1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
西欧語なら職業訓練所で学べるけど、マレー語は無理あるだろ……
いや、この日本ならマレー語もイケるだろ。と思えるお方がそれでお願いします。
因みに阿部正弘は「日本語」「オランダ語」「ロシア語」「英語」と現代日本人も驚愕のクアドリンガルという化け物です。
「言って置きますが、私は17で家督を継ぎ、25で老中になる超エリートですよ。」
時代は1837年11月になりましたであります。
今回は「パレンバン」「バリクパパン」の産業振興でありますよ!
★パレンバンの産業振興
★バリクパパンの産業振興
・ベビーブーム(2枠)
・新貨条例(2か月)
・ヨーゼフ・レッセルの出島招待とスクリュープロペラの開発「3枠」(5か月)
・寺子屋の近代化および教育の義務化(小中高633制導入)「2枠」(5か月)
・樺太・千島列島の入植(3枠)(6か月)
・鋼鉄レール鉄道開発(2枠)(1年)
・蒸気機関車(2枠)(1年)
・鉄筋コンクリート「3枠」(1年)
・内燃機関(5枠)(2年6か月)
★研究専用13枠:文化+1
★研究専用13枠:文化+1
――――――――――――――――
●バリクパパンの開拓
「よし!ココが俺達の新天地か!!」
幕府のクリッパー船に乗っていた100人を超える人たちが降りてきた。
彼らはバリクパパンの開拓者だ。
やる夫のように渡航許可を貰ったものではなく、幕府の政策で移住してきたのだ。
「日本では失敗したが、それで諦める様な俺じゃねぇ!」
「「そうだ!そうだ!」」
彼らは日本で事業を起こしたが、競合に破れて倒産した所謂「敗北者じゃけェ……」だ。
だが、それでも立ち上がる者達を幕府は新天地に連れて行き、新たな事業を任せることにした。
それが居留地開拓だ。
彼らは10年以上ここに住んで事業を立ち上げる事を条件に、幕府から融資を「日本円」で受けている。
彼らはその資金を元手に鋼鉄製の農具や斧などを購入してバリクパパンにやってきた。
もちろんパレンバンでも同じ政策が取られている。
「先ずは開墾だな。幸い此処には見渡す限り木、木、木だ!
日本じゃ木の需要がうなぎ上り。幕府のデカイ船なら巨木だって買い取ってくれる!
伐採だ!!」
「オイオイちょっと待てよ。土地の権利者に許可もらわねぇとだろ?」
「おっといけねぇ。目の前の金の山に目が眩んじまった。
其処の人! ここの土地の所有者は誰だ?」
移民団の一人が、バリクパパンの村に暮らす男性に声をかけた。
「所有者?? 長老の事かな? というか、お前たちは誰だ?
デカい船で来た割には白人(オランダ人)っぽくはないな。」
デカい船で来た=白人=略奪者のイメージが強いボルネオ島の住民は、顔が似ている不思議なヤツラに興味を持った。
「俺達は日本人だ。あっちの方から来た。」
移民団の男性は北東を指して、来た方向を示す。
(少し顔の色が薄いし、フィリピン北部の民族か?)
倍以上遠いのだが、彼らがそれを察する事が出来よう筈もない。
そして、出身を勘違いしたマレー人の男性は、日本人数名を村の長老に会わせた。
「そうか、悪いことしない、果実の成る木を切らないのなら好きにすればいい。
住むために村を作るのは誰だってすることだ。」
アジア顔というのが、略奪者(オランダ)に苦しめられているマレー人にはいい印象で受け入れられた結果だろう。
「ありがとう。助かる!」
こうして、最終的に農地を作るための森林伐採が始まった。
開拓民は木を伐採し、自分たちの家を作り余剰分の木を幕府に卸し金銭を得て必需品を購入していた。
それを不思議そうに見つめるバリクパパン村の人々。
「なぁ、お前たちは何でそんなに働くんだ?」
「そりゃ、飢えたくないし、もっといい暮らしをしたいだろ?
お前たちは違うのか?」
「飢えたくはないが、いい暮らしとはどんなものだ?」
彼らは自給自足、近隣の村と物々交換という原始的なシステムで生活していたため、様々な物に囲まれるという概念が無い。
その分、危機の時は近隣の村総出で助け合うという現代では失われた良い側面も持っている。
「こういう斧があれば、木を簡単に切れるだろう。
それに、鍬やシャベルがあれば農地を作るのも楽だ。
それに家具も欲しいし、色々な美味しい物も食べたいし、たくさん遊びたいだろ?
それがいい暮らしだ。人によって重視するものは違うけどな。」
「ふ~ん。それと、その紙と丸い金属は何なんだ?
木を船に居る人に渡す時に貰ってたみたいだが。装飾品か?」
「これはお金だ。
これを使うと、日本から持ってきた道具や美味しいものを食える。
米は味は兎も角、味噌はココじゃ作れねぇだろうからな。
それに蚊取り線香が無いとここじゃ生きていくのも一苦労だ。
幕府のお偉いさんも、良く間に合わせてくれたもんだ。」
日本銭を見ながら更にバリクパパンの村の人は問う。
「あんた達に果物とか売ったら、俺達も斧とか貰えるのか?」
中世の人たちのように、マレー人にとっても森は実りをもたらすが勢力を広げて迫ってくる恐怖の存在でもある。
しかも熱帯雨林だから、温暖な地域より土地は痩せていて果樹の実りは意外に少ない。多くても人の手の届かない遙か上空(20m以上)に生ってたりする。
飢える可能性が減るのなら、それはバリクパパン村の人にも嬉しい事だ。
「そうだな。青果は俺達しか食えないが、乾燥させたら日本にも送れるし、いい産業になるかもしれないな。
日本じゃ南国の物は人気なんだぜ? よし、役人に掛け合ってみよう」
結果はOKだった。
鉄製機械などの技術的な物じゃなければという条件は勿論付くが。
それにドライフルーツも面白いと輸出品目に加えられることとなった。
「大丈夫みたいだ。農具は結構高いからな、果実1,2個じゃ当然無理だぞ?」
「わかった。」
この日を境にバリクパパン村の人々も幾ばくか日本人村の作業を手伝い始めた。
そして数ヵ月後、陸稲(米)の収穫が始まった。
「水田じゃねぇのがアレだが、この感じだと年に2~3回収穫できるんじゃねぇか?」
その通りで、東南アジアでは乾季、雨季はあれどずっと暖かい(24~30℃)ので年中稲作が出来る。
しかも収穫時に零れ落ちた籾が勝手に生えて稲になるから種まきすらしないという逸話付きなのだ。
切り開いた農地で米、野菜を育て、牛、鶏を飼い、商品作物栽培への準備は着々と進んでいく。
そうして半年、成り上がる気マンマンの移民団は自活が十分に可能なほどにまで村を発展させていた。
木材マネーと僅かなドライフルーツの売却益と移民団のやる気が成した業だった。
バリクパパン村も同じく発展していた。
日本から購入した斧や農具、そして虫害対策の蚊取り線香や涼をとる為のペパーミントオイルなどで生活レベルが格段に向上したためだ。
そしていつの間にか日本人村が、近隣の中心的な存在となっていた。
あそこに行けば北から来た不思議な奴らが生活を楽にしてくれるという噂が立った為だ。
若い者達は夢を見て、日本人村で働くものまででる始末。
ここまでよそ者が受け入れられたのは、やはりオランダによる圧政との対比だった。
人が集まれば開拓速度も加速度的に増加していく。
そして一年が経つ頃には日本人居留地はバリクパパン村と合体して、この地方の中心地となっていた。
「よし、そろそろ自給も十分だ。
林業で開拓地を広げつつ商品作物の栽培に入ろう。」
サトウキビ、タバコ、バナナ、パイナップルなどの草花類を中心に
ココナッツ、パパイヤ、マンゴー、ドリアン(実は原産国)、マンゴスチンなどの果樹も少しずつ増やしていく方針だった。
そしてゴムノキ。これは幕府からも要望があるため、非常に重要な産物であった。
(コーヒーは標高的にバリクパパンじゃ無理。)
バリクパパンの発展は、まだ始まったばかり――――
――――――――――――――――
Googleマップの航空写真モードでボルネオ島の平野部を見るとスゴイ農地でありますよ。
サワラク州の南西部分だと、長辺が1km近くあるアブラヤシ(恐らく)の畑が一杯であります。
バリクパパンの農地もこれくらい大きくしたいでありますな!!
滅茶苦茶木を伐採してるけど大丈夫か疑問でありますか?
人力でやる分には大した事は無いであります。
ボルネオ島の広さは日本全土の2倍もあるであります。
ボルネオ島:743,300 km²
日本全土 :377,900 km²
バリクパパン市だけでも東京都23区より少し狭いくらいに広いでありますからな。
バリクパパン:503 km²
東京都23区 :619 km²
ね?人力で環境破壊とか無理でしょ?
現在のバリクパパン村の人口は1000人くらいでありましょうか。
まだまだ居留地の開発は始まったばかりでありますな。
ただ、現地民に受け入れられたので、石油を掘っても新しいこと始めたのか?
くらいに思ってくれるでありますでしょうか?
ちなみに、2回目の居留地発展もあるであります。
その場合2年掛かりますが、閃き枠が+1するであります。
勿論、今回も+1でありますよ!
――――――――――――――――
●イギリスの嗅覚
「最近、オーストラリアの鉄鉱石が良く売れる。
というかオランダがバカみたいに買っていく。あいつらこのあたりに製鉄施設でも作ったのか?」
イギリスとしてもオーストラリアに製鉄設備を整えたい思いはあるが、流刑地に作る前に本国に作れという議会の突き上げにより実現する見通しはない。全く無い。
なので、オランダに売って稼げるのなら悪い話ではない。
インドの市場を制圧するためにインド人職人の腕を切るくらいだったらオーストラリアに送ったほうがよほど経済的でもある。
「だが、オランダがどうやって製鉄設備を作ったのかは調べる必要はある。
今後の植民地経営の参考になるからな。」
しかし、オランダは巧妙に隠していてその足取りが中々追えないでいた。
だが、最近日本の船がオランダ領東インドに良く出没する話を聞く。
(まさかとは思うが……)
オランダの財布(日本)に鉄を作らせている可能性を考えたインド駐留艦隊は、偵察部隊を居留地らしい「パレンバン」「バリクパパン」に送る事にした。
まず、直接日本に偵察隊を送っても効果はなかったからだ。
オランダ人を偽ってスパイを送り込もうとも、オランダ人を連れてこられて即座にイギリス人とバレてからはやけにガードが固い。
そしてオランダ本国に鉄鉱石そのものが送られたという情報はスパイから全く上がってこない。
だが鉄のオランダ本国への流入量は増加する一方だ。
イギリス本国と同じ位の規模のオランダ鉄道が開通した事実もある。
長年内戦していたにもかかわらずだ。
つまりアジアのどこかで……状況的には日本で作らせている可能性が最も高いと踏んだのだ。
といっても大海原で日本船を探すのは難しい。
ということで、スパイから上がってきた2つの居留地に網を張ることにした。
(ビンゴだ!)
バリクパパンの港に鉄鉱石を満載にしたオランダ船舶がやってきた。
そして、港には既に日本船が停泊している。
「オランダめ。我々にクリッパーを売らず、日本に流していたのか。
何が生産が追いつかないから売れないだ。売ってるではないか。
まぁいい。証拠を抑えられたのならばやりようはある。」
イギリス人船長は、自分の船の帆を張るロープを切って事故を演出する。
「すまない。帆を張るロープが切れてしまった。
しばしの間、停泊させて貰えないだろうか?」
「それは大変でしたね。構いませんよ」
そう応える何も知らない日本人船長とは反対に、イギリスの手の内を知っているオランダ人船長は露骨に嫌な顔をする。
つまりここで我々イギリスが求めていた事が行われている証拠だ。
商談が始まる前にオランダ人船長がやってくる。
「ここは我々の領土なのだが?」
「先ほども言った筈だろう? ロープが切れてしまったと。
それとも、私がここに居ると不都合があるのかね?」
オランダ人船長が押し黙る。イギリス人船長は、それが答えだと理解する。
「さてと、一体どういったマジックを使って鉄を作らせているのか教えて貰えないかな?」
「ハァ……わざわざ教えるとでも?」
オランダ人船長も知らないのだから、答えようがない。
恐らく「たたら製鉄」なるもので大量に作っているか、送った西欧書物から何か作っているのだろうとしか分かっていない。
鉄を安く買い叩いている手前、鉄の話はオランダとしても話題にしたくはないのだ。
「鉄鉱石を売っているのは我々だが?
その様な態度では取引にも支障が出てしまうよ」
「売らないのであれば他をあたるまでだ。」
「アテが無いからウチをあたったのだろうに。」
「鉄鉱石の売り先が無くなって困るのはそちらも同じはずだ。
最近インド領からオーストラリアへ行く船が多いと聞くが、一体何を運んでいるのかな?」
お互いニコニコと笑ってはいるが、言葉はノーガードで殴り合っている。
イギリスとしてもロシアがキナ臭い動きをする中、鉄の入手機会を失うのは正直困る。
オランダからロシアへの鉄の輸出は全くといっていい程に無いため、取引自体は続けたいし、
鉄が入手できれば鉄道をエサに議会を黙らせる事も出来る。
「あの、日取りが悪いようでしたら取引は日を改めようかと思いますが……」
外交スキルの無い日本人船長が空気を読まずに入ってくる。
チャンスを得たイギリス人船長は、彼の言葉に乗っかる。
「いえいえ。先ほど話は終わったところです。邪魔をしてすまない。
どうぞ取引を続けてくれ。我々は船の修理に当たるよ。」
オランダ人船長はチッと吐き捨てて日本との貿易に入る。
彼は鉄貿易の存在を隠したかったが、結構な量を輸入しているので如何頑張っても隠せない。
イギリス人船長は船員をマストに登らせて積荷と物資の移動を随時チェックしていた。
「船長、やはり鉄鉱石は日本へ、そして鋳鉄らしき鉄塊がオランダ船へ運ばれています。」
それを聞いた船長は再び笑顔でオランダ人船長の元へと――――
「随分とお買い得な買い物だったじゃないか?」
イギリス人船長はカマをかける。
実際の値段なんて分からないが、取引量から見積もってぼったくっているのは明らかだと分かる。
「さて? 正当な取引だったが。」
「なるほど、キミは知らないかもしれないが私は正直者なのでね。
あの日本人に、私がキミ達へ卸している鉄鉱石の価格と西欧での鋳鉄の適正価格をポロっと漏らしてしまいそうだよ。」
オランダ人船長に冷や汗が僅かに流れるのをイギリス人が見逃すわけはない。
(正直な坊やだ。)
「何、オランダが英国に鉄を輸出してくれれば――――キミと私の仲だ。私はしっかりと口を閉じていよう。
もちろん、価格は先ほど買った価格でね。」
オランダ人は観念したように口を開く
「こちらの条件を飲むのであればだ。」
「言ってみたまえ。(飲むとは言ってない)」
「鉄鉱石の輸出にそちらの船も使ってくれ。
スラバヤで卸してくれれば、そこからこちらの船でバリクパパンへ運ぼう。
鉄の生産量を増やさなければ、本国に弁明が出来ん。」
(そんなに鉄を生産させて日本は潰れないのか?
まぁいい。私の知った事ではない。)
「構わないよ。日本から輸入する鉄は折半しようではないか。」
イギリスとしても他の西欧国家より先んじる事が出来るのであれば何の問題も無い。
イギリスの軍事力はオランダをはるかに上回っているのだから、オランダ単体が力を付けようが大した問題ではないのだ。
「そうそう、石炭も必要か聞いておいてもらえるかな?
木炭がなくなって製鉄できませんでしたじゃ、こちらも困る。」
「わかった。」
日本のあずかり知らぬ所で日本が生産した鉄の一部がイギリスに流れる事になる。
だが、思いがけぬところで石炭の輸入先も得たのだった。
イギリス人船長も、この事が面倒な事になるとは今はまだ知らない。
日露貿易が始まったなんて、まだ知らないのだから。
――――――――――――――――
日本の主な輸出入
●オランダ
輸入:様々な西洋物資
輸出:絹製品、綿製品、工芸品、鋳鉄、鋼鉄など様々
●イギリス(オランダ経由)
輸入:鉄鉱石、石炭
輸出:鋳鉄、鋼鉄
●ロシア
輸入:毛皮、木材、石炭、ウォッカ
輸出:焼酎、日本酒、火縄銃、絹製品などの日本製品
●朝鮮
輸入:鉄鉱石、石炭、銅、銀、金
輸出:鉄製品、洋紙、贅沢品
――――――――――――――――
「あ~!もう最悪ね!こんな早く嗅ぎ付けられるなんて!」
[利益を折半させられたオランダ]
「真っ当な商売をしていれば、付け入る隙も無かったと思いますけど?」
[付け入る隙を見つけたイギリス]
「まぁ……そうなんだけど。」
「仲良くやっていきましょう。利益が克ち合うまではね。」