1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
今回は「ビタミンの発見」であります。
西暦は引き続き1837年5月でありますな。
■加硫ゴムの開発
■ルブラン法によるガラス精製
■ケプラー式望遠鏡(単眼鏡・双眼鏡)の発明
★ビタミンの発見「2枠」
○八幡製鉄所「6枠」
・活版印刷機「2枠」実用化(5か月)
・ヨーゼフ・レッセルの出島招待とスクリュープロペラの開発「3枠」(11か月)
・パレンバンの産業振興(11か月)
・バリクパパンの産業振興(11か月)
■研究専用13枠:生物+2
■研究専用13枠:生物+2
――――――――――――――――
●ビタミンの発見
【京都帝国大学】
「江戸患い(脚気)に対する特効薬が分かりました。
どうやら玄米から白米に精製する際に出てくる米ぬかの中に脚気予防の栄養素が含まれているようです。
白米を食べる江戸の人に米ぬかで作ったパンを食べさせたところ、脚気の症状が発生しなくなったとの結果も出ています。
また、航海時に発生し易い壊血病についてもライムや蜜柑などの柑橘系を摂取することが対策になるのは有名ですが、
柿や苺にも同様な効果、いえ柑橘類より効果が高いことが分かりました。
種別が全く違う果実からも同様な効果が得られることから、人に好影響を与える成分はある程度カテゴリに分ける事が出来ると判断します。
これを『ビタミン』と名付ける事を提案します」
京都帝国大学の頭のいい人が唱えた『ビタミン説』という新たな論文は各帝国大学に瞬く間に広がりを見せる事となった。
そして触発された各大学からは、更なる研究結果が報告されることとなる。
【九州帝国大学】
「ビタミン説は、野菜、穀物だけに留まらず。
豚肉にも豊富に含まれている事が分かった。
豚肉に含まれるビタミンは、疲労回復の効果があり更に脚気にも効果がある事が実証された。
豚ゆえにビタミンB(B1)と名付ける事とする。」
【名古屋帝国大学】
「我々の研究チームは野菜、穀物に含まれる主成分となるビタミンの抽出に成功しました。
これらをビタミンA,B,C,D,Eと名付ける事とします。
また、とある企業との提携で市井への販売も決まりました。」
とんとん拍子でビタミンの概念は広まり、とある工場にてビタミンを抽出する機械さえ発明するに至った。
そのとある企業とは――――
――――――――――――――――
●マルチビタミンサプリメント
【入即出屋】
「滅茶苦茶忙しいお!」
残当な結果である。
日本で最も工業技術に優れた企業?(商会です)は入即出屋だった。
「商人だから儲け話には手を出すのは当たり前だ。」
やる夫の兄はそう言う。
「やる夫は商人じゃないお。道楽者だお!」
「自称な。巷では蘭学者兼、発明家兼、資本家らしいぞ。」
「今やってる事、それのどれにも当てはまらない気がするお!」
必死に働いてる(?)やる夫は抗議するが。
[「働いてるのがお前ならな」「…………」]
「…………」
「ま、そういうこともあるお」
実際に手を動かしているのは、やる夫に付き合ってきた所為で最先端技術ばかり手がけるハメになった友人達だ。
彼らも面白いことは好きだし、やる夫の金払いも非常にいいので生活に困る事はない。
つまり、彼らも道楽の一環として一緒にやってるのだ。
全てのボルトを締め終えて、最終チェックを終えた仲間がやってくる。
「ま、こんな感じか。
やる夫、いつでも動かせるぞ。」
「サンキューだお!
早速ビタミン剤製造ラインを動かすお!!」
こうして、各種ビタミンが入ったマルチビタミン剤が市場を作る事となる。
(※完全に市場独占してます)
[江戸っ子:やった!白米ばっか食える!!]
(ちゃんとバランスよく食うお……)
――――――――――――――――
健康は時代を超えて市場を形成できるものでありますからな。
日本が発展していくほど一大産業となっていくでありますよ。
史実でのビタミン発見は、1910年に鈴木梅太郎という日本人が米ぬかから脚気に対する研究を行って見つけたらしいであります。
まさか日本人だとは思わなかったでありますな。白米に対する強い思いがなした業なのかもしれませぬな。
正直なところ、入即出屋は商店というより財閥になっているでありますよ。
今のところ、三井・住友>>>入即出>>>>>三菱(まだない)でありますな。
そう思うと19世紀後半に起業して100年以内に三大財閥入りした三菱は怪物でありますな。
入即出の立ち位置はメーカーのメーカーといった感じであります。
商品を作るのではなくて、商品を作る機械(設備)を売ってる感じであります。
もちろん入即出屋のように運送業もやっているでありますし、商品も作っているであります。
ね? 財閥みたいでありますよね?
――――――――――――――――
●モリソン号到来
横浜の出島に、また異国の船がやってきた。
「スミマセーン。ココガ、ヨコハマデスカ?」
国旗からアメリカだということが分かる。
ロシアに続いていったい何用かと、役人は再び困惑する。
「そうです、ここが横浜です。
どのようなご用件でしょうか?」
「私はステイツの商人チャールズ・W・キングです。
漂流してマカオに居た日本人を送り届けにきました。」
そうして7名の日本人が彼の船から降りて来た。
「お役人様、申し訳ありません。漁の最中に嵐に巻き込まれてしまって……」
顔と風貌から日本人と分かるが、流暢な日本語からも間違いなく日本人だという事がわかる。
「これはこれは、お気遣い痛み入ります。」
「構いません。ステイツの正義の心に従ったのです。」
彼の言葉に偽りはない。
彼らは彼らの正義の元に正しき行動をするのだ。
勿論、アメリカの正義が他国の正義と同一でない場合も多々あるが。
「ところで、日本はステイツとの貿易に興味はありませんか?」
完全なる善意だけではなく、通商できないかなという思惑も勿論ある。
「お気持ちは嬉しいのですが、日本ではオランダ以外とは一切貿易をしないことを幕府から命じられておりますので。」
役人としても日本人を救ってくれた彼には便宜を図ってあげたいという思いもあるが、そういう訳には行かない。
「そこを何とかなりませんか?」
そこで引き下がるような軟弱な神経を彼は持ち合わせていない。
「分かりました、お上に問い合わせてみます。」
数日後――――
「チャールズさん、お上からの使者が来ました。」
江戸からやってきたのは後の老中首座である阿部正弘だった。
このとき、既に阿部家の家督を継いでいたが、まだ18才と非常に若かった。
「初めましてチャールズさん。
私は阿部正弘です。幕府からの使者として馳せ参じました。」
「初めましてマサヒロさん。
私はステイツの商人チャールズ・W・キングです。
それで、通商の件は如何でしたか?」
「はい。結論から申し上げますと、『チャールズさんの船舶に限る』という条件であれば交易を許可できます。
細かい条件ですが――――」
チャールズは商人であって外交官ではない。
それに国交を樹立もしてないのに国家間で通商など出来るはずもない。
だが、日本人を救ってくれたという恩義に報いないのも日本としてバツが悪い。
その結果、チャールズ個人であればという条件を課したのだ。
アメリカとは鎖国を継続するが、彼個人には恩義と言う形で便宜を図る。といったこじつけだ。
「ふむむ……」
チャールズとしては最高の条件だ。
自分だけが東洋製品を購入できるのは一種の市場独占であり、利益はかなり期待できる。
ステイツの利益と個人の利益を天秤にかけて、彼は自分の利益を取る事にした。
「わかりました。という事は今日から購入できるのですね?」
「ははは。さすが商人ですね。
勿論です。今回に限り恩義があるので、幕府からお安く提供しましょう。」
結果、チャールズはステイツに帰国してめちゃくちゃ儲けた。
他のアメリカ商人も続こうとしたが、残念ながら鎖国故にシャットアウト。
日本近海には、遭難した日本人が居ないか探すアメリカ商船が増えたとか増えないとか。
後、中国人を日本人扱いして誤魔化そうとする輩には丁重にお帰り頂いた。
――――――――――――――――
実はモリソン号事件の所為で、チャールズが自国で日本はこんな酷い国だと冒険譚を出版することになったであります。
その結果、1845年にアメリカ海軍の士官のジェームス・ビドルが武装して日本にやってきて、その結果を元にペリーがやってくるであります。
つまり、日米の関係性はこの件を下に史実から大きく外れる事となるのであります。
逆にチャールズだけじゃなくステイツと交易しろよ!ってやって来るかもしれませんが、それはその後のアメリカ事情に依るかもしれませんな。
―――――――――――――
「ビタミンの発見」によって閃きボーナス効果は以下の通りであります
・生物レベル+1
・日本人の死亡率低下(人口増加率上昇)
ワクチンやペニシリンでも+1の予定なので、これくらいですかな?
徐々にではありますが、日本人に健康志向の概念が生まれるであります。
健康と美容に対する商売は永遠に続きますからな。
入即出屋もガッポガポでありましょうな。