1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
画像容量は1.2倍(10~30KB、大きいのは50KB)くらいで済んでいるので大した影響はないはずです
アルハンゲリスクの地図入れるの忘れてた……
タイトルも。
時代は1838年5月であります。
西欧にキナ臭い動きがあるとスパイから報告がありましたので、そちらを確認するであります。
・樺太・千島列島の入植(3枠)
・空気入りタイヤ(2枠)
・鋼鉄レール鉄道開発(2枠)(6か月)
・蒸気機関車(2枠)(6か月)
・鉄筋コンクリート「3枠」(6か月)
・パレンバンの産業振興(2枠)(第2段階)(6か月)
・バリクパパンの産業振興(2枠)(第2段階)(6か月)
・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(11か月)
・内燃機関(5枠)(2年)
・蒸気式重機(3枠)(2年)
・無煙火薬(3枠)(1年8か月)
★研究専用13枠:科学+1
★研究専用13枠:文化+1
――――――――――――――――
●ロシアと日本
【ペトロパブロフスク‐カムチャツキー】
「日本酒に焼酎、マスケット銃の納品を確認した。」
「こちらも木材、石炭、ウォッカ、毛皮の数量を確認させて頂きました。」
船の数や極東地区のロシア人の関係上、オランダに比べれば少ない取引量ではあるが、日露貿易は順調であった。
「ところで――――貿易関連ではないのだが、少し依頼したいこと、頼みたいことがあるのだが聞いて貰えるかね?」
「日本にできる事であれば善処致します。」
ロシア人外交官はほんの、ほんの少しだけ申し訳無さそうに話し始める。
「我がロシアが提供した居留地に、ロシア【国民】を1000人ずつ、計2000人【移民】させたいのだ。」
ロシアからの提案は日本にとっては悪い話ではなかった。
元々無人の土地だったので、日本人の独力で開発しなければならない。(ある程度好きに出来るメリットもあったが)
それを1000人という労働力が手に入れば、初期開発が随分早く進むのは間違いない。
実は、オランダ居留地にはオランダ人は貿易要員として数名詰める程度で、開拓には完全にノータッチという塩対応に比べれば有情なくらいなのだ。
オランダ居留地には原住民が居たから、初期開発が上手く行ったに過ぎないのだ。
「こちらとしては助かるのですが……。
食料に関してでしたら、調達は可能ですので問題はありません」
日本人外交官は、食料に関しての懸念なのではと考えた。
確かに2000人分の食料は少なくはない。だが、働きに応じた給料を出すつもりだし、それで食料を買う資金は十分になるはずだと。
だが、ロシアの視点は其処ではなかった。
「それもあるのだが、将来的に日本人として帰化させるロシア【国民】の移民だという事だ。」
「移民でしたか。帰化までさせたい理由をお聞かせ頂ければ……」
「まぁ、そうだろうな。
ロシアでは去年、今年と農作物が(農奴の徴兵によって)不作でな。
確実に【口減らし】が発生する。
それ故にロシア【国民】の農奴を移住させようと思っていてな。
のたれ死ぬくらいなら、居留地開発の労働力にした方が効率的だ。
生産力が回復してから、帰る場所がある保証は無い。ならば難民ではなく移住にすべきと判断していてな。」
「そういう事情でしたか……」
日本にとっても10年前までは他人事ではなかった事柄だ。
「分かり申した。日本としてもお力添えしたく。
移民の受け入れと、それに加えて穀物を格安でロシアへ輸出する準備を整えます。」
最近品種改良できた、寒冷地用の大麦、ライ麦、燕麦、そしてじゃがいもが近々収穫できる予定がある。
その分を買い取ってロシアへ輸出すれば、国民の生活も助かる。
格安といっても穀物は通常価格で国民から買い取り、輸送コストだけを上乗せした完全に儲けゼロの価格というわけで身を削ってまでロシアを助けるという事ではない。
「おぉ!それは助かる。
だが、作物の不調(戦争支度金のため)ゆえ金が直ぐに準備できん。
悪いが国債という形をとれんか?」
「わかりました。非常事態であれば仕方ありません。」
「助かる。アルハンゲリスクならば夏季に少しの間だが航路も出来る。
北極海を通り、そこで食料と農奴の受け渡しが出来るか?
西部の方が(戦争で)食料が必要ゆえにな。極東から陸路で送ると1年以上かかってしまう。」
[ロシア居留地とアルハンゲリスク]
[ロシア主要都市とアルハンゲリスク]
この世界の人間は闘争心が強い所為か、地球そのものが闘争心の塊なのか、北極圏の氷は夏の間だけ少しばかり航路になる。
(※21世紀くらいの流氷量)
とても安全とは言い難いのだが……。
「畏まりました。
困難かとは思いますが、頑張ってみます」
そこで頑張ってしまうのが日本人の良い所なのか悪いところなのか、最終的に何とかしてしまう。
「助かる。」
――――――――――――――――
【ロシア:サンクトペテルブルク】
王宮の謁見の間でニコライ1世は報告を受ける。
「――――の様な経緯により、日本は農奴の受け入れを容認しました。」
「そうか、ならば非東スラヴ系の農奴を2000名準備しておけ。
年齢は15~25あたりが好ましいだろう。
ガキや老いぼればかり送って、次の受け入れの機会を失っても困るからな。」
「はっ。その様に手配しておきます。
日本もさぞ喜ぶ事でしょう」
ロシアにとって東スラヴ系以外はロシア人ではない。
ロシア語でもロシア【民族】(ルースキエ)とロシア【国民】(ロシヤーネ)は単語から異なるのだ。
フィンランド人のフィン系、エストニアなどの(バルト系)、ユダヤ人、ポーランド人など20以上の非ロシア人がいる。
ロシア人からすれば、ロシア人以外の民族は移民させても良い。
むしろ、ロシア人の居住割合が増えるので積極的に送りたいくらいだ。
日本への移民はその思惑も含む。
「目の前で餓死するものは少ないほうが良い。反乱の芽も小さくなる。」
「仰るとおりでございます。」
「それにしても、まさか糧食まで提供してくれるとは思わなかったぞ。」
「まさに。」
ロシアの農業生産量は確かに減少している。
農奴を中心に徴兵して兵隊の訓練をさせているのだ。
農作業者が減れば当たり前の事。
いくらかの餓死者は想定の範疇だった。
「日本とやらは随分と欧州情勢に疎いとみえる。
やはり西欧を南下する方針を取って正解だった。
自主的に支援してくれる国を攻めるよりも、戦争を支援させた方が効率がよい。」
日本の思惑とは異なるが、事実だけ見ればそうなってしまう。
「ふっ!気分が良い時に飲むウォッカは格別だな。」
ロシアの戦争準備は着々と進んでいく。
――――――――――――――――
●エジプトとフランス
「今回分のマスケット銃持ってきたよ。確認して貰えるかな?」
フランスはこんな時でもエジプトを自分の勢力圏に誘引するため、水面下で独立支援を行っていた。
「は、はぃ。いつもありがとうございます……。
やっぱり……フランスの銃は素晴らしいですね、はい。
「AIKUBO、似合ってるぜ!。」
「そ、そうですか? 派手じゃないでしょうか?」
「俺からしたら、まだ地味すぎるくらいだぜ!
もっと腕とかにナイル川巻くとかよ!」
「えぇぇぇ…………な、なに言ってるんですか?」
「ガァーーーーン!! A,AIKUBO? AIKUBOォォ――――!!!」
「AIKUBOじゃないんですけど……。今はエジ久保なんですけど……。」
「あのさぁ……漫才は構わないんだけど、納入品チェックは終わった?」
「あ、すみません……大丈夫です。」
「それとさ、今回分でマスケット銃の輸出は控えてもいい?
ウチの分も十分に確保しておかないといけなくてさ。」
「えぇぇぇ!? ……は、はい。仕方ないです。」
エジプトもロシアの動向は勿論把握している。
フランスはエジプトとロシアの挟撃でオスマントルコが滅びるのではないかと危惧している。そうエジプトは判断している。
それゆえの輸出規制なのだと。
フランスが如何思おうとエジプトが独立するチャンスであるのだから、独立戦争を止める事など無い。
今までの輸入と軍事訓練により、今回もエジプトが勝利できる準備は整えてきた。
弾薬は今まで通りフランスから輸入できるので、マスケット銃が禁輸になっても問題はない。
「それじゃ、また来るよ。」
「は、はい。お気をつけて。」
エジプトはロシアの動向を探りつつ、独立戦争の準備を着々と進めていく。
一方、フランス。
(参ったな。オスマン帝国が滅ぶのは困るし、エジプトが敗北するのも国内の情勢を考えるとかなり宜しくない。
来る日の為に、我がフランスがどのように動くのがベストであるか……。
関連国家へのスパイ活動を一層強化しないと。)
――――欧州が燃え上がる日も遠くはない。
――――――――――――――――
「恐ろしい場所でありますな、欧州は。」
ともあれ、フランス、ロシア、エジプトの動向となるであります。
近いうちに戦争が起こるのは間違いないでありますな。
現在確定している構図は以下の通りであります。
【ロシア・トルコ戦争】
ロシアvsオスマン帝国、フランス、プロイセン、オーストリア
・非参戦国
スペイン、ポルトガル
ロシアとオスマン帝国の戦争で参戦が確定している構図であります。
イギリス、オランダ、サルディーニャも参戦はほぼ確定でありますが、次期や参戦形態が不明でありますな。
ドイツ国家はお隣なので、ロシアを膨張させない為にも参戦せざるをえないであります。
【エジプト独立戦争】
エジプトvsオスマン
・非参戦国
スペイン、ポルトガル
フランスはエジプト側に付きたいでありますが、vsロシアでオスマン側に回るのは確定なので、支援したくても出来ない状況にあるであります。
フランスの希望としては、欧州国家+オスマンでロシアを平押しして押し返した後に、エジプトへ渡り義勇軍となってオスマンを叩く。
ついでに、ロシアを黒海に封じ込めて弱体化を図る。
というのが理想であります。
そのために如何すべきかを模索しているところでありますな。
スペイン、ポルトガルは何らかの発言はあるかもしれませんが、その程度であります。
内乱が収まらなくて外に目を向けている余裕が無いであります。
スペインは第一次カルリスタ戦争真っ最中、
ポルトガルは王位継承戦は終わりましたが、様々な内乱が1851年まで続くであります。
日本としてはロシアが今のところ極東方面に南下する意欲がないのが助かるところでありますな。