デスを食らった男   作:もっち~!

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ガチャ

地物モンスター狩りをして、資金を調達した。アスカがまたガチャで大当たりを引いたと聞き、俺もガチャをしてみることにした。

 

「1回100万ですか…」

 

背中にいるメイプルが、驚きの声をあげた。この位の額で無いと、大当たりでも碌な物が出ない気がするのだ。

 

「これだけあれば、スキルの巻物を3本くらい買えますよ」

 

確かに攻撃用の魔法やスキルも欲しい。サリーのようにファイヤーボールとかスラッシュとか欲しいところであるが、アスカの反重力ブーツの前ではゴミ同然である。重力のルールを無視して、壁とか天井とかを歩けるブーツだよ。

 

誰かが言った、ガチャは男のロマンとか…

 

そして、運命のガチャのハンドルを回した…

 

 

「それで出たのが、これ?」

 

獲得賞品と共にギルドホームへ戻った。皆、一様に固まっている。

 

「どう見ても、メイプルが二人だよな?」

 

「うんうん、私も鏡を見ている感じだよ~」

 

俺の当てた賞品…説明画面を出して、皆に見せた。

 

スーパーレアアイテム【メイプルもどき】

防御力最高のプレイヤー、メイプルのクローン。扱いは使い魔と同じ。性能はプレイヤーメイプルに準拠する。

取得条件:VIT0で、メイプルを5回デスにする。

 

「う~ん…これって、運営からのプレゼントか嫌がらせかな?」

 

サリーの意見の感想。俺もそれは思った。メイプルに対するキラーアイテムが多い気がする、このゲーム。

 

「区別の仕方は?」

 

イズに訊かれた。

 

「緑のペンダントをしているのがメイプルで、青のペンダントがカエデだよ」

 

メイプルもどきはカエデと命名した。メイプルが成長すれば、カエデも成長するようだ。

 

「メイプルが二人になったと思えば、戦力アップだな。だがしかし…」

 

そう、カエデは俺の目の届く範囲にしか居られない。俺の使い魔だから。

 

「普段は指輪に入れて置くよ」

 

「いやだよ~」

 

えっ?話せるのか。一緒にいたがるカエデ。メイプルは咄嗟に俺の背中に乗った。

 

「あっ!ずるい…ほんもののくせに…」

 

ニセモノって自覚はあるようだ。って、好きな物まで同じなのか?

 

「ダンさんの背中は私の指定席だぁぁぁぁ~」

 

メイプルの姿をした双子が、俺の背中を巡って揉めている。シュールすぎるぞ、運営よ。

 

 

新しいスキルを予想外のタイミングでゲットした。それはモンスター狩りに失敗して、デスした後のログインの際にである。己の修練の機会であるモンスター狩りの際、使い魔達には指輪で待機して貰っている。最近、カエデが指示が無くても指輪から出てくることが多々あったのだ。なので、言い聞かせてある。俺に自身を鍛える時間をくれと…その結果、得たようだ

 

レアスキル【自己再生】

HPの減少分を1分間に最大値の10%の割合で再生する

取得条件:被ダメージがゲーム開始以来累計で100万に達した

 

再生?う~ん、これで回復薬を飲む回数が減りそうだな。そうなると、ドレイン攻撃しづらくなるのか?1回の回復量が、メイプルの最大HPより多いんだが…MPドレインが出来る様にした方がいいかな。

 

その足で巻物屋へ向かった。そこにはサリーが…

 

「はぁ?自己再生?どこに向かって進化しているのよ、まったく…」

 

モンスターに近いスペックになりつつある俺に呆れているようだ。

 

「おっ!」

 

ガチャマシンと目が合った。

 

「うん?まさか、ガチャ頼みに走るつもり…」

 

サリーが呆れている。だが、妹がまた大当たりを引いたのだ。スコープ付きのヘッドセットだという。このスコープで狙いを付けると、今まで見えなかった距離からターゲットが補足できるようになり、最大狙撃可能距離が5キロになったと喜んでいた。兄として負けられない。そう避けられない勝負はあるのだ。

 

魔法を買う為に稼いで来た100万をガチャに投入し、運命のハンドルを回した…

 

 

「で、当たったのがこれだよ」

 

ギルドホームで装備して、みんなに披露した。

 

スーパーレアユニーク装備【伝説のドラゴンシリーズ】

頭【金の竜の兜】

体【蒼き竜の鎧】

右手【黒き竜の剣】

左手【赤き竜の盾】

背中【白き竜の翼】

脚【銀の竜の脚】

靴【銀の竜の脚】

相手に触れればMPドレインできる。ドレインし、備蓄できる量は最大MPの10倍程度。破壊不能。被ダメージ成長。

取得条件:ガチャで大当たりを出しVIT0で蒼き竜の爪を持っている

 

「これって、運営からのプレゼントだよね?」

 

って、サリー。確かに。この条件に合うのは俺しかいないだろう。

 

「見た目は派手だけど、MPドレイン以外、特典は無いみたいね」

 

イズが調べてくれた。

 

「クールタイムが無いのはいいよね。自前のだとクールタイム10分だし」

 

うん?情報ウィンドウがいつもと違う。ドラゴンモードって、モード切り替えがあるが…ポチっとしてみた。すると、この装備セットのスペックが表示された。

 

「何、これ…」

 

それはイズの想像を斜めに行くスペックであった。仲間の持っているスキルならば、総て使用可になり、ドラゴン相手なら無敵、デメリットは、この装備装着時は経験値及び達成ポイントの加算が為されないってこと。純粋に戦闘を愉しみたいだけの装備のようだ。

 

「イベント専用だな。それか、ここ一番での戦いか…正体を隠してのPKとか」

 

「そうだな…お前、ガチャは自重しろよな。運営の罠っぽい物ばかり出ているぞ」

 

イズの忠告。それは感じている。こんな装備、ゲームバランスを崩して、愉しめないだろうに…ふふふ、通常に使うのであればな。

 

「ダンさん、悪い顔してますよ。ダメですよ、悪用は…」

 

メイプルの心配そうな声…ペインを叩きに行くか。その後、イベントまでの日々、妹と二人でペイン狩りを勝負した。デスさせた数での勝負だ。俺達兄妹の正体はばれていない。ペインを追い込んでいく。突発イベント諸星兄妹VS集う聖剣…開幕である。

 

 

 

---フレデリカ---

 

正体不明のヤツラに狙われている。一人は、ドラゴンの装備を身に着けていて、フルフェースの兜で顔が分からない。もう一人は、姿すらわからない。

 

「おい!誰か恨みを買うようなことをしたのか?」

 

メンバーを全員集めて、ペインが聞き取りをしていた。

 

「全然、理由が分からん。そもそも、アイツらは誰だ?俺達がトップクラスプレイヤーだろ?なのに、ペインですら連日デスって…」

 

ドレッドが震えている。デス後のリスポーン直後に何度も狙撃されたらしい。

 

「リスポーン地点を警備するしか無いか」

 

ペインも3連続で狙撃されたらしい。

 

「どこのギルドだと思う?」

 

「炎帝が怪しいな」

 

炎帝ノ国…このギルドの最大のライバルである。

 

「そういえば以前、フレデリカにストーキングPKしてきたヤツはどうしている?」

 

私を倒すまで、何度もPKを仕掛けて来た男がいた。

 

「私に勝って以来、私の前に、現れていないわ」

 

「ソイツと比べて、今回のヤツはどうだ?」

 

「今回の方が凶悪よ。MPを総てドレインしてから…」

 

思い出したくもない。無力化されてからのセクハラ行為。抵抗をせずに、したい様にさせた。相手がフルフェイスだったので、唇は奪われなかったのは、不幸中の幸いである。

 

「きっと女にもてない男の凶行だと思うわ」

 

「その線で、ワナをはるか」

 

 

 

---ダン---

 

イベント内容が発表され、俺と妹の勝負が終わった。やはりスナイパーの方が数を稼げるな。特に、あのリスポーン狙撃、あれ反則だろうに。

 

「お兄ちゃん、私の勝ちだね」

 

「次回はリスポーン狙撃は無しにしてくれよ」

 

「そう?毎回ペインの表情が豊かだったけど」

 

それはスナイパー特権だと思う。

 

「あら?楽しそうね。何して遊んでいたの?」

 

サリーが何か言いたそうだ。

 

「まさかと思うけど、集う聖剣に何かしていないですよね?」

 

サリーは勘が良く、察しも早い。

 

「想像に任せるよ。まぁ、SPを磨いていたと言うか…」

 

「うんうん、お兄ちゃんと一緒だと、頑張れると言うか」

 

「ふ~ん…」

 

「で、クロムの装備は何?」

 

禍々しい雰囲気のクロム。レア装備か?その事に誰も触れない。その程度の変化では、もう誰も驚かないのか。

 

「今回のイベントは収集系だ。特定の魔物がドロップするアイテムのゲット数の勝負だそうだ」

 

情報通のクロムからイベントの内容の説明がされた。

 

「じゃ、私は戦力外ですね」

 

AGI0のメイプルが嬉しそうだ。イベントの裏で何かする気である。

 

「私達も無理ですね」

 

ユイとマイの姉妹も白旗を掲げた。AGI0が4名いるもんなぁ。どうせ、アスカは狙撃三昧なんだろう。

 

「じゃ、私は他のギルドの人達の妨害するね」

 

やはり、アスカは狙撃三昧らしい。

 

イベントが開始して分かったこと。羊の毛を刈るイベントなのだが、殺さないで毛を刈らないとダメなようで、パンチしか無い俺に毛は刈れない。終わった…

 

「どんまい」

 

カエデが慰めてくれた。使い魔では毛を刈れない。カエデと何か別のクエストが無いかを探すことにした。

 

「見つけたぁぁぁぁ~!」

 

誰かに見つかった。あぁ、ミィか…

 

「元気そうだね」

 

「メイプルが一緒って…貴様、メイプルのギルドなのか?」

 

カエデをメイプルだと思っているミィ。話を合わせるか。

 

「そうだよ」

 

「たぶん、次回辺り、ギルド戦イベントだと思う。その時、真っ先に潰してあげるわ。覚悟していなさい。えっ!」

 

カエデがミィを背後から羽交い締めにした。どうするんだ?

 

「何をするの?まさか…私を手込めに?」

 

出来無いだろ?このゲームではさぁ。せいぜい出来て、装備の上からのタッチとキス程度だよ。

 

「止めて…助けて…」

 

口調が壊れているぞ。これが素なのか?怖いイメージを植え付けるか。ここは、悪役プレイでもしておくかな。

 

「どうしようかな?」

 

ポチを召喚した。凶悪そうなポチの姿を見て、全身を強ばらせているミィ。

 

「うちの犬のエサがいいか?それとも…」

 

「ひぃぃぃぃ~、あなたの物になります。だから…助けて…」

 

「その言葉、忘れるなよ」

 

ポチを指輪に戻し、カエデを抱き上げて、この場から去った。

 

 

 




オリジナル要素を入れてみました。
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