1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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14. 1838年 オランダ居留地開発その2

 

時代は1838年11月であります。

「パレンバン、バリクパパンの産業振興」でありますよ。

 今回はパレンバン視点でお送りするであります。

 どっちもやってる事は一緒でありますからな。

 

★鉄筋コンクリート「3枠」

★鋼鉄レール鉄道開発(2枠)

★蒸気機関車(2枠)

★パレンバンの産業振興(2枠)(第2段階)

★バリクパパンの産業振興(2枠)(第2段階)

・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(5か月)

・樺太、千島列島の産業振興(2枠)(第2段階)(6ヶ月)

・ブルネイ帝国との交易(1年1ヶ月)

・無煙火薬(3枠)(1年2か月)

・内燃機関(5枠)(1年6ヶ月)

・蒸気式重機(3枠)(1年6ヶ月)

・近代水車(2枠)(1年6ヶ月)

・合成染料の開発(1年6ヶ月)

 

★研究専用13枠:電磁+6

★研究専用13枠:文化+5→工学+1

 

――――――――――――――――

 

●やる夫、東南アジアに立つ

 

【パレンバン】

 

「やぁ~~ようやく東南アジアに来れたですお。

 八幡製鉄所の無理難題の報酬で交易権手に入れてから半年も経ってしまったお。」

 

 このとき、まだ1837年の冬。

 こいつは鉄鋼船を建造しつつ、蒸気機関車を作りつつ、東南アジアへもやってくるのだ。

 

 

 やる夫の言い分はこうだ。

 

「設計なら資料を持ち込めば船の中でも出来るお」

 

 ※普通は出来ない

 

 

「ま、ともあれ海外というところがどういうところなのか

 やる夫自らの肌で感じたいお!」

 

「いやぁ、やる夫君は元気だね。」

 

 同じく木鉄混合船の一団を連れてきたのは、八幡製鉄所の功で九十九商会から三菱商会に社名を変更した岩崎弥次郎だった。

 やる夫は東南アジアに遊びにきた【だけ】ではないのだ。

 パレンバンへ投資および、幕府の命を受けて油井の建造をする為にやってきた。

 

 パレンバンは入即出と三菱が、バリクパパンは三井と住友が投資する方向で4社間で取り決めが行われたのだ。

 

「ちゃっちゃと仕事を終らせて、日本の外がどれ程違うのかを知りたいからですお。

 岩崎殿もそうだから、お子様を連れてきたのですお?」

 

「まぁね。さ、弥太郎。やる夫さんに挨拶なさい。」

 

 弥次郎は3歳になったばかりの息子弥太郎を此処まで連れてきていたのだ。

 親バカなのか試練なのか判断に困るが、弥次郎としては息子に色々なものを見てもらいたいとの親心であった。

 

「はじめまして。いわさきやたろうです。」

 

「はじめましてですお。入即出やる夫ですお。」

 

 いま此処に、三菱財閥を世界企業にまで育て上げる『岩崎弥太郎』と、入即出財閥の革命児、および空飛ぶ国家機密『入即出やる夫』が出会った。

 が、初対面とは案外普通なものだ。

 

「あ、そうだ。水飴持ってきてるお。食べるかお??」

 

 弥太郎は貰っていいものか父親の方を見る。

 

「頂きなさい。やる夫君、申し訳ない。」

 

「ありがとうございます。」

 

 二人は頭を下げる。

 

「いえいえ、商売用にもいくらか持って来ていますお。

 砂糖の甘さばかりじゃ飽きてしまいますお。

 ま、贅沢な悩みだけど、売れるものなら何でも売るお。」

 

(なるほど、機械、道具、食料など定番なものだけでなく、キメ細やかさも相手の心を掴むのには必要なことか)

 

 やる夫は自分が食べたかったから、いい訳ついでに売るためといって持ってきただけではあるが、

 これが三菱の『必需品より少し先を』という概念にまで至るとはこのとき誰も思っていなかった。

 

 

 

「お?商人のあんちゃん。それって水飴かい?」

 

「そうだお?食べるかお?」

 

 パレンバンに入植していた日本人がやる夫に声をかけて、やる夫はひとくち分の水飴を彼にあげる。

 

「懐かしいな。昔食べた事あるんだけどよ。やっぱり砂糖の甘さとは違うよな。」

 

「そうだお。最近では甜菜糖っていう新しい甘味もあるお。

 樽単位で欲しいなら持ってくるお。」

 

「マジか。此処に住んでる奴らと金出し合おうかな……?

 っと、もうひとくちくれたりしねぇか?」

 

「いいけど、3口目からは有料だお。」

 

「お、ありがてぇ。じゃあ、このツボに入る分だけ水飴売ってくれ。」

 

 そういって男は一升瓶くらいの大きさのツボを渡す。

 こういう嗜好品、しかも砂糖があるから普通の商人ならもってこない。

 しかも先に食わせて懐かしさを思い出させる作戦。

 知らなければ我慢も出来るが、味を知ってしまえば我慢など出来るはずもない。

 やる夫、結構(したた)かだったりもする。

 

「毎度だお。そんなに食ったら飽きないかお?」

 

「嫁にもオレの故郷の味を食わせてやりたいからな。」

 

「お? ここの人と結婚したのかお?」

 

 男は現地の女性と結婚していたのだ。

 日本人は現地の女性にとっては、飢える事が無く裕福、沢山の物を持っている、働き者、と衣食住の質も高く非常に優良物件なのだ。

 

「まぁな。10年で戻るつもりだったんだけど……。ま、ここもいいかなってな。」

 

「それは何よりだお。

 それにしても随分広いお。これだけの人口が居るなら、定期船を引いても儲かるお」

 

「そりゃ助かるな。幕府の船だと道具類ばっかだしな。

 ま、必要だから助かるんだけどさ。」

 

 

 

 パレンバンには明らかに一万人を超えている人数の人が住んでいた。

 この時期のスマトラ島の人口は400万人程であったため、一つの地域にこれだけ住んでいるというのは非常に珍しい事だった。

 

 男と別れた後、気になったやる夫は現地人に声をかける。

 

「こんにちはだお。尋ねたい事があるんだけど、いいかお?」

 

「ン? ナンダ」

 

「このあたりって、昔から人が多かったのかお?」

 

 やる夫がそういうと現地民の男は笑う。

 

「ソンナワケナイ。ココハ、ニホン族ガ治メル様ニナッテカラダヨ。」

 

「日本族??」

 

「オマエ、ココニ来タノニ知ラナイノカ?

 ニホン族ノ者ハ、ミンナ『日本』ノ『ドコドコ』ノ『ダレダレ』ッテイウンダ。

 日本族ハ皆名前ガ長イカラナ、キット偉イ一族ナンダ。

 俺ハ近クニ住ム『タラン族』の『ヤムニ』ダ。

 今日ハ果物ヲ売リニ来タンダ。」

 

(そ、それって……国名とか村の名前言ってるんじゃ……)

 

 無理もない。このあたりはオランダ領になっていて、国は北端のアチェしかないのだから、国に所属するなんて概念はない。

 むしろ日本から離れ、此処に来た日本人たちだからこそ、自分達の故郷は日本だと帰属意識が芽生えたくらいなのだから。

 

 やる夫がカルチャーショックを受けていると、他の現地民がやってくる。

 

「オマエ、遅レテルゾ。ニホン族ハ『スルタン(権力者)』ダ。

 大キイ船デ海ノ外ト交易シテイテ、北ニ住ンデイルラシイ。」

 

「オマエ詳シイナ」

 

「俺ハ、半年前カラ住ンデイルカラナ。妹ガ日本族ノ者ト結婚シテ、此処ニキタノサ。

 ダカラ将来ハ俺モ日本族サ。

 知ッテイルカ。今、大キイ船ガ来テイルゾ。」

 

「ホントカ!? 悪イナ兄チャン。俺ハ日本族ノ船ヲ見イ行ク。」

 

 やる夫が呆気にとられている内に、現地民の二人は船着場へ行ってしまった。

 

「それ、多分……ウチの船だお……。

 ま、いいか。とにかく基本的な考えから結構違うみたいだお。勉強になったお。

 どうして同じ人間なのに考え方が異なるのか気になるところだけど、仕事に戻るお。」

 

 

 やる夫は元々の仕事であった、油井の建造に入る。

 そしてサトウキビの圧搾機、精製装置、果物や魚の乾燥装置などの工場を建設。

 そして砂糖やドライフルーツ南国産の物資を船いっぱいに積んで余暇に入る。

 

 

 

「いやぁ、木から何から違うものばっかだお。というか木、大きすぎだお!

 日本だったら樹齢何百年レベルのデカさの木が結構いっぱいあるお。」

 

 海辺へやってきては――――

 

「めっちゃ綺麗だお!オーシャンブルーとはこのことかお!

 見たことないカラフルな魚もいっぱいだお!

 ココナッツジュースもめっちゃおいしいお!

 何より冬な筈なのに、夏みたいに暑いお!!」

 

 初めて南国に来たやる夫には目新しいものばかりで感性がドンドン磨かれていく。

 

「冬は東南アジアで過ごしたいくらいだお。

 でも、今の船じゃココまで来るのに何週間もかかってしまうお……

 だからもっと出力の高い蒸気機関を作るお!。」

 

 必要は発明の母といのか、やる夫のやる気にガソリンが並々と注がれる。

 

「何とか10日くらいで東南アジアに来られる超高速の船を作るお!!

 ――――帰ったら!

 とりあえず、お上から東にあるニューギニア島の東部を見てきて欲しいって言われてるから、そっちへいくお。」

 

「おや? やる夫君は、まだお仕事なのかい?」

 

 同じく仕事を終えて、息子と観光をしていた弥次郎がやる夫に声をかける。

 

「そうですお。調査の仕事をお上から請けていますお」

 

「そっか。やる夫君の船が一番早いからね。

 僕たちは一足先に日本に戻るよ。」

 

「それじゃあ、また日本でですお~」

 

 岩崎親子を見送ったやる夫は、2代目やる夫丸でニューギニア島へと向かう。

 お上からは西欧が領有していないニューギニア島東部は人が住めるか、および地形の調査を指示されている。

 

 

 

「う~ん、東南アジアとそんなに変らないお。

 住んでる動物や植物に多少の差異があるくらい?

 後は富士山より高そうな山がいっぱいあるお。

 それくら――――!?

 何だお!? 極彩色の木があるお!!」

 

 やる夫が見つけたのはレインボーユーカリという植物。

 ニューギニア島周囲が原産で樹皮がカラフルという特徴を持つ。

 そして成長がハンパ無く早いので(杉の6倍)、パルプの原料として現代でもユーカリとポプラの二大巨頭の座を欲しいままにしている。

 

「苗木はレインボーじゃないけど、成長したらカラフルになるお!

 ココヤシとこの木を10本ずつ持って帰って家に植えるお!

 いつでも南国気分だお!!」

 

 ニューギニアの調査を終えたやる夫は大阪へと帰っていく。

 

 

 

 ――――半年後

 

「ココヤシが全部枯れたお!? やっぱり南国でしか生きられないのかお……」

 

 ココヤシは越冬できずに全滅、しかし――――

 

「ユーカリはココヤシの生命力奪ったのかと言いたい程に成長してるお……」

 

 レインボーユーカリは半年足らずで1m程丈を伸ばしていた。

 この種はユーカリでも成長が早く、気候が合えば高さは70mを超えて幹の太さも1mを上回る。

 

「ニューギニア島でも結構大きい木ばかりだったけど、もしかして成長が早いのかお??

 もしかしたら、伐採した後の植樹や製紙用木材としていいかもしれないお。

 ま、南国に土地無いから当分先かお。」

 

 製紙産業はアップを始めたようだ。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 オランダ居留地は石油および砂糖のプランテーションとして着実に発展していくでありますよ。

 田んぼも浮稲ではなく日本式の灌漑を行い、ジャポニカ米(日本人用)とインディカ米(現地人用)が年2回というハイペースで生産されているであります。

 南国では収穫した時に零れた米が自生するから種まきすらしないという、ホントなのか冗談なのか分からない逸話があるでありますからな……。

 水田なんか作ったらどうなってしまうのやらでありますな。

 

 ちなみに2010年あたりの米の生産量はインドネシア6,600万トン(世界3位)日本は850万トン(世界11位)であります。

 土地の広さもあるのではありますが、インドネシアはパーム油(世界1位)天然ゴム(世界2位)と他の産物も世界クラスでありますから、生産準備の整った南国パワー侮り難しでありますな。

 

 またやる夫が持ってきたユーカリ。

 現代でもパルプ原料として有用で、ブラジルではユーカリパルプで世界に勝負をかけて世界第2位のパルプ生産国になったであります。

 ヤバイでありますね。

 ちなみにこういう成長が早く10~25年で伐採できる種を早生樹というであります。

 (※杉などは50年以上かかる)

 そちらの日本でもセンダンやコウヨウザンという品種がスギ、ヒノキに代わる木材として研究されているようでありますよ。

 

 ま、ともあれオランダ居留地の開発は現地民も集まってきて順調でありますよ。

 パレンバン、バリクパパンの両方の産業振興で閃き+2であります。

 

 

 

――――――――――――――――

 

【日本の技術レベル】

|科学:10(基本的な理学)

|工学:18(モノづくり)(+1)

|材料:15(素材、エネルギー)

|生物:16(農業・医学)

|電磁:10(電気製品・発電)(+6)

|環境:13(建築・自然保護)(+2)

|流通:06(物流や兵站)(+2)

|政経:10(政治経済や社会問題の解決力)

|文化:15(外交・異文化・芸術・娯楽)(+5)

|軍事:04(兵器開発・戦術)

 

※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします

 

 このあたりは前々回方針を決めたのでまたまたスキップでありますよ!

 

 

 

――――――――――――――――

 

【年表】

・1837年

 【徳川家慶 第12代征夷大将軍就任】

 【医学】予防接種の普及

 【??】和製活版印刷の開発

 【経済】オランダ提供の居留地開発

 【国家】育児補助令の施工

 【国家】保育園の開設

 

・1838年

 【経済】新貨条例

 【工学】スクリュー船の発明

 【教育】近代的教育制度の発令

 【国家】樺太、千島列島入植

 【工学】空気入りタイヤの発明

 【建設】鉄筋コンクリート

 【経済】鉄道開通(横浜―新宿)

 

 現代から見た考察

 1838年、オランダ居留地において日本主導の石油生産が始まった。

 当時、石油は灯り程度の役にすら立たない使い道の無い資源であった。

 (1850年代以降、精製した灯油が照明用燃料として利用され始める)

 

 日本では樺太の石油を研究し、この時には精製した灯油が照明用の燃料として利用できるという研究結果が東京大学図書館に保存されている。

 このときは灯り用でしか使用されず、各油田の生産量も大した事は無かった。

 オランダも石油の有用性は全く見出せず、石油に投資する日本をみて『資源の無い国家の末路を見たようだ』と資料に残していた。

 

 

 

――――――――――――――――

 

さて、次回予告ではありますが、「ロシア居留地開発」であります。

ようやく1830年代最後の年でありますな

 

・ロシア居留地開発(カムチャッカ半島、カラギンスキー島)(2枠)(5か月)

・樺太、千島列島の産業振興(2枠)(第2段階)(6ヶ月)

・ブルネイ帝国との交易(1年1ヶ月)

・無煙火薬(3枠)(1年2か月)

・内燃機関(5枠)(1年6ヶ月)

・蒸気式重機(3枠)(1年6ヶ月)

・近代水車(2枠)(1年6ヶ月)

・合成染料の開発(1年6ヶ月)

+駐退機の開発(2枠)(1年2か月)

 

+研究専用13枠:材料+5

+研究専用13枠:材料+2→科学+3

+研究専用13枠:工学+5

 

 今回の閃き枠増加は+6、使い終わった枠が+9枠で15枠がフリーでありますな。

 内13枠は次のロシア居留地開拓までは研究枠とするであります。

 

 材料を22まで直通、足を引っ張らないように科学を13まで、そして残りは工学で内燃機関の完成と同時に自動車もオートで閃かせるでありますよ!

 残り2枠は「駐退機」の開発でありますな。

 戦列艦から近代の軍艦になるためには必須の発明であります。

 

 というか、ガソリン自動車、重機、発電、飛行機が前提条件をクリアできてないので……

 余裕のある内に軍事に投資であります。

 普通は軍事技術を民間へスピンオフなのでありますが、こちらでは民間技術が軍事へスピンオンしてるでありますな。

 ま、戦争の無い江戸だった故にそういう事があっても間違いでは無いでありますな。

 

 

 

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