1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
時代は1838年11月であります。
「鉄道開通」でありますよ。
★鉄筋コンクリート「3枠」
★鋼鉄レール鉄道開発(2枠)
★蒸気機関車(2枠)
・パレンバンの産業振興(2枠)(第2段階)
・バリクパパンの産業振興(2枠)(第2段階)
・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(5か月)
・樺太、千島列島の産業振興(2枠)(第2段階)(6ヶ月)
・ブルネイ帝国との交易(1年1ヶ月)
・無煙火薬(3枠)(1年2か月)
・内燃機関(5枠)(1年6ヶ月)
・蒸気式重機(3枠)(1年6ヶ月)
・近代水車(2枠)(1年6ヶ月)
・合成染料の開発(1年6ヶ月)
★研究専用13枠:電磁+6
★研究専用13枠:文化+5→工学+1
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●横浜―新橋間鉄道
【入即出屋】
「やる夫。鋼船のついでに横浜から新橋への鉄道も作ってくれぬか?」
老中首座の水野忠邦は店にやってきて直ぐに想像以上の無茶振りをする。
「それ……ついでの範疇で無いですお……」
「蒸気機関車も汽船の動力も同じ蒸気機関、
鋼船も鉄道レールも鋼材だろう。なに、やってやれぬ事は無い」
出資者は無理難題をおっしゃるものだ。
鋼鉄製造も蒸気機関もやる夫が第一人者なのだから、仕事を依頼するという点では間違ってないが、
一大事業を行っている最中にもう1つ一大事業を突っ込むとは如何なものか。
「ま、まぁ……オランダから蒸気機関車を輸入してくださるので、やることはやりますお……」
出島内に引く路線をオランダに発注し、そのうちの一両をちょろまかしてやる夫の研究所(やる夫ミュージアム)に寄贈してくれるというのだから、完全に飴に釣られているのだが。
「やる夫殿も大変であるな……」
忠邦が仕事の為に帰った後(※彼も非常に忙しい)最近こちらで研究している田中久重(東芝の創業者)が同情する。
「まぁ、オランダの機関車をバラせるし、面白そうではありますお。
それに、蒸気機関のベースを汽船と蒸気機関車で共通化できると、生産コストも下がりますお。
結果的にはウチの為にも日本のためにもなるから、ジッサイ理屈は適ってますお。」
「そうであるか。」
(なるほど、開発だけでなく商品化まで見据えて考えることが彼を発明王たらしめるモノなのかも知れぬな)
「そういえば、船の塗料であるが、漆と柿渋ベースを考えておる。
漆の丈夫さと柿渋の錆止め、これらにいくらかの添加剤を加えれば、いいものが出来ると思うのだ。」
「それはいい案ですお。早速やってみましょうですお」
「真っ黒ですお。三代目やる夫丸は黒船ですお。」
久重のアイデアは上手く行き、真っ黒の鋼板が出来上がる。
鋼船の建造は順調だ。
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田中久重が提案したのは、堀田式塗料といって日本で一番最初の特許(1885)になった塗料であります。
当時でもかなり優秀な塗料でしてドミトリー・ドンスコイ級装甲艦(1886年就役)が横須賀に回航した際に、堀田式塗料を使用したほどであったそうです。
しかも効果はバツグンで翌年に横須賀へ再訪した際、艦長が瑞松を招待して謝意を表した程であったそうです。
色が実際に黒だったかは分かりませんが、合成塗料が出来る前まではそれほど多くの色が無かったらしいので黒ということにしておきましょう。
まさかの日本が【黒船】を造ることになるとは思いませんでしたな。
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【出島】
「八幡まではちょくちょく来てたけど、出島も久しぶりだお。」
オランダ人技術者が【鉄製】のレールと蒸気機関車を納入し、敷設作業を見学しに来たのだ。
「ふむふむ、なるほどこうやって敷設するのですかお。
軌間はどうやって決めているのですかお?」
「イギリスで作られた軌間がこのサイズだからなぁ。
理由までは良くわかってねぇな。」
この頃は蒸気機関の馬力も低く、広軌、狭軌の優劣は大きな問題とはなっていなかった。
というかジョージ・スチーブンソンが関わった鉄道は軌間が全て1435mmであっただけだ。
(なるほど、現状1435mmである理由はないと……。
ただ、将来的に蒸気機関車を輸出、輸入することを考えると同じ軌間を採用した方が生産コストも増加しないお。)
という事で日本でも1435mmの軌間を採用する事となった。
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史実日本は1067mmを採用したでありますが、こちらでは世界標準の(新幹線もこれ)1435mmを採用したでありますな。
1860年以降は狭軌がブームであったでありますから、日本も狭軌だったのでありましょうが1830年代だと狭軌を走れる蒸気機関車がありませんでしたからな。
必然的に1435mmになるのであります。
史実のオランダは最初期は広軌だったらしいですが、フランスやドイツと繋ぐ為に1435mmに変更したであります。
こちらではスチーブンソンを招待したため初めから1435mmでありますよ。
ま、細かい話はこれくらいにするでありますよ。
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【八幡製鉄所】
オランダの最新式蒸気機関車をバラして、色々改修、魔改造を加えた機関車は八幡製鉄所に運ばれた。
「先ずは、原材料から近い製鉄所内で実験しますお。」
いきなり長い距離を敷設するのもアレなので、製鉄所内で貨物列車を走らせて効果確認をする事になった。
幸い燃料の石炭もここならば豊富にある。
「結果は上々だな。」
久重も日本初の蒸気機関車には心が躍る。
しかも自分が開発の主要メンバーなのだからその想いも一入だ。
蒸気機関を汽船と出来るだけ共通化する為に、間接式機関車のガーラット式と呼ばれるものだった。
足回りが機関部の前後にあり、ボイラー、火室の周囲に車輪が無いため自由度が高かった。
しかも3分割した事によりカーブに対して強くなり、日本のようなカーブが必要となる山岳の島国では重宝される事となる。
「今の日本技術の全力を尽くしましたお。
後、一年完成が早かったら技術的に難しかったですお。」
欠点は3分割した事により高い工作精度が求められた事だった。
ガーラット式は蒸気機関車末期の構造であるため止むをえないのだが。
「いくつか改善点も見つかった。これらを改修して日本発の蒸気機関車を世にお披露目しようではないか。」
「頑張りますお!!」
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【横浜】
何度かの試験運転を終えて遂に1838年11月、横浜―新橋間の開通式が執り行われる。
「素晴らしいな!江戸まで1時間もかからぬのか!」
幾つかの駅に停車しても、29kmの距離は一時間かからなかった。
これは馬車による移動のほぼ一日に相当する。
この圧倒的な速度に忠邦は年甲斐も無く喜んでしまう。
それほどまでの偉業であるのだ。
「これは……運送の形を大きく変えるな。」
地域間は船、都市間は鉄道、都市内は馬車になってゆくだろうと忠邦は思う。
(都市間輸送をしていた馬車は大打撃だろうか、長距離運送は財閥がかなりの量を取り扱っている。
ま、あいつらなら問題なかろう)
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ついに鉄道開通でありますな。
史実では1872年に開通でありますから、34年早く開通できましたな。
蒸気機関車に関しては20世紀初頭でありますので、80年くらい早いでアリマスガ……
横浜ー新橋間に続き、神戸ー大阪間(33km)、出島ー八幡間(200kmくらい?鹿児島本線→長崎本線のルート感)、富岡ー新橋間(約120km)が1839年に開通するであります。
ドイツでも1835年の6kmから1845年には2,000km、1855年には8,000kmと尋常でない速度で敷設しているでありますからな、1年で350kmなら不可能ではないでありましょうな。
まずは大量輸送の見込める港と大都市間、そして工業地区と港、大都市間は鉄板でありますな。
史実では貨物輸送における収入が1/20しかなかったでありますが、こちらの世界では絹や鉄や工芸品などが貿易の主力商品でありますからな、旅客輸送の半分くらいはあるでありますよ。
(史実における年間旅客収入は42万円、貨物収入は2万円)
ちなみにこの鉄道、幕府管轄になるので幕府の権威と財力はさらに大きくなるであります。
蒸気機関、および鋼鉄製レールにより流通+2、閃き+2であります。
鉄道という陸運の王者にも関わらず少ないでありますか?
たしかに1838年に蒸気機関車を引いたことは偉業でありますが、
列車四天王(蒸気機関車、ディーゼル機関車、電車、新幹線、リニア)の中では最弱でありますからな。
ま、これによる派生閃きで「日本列島改造計画(蒸気機関車)」があって、それで閃き、流通が増えるでありますからな。
今回はこれくらいでありますよ。
ということで、蒸気機関、および鋼鉄製レールによる効果は以下の通りであります。
・「日本列島改造計画(蒸気)」の閃きが解禁
・「蒸気タービン」の閃き期間が半減
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【日本の技術レベル】
|科学:10(基本的な理学)
|工学:18(モノづくり)(+1)
|材料:15(素材、エネルギー)
|生物:16(農業・医学)
|電磁:10(電気製品・発電)(+6)
|環境:13(建築・自然保護)(+2)
|流通:06(物流や兵站)(+2)
|政経:10(政治経済や社会問題の解決力)
|文化:15(外交・異文化・芸術・娯楽)(+5)
|軍事:04(兵器開発・戦術)
※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします
このあたりは前回方針を決めたのでスキップでありますよ!
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【年表】
・1837年
【徳川家慶 第12代征夷大将軍就任】
【医学】予防接種の普及
【??】和製活版印刷の開発
【経済】オランダ提供の居留地開発
【国家】育児補助令の施工
【国家】保育園の開設
・1838年
【経済】新貨条例
【工学】スクリュー船の発明
【教育】近代的教育制度の発令
【国家】樺太、千島列島入植
【工学】空気入りタイヤの発明
【建設】鉄筋コンクリート
【経済】鉄道開通(横浜―新宿)
現代から見た考察
1838年、国産初の蒸気機関車が横浜―新橋に開通した。
本機関車はオランダの機関車をベースに日本独自の技術がふんだんに盛り込まれ、山の多い日本に適したカーブに強い機関車になっている。
入即出財閥と東芝の初代総帥、田中久重の共同研究によって生み出された日本式機関車は、蒸気機関車の歴史から見ても非常に高性能なものであり、他国でも1900年に入るまで現役で使用されてきた。
また、発展途上国では改良型が現代でも使用されており、いかに高性能であったかが理解できる。
ただ、この日本式が世界に登場するのは随分後であった。
大きな理由としては構造が複雑であったため、導入コストが高くなるという点ともう1つある。
後年、輸出を開始する蒸気機関車が当時メジャーであったイギリス、オランダと同じ型式にしたからだ。
彼らの国で運用されている機関車を製造する事で、他国でのメンテナンスコストを下げ、世界市場での競争力を得るためだったといわれている。
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さて、次回予告ではありますが、「パレンバン、バリクパパンの産業振興」であります。
★鉄筋コンクリート「3枠」
●鋼鉄レール鉄道開発(2枠)
●蒸気機関車(2枠)
・パレンバンの産業振興(2枠)(第2段階)
・バリクパパンの産業振興(2枠)(第2段階)
・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(5か月)
・樺太、千島列島の産業振興(2枠)(第2段階)(6ヶ月)
・ブルネイ帝国との交易(1年1ヶ月)
・無煙火薬(3枠)(1年2か月)
・内燃機関(5枠)(1年6ヶ月)
・蒸気式重機(3枠)(1年6ヶ月)
・近代水車(2枠)(1年6ヶ月)
・合成染料の開発(1年6ヶ月)
★研究専用13枠:電磁+6
★研究専用13枠:文化+5→工学+1
残り枠+4
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●江戸鉄道
「あれ?ウチって横浜に機関車輸出したっけ??」
「いえ、出島に路線を引いて、買わせて頂いた蒸気機関車を元に日本で作ってみたであります。」
「作ってみたって……。種子島といいあんた達、そういうのホント得意よね。
技術的に大丈夫? 爆発されても困るんだけど。」
「大丈夫でありますよ。日本刀や輸出しているマスケット銃で製鉄技術は結構鍛えているでありますからな。」
「それより、蒸気機関車を作っているときに偶然、冷蔵庫が出来たであります。」
「偶然て……。どうやったらそうなるのよ……。
まぁ、話したって事は売ってくれるんでしょ?」
「勿論でありますよ。設計書ごとお売りするでありますよ!
ロシア絡みでご迷惑もお掛けしているでありますしな」
(武器を売るわけでもありませんし、10年以内に他国でも作られますしな。)
※燃料になるアンモニアが武器にならないとは言ってない
「ホント!? いい心がけじゃない、ありがたく貰っておくわ♡」
※この結果、ロシア絡みで下がっていたオランダの友好度がⅤ字回復しました。
※この後、オランダは滅茶苦茶儲けた。(日本が儲けてないとは言ってない)
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●資源状況
ざっくりと現在の資源状況であります。
現在使ってない物は載せてないであります。石油とか。
金 :やや不足
銀銅 :やや充足
鉄・鋼鉄:充足
石炭 :充足
天然ゴム:不足
鉄はオーストラリア産が多くを占めていて、
次に朝鮮、国産、稀にロシア産となっているであります。
なのでイギリスの供給を止められたらヤバいであります。
まぁ、止めたら議会の突き上げを食らうのでイギリスも止める気はないでありますが。