1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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ちょっと短いです。



28. 1840年 アヘン戦争中盤と琉球併合

 

【中華スタイル】

 

「広州に20万の兵士を集めなさい!

 数の利、地の利はこちらにあるのよ!!

 数万にも満たないイギリス兵など蹴散らしてあげるわ!」

 

 

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 清軍はイギリスが進軍してくる南部に兵を集めて応戦の構えを取る。

 事実、イギリス陸軍は5,000名。

 40倍の兵力差であるため、通常であれば負けるはずもない。

 

 が――――

 

「馬鹿みたいに真正面からあたるわけないでしょう……」

 

 

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 イギリスは広州ではなく、清海軍を蹴散らしながら上海などの手薄な個所を占領して清の士気を落としつつ

 北京にほど近い天津へと攻め入る。

 

「何てこと!?

 全然負けてるじゃない!

 こ、これはアヘンを燃やした林則徐が元凶ね!

 この者を左遷しなさい!」

 

 

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 清は自身が命じた林則徐にすべての罪をおっかぶせて和平交渉を開始する。

 これは戦端が開かれてから半年の事だった。

 

「士気低すぎでしょう……。

 まぁ、和平を求めるのであればテーブルには着きましょう。」

 

 

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 和平交渉はイギリスの想定以上に順調に進み、1840年内には川鼻条約(南京条約よりかなり条件は良い)が結ばれることとなる。

 そしてイギリス海軍が撤収するや否や……

 

 

「部下が勝手に調印した和平交渉など無効よ」

 

 

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 イギリス軍が居なくなるとすぐさま

 和平交渉を命じた部下を更迭し、戦争の継続を命じる。

 

(クズ過ぎて開いた口が塞がらない……)

 

 

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 約束は守るイギリス、これに激怒し再び軍を差し向ける。

 

「獣に約束という言葉を教えてあげましょうか!」

 

 

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 大体史実通りにアヘン戦争は続いていく――――

 

 

――――――――――――――――

 

 と、前半はこんな感じでありますな。

 原作世界でも、とんでもないと思ったでありますが、史実も大概でありますな……

 

 アヘン戦争はロシア十字軍とは異なり

 イギリスの一方的な快進撃で進んでいくことになるでありますよ。

 

 清も兵数は多いでありますが、統率は欠片もないでありますからな……

 

 ここまでは日本は対岸の火事であったでありますが――――

 

 

――――――――――――――――

 

【琉球併合】

 

 清がイギリスにボコボコにされているその時、

 ブルネイから戻るついでに琉球王国へと立ち寄る幕府の外交官。

 

「清とイギリスの戦況は説明した通りになっています。」

 

 清の頼りなさと間接的にイギリスと国交がある日本を天秤にかけさせて、アヘン戦争後に日本に降るよう勧めに来ていた。

 そう、日本の予定では戦後のはずだった――――

 

 

「わかりました。

 我が琉球は日本に降ります」

 

 

 島津によってさんざん搾取されてきた琉球王国は碌な装備もなく、

 イギリスによって壊滅させられた清の海軍も琉球を護るには頼りなさ過ぎた。

 

 そして幕府の外交官が乗ってきた船がトドメだった。

 装甲艦ではないが、イギリスの一等戦列艦にも見えてしまうほどの強力な戦列艦(黒船)に乗って来ていたのだ。

 

 東南アジアから日本へと渡る船。

 ブルネイへ国威を示すためにも強力な軍船に乗って向かうのは必然。

 それが強力過ぎたのがいけなかった。

 

 事実、戦列艦の性能差はないに等しく、寧ろ日本の方が整備性も含めると高性能といえる位だった。

 

 琉球は日本の戦列艦が日本製などとは露ほどにも思っていなかった。

 琉球からすれば、日本は西欧諸国から最新鋭の艦を購入出来る程に親密で、高価な船を買えるほどに資産を持っていると判断されたのだ。

 

 

 『イギリスにボコられる清』と『西欧と親密な日本』

 どちらに付くべきかは明白だったのだ。

 

 行動するなら早い方が信頼につながる。

 そう思っての琉球の行動だったのだ。

 

 

「わかりました。御上には貴国の意志を伝えます。」

 

 幕府の外交官は琉球の意を汲んで少し早いが、琉球恭順の意志を受け入れることとした。

 

 

 外交官が幕府に戻ると、琉球恭順の意志は水野忠邦たちに伝わる。

 

「うむ、些か予定が早いが……

 彼らの想いを無碍にするわけにもいかぬな。」

 

 火事場泥棒と思われぬよう、イギリスに経緯を伝えてから併合すべきと決まり

 外交官を派遣したのだが――――

 

 

――――――――――――――――

 

(戦中だろうが、戦後だろうが、どちらにしろ火事場泥棒なのは間違いないでしょう……)

 

 

【挿絵表示】

 

 

(オランダの威を借りてようが、ロシアと親密だろうが――――懲罰決定ですね)

 

 

【挿絵表示】

 

 

(ある程度分からせてあげた後、和平条約で通商を結べばこちらとしても得ですしね。

 日本で一番強いとされている『島津』という大名を叩き潰せば『学習』するでしょう)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 琉球併合の懲罰として、イギリスはアヘン戦争のついでに日本に懲罰艦隊を向かわせることに決定した。

 

 

――――――――――――――――

 

 列強でもないのに植民地(島津の行いからそう思うのも無理ない)を手に入れた事がイギリスの機嫌を損ねた様でありますな。

 

 領地の継承以外で新たに土地を得てもいいのは列強、および列強に並ぶ強国(実力&国威)のみであります。

 日本は実力こそあれど、国威および知名度は皆無でありますが故に許されなかったでありますよ。

 

 結果、残念ではありますがアヘン戦争の『片手間』にロイヤルネイビーが薩摩藩を襲撃するであります。

 時期的には恐らく1840年秋頃になると思うであります。

 

 

 

●予告(次回とは言ってない)

 

 お願い、死なないで島津!

 あんたが今ここで倒れたら、日本はどうなっちゃうの?

 新しい兵器はある。

 ここを耐えれば、イギリスに勝てるんだから!

 

 次回『薩英戦争』。デュエルスタンバイ!

 

 

 

 生麦事件が発端ではないので島津はどちらかというと、とばっちりでありますな(無関係ではない)

 予定より20年以上繰り上がった上に、アヘン戦争の片手間となる薩英戦争。

 

 初の『日本vs列強』となるこの戦争。

 どうなるでありましょうな。

 

 

――――――――――――――――

 

 次回は下の5つからピックアップしていくであります

 

・内燃機関+蒸気式重機

・日本列島改造計画+蒸気タービン

・近代水車+国産ダム建設予定地の策定

・北海道の産業振興

・合成染料の開発

 

 1840年も長くなりそうでありますな……

 


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