デスを食らった男   作:もっち~!

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見えて来た問題点

---メイプル---

 

誤算だった。神の迷宮においてサリーは、幽霊階層から下の階層をクリアしていなかったのだ。そのタメ、新たなるダンジョンに入る許可が下りないそうだ。なので現在、暴虐状態の私の中にサリーを取り込み、マイルと共に100階層へと向かっていた。

 

「ゴメンね、二人共…」

 

半泣き状態のサリー。

 

「問題無いから」

 

「大丈夫だよ」

 

一度クリアしている階層である。問題は無い。幽霊階層を終えると、メーヴィス、ミィ、フレデリカが合流した。ポーリンはエチゴヤさん勤務、レーナは魔術の研究をしていて、ダンジョン攻略には参加しないそうだ。

 

「メイプルがいれば、楽しいから問題は無いかな」

 

楽しそうに剣を振るいながらおしゃべりするマイル。まぁ、私もマイルとなら楽しいからいいかな。

 

 

 

---ダン---

 

シュウと名乗る神を否定した男性は、手土産と共に、やってきた。手土産…味噌、醤油…それも本格的なヤツだ。

 

「味噌蔵、醤油蔵も一緒に異世界転移しているから」

 

魂の輸出入管理が仕事らしく、異世界転移という単身赴任が多いそうだ。

 

「必要な物があれば、持って来て上げるよ」

 

納豆、クサヤ、みりん干しと、異世界に来て手に入らなかった物をリクエストすると、持って来てくれた。

 

「俺達のいた世界は、どうなったんですか?」

 

両親や、ゲーム仲間がまだ残っている世界、心配である。

 

「いずれ近いうちに消える」

 

消える?

 

「どうしてですか?」

 

「アリスに訊いていないのか?」

 

アリスは、デンドロのというゲーム世界を管理するAIのコピー体らしい。

 

「まぁ、言え無いよな。近未来の世界から君達の世界に、世界を破滅に追い込む魔神を廃棄しに来たんだよ」

 

魔神を?廃棄?

 

「だけど、世界ごとに理が違う。アイツらのいた世界はデンドロというゲーム世界その物で、魔法あり特殊能力ありの世界だったのだが、君達の世界は魔法が存在しないからね。そのタメ、アイツらはゲーム世界に仮想現実世界を作り上げ、魔神を封じこんだんだよ」

 

「じゃ、デンドロってゲームは?」

 

「アイツらの世界のクローンだ。同じ環境、同じ理で無いと、封印されている物を異世界転移という不法投棄は出来ないから」

 

「でも、目覚めるのはゲーム世界ですよね?」

 

「どこの世界にもいるんだが、リアル世界とヴァーチャル世界の垣根が曖昧になるバカがな」

 

ユーリーの姉さん…

 

「君の思い浮かべた人物で間違いは無い」

 

悔しそうな顔のシュウ。

 

「俺の両親とか、みんなをこの世界へ誘うことは出来ないんですか?」

 

「出来ない。申し訳無いが、そんな大量に魂を引き込むことは出来ない。そもそも天寿というか、天命を迎えた魂は持ち出せないんだ。持ち出せるのは、理不尽な事故、事件に巻き込まれた魂だけだよ」

 

理不尽?そもそもの始まりのメイプルの死って、理不尽だっけ?

 

「あれは僕のしたことじゃない。だから、君の世界の言葉で言うなら、管理AIの手引きによる密航だな」

 

そうなるのか。で、管理当局であるシュウはルール厳守になるのか。

 

「そう…すまないが、僕がルールを破る訳にいかない。それに君の両親が転移しても、この世界で生きるのは辛いと思う。治安も良くないし、自己防衛手段が無いと、死が身近にありすぎる」

 

まぁ、魔物が闊歩している世界だからなぁ~。両親には辛いだろうな。

 

「それなら、あの世界で滅び、同じ世界感のある世界に転生した方が、幸せだと思うよ」

 

「そうだ。質問がある。なんで、異世界転生とか異世界召喚されるのは日本人が多いんだ?」

 

「あぁ、それか。簡単な話だ。神の言葉と日本語が近いからだよ。態々言語体系の違うヤツを呼んでも、事前説明とか出来ないだろ?」

 

あ?そんな理由なのか?

 

「原始日本人は、失われしユダヤ支族の1つだからね。現在の日本語は、サンスクリット語や大陸の言語や欧米の言語が混ざり合っているけど、元々はそうじゃなかったんだ。八百万の神がいる国だよ。他の世界の神から見れば、ハズレが少ないんだろう」

 

言われて見れば、そうかもしれない。他の宗教では、主神以外の神は邪神として扱われるが、日本では邪神っていないよな。色々な神様を信仰しているし。

 

「それが、君達が狙われた理由の1つだよ。で、この後、どうしたい?」

 

「どうしたいとは?」

 

「君達の戦力は強大だよ。世界征服でもする?」

 

頷けば、この場で消去されそうだ。なんとなく思った。俺の危機管理な本能が…

 

「しません。俺は美味しいケーキを作りたいだけです」

 

「分かった。協力はしよう。君達のいた世界とこの世界の行く末のモニタリングをしないとダメだし。また、ふらっと来るよ」

 

目の前から自称神では無い男が消えた。

 

 

今いる世界は平面の世界らしい。色々な世界を平面でつなげているそうで、これを球体、要するに星にすると、地形変動が激しく起き、未曾有な災害が起きそうだと言う。故に、この世界は星では無い場所にあるそうだ。

 

平面な世界故、世界の端に行くと、存在がロストする危険がある。これが、この世界では他の大陸を見つけられない理由らしい。仮にコロンブスのような人がいても、帰って来られる保証が無いそうだ。

 

まぁ、転移で大陸間を行き来出来るので、俺達には不便が無いのだが…

 

「星で無いデメリットって?」

 

シュウに訊いてみた。

 

「風が起き無い。季節が無い。昼間と夜の時間が一定だ。端から落ちた海の水は、回収して、海の中心から吹き上げさせているから、波が発生して、多少の風も起きるが…」

 

星が自転して、空気が動き、風が起きる。それが無い訳だ。

 

「後、たまに廃棄物が降ってくるかな。ここって、次元と次元の狭間にある世界なんだよ。だから、異世界召喚に失敗したヤツとか、異世界転移に失敗した物とか…」

 

星であれば、スペースデブリとか流れ星とかが降るくらいか。そうなると、宇宙開発は出来ない?

 

「出来ない。成層圏に当たる高さ位まで飛べば、存在がロストするよ」

 

次元の狭間とは、許可無き者の場合、存在がロストする空間らしい。

 

「お空の上には、宇宙空間なんか無い。万華鏡のような空間が広がっているだけで、方向感覚は麻痺して、能力者で無いと死ぬよ」

 

それは危険である。

 

目の前にいる最高神らしき存在は、平面世界を球体にしようと画策していた。

 

「無理にする必要は有るかもしれないが、それで壊滅はカンベンして欲しいなぁ」

 

「だよな。後は、こっそり、星へ貼り付けるかだ」

 

既存の無人な星に、平面世界を切り貼りする計画もあるらしい。時間を止めて、被害の少ない場所に切り込みをいれ、貼っていくと言う。

 

「まぁ、君達に気づかれるヘマはしないが、大陸間が狭くなる可能性があるんだよ」

 

それは、今まで見えなかった他の大陸が見えるようになるのか?

 

 

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