、責任を取って手取り足取りこの世界のことを教えて下さいね」
レンは真面目な性格でダンさんを質問責めし、相棒のフカは既に楓の木に溶け込み、みんなとマッタリとしていた。
「あれ?クランのポイントが増えているわよ」
イズさんが声を上げた。本当だ。これって、遠征分のポイントか…他のゲームのイベントなのに、変なシステムである。遠征の結果は、GGOの全プレイヤーを殲滅させてしまった。猛毒耐性がなかったせいで、ヒドラの毒から逃げられなかったようだ。
「あれ?ふ~ん。NWOの運営からメッセージで、ペインさん達のギルドが1週間くらい遠征に来るらしいよ」
メイプルが声を上げた。きっと、ペイン達上層部は王都に足を踏み入れることは無いだろうな。アスカさんが狙撃するに決まっている。
『なんでペイン、ドラグ、ドレッドがいるんだ?思わず狙撃したけど』
と、アスカさんからメッセージが届いた。メイプルが事情を返信しているようだ。きっとNWOは加速中で3時間イベントかもしれない。ペイン達は終わったな。ここのデスペナはリアルで24時間だし…
---小比類巻 香蓮---
少し遠出をして、有名なカフェに来たのだが…どこかで見たような少女達がいた。あれって、メイプルとサリーだよな。アバターにソックリだし。ここは、モロボシ洋菓子店の喫茶ブースである。結構高級路線のカフェで、世界的にも有名なお店として雑誌で紹介されていた。あの世界的歌姫であるレイチェル・レイミューズが来日の際に足繁く通う店だと言う。そのレイチェルと同じテーブルにいるメイプルとサリー。どういう関係だ?
「ねぇダン。今日は1日オフなの。責任取ってお持ち帰りされなさい」
レイチェルがトンでも無いことを言っている。少年をお持ち帰りしようとしていた。少年は白衣を着ており、厨房のバイトのようだけど。
「はぁ?責任取るのはお前だ!俺の初めてを返せ!将来、心を寄せる女性に捧げる物だろうに!」
はぁ?あの少年の初めてを食べたのか?
「わかったわ。じゃ、責任を取って私と結婚してくださいね。私の稼ぎで、二人でマッタリしましょうよ」
「何を言っているんだ、お前。ゲーム同様、脳ミソが溶けたのか?」
ゲーム同様?まさか、あの少年もレイチェルも、楓の木の関係者か?楓の木のメンバーの顔を思い出す。レイチェルは、レイレイに似ている。そう言えばレイレイの能力って、敵の皮以外の部分をドロドロに溶かすんだったわね。彼の言動に一致する。
「脳ミソは溶けないけど、身も心もダンに蕩けているわよ」
ダン…あのデフォルト顔かぁ!あいつ、私よりも歳下だったのか…
「ねぇ、あなた、レンちゃんだよね?」
突然、耳元で囁かれた。
「えっ!」
ガタン!
油断していた私は思わす席を立ち、大きな音を立ててしまった。
「レン?あの?へぇ~、こんな素敵な女性だったのか。レイレイも見ているだけなら素敵だったのにな~」
素敵?初めて男性にそんなことを言われた。背が高いだけの女なのに。
「兄さん、自覚して、自重してね。また胸キュンさせたよ」
兄さん?じゃ、彼女がアスカなのか?
「じゃ、ダンの好みは?」
ちらっとサリーを見て、
「話すならサリーが一番だな」
「一緒に寝るなら?」
「アズライトかな…現実には無理だけどな」
アズライトって、王女付きのティアンだっけ??
「兄さん、アリスは?」
「妹枠かな」
ティアンが相手じゃ嫉妬は…あれ?なんで嫉妬しているんだ、私…
---白峯理沙---
また、ライバルが増えたようだ。レイレイさんは月平均3日くらいしか通えないので論外であるが、レンは要注意だな。まさか、正さんの初めてをレイレイさんがゲットしていたとは…ドンだけ好きなんだ?ゲーム内でもリアルでも…って、正さんって、リアルでも『魅了』が使えるのか?そんな疑問が浮かぶ今日の明日奈さんの発言であった。
明日奈さんに相談すると、
「兄さんは、ケーキとバトルしか興味が無いよ、今はね。理沙ちゃんは理沙ちゃんであることが重要だからね。成長待ちなんだろうな」
と、期待を持たせくれるのだが、果たしてそうなのか?
レイレイさんやレンのようなスタイルになる自信がまるで無い。う~ん、困ったなぁ。勉強は努力すればどうにかなるけど、胸の大きさとか形は遺伝だよなぁ~。
---サリー---
う~ん…カスミがAGIとDEFを大幅に強化する防具を手に入れた。出所はダンさんからガチャの賞品をプレゼントされたとか。これ、運営の罠じゃ無いのか?
「どうかな?」
顔が真っ赤である。あの呪われたビキニの方が着やすいかもしれない。黒のレオタードなのだが、身体の凹凸が丸見えのボディコン仕様であった。エロオヤジ化が進むクロムさんが、先ほどからガン見するレベルである。
「ダン…どう思う?」
「二度見するくらい似合っているかな…効果は抜群だし、有りじゃないかな」
「そうか…やはり…でもなぁ…」
悩むよな。くノ一仕様なのか、腕と脚は網タイツだし…男性視線だとアリだろうな。でも…
「ダンさぁぁぁぁ~ん!クマさんに勝ったよぉぉぉぉぉ~!」
笑顔のメイプルが帰って来た。まさか戦艦クマに勝ったのか?響めく室内。
「何だと?アイツに勝ったのか?」
「うん。次はダンさんだよ。勝負して!」
「う~ん…クマはデスペナか?」
「うん、そうだよ」
凄く嬉しそうなメイプル。複雑な表情のダンさん。みんなで決闘場代わりの荒れ地へと向かった。そこは風景が一変していた。あったはずの山々が無くなっていたのだ。山があった部分から山向こうの砂漠にミゾが掘られているのが分かる。メイプル…あんた、何をやったんだ?
「相当な威力だな…」
「一撃で戦艦をデスペナですよ」
そして、メイプルとダンさんの勝負が始まった。結論だけ言おう。いつものワンパターンな決着である。機械神になり主砲の溜め時間に『ウッドオクトパス』で狙撃されて、デスペナを受けたメイプル。AGIを強化しない限り、メイプルに勝ちは来ないかもしれない。
本拠地に戻り、カエデを使ってメイプルが手に入れた新スキルを調べた私達。
『はどう砲』
エネルギー充填を120%することで使用できる機械神の必殺技級の主砲。
これって、宇宙戦艦ヤ●トの主砲か?なんて装備を手に入れたんだ?
「これは、喰らったらダメなヤツだけど、溜め時間が長い分対処は簡単だな」
ダンさんがほぉっとしたと同時に、凹んでいた。先にクマさんを倒されたことにショックを受けたのか?
「くそっ!あのクマ公、俺との勝負を避けているくせに…」
それは既に、クマさんより強いって認められているのでは無いだろうか?態々デスペナ覚悟で決闘はしないし、負け戦だと弾薬が勿体ないし。
次回は閃光の●●●が登場…(^^;