1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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おまたせしました。


11. 1838年 空気入りタイヤとリヤカー+英蘭

時代は1838年5月であります。

「空気入りタイヤ」でありますよ。

 

★樺太・千島列島の入植(3枠)

・空気入りタイヤ(2枠)

・鋼鉄レール鉄道開発(2枠)(6か月)

・蒸気機関車(2枠)(6か月)

・鉄筋コンクリート「3枠」(6か月)

・パレンバンの産業振興(2枠)(第2段階)(6か月)

・バリクパパンの産業振興(2枠)(第2段階)(6か月)

・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(11か月)

・内燃機関(5枠)(2年)

・蒸気式重機(3枠)(2年)

・無煙火薬(3枠)(1年8か月)

 

★研究専用13枠:科学+1

★研究専用13枠:文化+1

 

――――――――――――――――

 

●加硫ゴム、その先へ

 

【やる夫ミュージアム】

 

 防振材、気密材として縁の下の力持ちとなった加硫ゴム。

 しかし、それだけで済まないのがゴムの凄い所であった。

 

 やる夫は、ドイツで開発されたドライジーネという足蹴り式自転車を――――

 

「これ車輪を足で回したらもっと速くなるんじゃないかお?」

 

 という発想から、前輪にペダルとクランクを取り付けるという現代の三輪車方式であるボーンシェイカー自転車を25年早く編み出してしまった。

 

 

「おぉっ! 結構速いお! これなら馬車を買う余裕がない層にも……もぉぉっ!」

 

 砂利道に入った途端、サスペンションなんて無い鉄の車輪の自転車は、馬車よりもガタガタ揺れて骨が揺さぶられる様な振動に襲われ、コケた。

 

「こ、これじゃ、整備された道以外を走った途端、商品もやる夫も吹っ飛ぶお……。

 馬車と同じ要領でバネを使って振動を吸収して……。

 防振ならゴムも……?」

 

 バネ→防振→ゴム→気密と連想ゲームの如くやる夫の頭を駆け巡り一つの答えへと辿り着く。

 

「ゴムは気密を保てる。ということは、ゴムの中に空気を閉じ込めれるなんて事出来たりしないかお??」

 

 面白そうと思ったら行動するのがやる夫のスタンス。

 (オー)リングパッキン用に整形されていたゴムチューブの端を繋げて車輪の外側に取り付ける。

 

「お、けっこうイケるんじゃないかお?

 でも、ゴムが破れたら空気が外に出てしまうお。だったら、革を巻いて裂傷に強くするお。」

 

 ゴムを護るための被覆まで開発し、1888年に実用化される空気入りタイヤが今此処に誕生した。

 (※車体は安全型自転車ではなくミショー型ベロシペードであるため、厳密には異なるが)

 

 

「これなら、けっこう速いし移動も楽になるお。

 それに大八車というか、これで馬車を引けば売れるんじゃないかお?

 ついに人が馬の如く働かされる日が来るお……。

 ま、やる夫は馬車に乗るけど。金あるし。」

 

 

 そうして自転車に乗って遊んでいる時に、忠邦が樺太移民の相談にやってきた。

 

 

「また面白い物を作っているな。なんだそれは?」

 

「これは自転車といいますお。

 2つの車輪でバランスを取ってペダルを扱ぐと前へ進めますお。」

 

 やる夫は自転車に乗ってデモストレーションを行う。

 

「ほぅ、陸の移動手段には悪くないな。

 それに馬車にも新しい車輪を使うことも出来る」

 

「ハイですお。それに自転車で馬車を引けば人力車になりますお。」

 

「それならば、荷台を簡素、軽量化して物資を運ぶ大八車の代わりにもいいだろう。」

 

「流通の形がまた変わりますお……ただ……」

 

「ゴムの安定供給が出来れば……な……」

 

 残念ながら加硫ゴムの供給量が少ないのだ。

 安定供給し始めてきた鋼鉄よりも少ないのだ。

 

 ゴム自体、最近陽の目を見始めた新素材であり、オランダですら最近プランテーションを作り始めたくらいなのだ。

 そこからのゴムの供給が始まるのも最低5年はかかる。

 

 それまでは自生しているゴムノキから採取するしかない。

 そして、その希少さ故に加硫ゴムは開発した入即出の寡占状態にある。

 

 

「まぁ、方向性が決まったのはいい事だ。

 とりあえず、私の乗ってきた馬車を改修してくれ。」

 

「わかりましたお。」

 

 忠邦は自分の馬車が変わっていく姿を見つつ思う。

 

 

(運送業、第一次産業(農業、鉱業、水産業)の様々な場面で景色が変わって行くのだろうな)

 

 

――――――――――――――――

 

 さて、空気入りタイヤ→自転車→リヤカーまで一気に進みましたな。

 ただ、リヤカーの発明は1921年と想像以上に遅かったであります。

 

 ま、まぁ……トラクターや重機、内燃機関(自動車)の閃きが進行中でありますし、リヤカーは十分な下地があったということで……。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 それはともかく、やはり原材料の生ゴムがボトルネックになってしまったであります。

 地道にオランダから輸入するか、イギリスのゴム栽培を待つか、地球の裏側のブラジルから輸入するか……。

 

 重機……自動車……大丈夫でありましょうか……?

 

 

 

――――――――――――――――

 

【日本の技術レベル】

|科学:10(基本的な理学)(+1)

|工学:17(モノづくり)

|材料:15(素材、エネルギー)

|生物:16(農業・医学)

|電磁:04(電気製品・発電)

|環境:11(建築・自然保護)

|流通:04(物流や兵站)

|政経:10(政治経済や社会問題の解決力)

|文化:10(外交・異文化・芸術・娯楽)(+1)

|軍事:04(兵器開発・戦術)

 

※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします

 

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【年表】

・1837年

 【徳川家慶 第12代征夷大将軍就任】

 【医学】予防接種の普及

 【??】和製活版印刷の開発

 【経済】オランダ提供の居留地開発

 【国家】育児補助令の施工

 【国家】保育園の開設

 

・1838年

 【経済】新貨条例

 【工学】スクリュー船の発明

 【教育】近代的教育制度の発令

 【国家】樺太、千島列島入植

 【工学】空気入りタイヤの発明

 

 現代から見た考察

 この年、空気入りタイヤから始まり、発展型の自転車、そしてリヤカーとタイヤを使う製品が次々と作られた。

 ただ、当時はゴムの生産量が世界的に少なく高級品であった。

 そのため、日本国内の普及には暫く時間がかかる。

 

 当時、加硫ゴムを寡占していた入即出グループは貴重なゴムを無駄にしない様、持てる技術を十全に使い日本のゴム産業を支えていた。

 その時に積み重ねた技術のおかげで、入即出グループのタイヤシェアは発明から現代に至るまでTOP5を下回った事はない。

 

 

 

――――――――――――――――

 

さて、次回予告ではありますが、鉄筋コンクリートであります。

 

・鋼鉄レール鉄道開発(2枠)(6か月)

・蒸気機関車(2枠)(6か月)

・鉄筋コンクリート「3枠」(6か月)

・パレンバンの産業振興(2枠)(第2段階)(6か月)

・バリクパパンの産業振興(2枠)(第2段階)(6か月)

・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(11か月)

・内燃機関(5枠)(2年)

・蒸気式重機(3枠)(2年)

・無煙火薬(3枠)(1年8か月)

+樺太、千島列島の産業振興(2枠)(第2段階)(1年)

+近代水車(2枠)(2年)

+合成染料の開発(2年)

+ブルネイ帝国との交易(1年7ヶ月)

 

★研究専用13枠:電磁+6

★研究専用13枠:文化+5→工学+1

 

 

 樺太開発は継続して、水力発電のための水車開発を始めるであります。

 蒸気タービンは蒸気式重機の後の方が、早く実用化出来るでありますからな。

 同様にディーゼル機関も内燃機関が前提条件となるであります。

 

 合成染料を開発する事で、染色された衣服の種類とコストを抑えるであります。

 国民に天然染料と合成染料の概念を啓蒙すれば、藍、茜、紅花は作付けは小さくなりますが、高級品としての活路を見出せるでありますし、

 庶民は染物の衣服を安価で購入出来る様になるであります。

 衣服による豊かさが増すでありますよ。

 

 ブルネイ帝国との交易は、そろそろ格下の国と貿易をして資源を獲得しに行かねばなりませんからな。

 ちなみにベトナムは世界3位の埋蔵量をもつボーキサイトの産出地であります。

 採掘は現代でも出来ていないでありますが……。

 

 

――――――――――――――――

 

●英国面

 

「首相、日本から輸入しているマスケット銃はインド兵の数%に行き渡りました。」

 

 英国インド領の情報収集担当官からの報告を受ける。

 

「ありがとう。準備の方は万全ですね。」

 

 首相は自慢のひげを撫で裏の無さそうな笑みを浮かべる。

 イギリスの求めるシナリオはこうだ。

 

 ロシアをインド人と欧州大陸の血を以って押し返し、さらにはエジプトも降す。

 つまりオスマンの完全勝利だ。

 勿論オスマンの為ではない、ロシア、フランス、オランダ、プロイセン、オーストリア人の血を流させて国力を低下させる。

 イギリスはインド人が代わりに血を流してくれればいい。

 

 そうすれば相対的にイギリスの国力が増加する。

 エジプトに関しては決してエジプトが嫌いなのではない。フランスの邪魔をしたいだけだ。

 

 

【挿絵表示】

 

[さぁオスマン、ただ一言告げるだけでいい。イギリスと(不平等)防衛協定を結ぶと……]

(きゅうべぇ:イギリス、まどか:オスマン)

 

「さて、もう少し燃えるように一手間加えましょうか。

 ポーランド辺りがいいでしょうか。」

 

 

 

――――――――――――――――

 

●オランダ

 

「はぁ……これが夢であればと何度思ったか。」

 

 ネーデルランド連合王国国王ウィレム1世は配下の報告を聞き眉をひそめる。

 ロシアの南下がほぼ確定した事と、イギリス、フランスが水面下で動いている事を察知したからだ。

 間違いなく、オスマン帝国で戦争が起きる。

 

 しかも、ロシアと繋がっていないのならオスマン側で参戦する事を周囲の国家からせっつかれている。

 ベルギーの内戦が終って1~2年しか経過しておらず、傷も癒えていないこの状況下でだ。

 

「ブリュッセル方面の鉄道は間違いなく順調であるのだな?」

 

「はい。ベルギー人の反乱抑制と鉱山鉄道のため、遅延無く敷設を進めております」

 

 アムステルダム~ハーグ~ロッテルダムと繋いだ鉄道はさらに南下して、現在アントウェルペン~ブリュッセルへと伸ばしている最中だ。

 

 

【挿絵表示】

 

[1838:オランダ鉄道]

 

 元々ベルギーが反乱した理由の1つは、ベルギー人の待遇の悪さだ。

 鉄道を引くという事は、それだけの財力をベルギーに投資するということだ。

 これにより、ベルギー人は一応の落ち着きを見せているが油断はならないという状態だ。

 

 それゆえ鎮圧部隊をオランダ国内に残さねばならないので、必然的に軍は分割される事となる。

 数で劣るのにさらに分割しなければならないのだ。

 

「はぁ……日本も余計な事を。まぁ、ロシアに上手く使われたのだから哀れというべきかもしれんが。」

 

 オランダとしては――――

・ロシアの南下を阻止

・ロシアと戦い、彼らと繋がりが無い事を諸国に知らしめる。

・オランダの戦力を疲弊させない

 

 

 

 西欧諸国の思惑は、複雑に醜く絡み合ってゆく――――

 

 

 

――――――――――――――――

 

これで形勢が少しずつわかってきたでありますな。

 

【ロシア・トルコ戦争】

 ロシアvsオスマン帝国、フランス、プロイセン、オーストリア、イギリス、オランダ

 

・非参戦国

 スペイン、ポルトガル

 

 

【エジプト独立戦争】

 エジプトvsオスマン帝国、イギリス

 

・非参戦国

 スペイン、ポルトガル、オランダ

 

 

 完全に西欧vsロシアですな。クリミア戦争より不利なのでは……。

 

 




申し訳ないのですが、感想に対する返信はかなり鈍化すると思います。
それよりも話し早く仕上げるべきだと判断したしましたのでご理解下さい。
あ、勿論読ませては頂きますよ!

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