流麗の錬金術師がヒーローになる話   作:きど

8 / 13
中学生編1

今日は私立聡明中学の記念すべき入学式だ。

 

教室では何故か隣に天神がいる。こいつ…どこまで付いて来るつもりなんだろうか。機械好きのこいつは私の機械鎧に随分とご執心の様だ。

私はヒーロー科を、こいつはサポート科を目指している。という事は高校まで一緒なのか…道のりは長いな…

 

そんな事を考え遠い目をしつつ、入学式では眼鏡をかけた刈り上げの坊ちゃんが入試2位だったようで新入生代表の挨拶をしていた。ちなみに私は体調不良ということで事前に辞退させてもらっている。また変な目立ち方をすると学園生活に支障がな…内申に響くのはちょっと…

 

この学校は私立だし優秀な人間が多いだろう。彼らも雄英高校を目指しているとしたら、気を引き締める必要がありそうだ。

聡明中学には雄英高校への推薦枠がある。目下、この眼鏡くんがライバルと言った所か。

 

そんな事を考えている内に式は終わり、教室へ戻るとさっきの眼鏡くん…もとい、飯田天哉くん…だったか?も、同じクラスだったようだ。独特な動きでクラスメイトに挨拶している。

 

 

これから始まる学園生活が平凡無事に終わる事を祈ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、そんなこんなで無事に平穏な学生生活を送れる訳がなかった。飯田少年はものすごい勢いで自己紹介をして来て、入試1位だったらしい私と一度話してみたかったんだ!良かったら勉強を教え合う仲になりたいなどと言い、あっという間に友達宣言されてしまった。嵐のような子だ。

 

今はクラスの全員にひとりづつ挨拶している。

クソ真面目な子なんだな、と思っていると教師が入って来てクラスメイトの自己紹介を促す。

 

「萩原西小から来ました!針山刺郎です!個性は身体から針を出すこと!よろしくお願いします!!」

「白沢ひかりと申します。目が光ります。よろしくお願いしますね。」

「こんにちは〜!俺の名前は高度鳶尾。ちょっとだけ空を飛べるよ!」

 

みな自己紹介で一様に自分の個性の話をしているが、これが普通なんだろうか。普通は趣味とか特技とか…じゃないんだろうか。ずっと引きこもって機械鎧の研究をしていたせいでこの世界の微妙な常識や感覚が分からないでいる。

そうこう考えている内に私の番になった。

 

「水龍涼と言います。錬金術師です。よろしくお願いします。」

 

嘘は付いていない。私の錬金術は個性ではないが、この流れで言えば個性だと思われるだろう。それを利用させてもらう。

今の時代では個性を持っていない人間は本当に少ないらしい。そんなことで注目されてもただでさえ足のことがあるので面倒だし、無個性の人間が錬金術を使えると知られたら余計に面倒だ。だから、この錬金術を個性と勘違いしてもらう他ない。少々罪悪感があるが見逃して欲しいと思う。

 

そして最後の自己紹介に差し掛かる。先程凄い勢いで友達になって去って行った飯田少年だ。

 

「ボクは飯田天哉!個性はエンジン!ヒーローになるため雄英高校ヒーロー科を目指している!よろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

さっそくライバル登場らしい。面白くなってきた。

 

 

それからというもの、私もヒーローと雄英を目指している事を天神経由で知った飯田少年がしつこく私に付き纏い(なお本人にはその自覚は無し)共に体力作りに励んだ。

1人で鍛錬する方が気が楽なのだが、ライバルと言えども今はクラスメイトで同じヒーローを志す仲間同士!切磋琢磨し!共に強くなろう!!と押し切られてしまった。

 

勉強の方は同じ雄英を目指している天神も一緒にしている。

 

入学してからの1年はあっという間に過ぎ去った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。