デスを食らった男   作:もっち~!

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VS第二の試練

 

---メイプル---

 

試練…全然楽しくない。豪快に相手を屠れない。ちまちまとサリーを持って来てくれ小魔物を仕留める日々。ダンさんに愚痴を零したら、

 

「試練ってそういう物だよ。楽しい試練は試練では無い」

 

っと、お叱りを受けた。豪快に相手を倒せるから、戦闘が好きだったのに…

 

「新作のケーキ、喰うか?」

 

生クリームでは無いようだけど、これは?

 

「このクリームは?」

 

「バタークリームだよ。バターとメレンゲと砂糖を混ぜた物だよ」

 

「生クリームの方が好きです」

 

最近、ダンさんの戦っているとこを見ていない。もしかして、勝てるのでは…甘かった。バタークリームよりも甘かった。またも瞬殺である。次の試練を超えればどうだろうか。

 

 

第二の試練…タワータイプダンジョンの攻略。ガンガン戦えるようだ。確かにガンガン戦えるけど…次の階層に入ると、即エンカウントする魔物達。階層を繋ぐ階段が結構疲れる件…

 

「階段でスタミナを使わせているみたい」

 

サリーの回避速度が階数を経るごとに下がっていく。マイルがサリーの分を踏ん張ってくれるが、このダンジョンのもう一つの罠…1階層の定員が3名で、入った人順の為か、違うパーティーメンバーが混ざる場合がある。マイルで無い人が混ざると、キツい。階段に居るときに、メンバーがシャッフルされるようだ。

 

 

 

---ダン---

 

目の前にサガ帝国の皇女メリーエストがいる。

 

「一応、買って来たけど、どうする?」

 

サトゥーが奴隷商から買って来たそうだ。調教済みなのか、首には首輪が巻かれて折り、そこから伸びるリードをサトゥーが掴んでいた。でっぱい好きのサトゥー好みであるが、ちっぱい勇者のミトの手前、どうするか相談しに来たようだ。

 

「サトゥーの奴隷なんだろ?お前が好きにすれば良いだろ?」

 

原始人のような服装で、下着は勿論着けていない。所謂性奴隷状態なのだろう。

 

「エチゴヤに飼育部屋でも作って、飼えばどうだ?下手に人目に晒すと国際問題になると思うけど」

 

帝国の皇女を性奴隷って、マズいだろうに…

 

「勇者は売りに出ていなかったのか?」

 

「あぁ、そっちは出ていない」

 

勇者の行方が分からない。もしかすると、中層で犯罪組織の用心棒でもしているのかもしれない。

 

「リーンとセーラに頼んで、更生させるか?」

 

「頼めるか?」

 

「兄ぃ、いつまでリードを持っているのかな?」

 

感情がこもらないミトの声…リードを手放すサトゥー。この二人の関係性がよく分からない。

 

 

リーン、セーラ、メリーと共に、ラビの村に来た。静養目的と、あのドM女に診察をして貰う為である。

 

桐野悠によるメリーエストの診察…薬物使用による洗脳、調教でダメダメ女になったようだ。

 

「治りそうか?」

 

「まぁ、治します」

 

悠の俺を見る目がオドオドしている。

 

「あの…見つめないでください。見つめられるだけで…私がダメになりそうです」

 

身を捩る悠。見つめてはいない。確かに、ゲーム内では、視姦プレイをした気がするが…

 

診察室を出て、メリーを個室に入院させることにした。セーラとリーンには、温泉旅館内の俺の部屋で生活して貰うか。

 

「お前、悠に何をしたんだ?」

 

伯斗に訊かれた。

 

「ゲーム内で視姦プレイ…」

 

「お前はド変態か?」

 

「かもしれない…お前には言われたくないけど。って、蓮か茜は召喚しないのか?」

 

悠よりも、その二人の方が好みである。

 

「次に呼ぶとしたら、茜かもしれない。俺的には息抜きが出来る相手だから」

 

悠と田原は天才タイプだが、茜は脳天気でどちらと言えば脳筋気味で楽なのであろう。俺的にもそうだけど。

 

「お前、茜とは問題は無いよな?」

 

「特になんかはしていないはずだが…」

 

いや、した覚えがある。ボコって、手足の自由を奪って、やりたい放題…うん!伯斗には内緒にしておこう。

 

「で、何か遭ったか?」

 

伯斗に、シュウのことを話しておく。魔王を名乗っているのだから、そのうち対決するだろうから。

 

「う~ん…そうか、アイツが接触したのか」

 

伯斗の知り合いだったみたいだ。魔王の敵で無いのか?

 

「戦ったことはあるのか?」

 

「強者とは、戦わずして、相手の力量を知る者だよ」

 

それは、敵前逃亡しましたね?

 

「魔王程度では、アイツの下僕程度だ。勝つなんてシーンが思い浮かばない」

 

恐ろしい目に遭ったらしい。聞くのが怖いので、聞かないことにする。うちのトップクラスを瞬殺したんだし。

 

「アイツの娘と、アール、アインズっていう配下の者には注意しろよ」

 

娘?●杉達也似なのに、娘がいるのか?一体いくつの時の子供だ?

 

「ソイツらは強いのか?」

 

「笑っちゃうほど強いぞ。特に娘の攻撃は回避しろ。いくらお前でも瞬殺されると思う」

 

とても危険らしい。カエデの防御でもダメなのか?

 

「配下の二人はリッチだ」

 

不死属性かよ~。狙撃が効かないのか。厄介だな。おっと、敵対するようなことを考えてはいけない。危険が一杯であると俺の危機管理スキルが物申している。

 

 

リーン、セーラ姉妹が温泉施設にいるので、彼女達の祖父であるオーユゴック公爵を連れて行った。

 

「温泉とは良い物だな。我が公都に作れるか?」

 

「クボォーク王国に有りますので、そちらをご利用してください」

 

温泉ではなく銭湯ではあるが、違いは分かるまい。観光地として売るしか、現状外貨獲得の手段が無いアリサの国。

 

「王都に作れるか?」

 

「都市の下に迷宮があるので、無理ですね」

 

火山も無いしねぇ。排水処理設備もいるだろうし。

 

「そうか…では、クボォーク王国を視察をするかな」

 

一泊の視察であるが、ラビ人参を土産にして、公都へと送っていった。

 

 




次回はSS:凶行シリーズ?完結編の予定です(^^;

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