1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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お久しぶりです。
休止していたソシャゲに復帰しちゃいましてね……


19. 1839年 ハーバー・ボッシュ法

 

時代は1839年10月であります。

「ハーバー・ボッシュ法」でありますよ。

 

★ハーバー・ボッシュ法(2枠)

・ブルネイ帝国との交易(2ヶ月)

・無煙火薬(3枠)(3ヶ月)

・駐退機の開発(2枠)(3ヶ月)

・内燃機関(5枠)(7ヶ月)

・蒸気式重機(3枠)(7ヶ月)

・近代水車(2枠)(7ヶ月)

・合成染料の開発(7ヶ月)

・蒸気タービン(2枠)(7ヶ月)

・国産ダム建設予定地の策定(2枠)(7ヶ月)

・北海道の産業振興(7ヶ月)

・日本列島改造計画(蒸気機関)(7ヶ月)

 

★研究専用13枠:軍事+5

★研究専用13枠:軍事+5

★研究専用13枠:軍事+1→電磁+4

 

 

――――――――――――――――

 

●農業最終兵器

 

【尾張藩 名古屋大学】

 

「俺、天才過ぎるだろ……常識的に考えて。」

 

 

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 新たな発見をした自分の才能に慄く。

 若干25歳にして自分の研究室を持つ彼の名は

 

 ――――松平やらない夫

 

 徳川の旧姓松平の姓を持つ彼は尾張徳川家の近縁の分家である。

 『武』はからっきしであったが、代わりに『知』では尾張徳川の中で最も秀でているといっても良いほど。

 

 ついた異名は【尾張の麒麟児】

 

 彼はその名に相応しい大発見をしたのだ。

 

 

「若殿、何か有らせられたので?」

 

「あぁ。空気からパンが出来る」

 

 日本人なら銀シャリだろ!といいたいところだが、彼もまた蘭学者であり欧州かぶれと言ってもいい。

 

「空気から……パンで……御座いますか?」

 

 御付きの者はやらない夫の突飛な発言に首を傾げる。

 

「大雑把に言うと、空気には植物の成長に必要な窒素がある。」

 

「はぁ……以前に仰っておられましたな。」

 

「つまり、窒素からアンモニア、アンモニアから硝酸、硝酸から肥料、肥料で麦を育ててパンだ。

 結果、空気からパンというわけだ。

 あぁ、俺が見つけ出したのは窒素→硝酸までの流れだな。

 他者が発見した方法まで自分のものと言うつもりはないさ。」

 

「空気から肥料が作れると言う事は、ほぼ無尽蔵に肥料が作れると言う事ですかな?」

 

「理論上はな。エネルギーの関係もあるし実際は有限だと考えるべきだが

 窒素以外の三大要素のリンやカリウムに比べれば無尽蔵と言っても過言ではないな。

 豆類が持つ根粒菌が頼りの時代は終わって、三大要素全ての化成肥料が出揃った。

 日本の農業はまた変わるぞ。」

 

「おめでとう御座います、若。」

 

「あぁ。徳川家に連なるものとして、幕府のため、ひいては日の本の為に働くのは責務であるからな。

 また一つ、役に立つ事ができたよ。」

 

 

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 やらない夫は日本を背負う者の一人として、務めを果たさんと日々邁進して来た。

 そして漸く実を結んだのだ。

 

 

「さて、実証実験は完了した。

 次は実用化のフェイズだな、常識的に考えて。

 ……俺は堺にいく。

 産業用地の準備を整えておいてくれ」

 

「はっ!畏まりました。」

 

 やらない夫は向かう。堺にいる友人の下へ――――

 

 

 

――――――――――――――――

 

 とりあえずやらない夫が出て来ましたな。彼には化学関連の閃きを担当して貰うであります。

 

 やらない夫は松平姓でありますが、彼の家は尾張徳川の親戚で幕府の中でもかなり格上であります。

 将軍家>御三家、御三卿>このあたり

 

 といってもやらない夫は三男でスペアのスペアであり家は継げないでありますよ。

 ま、今のところこれくらいでありましょうな。

 

 

 

――――――――――――――――

 

【入即出家】

 

 やる夫の元へやってきたやらない夫。

 彼はベルを鳴らして来訪を伝える。

 

 

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「おーい、やる夫ーー!」

 

「お、この声はやらない夫かお。

 ちょっと待つお~~」

 

 

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 やる夫は玄関に向かい、やらない夫を迎えようとするが――――

 

「おじゃましまーす!」

 

 

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「キャーー」

 

 突然入ってきたやらない夫によって開かれた扉に、やる夫は挟まれる。

 

「お? やる夫、なんでそんな所に居るんだ?

 新しい趣味か?」

 

「やらない夫が急に扉を開けたからだお!!

 勝手に入ってくるならベル鳴らすなお!!!」

 

 

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「悪い悪い。

 

 

 

 ――――でも、お前オイシかったろ?」

 

 

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「ま、どちらかと言えばオイシかったお!」

 

 

 二人は大体こんな調子で昔から仲が良かった。

 

 

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 こんなふざけた事をする位には――――

 

 

 

「で、こっちに来るのは珍しいお。何かあったのかお?」

 

「あぁ……かくかくしかじか」

 

 やらない夫は化学的窒素固定の手法をやる夫に伝える。

 

「マジかお……お前天才かお。」

 

「天才に決まってるだろ……常識的に考えて。

 麒麟児と呼ばれるくらいなんだぞ?」

 

 

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「でも、象さんの方がも~っと好きだお!」

 

 

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「そのキリンじゃねぇよ。」

 

 

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「ま、ここに来たのは窒素系化学肥料の製造工場を尾張藩に建てて貰おうと思ってな。

 用地は押さえてあるから、後はお前のところが動くだけだ。」

 

「既に決定事項なのかお……」

 

「間違いなく儲かるんだからやらないわけ無いだろ?JK(常識的に考えて)

 

「補助金はあるのかお?」

 

「無いな。流石に短時間で其処までは交渉できなかった。

 お前の所なら5年もあれば費用の回収も出来るだろ?」

 

「まぁ……東南アジアのルートもあるし出来ない事はないと思うお。」

 

「よし!じゃあ頼むぞ。」

 

(これって、普通にたかりだと思うお……常識的に考えて……)

 

 

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(ま、いっか。3代目やる夫丸も大詰めだし、ついでに工場も建てておくお)

 

 やらない夫のコネで入即出屋の中部圏へ進出も上手く行っているし、と

 やる夫は工場建設を請け負う事となった。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 やる夫の黒船は名古屋港で造船されているでありますよ。

 名古屋港を擁する伊勢湾は東京湾、大阪湾、陸奥湾並みに周囲が陸で囲まれているであります。

 この4つから名古屋が選ばれたのは以下の条件を充たすからであります

 

1.他国の船が進入し辛い

  東京湾、大阪湾は居留地があるので条件を充たせないでありますな。

  青森にある陸奥湾も函館が近いので安全では無いであります。

  中部は居留地が無く、外国船が近くに居れば臨検対象でありますよ。

 

2.幕府のお膝元

  江戸と尾張が完全に天領なので幕府の管理下に置けるでありますな。

 

3.堺に近い

  やる夫が多忙であるため、近場が良いでありますよ。

 

 堺に近くて、幕府の管理下で、閉じた湾の条件を充たしたからでありますな。

 

 

 

――――――――――――――――

 

【名古屋港】

 

「ついに出来たお!!」

 

 

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「お、早いな。どんな様子か見せてくれよ。」

 

 

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 やる夫はやらない夫を連れて港へと移動する。

 

「出来たお! これが3代目やる夫丸。Ver黒船だお!!」

 

 港に佇むのは黒塗りの【鋼鉄帆船ウィンドジャマー】

 世界に産声を上げた最初の総鋼鉄船だった。

 

「何でだよ!! この流れなら肥料生産工場だろ、常識的に考えて!」

 

 

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「冗談だお! ちゃんと肥料工場もあるお」

 

 やる夫が指差す工場地帯の一角に新しい工場が増えているのをやらない夫は確認する。

 

「なんだ、ちゃんと出来てるじゃないか。」

 

(コイツはふざけないと死んじゃう病なのか?)

 

 

 やらない夫とやる夫は肥料工場へと移動する。

 其処には既に商品となる肥料が積まれていた。

 やらない夫はそのうちの1つを手に取る。

 

「なんだ? この8-8-8ってのは?」

 

「窒素、リン酸、カリウムが8%ずつ入ってるお。

 肥料にするなら必要な要素全部入ってるほうが使いやすいお。

 足りない養分があるなら、必要に応じて追肥すればいいお。」

 

「なるほど、取っつき易いというのはそれだけで魅力か。

 窒素だけだと他の肥料も買い揃える必要が出てきてしまうからな。」

 

 

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「そうだお! まずは手にとって貰う。

 手に取ればこの肥料の良さは分かるから、リピートは確実だお。

 商売はきっかけを掴めれば勝ちだお!」

 

 

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(まぁ、そのきっかけを作るのが難しいお。)

 

「じゃあ、尾張の天領からガンガン使っていくぞ!」

 

「ちゃんと有機肥料も使うお。」

 

「わかってるさJK」

 

 

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 日本の緑の革命が、この日から始まる――――

 

 

 

――――――――――――――――

 

 さて、ついに始まりましたな緑の革命。

 有機肥料では限界がある食糧生産量も、化学の力で限界突破であります。

 

 緑の革命効果によって、食糧生産量の増加、出生率の増加、そして飢饉による日本人死者はシステム上存在しなくなるであります。

 そして生物レベルが怒涛の+4であります!

 

 農業系最強の発明なのに少ないでありますか?

 技術が毎月怒涛の速さで上がるからそう思うのも無理ないでありますが、生物、農業、医学、化学技術が四半世紀ほど進んだ。

 また、閃き枠52枠の技術進歩があったと考えれば、結構なボーナスでありますよ。

 

 さらに、閃き枠も+4であります。

 うごご……これ以上はタスクリストを管理出来ないでありますよ。

 

 

 

 話は変わるでありますが、武家の中でも位の高い松平家のやらない夫とやる夫では家格が釣り合わないと思われがちでありますが、

 実は家格としては、やる夫の方が上であったりします。

 

 入即出家は、源流を辿ると公家の清華家「西園寺家」に辿り着くであります。

 入即出家が家格だけで現代の爵位を授かった場合は侯爵となり、尾張徳川、紀州徳川と同格であります。

 一度公家を離れたというペナルティを付けても最低で伯爵でありますよ。

 

 原作《別世界》では入即出家は大臣家~羽林家上位と言われておりましたな。

 ともかく、家格だけでも日本屈指であります。

 やる夫は長男ではないので、家は継げないでありますが。

 

 

 とはいえ財力的にも日本屈指なので――――

 あれ? もしかしなくても日本の中枢の一角でありますか? 入即出って……

 

 やる夫自身は個人の素質も高いので、家柄、資産、才能が日本屈指であります。

 多分、摂家、清華家レベルの公家の息女、または徳川家の息女から縁談があってもおかしく無いでありますな。

 

 

 ただ、やる夫自身は入即出家の出自は知らないであります。

 何故かって? やる夫は今でこそ発明家でありますが、一話の時点では家の金で道楽を愉しむ道楽者でありましたからな。

 いい所の家柄と知れば、間違いなくせびる金が増えていたであります。

 

 

 

――――――――――――――――

 

【日本の技術レベル】

|科学:13(基本的な理学)

|工学:23(モノづくり)

|材料:22(素材、エネルギー)

|生物:20(農業・医学)(+4)

|電磁:14(電気製品・発電)(+4)

|環境:13(建築・自然保護)

|流通:06(物流や兵站)

|政経:10(政治経済や社会問題の解決力)

|文化:15(外交・異文化・芸術・娯楽)

|軍事:20(兵器開発・戦術)(+11)

 

※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします

 

 生物、軍事が20の大台に乗ったでありますな。

 つまり第二次世界大戦終戦後相当の技術力を持ったということであります。

 

 軍事にフォーカスを当てた場合、

 ドライゼ銃から派生した天保銃は改良の余地が無い程に完成形となったであります。

 また、ボルトアクション銃として代表的なGew98(ドイツ)、リー・エンフィールド(イギリス)、モシン・ナガンM1891(ロシア)の初期型が短期間で閃き可能になったであります。

 無理すれば、アサルトライフルのStG44、AK-47やブローニングM2重機関銃が閃き射程圏内に入ったでありますよ。

 

 マスケット銃が主流の時期にアサルトライフルとか重機関銃とか、ヤバイでありますな……

 勿論、迫撃砲などもありますし……

 もう、19世紀末歩兵装備、WW1相当歩兵装備、WW2相当歩兵装備くらいに大別した方がいいでありますな。

 

 戦車や軍艦、戦闘機もそんな感じであります。

・戦車

 WW1型戦車(ルノーFT-17相当)、軽戦車・中戦車・重戦車(WW2相当)、主力戦車(第1世代~)

 

・軍艦

 装甲艦、前弩級戦艦、弩級戦艦、超弩級戦艦、空母、ミサイル巡洋艦、イージス艦

 

・戦闘機

 WW1、WW2、ジェット戦闘機(第1世代~)、マルチロール機

 

 大体こんな感じでありますか。

 藪から棒に最先端を走っては、戦費でこちらが財政的に敗北するでありますな……

 

 

 あ、原子の周期表はオートで閃かれたでありますよ。

 

 

――――――――――――――――

 

【年表】

・1837年

 【徳川家慶 第12代征夷大将軍就任】

 【医学】予防接種の普及

 【??】和製活版印刷の開発

 【経済】オランダ提供の居留地開発

 【国家】育児補助令の施工

 【国家】保育園の開設

 

・1838年

 【経済】新貨条例

 【工学】スクリュー船の発明

 【教育】近代的教育制度の発令

 【国家】樺太、千島列島入植

 【工学】空気入りタイヤの発明

 【建設】鉄筋コンクリート

 【経済】鉄道開通(横浜―新宿)

 

・1839年

 【経済】ロシア提供の居留地開発

 【農業】窒素肥料の工業化

 

 現代から見た考察

 この年、徳川幕府により空気中の窒素から窒素肥料を作る技術が開発された。

 これにより、窒素・リン酸・カリウム全ての肥料が人工的に製造できる様になる。

 これらの開発が、人口増加率3%を超えた日本の食糧を支え続けてきた。

 技術自体は年々改良されてきているが、農業史において「化学的窒素固定」を越える発明は現代に至るまで無い。

 

 

――――――――――――――――

 

さて、次回予告ではありますが、「ブルネイ帝国との交易」であります。

 

・ブルネイ帝国との交易(2ヶ月)

・無煙火薬(3枠)(3ヶ月)

・駐退機の開発(2枠)(3ヶ月)

・内燃機関(5枠)(7ヶ月)

・蒸気式重機(3枠)(7ヶ月)

・近代水車(2枠)(7ヶ月)

・合成染料の開発(7ヶ月)

・蒸気タービン(2枠)(7ヶ月)

・国産ダム建設予定地の策定(2枠)(7ヶ月)

・北海道の産業振興(7ヶ月)

・日本列島改造計画(蒸気機関)(7ヶ月)

+【防護巡洋艦】秋津洲建造(2枠)(1年)

+飛行機開発(4枠)(1年)

 

 

★研究専用13枠:電磁+2

★研究専用13枠:電磁+2

★研究専用13枠:電磁+2

 

 研究枠はもう3つでいいであります。

 ハーバー・ボッシュ法で+4とかなり増えたのでばらす必要もなくなってしまったでありますよ……。

 

 新しい閃きは国産装甲艦の建造、飛行機開発であります。

 今回で試作鋼鉄艦の三代目やる夫丸が出来たでありますからな。

 飛行機は歩兵武装の強化と悩んだでありますが、特に理由無く雰囲気でこっちになったであります。

 

 工学は電気がないと発展は難しいでありますし、材料はアルミニウム以降は、やはり電気が要るであります。

 内燃機関やタービン、水車待ちでありますな。

 

 そうそう、生物(医学)レベルがWW2相当になったので、東南アジアで病死する可能性は限りなく低くなったであります。

 渦巻き型の蚊取り線香が普通に使われているでありますよ。

 1895年開発なのでオートでもいいでありましょう。

 

 


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