デスを食らった男   作:もっち~!

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王都奪還

 

---ダン---

 

今朝の目覚めは、少女の嗚咽が原因だった。ついにコイツが来たのか…

 

「ダンしゃん…さみしかったよ~。メイプルもいないし…うぇぇぇぇ~ん」

 

全裸で載っかって号泣しないで欲しい。彼女の涙やら鼻水やらが全部、俺の顔面に降り注いでいる。これは何の罰ゲームだ?

 

泣き止んでも未だ愚図っているミィをマリアに託し、お風呂場へ連れて行ってもらった。ミィの死因は不明らしい。メイプルを見かけて追い掛けたら、ここにいたと言う。そのことをメイプルに訊くと、

 

「だって、寂しそうだったんだよ。一人で部屋に閉じこもって、泣いているだけだし」

 

って、ドヤ顔で説明してくれた。お前、死因不明で連れてきて、その褒めてって顔は止めてくれ~!今朝もメイプルはメイプルだった。

 

朝食の折、定例のアズライトからの本日の予定を訊かれた。そろそろ、人材を揃えないとダメだな。

 

「そろそろアリサ、ルルの国の奪還作戦の準備をしようと思う。奪還後の人選ができ次第、奪い返す」

 

戦力は過多である。敵情視察をミトのチート能力でしてきたのだが、相手の城は簡単に破壊出来そうだ。

 

この世界、飛行機が無いので防空兵器は無いに等しい。飛行部隊はドラゴンナイトとかドラゴンライダーとかいるらしいが、うちの飛行部隊の前では紙飛行機程度である。

 

どういう原理で飛んでいるのかわからないが飛行騎馬のレイとアリス、もっと分からない移動式ギルドホーム、最早落とすだけで核兵器並の威力のメイプルとカエデ、そこに機龍の俺と軍艦クマだ。これを戦力過多と言わずになんと言うのか。

 

飛行部隊なぞ使わないで、ヒドラX2でも詰むのだが、これを実行すると奪った土地が農地に転用出来なくなりそうだ。因みに、猛毒の海でも問題無いのは俺とメイプル、カエデの他にレイレイがいたりする。それに、この作戦の場合、侵攻速度がやたら遅いのがネックである。一体、国境から城まで何ヶ月掛かるんだってレベルの遅さである。

 

「国名はクボォーク王国にする。奪い取るヨウォーク王国は併合し農地化の上で植民地とする。で、トップはアリサになって貰う」

 

「え…私は無理…だって、私のせいで戦争に…」

 

アリサに寄る農地改革が戦争の原因になったらしい。いや、戦争の原因にされたと言うのが本当のところのようだ。チート二人組の潜入捜査能力は凄い。ダミーを含むダンジョンコア部屋以外であれば、どこでも出入り自由だという。

 

「調査の結果、エルゥス・クボォークが奴隷に堕とされ、生存している。コイツを。いずれ王にする手もあるぞ。まぁ政務なんかを叩き込まないとダメだけど…」

 

「エルゥス兄様が生きているの?」

 

「あぁ…取り敢えず、アリサが王女としてトップになってもらう。その後農地改革大臣にする。政務のアシストはアズライト、農政のアシストはクラリスが行う。財政に関しては、キースとサリーに任せた」

 

丸投げな俺。俺は国作りには興味は無い。醤油、みりん、味噌の製造に興味を奪われているし。

 

「ねぇ、ご主人様がトップになれば?」

 

「俺は調味料の開発で忙しい。そういうのは、適材適所が良い」

 

面倒事は持ち込みたくない俺。あくまで、丸投げが最適だと思う。

 

「貴族出身者も多いから、貴族法とかを制定しておくといいかもな。尚、軍備はクラン<楓の木>が取り仕切る」

 

ガッツポーズをしているメイプル。いや、お前には任せない。メイプルは実働部隊が適材適所である。

 

軍人のいない国ってありだよな。俺達の生きた国も軍人と呼べる軍隊は無かったし。だから、あんなゲームが流行ったのかもしれない。

 

「あぁ、レイは回復魔法とかをセーラに習っておけよ。聖騎士だと言い張るなら、それくらいマスターしておけよ」

 

死霊術師姿の聖騎士に通告をしておく。死霊術師姿のヤツに回復をさせる怪我人がいるかは、別問題である。だけど、ミザリーがいない今、回復術師は用意出来るなら用意しておきたい。不足な事態を先読みして、対処をしておくのは必然だと思う。

 

 

現在の旧クボォーク王国は、王都にある生贄迷宮というダンジョンを解放し、ヨウォーク王国が運営、営業している。アリスと俺とミトで、ダンジョンコア部屋に行き、既に名義変更をして来てある。生け贄って…アリスの家族達を生け贄にして、その魂を使い、死んでいたダンジョンコアの蘇生をしたようだ。なので、ダミーコアと入れ替えて、アリサ達の家族の魂は確保済みで、国土の奪還が成功したら、アリサ達の前で成仏させてあげたい。

 

 

「このダンジョンの敵を殲滅していいの?」

 

今日はダンジョンの大掃除である。クラン<楓の木>のメンバーが出陣した。

 

「いいか?ダンジョンを壊すなよ。ただでさえ、ボロボロなんだから。今回のことが終わったら、再起動させる予定だ」

 

心配は一点だけだ。俺を含め、ダンジョン破壊が得意なヤツが多い。俺、メイプル、カエデ、クマ兄さん、レイ、ミィなど…技の威力が閉鎖空間に適していないのだ

 

「後、毒の使用も気を付けろよ。味方を誤爆とか、味方の進路を塞ぐなよ」

 

これは、レイとメイプルである。カエデは俺の許可を取ってから使うが、あの二人は…何度カニ味噌をダメにしたことやら…

 

「あぁ、ミイラ部屋とコア部屋はスルーしてくれ。散会!」

 

嬉しそうに走り出すメイプル。大丈夫か、アイツ…

 

 

準備の整った或る日の夜…ヨウォーク王国の王城の上空に来た俺達。まったく警戒されていない。お城では、生贄迷宮を奪い返す為に、部隊が編成されている。ダンジョンを運営していた職員達を逃がしたので、報告が上がっているはずだ。旧クボォーク王国の生き残りに奪われたと…

 

城の正門前にはクマ兄さんがスタンバっている。ハンガーでは落下準備をしているメイプル、カエデ、降下準備をしているアリス、レイがおり、その脇ではアスカ、シノン、レンが機銃掃射の準備をしていた。

 

城内にはチーターであるサトゥーとミトが潜入しており、決起集会の終了のタイミングを知らせてくれることになっていた。退路となる裏門には、剣士であるサリー、アスナ、ユウキ、アズライト、リーングランデらが待ち受けている。

 

『進軍を開始するぞ。離脱する』

 

念話でサトゥー達の離脱を知ると、まず、装備品、金目の物を総て『強奪』してから、開幕弾であるミィの『炎帝』からの『爆裂』が撃ち込まれた。城の中心部から火柱が上がり、メイプル、カエデが落下していく。それを追うようにレイ、アリスが続き、城壁、城郭、城門を機銃掃射で破壊していく。

 

城から兵は一人も出て来ない。城から王族がまだ逃げ出して来ない。城を取り囲む障害物が無くなった後、二匹のヒドラが城を紫城に変えて行く。

 

その後、メイプルとカエデは機械神となり、所定の位置へと向かい、俺も機龍となり所定の位置へと向かった。正門前にはクマ兄さんが戦艦を携えている。これから四方向からの爆撃を始める。他国がクボォーク王国に手を出さないように、徹底的に粉砕をし、新生クボォーク王国の戦力を見せつけておく。

 

 

翌朝…朝焼けが見えるクボォーク王国、生贄迷宮の入り口。兄と妹が涙の再会をしている。ルルは二人の姿を涙ぐんで見つめていた。ルルはアリサの姉であるが、ルルの母親は平民であり、ルルは王族の一員では無い。姉であるが王族では無い為、一歩引いた位置にいるのだ。

 

「姉さん…一緒に行きましょう」

 

「ルル…行こう。お父様の元へ…」

 

「えぇ…」

 

王族では無いが、父親は一緒である。ルルは王族では無い為、二人の後ろに付こうとするが、アリサ達がそれを許さない。きっと、この王族達はルルも家族だと思ってくれていたんだろう。

 

「姉なんだから、先に行きなさいよね」

 

妹のクセにえらそうなアリサ。

 

「いいの?」

 

「いいんですよ、姉さん」

 

エルゥス・クボォークもルルを姉だと立てている。向かう先は、ミイラ部屋である。ここには生け贄になった王族達の身体がミイラとして保存されていた。いや、ダンジョンコアの儀式の為に使われていたと言うのが正しいか。魂が閉じ込められているダンジョンコアを部屋の中心に描かれている魔方陣に置き、『ウッドオクトパス』で粉砕狙撃した。コアからあふれ出る魂達。このダンジョンは既にダミーコアがダンジョンコアの役目を果たしている為、魂はコアに捕らわれることなく、部屋の中を漂っている。その中で一番大きな魂が、三人の元を訪れ、周囲を周回している。ゆっくりと、じっくりと見つめるように…

 

「セーラ、レイ、準備をしてくれ」

 

二人には、この部屋に漂う魂の鎮魂、浄化、昇華をしてもらう。ミザリーが居れば、完璧なのだが、まだアチラの世界で生きているミザリー。無理に呼び寄せないでもいい。死霊術師姿の聖騎士が聖属性の儀式を行うのには抵抗はあるが、レイのジョブは確かに聖騎士をマスターしている。

 

剣士組たちは、それぞれの剣を抜き、天井へ剣先を向けた。聖属性者達の詠唱が始まった。

 

 

総てをやり終え、地上へ出ると、ゼナ達が待っていた。

 

「シガ王国は、クボォーク王国の復興を支援すると、各国に声明を出しました」

 

大国の支援…それはクボォーク王国が奪還され、生き返った証拠である。とは言え、クボォーク王国の王都はガレキの山である。ヨウォーク王国は、生贄迷宮以外の街を殲滅していた。そして、クボォーク王国の国民を使い、非人道的な実験を繰り返していた。ドラゴンの因子を埋め込み龍人化させられ、それら魔物化した人間で作ったキメラなど。迷宮内に解き放たれていた。それら総てを俺達は灰にしていった。

 

「国はあるけど…国民がいない…」

 

アリサが呆然としていた。奪還を成功させ、現実を見て仕舞ったようだ。

 

「アリサ…俺達と同じで奴隷として生きている者達がいるはずだ。ダン様…お願いです。奴隷化した国民を助けて貰えますか?」

 

アリサの兄に頼まれた。

 

「時間は掛かるがいいかな?資金も必要だし、探す手間もある」

 

「勿論です。その代わり、私やアリサが出来ることは何でもします」

 

彼の言葉から、ルルを巻き込まないようにしているようだ。王族の責任においてやり遂げたい意思を感じる。

 

「当面は、アリサが王女だ。お前は、アズライトから政務を学べ、いいな」

 

「はい!」

 

「アリサとカタリナで、農地改革を頼む。農地付きで農民の移住が楽な政策だけど…どうかな?」

 

「じゃ、区画割をしましょう。一人で耕せる面積で区画を割るわ。商業地域はどうする?」

 

兄の言葉により、一転してヤル気満々のアリサに訊かれた。

 

「ここのダンジョンは再起動させるから、当面ダンジョン運営は無理だ。セーリュー市に近いから、道を整備して、国境付近に中継都市でもつくるか?」

 

保管庫には、金目の物がたっぷりある。サトゥーを通じて、金にするかな。

 

 





強い敵だと、アインズ様と、九内伯斗、あとリムルかな?

デスマの神様達は強いって感じでなくて、恐怖しか無いし。まぁ、デスマの神様はサトゥーがいれば、安心か。

メイプルの後ろ盾の神様とデスマの神様の対決もありだけど、神としての性質が違うからなぁ。
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