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--ダン---
朝、目覚めると、死霊術師姿の聖騎士がいた。なんで、コイツなんだ?もっと、他にもいただろうに…ブツブツ
「で、ここはどこなんだ?」
「ここか?死んだら来られる転生の世界だ」
「はぁ?俺って、死んだっけ?」
死んだ自覚の無いレイ・スターリング。まだ、クマ兄さんの方が役立つと思うんだが…なんで、コイツを転生させたんだ?
「そうだ!お隣さんにシチューを貰って、それを食べていたんだ。イベント前で、小腹を空いていたし」
イベント?
「なぁ、お前、アズライトが暗殺されたのを知っているか?」
「いや、知らない。って、ティアンでも死んだら転生するのか…」
アズライトを見て、驚いている死霊術師姿の聖騎士。メイプルよりも、コイツに呼ばれた方がシックリするのだが…
「お前、相棒は?」
「相棒?そう言えば、ネメシスがいない…うそっ!ここってゲームの世界じゃ…」
「無いって、言っているだろう」
現実に気づいたレイが、落ち込み俯いて固まったようだ。まぁ、放っておくか。転生の神様、もっと人選を考えて欲しい。あっ!そうか…ネメシスがいない世界ってことは、クマ兄さんは軍艦が無いってことになるのか。それはそれで戦力外だな。まぁ、畑仕事の戦力にはなるだろうけど。
「今日はどうしますか?」
アズライトが訊いて来た。
「ユウキとアズライトは、リザには槍、ポチには剣と盾、タマには短刀の二刀流の鍛錬を頼む。カタリナは、畑の位置取りを頼む。メイプルはカタリナのガード、俺とアリスとアリサは、飼育小屋の設計、建築で、ルルはホムンクルス達と家事を頼む」
って、何で俺が指示を出しているんだ?このクランのリーダーはメイプルだろうに…やはり、頭脳労働、指揮者にサリーが必要だな。だけど、アイツには長生きして欲しい。ジレンマだよ、まったく…
アリスとアリサと三人で、コア部屋に向かい、ダンジョンに飼育部屋を増設していく。
「お風呂とか洗い物の汚水はどうする?ミミズだとダメでしょ?」
アリサがいいポイントに気づいた。そうだな。ミミズじゃ無理だ。水分過多な環境は好まないし。
「アリス、ナマコと貝類のいるダンジョンはあるか?」
「所有しております迷宮都市のダンジョンに、該当する生物がおります」
そこも所有者は俺なのか…
「じゃ、そこへ行こう。スポーン速度を早めて、存在過多になった分を、ここに転送させよう」
◇
迷宮都市のダンジョン…色々なモンスターがいるようだが、深層はコア部屋の制御を受け付けない。なんでだ?
「深層は制御出来無いのか?」
「ここの深層はダンジョンでは無いようです。何者かが住み着いて、ダンジョンに飲み込まれるのを防いでいるようです」
それは所有者に無断で住んでいるってことか。家賃を取りにいかないとダメだな。
「深層へ転移は出来るか?」
「ダンジョンでは無いので無理です。中層エリアまでは転移で行けそうです」
って、ことで中層へ転移した。階層ごとに、生物が変わるダンジョンのようだ。今居る階層は亜熱帯ゾーンで、果物が取り放題である。モンスターはオオトカゲ、猿、イグアナ、でっかい鳥など、食えそうにない生物であるが。あっ!植物系のモンスターもいるのか。タマ改めハチと名前を変えたフェンリルが陸上のモンスターを狩り、空のモンスターはアナが狩ってくれている。
「ご主人様の使い魔って、万能なんですね」
アリサは、人化したコンコンと戯れている。あのモフモフ感は癒やされるよな。カエデは黙々と果物をゲットしている。いや、試食して旨かったのをゲットしているようだ。こうして見ると、俺の使い魔達は自由人が多いなぁ~。召喚しなくても、楽しそうとか活躍出来そうだと、自ら出てきちゃうし。
他の階層にも行ってみた。海洋エリアがあった。ダンジョンに海があるとは…でっかいイカ、タコ、カニ…これって、鍛錬しながら、食材が手に入るのか。明日から、ここで狩りをするかな。カニが結構、強敵である。関節の内側しか斬れない。あっ!カエデのシールドバッシュで甲羅が潰れたぁぁぁぁ~!かに味噌が漏れていく…
◇
住処に戻って、手に入れた果物でフルーツポンチを作ってみた。
「美味しい…」
舌が肥えたカタリナがウットリとしている。
「サイダーが無いのが痛いな。炭酸水はあるけど、旨く無いし」
炭酸水は割と簡単に再現出来た。苦みもなく無味であるが。サイダーを作るには香料が無い。フレッシュジュースの炭酸割で作ってみたが、サイダーかラムネは欲しいなぁ。材料が無いと料理のレパートリーが増えないなぁ。現状、料理の出来るメンバーはルルとリザと俺だけだし。料理の出来るヤツが欲しいが、死なないと来られない場所である為、なるべく知り合いには来ては欲しく無い。困ったなぁ~。