デスを食らった男   作:もっち~!

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同盟

 

---ダン---

 

アリサ達の国を取り戻し、広大な農地を手に入れた。農地といっても、放棄地に近い荒れようではある。カエデとメイプルのシールドバッシュが、トラクターのように荒れ地を掘り起こし、俺の『強奪』により掘り起こした土から石や岩を取り除いていく。

 

「じゃ、大豆と米が重要課題かな?」

 

サトゥーは「エチゴヤ」という商店を開業した。それに伴い営業許可をシガ王国とクボォーク王国から貰ってある。

 

「後、旧クボォーク王国の住民の奴隷も頼みたい。資金は手に入った戦利品を売って作って欲しい」

 

今後、サトゥーが売りたい物を売り、欲しい物を買って来てくれる。コイツのチート能力は商いでも大活躍だろう。一方、ミトにはシガ王国の公爵として働きつつ、欲しい情報を仕入れて来て貰う。

 

「日本文化を持つ国の情報か?う~ん、この大陸だとデジマ辺りだけど、イタチ帝国の勢力圏内で、安全とは言え無い」

 

「他の大陸は?」

 

「ここの他に大陸はあるらしいけど、交易は無いし、情報はまるで無いな」

 

大陸ごとに完結した経済圏なのか?そもそも航路が無いらしいのが原因らしいが…

 

「蔵はここに作るの?」

 

「ここは農地にしたいから、蔵はクボォーク王国の城に隣接させようと思う」

 

城と言っても、石造りの城では無く、木造建築の屋敷にするらしい。堅牢な城でも壊れる時は壊れると割り切ったアリサ。ならばいっそ、日本建築家屋に住みたいらしい。

 

「木材もいるな。ミト、シガ王国に山林って有るよね?」

 

「分かった。木材を輸出出来るように手配するわ」

 

現在の俺達の目標は、「醤油と味噌」である。その為の米と大豆である。

 

「シガ王国でも米食文化があるから、苗を分けて貰ってくるね」

 

サトゥーとミトが転移して出勤していく。俺達の住んでいるのは、迷宮都市の館である。この館内に専用の転移陣を設置して、ミツクニ公爵邸、オーユゴック公爵邸、クボォーク王国仮設住宅、各ダンジョンへと転移出来るようにしてある。この屋敷が一番安全で便利なのが理由である。現状、転移陣でしか館に入れない。入り口、裏口には罠があるし、館内にもセキュリティシステムを構築してあるし。

 

「ご主人様、炊き出しへ行ってまいります」

 

神殿へと向かうセーラと護衛のリーン姉妹。さて、俺はどうするかな。メイプル達は、ダンジョンに狩りへと出かけたし。サリーとクマ兄さんが同行しているので、カニ味噌は確保できると思う。

 

俺はちょっと魔が差して、『時空渡り』を使ってしまった。たいてい、これを使うと大事になるってことを、うっかり忘れていたのだ。

 

 

『時空渡り 他の大陸の転生者』

 

目の前に黒いスーツを着た目つきの悪い男がいる。どこかで見た気がするヤツだ。どこだっけかな?

 

「貴様は何者だ?」

 

幼女を背負っている男。もの凄く怪しい。

 

「お前、転生者か?それとも召喚されたのか?」

 

「…まさか、お前もか…」

 

この男がそうなのか。

 

「俺はダン・モロボシだ」

 

「まさか…楓の木のかっ」

 

コイツ、ゲーム関係者のようだ。

 

「私は九内伯斗だ。そう言えば、お前だけだな、私のステージを越えたバカは…」

 

あぁ、インフィニット・ゲームのラスボスだ。俺がボコボコにした覚えがある。

 

「ラスボスなのに、召喚者なのか?」

 

『中の人は作者、運営者の大野晶で、ゲームアバター姿で召喚されたようです』

 

アリスから追加情報を得た。

 

「なるほどな。なぁ、手を組まないか、魔王様」

 

「貴様とか…楓の木のメンバーも来ているのか?」

 

「メインは殆どだ。それとも戦争するか?メイプルが強者を求めているんだが」

 

メイプルはゲーマーの間でも伝説的なプレイヤーである。兎に角硬いとして、戦闘狂として有名である。

 

「こっちに来て、更に硬くなったのか?」

 

「オリハルコンの槍、勇者の剣をヘッドバットでへし折っていた」

 

九内の口から咥えていたタバコがポロリと落ちた。ゲーム世界の中で最も壊れないのは勇者の剣である。しかし、メイプルは額で受け止めて、折ったし…

 

「マジか…硬すぎるにも程があるだろうに…」

 

 

九内と同盟を結んだ。向こうでも米、大豆を見つけたら、知らせてくれるらしい。代わりに人手が足りない時は、人員を派遣すると約束を交わして来た。

 

「九内伯斗と同盟を結んだ?」

 

あのゲームを知っているクマ兄さんが驚いている。

 

「そうなると、あのゲームの作者も死んで、こっちの世界に来たってことだな」

 

クマ兄さんこと椋鳥修一は、大野晶を知っているそうだ。

 

「あれだけのゲームを個人で運営したいたんだ。凄いヤツだと思うクマ」

 

最近、たまに語尾が怪しくなっている。クマ兄さんの話では、インフィニットゲームは、デンドロに客を奪われ、閉鎖になったとか。個人経営のゲームでは世界規模のゲームには勝て無いだろう。プレイヤー数イコール人気と思われているし。

 

「その人のいる国って?」

 

カタリナに訊かれた。

 

「聖光国って、言って居たかな」

 

「聞いたことが無い国です」

 

神殿関係者のセーラが知らないらしい。他の大陸の情報は入ってこないのだろうな。この世界のシステム的に…俺達を呼んだ目的は何だ??神の意図を考えても分からないか。メイプルの願いってことでは無いだろう。メイプルは九内を知らないし。

 

「ダンさん、質問です。転生者とか召喚者って日本人ばかりなのはどうしてですか?」

 

そんなメイプルから質問が出た。

 

「それは…想像でしか無いが、たぶん武器の類いに一番遠い民族だからだろう。普段から銃とかが身近に無い分、簡単に人を殺せない。殺す時に躊躇する国民性があると思う。まぁ、例外はいるけどな」

 

平和ボケ国民イコール日本人って、海外では思われているらしいと、何かで見たことがある。だから、バーチャル世界では、その逆の世界を想像しやすいのだろう。

 

 

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