1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
今回は「発展を阻害する各種規制緩和」と「富岡製糸場建設」をやるであります。
メインは「富岡製糸場建設」であります。
★富岡製糸場建設(7か月)
●北海道の開拓(7か月)
●開国準備(7か月)
●兌換紙幣(金本位制)の研究(7か月)
●蒸気機械の研究(7か月)
●予防接種や衛生概念の普及(7か月)
・大政奉還による立憲制近代国家形成の”準備”(1年)
・国立大学設立(1年)
・防諜・諜報機関設立(1年)
・労働法と最低賃金の制定(1年5か月)
・琉球統一(1年5か月)
・ビタミンの発見「2枠」(2年7か月)
・研究:工学+2「4枠」(1年)
・研究:政経+2「4枠」(1年)
・研究:生物「2枠」(1年)
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【入即出屋】
「たのも――――!!」
「水野様、いらっしゃいですお。(大声にも大分慣れたお)」
「うむ。やる夫、幕府からの依頼だ。(紡績業界のモデルケースとなる)工場を作れ。」
「ん? どういうことですかお?」
「なんだ? 確か20歳になったばかりであろう。もう耄碌したのか?
(輸出の主力となる生糸の品質を高めるかつ、品質の安定化を担保するために紡績業界のモデルケースとなる)工場を作れといったのだ」
老中水野忠邦、敢えて全てを語らない。
「仰っている御言葉はわかりますお。
仰っている意味が理解できないですお。」
「なるほど。では、紡績工場を作れ」
「…………」
「…………」
「…………」
(ド、ドSだお……!
前から思ってたけど、無茶振りが度を越してるお……。
しかも敢えて情報を隠してるお。
鬼畜系ドSサムライだお……!)
「ええと……イギリスの書籍から察するに、紡績工業が最先端である事は間違いないお。
そして日本の主な外貨獲得手段は生糸、お茶ですお。
つまり、生糸およびそれに類する製品の大量生産。
ですが、各農家で作られる生糸のような品質の差がある物ではなく、均一の――――それに可能ならば高品質の製品を作り出す。
そのために紡績工場を作りたいということですかお?」
120点の満点オーバーの回答に忠邦は鷹揚に頷く。
「そうだ。分かっておるではないか。だから工場を建てろ。
場所は江戸に近いところがよい。近隣の藩から適した箇所を選定せよ。」
「………………はいですお……」
正解したからといって、何ら条件が緩くなる様な事はない。
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「ということで出来たお!」
普通に嘘である。
「というのは冗談で、紡績機械ならイイモノがありますお。」
(もしかして水野殿、知ってて来たのかお?
こうなる可能性があって、ウチに機械を持ってきたのかお?)
流石に忠邦も其処までは見抜いていない。
やる夫の所に機械を置くことで、上手く転がったら儲けもの程度に思っていただけだ。
実際、江戸の職業訓練所にはミュール紡績機、ジャカード織機など最新の機械が少しばかり置いてある。
そこで、工員を訓練して新たに出来る工場に派遣する予定でいたくらいだ。
(ま、いっか。)
やる夫は忠邦を連れてやる夫ミュージアムに足を運ぶ。
「元気してたかお?」
やる夫の言葉とは反対に、豊田達は意気消沈していた。
世界と渡り合えるレベルの紡績機械を作ったにもかかわらずである。
だが、それもそのはず。会心の力作が閑古鳥の鳴くほどに売れてないのだ。
何故か――――?
彼らの知恵が上手く融合しすぎて、時代を先取りし過ぎてしまったのだ。
家内制手工業ですら、始まったか始まってない時代で工場制手工業製品を作ってしまったのだ。
しかも品質が良いから結構値も張る。
「問屋制手工業」を行う最先端商人が少しばかり買う程度だった。
「ほう? 見た事が無い機械だな。何だこれは?」
「彼らが作った機械ですお。
これらから作った生糸、絹織物、綿糸、綿織物ですお。」
「おぉ! 素晴らしい品質ではないか。
しかもこれが日本製なのか?」
忠邦は豊田達からこの機械の生産量を尋ねる。
「品質も生産量も申し分ない。
やる夫、これを採用するつもりなのだな?」
「はいですお。いいですかお?」
「勿論だ。和製の機械とあれば、工員達もやる気が出るだろう。
やる夫、先行量産機を江戸に運べ。工員達に使い方を教えなければならぬ。」
「はいですお!」
やる夫と忠邦の話の展開に、豊田、斎藤、臥雲、御法川は付いていけない。
「あの、話に付いて行けないのですが……」
「わかったお。一から説明するお。」
――――――――――――――――
「ということで出来たお!(本当だお)」
1835年初夏
今の群馬県富岡市に巨大な紡績工場が佇む。
この工場は蚕、木綿の素材から生糸、絹織物、綿糸、綿織物の全てを生産できる一貫工場なのだ。
やる夫がこの場所に選んだのは、ここでは養蚕が盛んで、しかも農場には向かない土地という江戸から近くて最も有望な場所だったからだ。
「こっちが綿織物工場棟で、あっちが絹織物工場棟ですお。
早速案内しますお」
やる夫は、水野忠邦、豊田伊吉、斎藤外助、臥雲儀十郎、御法川直太郎の5人を連れて工場内を案内する。
やる夫にとっては勝手知ったるだ。
何せ自分の家を仲介にして物資、機械を富岡に運んだし、工場内にも何度も足を運んでいる。
彼の友人の大工まで総動員して、できるだけ早く工場を完成させたのだ。
友人からも結構細部まで聞いている。
水野は工場の大きさと、ここが産み出すであろう財の大きさに、つい皮算用をしてしまう。
発明家の4人もその顔は誇らしげだ。
それも当然だ、自分の開発した機械がズラッと並ぶ様を見れば誰だってそう思う。
しかも、それが日本最初の工場に採用されたとなれば尚更だ。
「これで全部ですお。」
「うむ! 後は稼動するだけだな!
して、工場の名はなんというのだ?」
「まだ決まっておりませんお。水野様が御決めになるのではないですかお?」
これは水野の茶番だ。
工場に入った時、看板には何も書かれていなかったのを確認しているし、何より官営模範工場なのだ。
幕府が名付けるのが当然なのである。
「そうだな――――では、今日からこの工場は『富岡紡績工場』とする。」
「わかりましたお。では、看板を作ってもらいますお。」
やる夫は職人の元へ忠邦の命を届けに席を外す。
「さて、最後の仕事だ。」
忠邦は豊田たち4人へ向き直る。
「お前たちは、この工場で働け。」
「え……?」
突然の事に4人は動揺を隠せない。
「何、工員や経営をさせようと言うのではない。
お前たちの役目は――――」
水野は機械が悠然と並ぶ方へ振り返る。
「この機械たちを――――お前たちが新たに作る機械で塗り替えてみせろ。
それが仕事だ。」
忠邦の言葉を聞いた4人の心に火が灯る。
豊田達はこの光景を見て、満足しかけてしまっていたのである。
「お前たちにとって、ここが終わりでは――――無いのだろう?」
忠邦が再び4人に向きなおる。
忠邦にとっては軽く発破をかけたつもりだったが、4人には油を注ぐレベルの燃料だった。
(そうだ、私のゴールは此処ではない。此処はまだ、スタートでしかない!)
(俺の魂はまだやれるといっているではないか!)
(某の機械は改善すべき点は、まだまだある!)
(私は――――)
((((最高の発明家だからだ!!))))
新たな光の道を見つけた彼らの目はギラギラと輝いていた。
「謹んでお受け致します。」
彼らの心に灯った産業革命の
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ついに近代化西洋式工場が建設されましたな。
今は1835年。史実では1872年開業であります。
37年の技術先行でありますな。
さてさて、これがどういう影響をもたらすかは私もわからないであります。
産業革命が始まりましたが、残念ながら西洋諸国は全く気付いてないであります。
鎖国+亜細亜の非文明国に注視なんてしてないであります。
まさか、産業革命の2番手が極東の島国なんて思う訳ないであります。
(本来であればベルギーが2番手。だが、絶賛戦争中でそんな兆候はありません)
オランダも日本が近代化するだろうとは思っていますが、まだまだだと思っています。
しかし、近代化しても鎖国を解かない限り余り気にしないであります。
日本の生産量が増えれば唯一の正式な貿易国(中国、朝鮮は一応非公認)であるオランダの儲けが増えるでありますからな。
オランダは経済的なダメージ(国威も)を絶賛受けている最中でありますから、儲けの種は手放したくないであります。
話は逸れましたが、紡績業界4人の巨匠により経済力の向上は当然発生しました。
【閃き】が+4されるであります。
少ないでありますか?
流石に工場一つで農林一号+近代的農機具+商品作物増産のレベルにはならないであります。
富岡工場に勤める事になった豊田、斎藤、臥雲、御法川は、開発に一段落をつけて各々地元に帰り起業するであります。
因みに豊田伊吉は愛知県に戻り、豊田自動織機を設立するであります。
最後まで言わないでも分かるでありますね。
彼こそ世界に名立たるトヨタ自動車の創業者であります。
斎藤はシルクエンペラーと呼ばれるようになり、御法川は片倉製糸紡績株式会社に招聘されてその才を遺憾なく発揮するであります。
片倉は長野県の絹織物で財を為します。そして後に富岡製糸場を国から払い下げられるでありますね。
そして、臥雲も長野に戻り綿製品の企業を興すであります。
実際、彼が一番救われた人物であります。
史実であれば、臥雲は特許が無い時代の発明家であり、彼の発明が模倣されて最終的に自分の会社が潰れるであります。
ただ、再起して絹の織機を作るでありますが、その4年後に病没しております。
彼が特許に護られていたら、もっと産業は発達したかもしれませんな。
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【日本の技術レベル】
|科学:01(基本的な理学全般)
|工学:03(モノづくり全般)
|材料:01(素材やエネルギー全般)
|生物:01(農業・畜産・医学・薬学など)
|電磁:00(電気製品・発電・コンピュータなど)
|環境:00(地学・建築・土木・自然保護など)
|流通:01(物流や兵站など)
|政経:05(政治経済や社会問題の解決能力全般)
|文化:01(外交・異文化交流・芸術・娯楽など)
|軍事:00(兵器開発・戦術・軍制など)
※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします
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【年表】
・1830年
救荒作物推奨令が公布される
・1832年
共通規格化令が公布される
職業訓練学校が開校する
・1833年
幕府公認の銀行(後の日本銀行)が設立される
株式会社の設立を幕府が許可する
日本初の和製クリッパー船が航海する
水稲農林一号が開発されて全国で栽培が開始される
・1834年
様々な農機具、農技法が編み出されて全国に広がる
特許法が制定される
・1835年
日本初の軽工業工場「富岡紡績工場」が稼動開始する
現代において
1835年を産業改革の始まりとしている。
初代技術首脳陣の豊田、斎藤、臥雲、御法川は日本近代化の立役者となる。
日本の諺には親友であり、ライバルでもあり、切磋琢磨しあえる友人のことを「絹綿の友」という。
これは豊田、斎藤、臥雲、御法川の仲を表したものである。
彼らは晩年も交友を続けていた事が、彼らの遺した手記からも分かっている。
余談ではあるが、学校で生徒が覚える語呂合わせは、「
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さて、次回予告ではありますが次回は「予防接種や衛生概念の普及」であります。
○富岡製糸場建設(0か月)
●北海道の開拓(0か月)
●開国準備(0か月)
●兌換紙幣(金本位制)の研究(0か月)
○蒸気機械の研究(0か月)
★予防接種や衛生概念の普及(0か月)
・大政奉還による立憲制近代国家形成の”準備”(5か月)
・国立大学設立(5か月)
・防諜・諜報機関設立(5か月)
・労働法と最低賃金の制定(10か月)
・琉球統一(10か月)
・ビタミンの発見「2枠」(2年)
・研究:工学+2「4枠」(3か月)
・研究:政経+2「4枠」(3か月)
・研究:生物「2枠」(3か月)