流麗の錬金術師がヒーローになる話   作:きど

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高校生編2

「轟、おはよう」

「水龍か…おはよう」

「お互い合格しているとは思っていたが、おめでとう」

「ああ、お前も受かるとは思っていた。おめでとう」

 

翌朝一番に轟少年に挨拶すれば入試の時の様に開口一番邪険にされることはなかった。が…いかんな、こいつの目。軍人にはさして珍しくもないことだが、ここは戦争のない平和な異世界。ヒーローや敵が居る世界を平和と評して良いかは定かではないが、その議論は今は置いておいて、だ。

少なくともヒーローを目指す学生のしていい目じゃない。私?私は別に…ヒーローになるのが本質的な目標ではないし、軍人であるからいいのだ。見る人が見ればバレるだろうが一応猫を被っているしなあ。

 

私の話はどうでもいい。

こいつ、中学の間にちょっと良くない方向に傾いてしまったようだ。

 

しかし…うーん、果たしてこれは私が口を出す問題なのだろうか。ほぼ他人の関係の私がどうこう言うのは気が引ける…

心からヒーローを志す人間であれば、彼の家庭の事情を知っているれば何らかのアクションを起こすのだろうが…あいにく目立つためのツールとしてこの時代のこの国ではヒーローが最適かと思い、ヒーローを目指しているだけの私には同情も使命感もない。

自分のことを薄情な人間だな、と思いつつ着席すれば前方に座る女子生徒が話しかけて来た。

 

「あの…失礼かとも存じますが、お2人はお知り合いですの…?」

 

こんなこと聞いても良かったのだろうかという表情でこちらを見る彼女は…確か八百万少女。何やらドルドル身体の肌を露出している部分から物を出していた女子生徒で、昨日の個性把握テストの成績も良かったと記憶している。

何かを得ようと欲すれば、必ず同等の対価を支払うのが私が扱う錬金術だ。しかし彼女にはそれが無い。正確には、個性は身体能力だ。彼女の個性も体内の何らかのエネルギーを消費して物質を生成しているのだろうが、錬金術の基本は等価交換。錬成前の物質と錬成後の物質の化学式はイコールでなければならない。

故にどんな錬金術と似て非なる彼女の個性、研究意欲をそそられていたのだ。

 

「ああ、同じ小学校だったんだ。お互い雄英の推薦入学狙いだったから違う中学に入ったんだが…まさか同じクラスになるとはな」

「まあ!そうだったんですのね!運命的な再会…!素敵ですわ…あ、申し遅れました。私八百万百と申します。よろしくお願いしますね、水龍さん、轟さん」

「…ああ」

「いえ、こちらこそよろしくお願いしますね。八百万さん」

「はい!」

 

それから昨日の個性把握テストで気になっていた八百万少女の個性について聞きつつ、自分の錬金術についても軽く説明した。まあ、私の錬金術は個性ではないが。

 

八百万少女の創造も私の錬金術も、互いにその物質の構造や抗生物質、明確な形のイメージを理解して頭に思い描いていなければ使えない。

幼い頃からその個性の為訓練や知識の収集を欠かさなかった彼女は、その努力もさることながら、物事に対するひたむきな姿勢が研究者気質で非常に話が合う。

 

彼女との会話はなかなかに有意義な時間であった。




正直頭いい会話とか思いつかんかった。
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