1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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15.1836年 一般工場法と琉球併合準備

今回は下記の2つであります。

1836年3月になるでありますな。

 

●労働法と最低賃金の制定

●琉球統一

・ベッセマー転炉の発明(2か月)

・陶器、漆器などの貿易用商品の開発および振興(2か月)

・藍、茜、紅花、綿、麻、桑、養蚕などの商品作物の開発および振興(2か月)

・パーカッションロック式ライフル(2か月)

・オランダと通商条約締結(2か月)

・ポルトランドセメントの実用化(7か月)

・馬力コンバイン・ハーベスターの開発(7か月)

・ばね式サスペンション開発(8か月)

・ボルトアクション方式ライフル開発「2枠」(8か月)

・ビタミンの発見「2枠」(1年2か月)

 

●研究:材料「5枠」

●研究:材料「5枠」

+研究:材料「5枠」(4か月→1か月)

+研究:材料「5枠」(4か月→1か月)

・研究:材料+2「4枠」(2ヶ月)

・研究:軍事「2枠」(8か月)

 

 

――――――――――――――――

 

●一般工場法

 

 事の始まりは、大坂西町奉行で多忙を極めた一人の役人が過労死したことだった。

 その者の名は――――

 

 

 ――――大塩平八郎

 

 

 奉行所では忙しさの余り倒れるものが多かった。

 平八郎はその分の仕事も自分が背負い込んでしまい、最終的に過労死に至ってしまったのだ。

 

 事態を重く見た幕府はイギリスで3年前(1833年)に制定された「一般工場法」を制定する事にした。

 世界最先端の労働法であれば間違いなく有効であろうとの判断だった。

 

 イギリスの「一般工場法」では、

 ・12時間労働

 ・9歳未満の労働禁止

 ・13歳未満の児童労働は週48時間、一日最高9時間労働

 ・18歳未満の夜業禁止

 ・工場監督官・工場医の設置

 

 現代から見ればこれでも大概だが、この時代ではこれでも先進的だったのだろう。

 

 また、1867年の改正で工場法が適用される工場は50人以上の工場全てが対象

 1874年の改正で平日10時間、土曜6時間までとする週56時間労働制を導入

 となっているので、この時代では土曜ですら12時間労働だったということが分かる。

 

 工業化を始めた日本にとっては未来の問題ではあるが、大塩平八郎は命を以ってその事実を伝えるに至った。

 その結果、日本では「一般工場法」と同じ規制を全ての職種に適用する事に決めた。

 

 

 

 これは全ての日本国民に受け入れられる――――はずだった。

 

 

 

 様々な職種から反発があった。

 労働時間を減らせるのに何故か?

 

 超・高度経済成長の日本では物を作れば作るほど売れるのだ。

 働けば働くほど裕福になれるのに幕府は働くなという。

 

 とはいえ、お上に逆らうと結構な処罰があるので国民は従わざるをえなかった。

 

 

 そこで、諦めるのが一般人。

 少なからず存在する意識高い系は諦めなかった。

 

 

 

【江戸 本所(墨田区)】

 

 紡績機械の製造販売を行っていた早川徳次郎と友人たちは、徳次郎の家で酒盛りをしていた。

 

「お上は何を考えているのか。」

 

「とはいえ、お上に逆らえば罰則を受けてしまうしな……」

 

 法律の制定により労働後の酒盛りが流行り始めてきた頃、こんなのもアリかと一般人が受け入れ始めてきた頃

 早川徳次郎は一石を投じた。

 

「寧ろ1日12時間までという全ての人に課せられた法の下、12時間は平等な時間だ。

 例えば一週間に2台作っていた機械が3台作れるようになれば、他の奴らより儲けられるとは思わないか?」

 

「まぁ、そうだけど……徳さんは何か良い案があるのかい?」

 

「半兵衛の所と権作の所(作業場)は物の配置が違うよな?

 あれは如何してあの形にしてるんだ?」

 

「ん? あの壁に工具をかけてる奴か? 見やすいだろ。」

 

「曲線が作りやすい木材と直線に適した木材で分けてるんだよ。」

 

 徳次郎に話を振られた半兵衛と権作は答える。

 

「そう。みんな、自分達の工夫が作業場にあるだろ?

 それをみんなで共有すれば、俺達の生産性が向上するとは思わないか?」

 

 

 現代で言われる【KAIZEN】という奴だ。

 

 

 幕府の職業訓練所でも、技術は教えるが作業効率の向上までには発想が至っていない。

 

 

「俺達の商売敵は俺達じゃない。海上輸送の発達で、俺達の機械は蝦夷から薩摩、果ては和蘭まで届く。

 ならば、俺達は協力すべきだとは思わないか?」

 

 徳次郎は労働時間の規制により、全国的に下がった生産力を自分達のシェア拡大のチャンスにしようと考えたのだ。

 

「そりゃいい! 俺達の機械が和蘭に届くなんて最高じゃねぇか!!」

 

 徳次郎の提案は仲間の賛同を得て、全員が生産効率が1.5倍と格段の向上を果たすことになる。

 

 

 

 そして、徳次郎の仲間たちが最適化された作業場に慣れ始めた頃――――

 

 

 再び、徳次郎の家に集まる。

 

「半兵衛は曲線部品作るのうまいよな。」

 

「権作の細かい部品の作成もうめぇじゃねぇか。」

 

「徳さんの機械の組み立てと調整は大したもんだ。」

 

 KAIZENの為に仲間達の作業を見て、作業効率を高めようとしていた時の話だった。

 

「なぁ。俺さ、いいことを思いついたんだ。聞いてくれるか?」

 

「何だい、徳さん?」

 

「俺達さ、それぞれに作るのが得意な部品があるだろ?

 得意な所を分担して作ったら、もっと早く高品質な機械が作れねぇか?」

 

 

 まさかの大量生産の源流である。

 

 

「面白そうだな! いっちょやってみるか!」

 

 偶然ではあるが、それぞれ得意分野が異なった事で仲間内ではすんなりと受け入れられる事となった。

 その案は十分な効果を発揮し、徳次郎達はその利益で大きな工場(こうば)を「早川紡績機械」を設立する事になる。

 

 

「いやぁ、俺達は引っ張りダコだな。徳さんのおかげだ!」

 

「徳さんは目の付け所がしゃーぷだな!」

 

「なんだぁ? 【しゃーぷ】って?」

 

「【しゃーぷ】ってのはな。メリケン語で【鋭い】って意味だ。

 徳さんは目の付け所が鋭いからな!」

 

「いいな。【しゃーぷ】。

 俺はシャープだ。」

 

「そうだ!徳さんはシャープだ!」

 

 そう、現代の大企業シャープの誕生である。

 「早川紡績機械」は「シャープ」の源流だった。

 

 

――――――――――――――――

 

 まさか労働法を制定したら、大量生産とKAIZENの下地が整うとはこのリハクの目を以ってしても……。

 因みにそちらの世界のシャープも墨田区本所において1912年、早川徳次が興した金属加工業が基になっているであります。

 こちらも創業当時は3人で始めた企業であります。

 

 また、大量生産は1908年(1914年)のフォード社のT型が有名でありますが、

 1801年にイギリス海軍、1859年にはオーストリアのトーネット社が企業初の大量生産を開始しているであります。

 大量生産自体は既出のアイデアでありますな。

 

 KAIZENも、現代でも非常に有効な手段であります。

 現代工場は機械による自動化ラインと日本式KAIZENは2本柱とさえ言われるくらいの。

 

 逆に日本ではKAIZENによる作業効率向上という成功体験があるゆえに、工場の自動化が先進国でも遅れているであります。

 成功し過ぎるのも考え物なのかもしれませぬな。

 

 

 あと、大塩平八郎殿はこうなる運命でありましたな。

 史実では来年起こる大塩平八郎の乱で亡くなってしまうでありますが、こちらの世界では天保の飢饉――――なにそれ? でありますからな。

 

 史実では飢饉の真っ只中であります。皆様も忘れていましたか?

 私も忘れていましたであります。

 

 

――――――――――――――――

 

●琉球統一はまだ早かった

 

 幕府の技術力で作られた最新の青銅製大砲を携えた幕府の高速軍船(クリッパー型軍船)が琉球王国(沖縄)に到着した。

 

 

 完全に艦砲外交である。

 

 

 とはいえ、琉球王国は清にも従属している。

 侵攻される危険がある以上、易々と日本に統一される事は出来なかった。

 

 日本側も清を引き合いに出されると強くは出れない。

 幕府としても清との正面衝突は避けたかったからだ。

 

 ということで幕府は琉球王国の国王に日本の侯爵の地位を与え、清が没落もしくは日本が東洋の強者となった時に日本と共に歩むことを約束させた。

 

 

――――――――――――――――

 

 短いでありますか?

 流石に些か早すぎたであります。

 史実でも日本領と確定したのは日清戦争に勝利後(1895年)でありますからな。

 50年も早く、アヘン戦争・太平天国の乱で清が力を落としてないから仕方の無い事であります。

 

 

――――――――――――――――

 

 24時間操業がされていないのには、幾つか理由があるからであります。

 

1.今の国民には、昼勤・夜勤の概念がまだないであります。

  今まで農業主体(今も)なので、日の出から作業を始めて日没で仕事が終わりというサイクルが普通なのであります。

  機械を作る職人達は、張り切りすぎてしまっているであります。

 

2.大量に機械を持っている富岡紡績所と釜石製鉄所が国営企業であるため、24時間操業してないであります。

  所謂お役所仕事でありますな。管理する立場の役人たちは夜勤してまで働きたくないであります。

 

3.電灯、ガス灯などが存在しないため、灯りになる物が蝋燭や行燈など「火」であります。

  役人は江戸出身なので、火事になりそうな要因は極力排除したいであります。

  江戸の火事は超ヤバイでありますしな。

 

 ただ、民間レベルでは全く無いとは言えないであります。

 例えば――――

 

 

――――――――――――――――

 

「ねんがんの ぼうせききを てにいれたぞ」

 

 それぞれ木綿農家の次男坊である甚八と弥助は二人で金を出し合って、1台の臥雲式紡織機を購入した。

 しかし、この時代でも産業機械は個人で買うには高価であったため、これが限界であった。

 

「甚八。これで俺達、金持ちになろうな!」

 

「あぁ、一週間交代で昼夜働けば、お上の法にも触れないしな。

 これだけの機械、夜は休みなんて【勿体無い】。」

 

 彼らは昼勤・夜勤という考えで一つの機械を十全に使おうと考えていた。

 自分たちの家が作る木綿は高品質だと信じているし、職業訓練所で機械の使い方を学び、最高の紡績機械を使えば最高の糸が出来ると確信していた。

 明確なビジョンが見えたなら後は進むだけ。

 足りない金は1つの機械を二人で使うことで補えばいい。

 もう1つ買えるようになるまでの辛抱だと。

 

 

――――――――――――――――

 

 自主的にやる分には咎める事は出来ないでありますな。

 法には労働時間に規定はあっても、何時から何時までという規定は無いでありますからな。

 

 

――――――――――――――――

 

 一般工場法と琉球併合準備による閃きボーナス効果は以下の通りであります。

 

・清が弱体化、日本の列強化を達成する事で沖縄県の日本化

・日清戦争で勝利する事で沖縄県の日本化

・日本の近代工業化を達成した際、労働基準法が自動で制定される

・大量生産の実用化の閃きが可能になる

 

 

――――――――――――――――

 

【日本の技術レベル】

|科学:01(基本的な理学全般)

|工学:06(モノづくり全般)

|材料:03(素材やエネルギー全般)(+2)

|生物:03(農業・畜産・医学・薬学など)

|電磁:01(電気製品・発電・コンピュータなど)

|環境:00(地学・建築・土木・自然保護など)

|流通:01(物流や兵站など)

|政経:07(政治経済や社会問題の解決能力全般)

|文化:01(外交・異文化交流・芸術・娯楽など)

|軍事:00(兵器開発・戦術・軍制など)

 

※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします

 

――――――――――――――――

 

【年表】

・1830年

 救荒作物推奨令が公布される

 

・1832年

 共通規格化令が公布される

 職業訓練学校が開校する

 

・1833年

 幕府公認の銀行(後の日本銀行)が設立される

 株式会社の設立を幕府が許可する

 日本初の和製クリッパー船が航海する

 水稲農林一号が開発されて全国で栽培が開始される

 

・1834年

 様々な農機具、農技法が編み出されて全国に広がる

 特許法が制定される

 

・1835年

 日本初の軽工業工場「富岡紡績工場」が稼動開始する

 日本において公衆衛生の概念が確立される

 北海道の開拓が一段落着く

 兌換紙幣の実用実験が始まる

 帝大が設立される

 諜報機関の設立(非公開情報)

 釜石にて試験用製鉄所が建設される

 

・1836年

 一般工場法(労働法)が制定される

 

 

 現代から見た考察

 近代化する日本の将来を案じてイギリスで採用された「一般工場法」を全職種に適用した。

 江戸時代には早すぎる法令制定という意見もあるが、このタイミングで制定したおかげで今後急速に拡大する工場の常識となり、

 後年に制定するより低コストで導入出来たとの見方もある。

 

 

――――――――――――――――

 

さて、次回予告ではありますが次回は……たくさんありますな……。

長い旅になりそうであります。

 

 

大学を設立して教科書の為に紙が必要でありますな。

そして、北海道の開拓による木材の余剰が発生しているであります。

という事で、次は木材から洋紙を作成する技術を【閃く】であります。

洋紙ができればコスト的に活版も行けそうでありますな。

 

 

・ベッセマー転炉の発明(2か月)

・陶器、漆器などの貿易用商品の開発および振興(2か月)

・藍、茜、紅花、綿、麻、桑、養蚕などの商品作物の開発および振興(2か月)

・パーカッションロック式ライフル(2か月)

・オランダと通商条約締結(2か月)

・ポルトランドセメントの実用化(7か月)

・馬力コンバイン・ハーベスターの開発(7か月)

・ばね式サスペンション開発(8か月)

・ボルトアクション方式ライフル開発「2枠」(8か月)

+木材パルプ開発「2枠」(1年)

+ビタミンの発見「2枠」(1年2か月)

 

・研究:材料「5枠」(1か月)

・研究:材料「5枠」(1か月)

・研究:材料+2「4枠」(2ヶ月)

・研究:軍事「2枠」(8か月)

 

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