1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
02.1830年 飢饉への備え
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日本国への【閃き】は以下の3つであります。
●幕府による食糧備蓄の推進、流通の強化(8か月)
●救貧作物の省令を中心とした食物増産(8か月)
・水稲農林一号の開発(2年9か月)
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1830年初頭
徳川幕府は飢饉の備えとして救荒作物である、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、蕎麦、ライ麦、燕麦など、
痩せた土地、寒冷地、育て易い、などの特性を持つ作物を育てる事を命じた。
そして、天領では万が一の未曾有の凶作に備えて、これらの作物の特長を伸ばす品種改良の研究を命じた。
さらには、収穫した作物の一部を備蓄として蓄える事を厳命し、農民達に貯蓄の義務を命じた。
あまつさえ、幕府に収める年貢の一部を上記作物で代用可能と御触れを出したのだった。
【江戸城】
「上様は一体如何為されたのだ?この様な事をして。」
「さてな。だが上様は幼少の頃に飢饉の大変さを経験為されている。
ご自身の治世の間に飢饉を起こさなかったと後世に遺したいのだろうな。」
「上様も今年で58歳になられるからな。先を心配為されているのだろう」
第11代将軍、徳川家斉は幼少期に天明の大飢饉(1782-1787)を見て育った。
最近になって家斉が家臣に調べさせた所、寛永の大飢饉(1642-1643)、享保の大飢饉(1732)、
天和(1682-1683)、元禄の飢饉(1691-1695)と、ほぼ50年の間隔で飢饉が発生している事に気がついた。
そのため、自身の治世下で起こるであろうと予見される飢饉の対策として、この様な強引な政策を打ち出したのだった。
家臣達の言う通り、飢饉を予知して防いだという偉業を後世に遺したかったというのも間違いではなかったのかもしれない。
【農村】
「――――以上により、お前たちの村では馬鈴薯(じゃがいも)の栽培を命じる。」
藩の代官が文書を読み上げると農民たちは「へ、へぇ……」と生返事の様な承諾を返す事しかできなかった。
なぜなら、元々寒冷地であるこの村ではじゃがいもを「それなり」に栽培していた。
それが大規模になっただけと村人は思ったのだ。
そして「じゃがいも」そのもので年貢の一部を補填できるという点においては米の収穫量が低い村にとっては好条件だったのだ。
この様に、北ではじゃがいも、南ではサツマイモなど藩によって自分たちの風土にあった救荒作物を育てさせる事によって局所的なプランテーションが発生する事となった。
この時代、情報の伝達には時間がかかり国内でも穀物や農作物の相場はまちまちであった。
つまり、南ではさつまいもの相場が安く、じゃがいもの相場は高くなる。北ではその逆である。
当然、商人たちは儲ける為に水運、陸運で需要と供給を満たそうと奔走する事になる。
その結果、城下町での商売が活発となり図らずして各藩の税収が増加する事となったのであった。
農民たちも生産作物の備蓄を強要されたのだが、芋や穀物はそれそのものが来年の種になるので備蓄しないという選択肢は元々なかった。
それ故大きな反発も無かった。
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今回の閃きにより「天保の大飢饉」の被害が減る事になったであります。
勿論これだけでは飢饉を回避できないでありますが、大飢饉と呼ばれる事はなくなったでありますな。
国民の備蓄もこれ以降増加した状態になるであります。
誰しも在った物が無くなっていくのは不安でありますからな。
そうそう、1830年8月になったという事はフランスでは七月革命が始まったであります。
結果、シャルル10世が退位させられて七月王政という立憲君主制になったであります。
西欧にとっては大きな出来事(これ以降反乱が頻発する)でありますが、日本にとっては余り関係ないでありますな。
主な輸出品目に「革命」がある国は影響の大きさも桁違いでありますな。
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【日本の技術レベル】
|科学:00(基本的な理学全般)
|工学:00(モノづくり全般)
|材料:00(素材やエネルギー全般)
|生物:01(農業・畜産・医学・薬学など)
|電磁:00(電気製品・発電・コンピュータなど)
|環境:00(地学・建築・土木・自然保護など)
|流通:00(物流や兵站など)
|政経:01(政治経済や社会問題の解決能力全般)
|文化:00(外交・異文化交流・芸術・娯楽など)
|軍事:00(兵器開発・戦術・軍制など)
※00を史実、30(Max)を2020年相当とします
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【年表】
・1830年
救荒作物推奨令が公布される。
後世の歴史家によると
上記の令が後に続く文政・天保の農業改革の始まりとする者と、
1832年の農林一号の開発を天保の農業改革の始まりとする者に分かれている
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さて、次回予告ではありますが次の閃きは以下の3つであります。
●共通規格の制定(1年4か月)
・和洋あいの子弁財船の開発(2年1か月)
・水稲農林一号の開発(2年1か月)
【予告』
-やる夫-
「大店の息子だから生まれながらに人生勝ち組!
店は兄貴に任せて親父から小遣いもらって趣味に生きるお!」
-水野忠邦-
「『はい』ではない! 何故かと聞いている!!」
-やる夫-
「は、はいですお!!!」