1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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昨日うっかりしたので、今日は連続で投稿という事で。


20.1836年 馬車とバネ

今回は「ばね式サスペンション」であります。

1836年11月でありますな。

 

★ばね式サスペンション開発

★ボルトアクション方式ライフル開発「2枠」

・木材パルプ開発「2枠」(4か月)

・ビタミンの発見「2枠」(6か月)

・加硫ゴムの開発(6か月)

・ルブラン法によるガラス精製(6か月)

・ケプラー式望遠鏡(単眼鏡・双眼鏡)の発明(6か月)

・活版印刷機「2枠」実用化(11か月)

・ヨーゼフ・レッセルの出島招待とスクリュープロペラの開発「3枠」(1年5か月)

 

 

★研究:軍事「2枠」(1か月)

★研究専用13枠:生物+1

★研究専用13枠:環境+1

 

――――――――――――――――

 

●ガタガタしない馬車

 

【入即出屋】

 

 やる夫がトランポリンで遊んでいる時、やる夫ミュージアムの前に馬車が停まる。

 江戸時代の日本に馬車など無く、忠邦がオランダからフランス産の馬車を輸入したのだ。

 

「お主、何をやっておるのだ……」

 

「あ、お久しぶりですお。忠邦様。

 これはバネの玩具ですお。」

 

「そのポンポン飛ぶ奴が?」

 

「はい。厚い布をピンと張っているグルグル部品が鋼鉄のバネですお。

 友達が面白いモノを見つけたって教えてくれたんですお。」

 

 江戸時代にも鉄砲やカラクリにバネやゼンマイが使われているが、大型の力強いバネは今まで使われたことが無い。

 

「なるほどな。

 ところで、フランスから馬車を購入したのだが、どうにもガタガタ揺れて乗り心地悪くてな。何とかならんか?」

 

 やる夫が変な事をしているのはいつもの事だと、忠邦はスルーしてここに来た理由を話す。

 日本ではフランスのように馬車の為に舗装されたりはしていない。

 そりゃ、馬車なんて今まで無かったのだから仕方の無い事だ。

 

 ただ、フランスの馬車の品質が低いわけではない。

 オランダがそこそこのクラスの馬車を持ってきただけだ。

 その結果、日本が進化する事になってしまうのだが……

 

 

「だったらバネが丁度いいですお。

 バネには元に戻る力を利用して荷重を支える力もあるのですお。圧縮ばねというらしいですお。」

 

「ふむ、ならば試作品を作ってみてくれぬか?」

 

「わかりましたお。」

 

 

 

 板バネではなく、一般的なコイルばねを用いたサスペンションだった。

 

「無いよりかは遙かにいいが、船に乗ってる気分だな。」

 

「き、気持ち悪いですお……。」

 

「何だ。情けないではないか?」

 

「忠邦様みたく鍛えてないですお……」

 

 車軸に2つずつ、計4つのスプリングは太い鋼ではなく、ベッドのマットレスに使う程度の細いものだった。

 4つで支えようとするから結構にたわむのだ。

 

「こ、ここは天才レオナルド・ダ・ヴィンチが作った板バネ自動車を参考に……。

 多分コイルバネじゃダメですお……うっ……」

 

 5倍くらい太いスプリングだったら大丈夫だっただろうが、それだと熱した状態で成型しないといけないのでコストが跳ね上がってしまう。

 結果、何故か西欧で使われているのと同じ板バネが出来上がる事となった。

 

 

「ふむ、かなり良い乗り心地だな。」

 

「鋼の量は莫大に増えましたけど、これなら誰でも使えますお。」

 

 10cmくらいの細いバネ4つと金属板を何枚も重ねた板バネとでは、金属の使用量は桁違いなのだ。

 

「うむ、確かに鋼の使用量が大きな問題だな……。

 何とかコイルバネを太くは出来んか?

 それが可能ならば、板バネの鉄板2枚分位で済むだろう?」

 

「やってみますお。多分、鍛冶みたく熱してある程度柔らかくなったら何かに巻きつければ出来ると思いますお。」

 

「うむ。頼むぞ。」

 

 

 

 そんなこんなで、現代のサスペンションくらいに太いコイルばねが出来上がった。

 

「うむ。これもかなり乗り心地がいいな。

 して、製造に掛かる労力はどちらの方が大きいのだ?」

 

「板バネですお。あれ、実は全部弧の形が違うんですお。曲げる角度とか結構気を使うらしいですお。」

 

「よし、ならば、鋼鉄製のコイルばね、鋼鉄製の板バネ、木製の板バネ。

 3つのバネを選択できるようにしようではないか。

 他のパーツを可能な限り共通化すれば、生産コストも抑えられるだろう?」

 

「なるほど、客層によって質とコストを変えるわけですお?

 でしたら、上モノも幾つかバリエーションを用意してカスタマイズ出来るといいですお。

 でも、大丈夫ですかお?

 馬車は江戸では禁止じゃなかったですお?」

 

 そうなのだ。

 寛政の改革のときに中井竹山という儒者が提案したのだが、当時の老中であった松平定信によって却下されている。

 当時は保守的であったため、社会変化における職業の変化をリスクと捉えたのだ。

 

 だが、今は経済が膨張を続け、職のあり方はドンドン変化している。

 寧ろ、馬車を採用して余剰の人員で更なる経済成長をしたいくらいなのだ。

 海外居留地も出来たし。(かなり手付かず)

 

「問題ない。あの頃はそうであったが、今はそんな事を言っていては西欧から取り残されるだけだ。あちらは昔から馬車を使っていたようだからな。」

 

「わかりましたお。

 だったら製材工場が必要ですお。需要はかなりあると思いますお。

 入即出屋も紀伊の国に工場建てていいですかお?」

 

「うむ、民の経済活動にとやかく言うつもりはない。

 好きにせよ。」

 

 

――――――――――――――――

 

 やる夫の立ち位置って、結構重要機密がポンポン入ってくるでありますな。

 まぁ、市場を創造しているのが彼なのだから仕方ないでありますが。

 

 これによって日本に馬車が登場するであります。

 人の移動、物の移動が更に活発になるであります。

 

 船便の減少が懸念される?

 当面は沿岸線ではなく内陸部への輸送が主になるでありますな。

 内陸は陸運の独壇場でありますからな。

 その後は鉄道が登場するでありますから――――頑張れであります。

 

 武士たちも自分たちが保有する馬を親族の商人に貸して小金を稼いで居たりするでありますよ。

 馬ですら自分の食い扶持は自分で稼ぐであります。なんという資本主義……。

 

 平和な時代、武士にとって馬は見得、儀礼用でありますからな。

 地味に金食い虫であったであります。

 まぁ、馬を養えるだけの稼ぎがあるという財力を見せるのに分かり易かったのかもしれませぬな。

 

 

――――――――――――――――

 

●ちょっと朝鮮~?鉄くれない?

 

 少し前までは、朝鮮から木綿、生糸、朝鮮人参を輸入して、日本からは銀、銅が流出していた。

 しかし日本の発展で今や様変わりしている。

 輸入は銅が流入に切り替わり、輸出品目が綿織物、絹織物、黄銅製品、鉄製品(鋼鉄ではない)と製品輸出に切り替わっていた。

 

 その結果何が起きたかというと、朝鮮の貿易赤字だった。

 まぁ、日本ももの凄い量の流出をしていたし仕方ない。

 

 その結果何が起きたかというと、鉱物資源の輸入だった。

 朝鮮では鉄鉱石、石炭、銅、鉛、亜鉛など(タングステン、モリブデンも)結構な量の鉱物資源がある。

 更に品質の高い石灰石もある。(採掘技術は…………ね)

 そして、日本のクリッパー船によって輸送量も格段に向上したのも一因となっている。

 重くて嵩張ろうとも必要なのだから、さして問題にはならないのだ。

 

 

 諸説あるが、歴代李氏朝鮮の国王は鉱山開発に精力的ではなかった。

 だが、貿易赤字を何とかするためにも止むをえず、鉱山開発をする事になってしまった。

 

 その結果、現代でもよく見る原料の輸入、製品の輸出という構図が出来ることになる。

 

 

――――――――――――――――

 

 なんと、こちらでも鉄鉱石の輸入の手筈が整ってしまいましたな。

 オランダ経由のオーストラリア産鉄鉱石と朝鮮産鉄鉱石、どちらも釜石では少し遠いでありますな。

 つまり、西日本の製鋼所建設が急務となるであります。

 

 それまでは釜石製鋼所がフル稼働になるであります。

 頑張れ釜石!今まで休んでた分を取り返すときですぞ。

 

 

――――――――――――――――

 

 「ばね式サスペンション」による閃きボーナス効果は以下の通りであります。

 

・主要街道の整備の【閃き】が解禁

・馬車による陸運が始まる

 

 朝鮮からも鉄鉱石の輸入が始まるであります。

 こちらは、鉄製品の輸出も利益が出るであります。

 

 ちなみに釜石製鋼所ではキャパオーバーであります。

 西日本の製鋼所建造が急務であります。

 

 サスペンションというか、馬車の陸運で流通が+1。

 閃きが+1でありますな。

 

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【日本の技術レベル】

|科学:02(基本的な理学全般)

|工学:10(モノづくり全般)

|材料:10(素材やエネルギー全般)

|生物:04(農業・畜産・医学・薬学など)(+1)

|電磁:01(電気製品・発電・コンピュータなど)

|環境:04(地学・建築・土木・自然保護など)(+1)

|流通:02(物流や兵站など)(+1)

|政経:08(政治経済や社会問題の解決能力全般)

|文化:01(外交・異文化交流・芸術・娯楽など)

|軍事:03(兵器開発・戦術・軍制など)(+2)

 

※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします

 

 流通がもう少し高いと生産物の流通コストが下がるでありますな。

 

 文化を放り投げるのでなければ、そろそろ上げた方がいいであります。

 海外居留地の住民と仲良くなれるでありますからな。

 

 長所を伸ばすか短所を補うか……。

 悩みどころでありますな。

 

 でも、材料がLv13で石油が精製できて、工学Lv15で油井および石油プラントが建設可能になるであります。

 もちろん内燃機関も発明できるので、ディーゼル化が出来てしまうでありますな。

 蒸気機関よさらばであります!!

 

(発電には蒸気タービンめちゃくちゃ使います)

 

――――――――――――――――

 

【年表】

・1830年

 救荒作物推奨令が公布される

 

・1832年

 共通規格化令が公布される

 職業訓練学校が開校する

 

・1833年

 【農業】【江戸の農業革命が始まる】

 幕府公認の銀行(後の日本銀行)が設立される

 株式会社の設立を幕府が許可する

 日本初の和製クリッパー船が航海する

 水稲農林一号が開発されて全国で栽培が開始される

 

・1834年

 【制度】【近代的特許法の制定】

 様々な農機具、農技法が編み出されて全国に広がる

 

・1835年

 【工業】【第一次産業革命の発祥】

 【学業】【帝大設立】

 日本初の軽工業工場「富岡紡績工場」が稼動開始する

 日本において公衆衛生の概念が確立される

 北海道の開拓が一段落着く

 兌換紙幣の実用実験が始まる

 諜報機関の設立(非公開情報)

 釜石製鋼所が建設される

 

・1836年

 【工業】【第二次産業革命の発祥】

 【工業】【鋼鉄が大量生産される】

 【農業】【江戸の農業革命の成熟】

 【制度】【近代的労働法の制定】

 【外交】日蘭通商条約の締結

 各地に名産品、特産品が振興される

 横浜に初期型の赤レンガ倉庫が建造される

 近代的な後装式の銃(天保銃)が発明される

 馬車による陸運が始まる

 

 

 現代から見た考察

 1836年に発明された天保銃はこの時代における代表的な銃の一つである。

 同時期に開発されたドライゼ銃を模倣して作られたと歴史書には残されているが、この頃のドライゼ銃は完成とは程遠く模倣して天保銃が出来るとは到底思えないものだった。

 さらには、ライフリング、金属薬莢など世界最先端の技術がふんだんに使用されており、世界から見ても天保銃は頭一つ飛びぬけた性能を持っていたのは間違いない。

 

 同年、馬車による陸運が始まる。

 寛政の改革では許可が下りなかったが、時代の流れの為かこの年から馬車の使用許可が下り、陸運が活発化する。

 高まってきた内需を満たすための後手後手な判断とも言われるが、

 この時代、50年前の決断をひっくり返すのは簡単ではないことから、徳川家斉の偉業の1つとされている。

 

 

――――――――――――――――

 

さて、次回予告ではありますが次回は「木材パルプ」であります。

 

・木材パルプ開発「2枠」(4か月)

+八幡製鉄所「6枠」(6か月)

・ビタミンの発見「2枠」(6か月)

・加硫ゴムの開発(6か月)

・ルブラン法によるガラス精製(6か月)

・ケプラー式望遠鏡(単眼鏡・双眼鏡)の発明(6か月)

・活版印刷機「2枠」実用化(11か月)

・ヨーゼフ・レッセルの出島招待とスクリュープロペラの開発「3枠」(1年5か月)

 

★研究専用13枠:工学+4

★研究専用13枠:材料+3、工学+1

 

 閃き枠は全部八幡製鉄所に全ブッパでありますな。

 資源(特に鉄)に飢えてたのに、まさかの嬉しい悲鳴でありますな。

 

 公害が心配?

 直ちに影響は無いであります。(政治家感)

 

 それよりもディーゼルエンジンの方が大事であります!

 目の前に石油があるのでありますよ!?

 

 


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