1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
さて、ほぼ新年度になったので(関係ない)通常モードに戻るでありますよ
時代は1837年10月のままであります。
★活版印刷機「2枠」実用化
★ワクチン
・パレンバンの産業振興(1か月)
・バリクパパンの産業振興(1か月)
・ベビーブーム(2枠)(1か月)
・新貨条例(3か月)
・ヨーゼフ・レッセルの出島招待とスクリュープロペラの開発「3枠」(6か月)
・樺太・千島列島の入植(3枠)(7か月)
・鋼鉄レール鉄道開発(2枠)(1年1か月)
・蒸気機関車(2枠)(1年1か月)
・内燃機関(5枠)(2年7か月)
★研究専用13枠:生物+5
★研究専用13枠:環境+5
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●活版印刷機
【入即出屋】
舶来品といえばココ、やる夫の元に持ってくるのが吉。
水野忠邦と阿部正弘がオランダから仕入れた活版印刷機を持ってきた。
「やる夫。これを日本でも使えぬか?」
活版印刷は日本に全く来なかったわけではない。
アルファベットに比べて文字数が膨大に多くて流行らなかったのだ。
どのくらい多いかというと
ひらがな(濁点なし)でアルファベットの倍(*´ω`*)、カタカナで更に倍(*´ω`*)、漢字で倍(*´ω`*)の倍(*´ω`*)の倍(*´ω`*)―――――
ね? 流行らないでしょ?(*´ω`*)
「と、いう訳で日本では活版印刷が流行らなかったのだが、これから日本が発展して行くには書物が必要だ。
紙はお主のおかげで目処が付いている。何とかならぬか?」
何とかならなかったから廃れたわけなのだが、さらに正弘は続ける。
「漢字に関しては、良く使われて子供でも読めるであろう440文字に絞りました。
今後はこれを初級常用漢字とする予定です。」
この440文字は現代の小学1~3年生が学習する漢字と同じものであった。
(1年80文字、2年160文字、3年200文字)
「でもココに来たという事は、何か問題があったということですかお?」
「そうだ。西欧の20倍以上にもなる活字の金型、木型の作成が中々に人手の掛かる作業でな。
同じ型を大量に作るいい手はないかとな。
共通規格を発案したおぬしなら、何かアイデアを持っておらぬかとな。」
漢字は少なくて済むかもしれないが、ひらがな、カタカナは1ページに何度も出てくる。
活版が無い漢字はカタカナになるため、カタカナもイガイとヒツヨウだったのだ。
「でしたら、凹型の金型を1つ作って、熱して柔らかくしたゴムを流してゴム型を作るとか如何ですかお?」
最近、偶然出来た加硫ゴムであればそこそこの耐用年数かつ、1つ1つ金型、木型を作るより圧倒的に楽でコストも掛からないだろう。
「なるほど、流石は加硫ゴムの発案者だけあるな。
そのような用途は考え付かなかったぞ。」
ゴムの主な用途は防振、密閉などゴム特有の効果を持つ箇所だけであり、木や金属と同じ様に使うことは忠邦にも正弘にも目から鱗であった。
「貿易黒字の大きいオランダからの輸入量も増やせますし、製造費、人件費も大きくコストダウンできますね。」
実はオランダからの国債償還は、日本への輸入より日本からの輸出が多く全くといいほど進んでいない。
しかもオランダ鉄道建設の債権まで買って増える始末だ。
東インド領オランダで採取できる生ゴムの取り扱い量が増えれば、輸出超過を軽減する事が出来る。
「よし!ゴム版用の金型作成くらいなら江戸の職人でも十分に数が足りるな!
ハハ、また新しい発明をしてしまったな、やる夫」
「驚きですね。こんな感じで新しい発明が出来ていくなんて」
木鉄クリッパーや和製活版印刷など、1年で大きな発明を見届けた阿部正弘は日本の底力を垣間見た気がした。
日本でも活版印刷の目処が立ち、印刷所、そして製紙工場の需要が更に生まれた。
各財閥達が新たな需要に対して結構な額の投資を行い、北海道から鹿児島まで異例の速度で広まる事となった。
特に大学で使用していた教科書が印刷物に替わり、記載される知識量と技術進歩に対する改訂の柔軟さが向上する事になる。
そして、一般市民に使われた最初の活版印刷は――――
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いきなりゴム版の活版印刷が出来ましたな。
この活版印刷は木材にゴム版を貼り付けた活版を組み合わせているであります。
全て同じ正方形の文字なので、今、皆様が見ているような等間隔フォントの書籍が出来上がるであります。
アラビア数字、アルファベットは123 abと半角でありますよ。
今回の事で技術書などの書籍が大量生産できるようになったであります。
「21.1837年 洋紙の台頭」で申し上げたとおり、今回に限り全技術が+1されるであります。
知識は力なりでありますからな。書籍の力は偉大でありますな。焚書なんてもってのほかであります。
また阿部正弘氏が言っておられた初級常用漢字は、後の小学校の低学年で覚える漢字として採用される事になるであります。
ついに教科書が大量印刷できる下地が整いましたな。
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●予防接種
一般市民に使われた最初の活版印刷は予防接種の案内を記した、今で言うチラシだった。
この予防接種は、天然痘、風疹、麻疹、おたふく風邪など、この時代の日本では未だ死亡率が高い病気に対してのワクチンが幕府の補助で受けられるというものだった。
風疹、麻疹、おたふく風邪は1950~2000年代まで流行があったくらいで、風疹に関しては2010年代に入って再流行し始めるくらい厄介な病だった。
天然痘は今でこそ根絶されているが当時は死亡率20~50%で、第113代天皇の東山天皇陛下(1675~1710)でさえ天然痘で崩御されているのだ。
100年前にそのような事態があったとあれば、京都、大阪、江戸などの大都市では自分の家族を
農村部でも都市部ほどでは無いが、予防接種を受ける人が徐々に増えつつあった。
順調に広まる予防接種だが、技術の確立のきっかけはひょんなところからだった。
松前藩に勤める『中川五郎治』という人物がロシアのオホーツクで種痘書を入手していたのだ。
そして、彼は自分の娘に天然痘のワクチンを接種させていた。当時、北海道では天然痘が大流行しており、娘を守る為だったとされている。
幕府は松前藩での天然痘死亡者が少ない事に気が付き、調査に当たったところ『天然痘のワクチン』の存在を発見したのだ。
その書籍と天然痘を予防できる事実が重なり、大学で最重要案件として研究される事となる。
【東北幕府大学】
「なるほど、人とは異なる生物で成長したウィルスは人には強い毒を持たなくなる場合があるのか。
それ故に完治した人から作られるワクチンより、牛で作られたワクチンの方が効力が高くなるということか。
どうも西欧では『弱毒化ウイルス』と呼ばれているようだ。
これは、生物を用いずに研究室で培養した場合も同様の効果をもたらさないだろうか?」
とある研究者の発案により、風疹、麻疹、おたふく風邪のワクチンが研究されて実用化レベルにまで至る事となる。
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タイミングが悪いでありますが、今がそういう時期でありますな。
コロナより10~30倍致死率が高いのが天然痘であります。
ね? ヤバイでありましょう?
結核や黄熱、コレラなどは今はワクチンの精製が不可能ではありますが、生物(医学)レベルが上昇してゆけば自動で予防接種に組み込まれていくでありますよ。
余談ではありますが、徳川家慶の5男慶昌も予防接種を受けており、1838年に亡くなるのを回避しているであります。
家慶の男児は4男家定しか存命しなかったのも継嗣問題の原因でもありますからな。
家定も慶昌も世継ぎが生まれる前に亡くなってしまったため、徳川家慶の血が途絶えてしまったのであります。
慶昌(養子となり、一橋慶昌となる)は勝海舟が遊び相手でありましたが故、慶昌が存命するため一橋家の家臣として出世するでありますよ。
おや、既に超エリートルートに乗りましたな。
1838年で15歳でありますから、来年成人でありますな。
勝海舟が史実より早くに神戸海軍操練所を設立し、海軍増強に更にブーストが掛かるであります。
[――――これ以上?]
いやぁ、海軍大国まっしぐらでありますな。
こちらの世界でも1840年代には、装甲艦(防護巡洋艦)秋津洲が爆誕しそうであります。
さすがに魚雷は無いでありますが。
一人生き延びるだけで、全然世界が変わってしまうでありますな。
全く余談ではなかったでありますな。
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【日本の技術レベル】
|科学:03(基本的な理学)(+1)
|工学:17(モノづくり)(+1)
|材料:15(素材、エネルギー)(+1)
|生物:16(農業・医学)(+7)
|電磁:02(電気製品・発電)(+1)
|環境:11(建築・自然保護)(+6)
|流通:03(物流や兵站)(+1)
|政経:09(政治経済や社会問題の解決力)(+1)
|文化:02(外交・異文化・芸術・娯楽)(+1)
|軍事:04(兵器開発・戦術)(+1)
※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします
活版印刷機により全技術レベル+1、ワクチンにより生物レベル+1でありますよ。
研究の成果もあり生物カテゴリは材料を抜き二番手でありますな。
活版印刷機、ワクチンにより以下の技術が解禁であります
・輪転機(オフセット印刷)の【閃き】が解禁
・プロバカンダの【閃き】が解禁
・ペニシリンの【閃き】が解禁
ワクチンによって、人口増加率が更に向上。
そして2つ併せて閃き+2でありますな。
経済に直接関与するものでもありませんし、これくらいでありますかな?
また、生物レベルの向上によりニトログリセリン、およびダイナマイトが出来てしまったであります。
こちらでは平和的に使われるといいでありますな。
ま、無理でありますな。こちらの世界の方が凶暴でありますので……。
更には初期の人工肥料(過リン酸石灰:骨粉+硫酸)、低温殺菌、銀板写真が実用化したであります。
パスツールさん、発明を「ほぼ」根こそぎ奪ってしまい申し訳ないであります。
環境もかなり進展があったであります。
まずは鉄筋コンクリートがかなり短い期間で閃けるであります。(1867年にジョゼフ・モニエが発明)
また、生物(化学)レベルも高いことにより【脱硫装置】が完成し、八幡製鉄所と釜石製鋼所で硫酸も副産物として製造を開始したであります。
そろそろ海外へ行くため、文化、軍事レベルも必要でありますな。
日本的宗教の自由は現状レベルでは足りませんからな。(キリスト教。ダメ、絶対)状態でありますからな。
工学に関してはディーゼル機関、蒸気タービンまでで一旦停止であります。
これ以降の技術発展は電気制御が必要でありますからな。(ディーゼル、タービンも発展系には必要)
まぁ、レベルが高いと閃き期間が短くなるので、レベル30までブッパしても悪くは無いでありますが……。
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【年表】
・1837年
【徳川家慶 第12代征夷大将軍就任】
【医学】予防接種の普及
【??】和製活版印刷の開発
現代から見た考察
徳川家慶が征夷大将軍になってからも日本の発展速度に変化は無かった。
※この時点では家斉が行っていた政策の延長であるという見方も強いが。
しかし、当時流行り病の1つであった天然痘の予防接種を行い、さらには自身の子一橋慶昌にまで予防接種させた事は非常に大きな影響を与えている。
将軍が自らの子に予防接種する事で【確実に安全である】というイメージを日本中に植えつけたからである。
このとき欧州では、牛から作ったワクチンは呪われていると、体から牛が生える風刺画さえあったくらいなのにだ。
家慶の才の片鱗はこの時から既に現れていたといえる。
この年を境に日本における天然痘の死者は世界に比べて明確に少なく、現代では天然痘?インフルエンザの亜種?といわれるほどに忘れ去られて久しい。
現在でも日本はドイツに並ぶ医療の先進国として世界からは評価されている。
また、和製活版印刷も日本の出版業界の牽引役であった。
漢字を減らす、ゴム版を使うという概念は当時生まれたもので、漢字に関しては後の小中高633制度の漢字の教育方針の基礎となった。
また、外国向けに難しい漢字を使わずカタカナを用いる概念も今では一般的に利用されているが、この時の概念があってのことである。
ゴム版の概念はオランダを通じて西欧に広まり、ゴムが(このときは生ゴム)非常に有用性な物質だと認識され始めたのは少し先の話だ。
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「ねぇ、そのゴム版作り方教えて頂戴?」
[オランダの化身]
「構わないでありますが、ゴムの取引量を増やして貰うでありますよ?」
[日本の化身]
「構わないわよ。どのみち本格的に量産するつもりだし、何ならブラジルから輸入してあげてもいいわよ。
船を売ってくれるならね。」
(どうせイギリスの事だから、インドかマレー半島で作り始めるでしょうし。)
[オランダの化身]
「わかったであります。」
「これは使えますね。ブラジルから種を(勝手に)貰いましょう。」
[ゴムの有用性を知ったイギリス]
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さて、次回予告ではありますが次回は「ロシアがまたやってくる」であります。
この5ヶ月でとんぼ返りしてくるであります。何か重要な用件でもあるのでありましょうか?
・パレンバンの産業振興(1か月)
・バリクパパンの産業振興(1か月)
・ベビーブーム(2枠)(1か月)
・新貨条例(3か月)
・ヨーゼフ・レッセルの出島招待とスクリュープロペラの開発「3枠」(6か月)
・樺太・千島列島の入植(3枠)(7か月)
・鋼鉄レール鉄道開発(2枠)(1年1か月)
・蒸気機関車(2枠)(1年1か月)
・内燃機関(5枠)(2年7か月)
+寺子屋の近代化および教育の義務化(小中高633制導入)「2枠」(6か月)
+鉄筋コンクリート「3枠」(1年1か月)
・研究専用13枠:文化+1
・研究専用13枠:文化+1
次の閃きは活版印刷が出来た事で実現できる「寺子屋の近代化、教育の義務化」ですな。
教科書が無いとここまで大きい事は出来ないであります。
もう1つは技術レベルのため可能になった鉄筋コンクリートであります。
東京駅が赤レンガじゃなくて、初めての鉄筋コンクリート建造物になるでありますよ!
研究は文化一択ですな。
パレンバン、バリクパパンの住人と軋轢がでないようにもう少し必要であります。