1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート)   作:火焔+

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36. 1840年 ブリティッシュ・ムーヴメント

 

時代は1840年10月であります。

「薩英戦争」の戦後処理が終わった後、

各国(主にイギリス)動向でありますよ。

 

 

――――――――――――――――

 

【島津】

 

●鹿児島城

 

 イギリスがクリッパー船に乗ってインドへ帰った後

 それを見送った水野忠邦と島津斉彬が言葉を交わす。

 

「奇跡的な勝利を無に帰したことは謝罪しよう。

 だが、これしか方法も無かったのも事実」

 

 忠邦の言う通り、イギリスは勝利して終わることが絶対条件。

 その為にはインド艦隊の本隊、最悪本国艦隊が出てくる可能性すらあった。

 

 経緯を聞いた斉彬もそれは了承している。

 そうなるだろうとも、薄々感づいていた。

 

「それは了承しております――――」

 

 が、島津にも体面というモノがある

 

「わかっている。

 私が采配出来るモノの中で島津にはいくつか特例を出す。」

 

●1つ、琉球支配の最中に行われた非人道的な行為は『行われなかった』と幕府は判断すると決定する

 

 実際、この世界における植民地支配程ひどくはないが、

 島津における琉球支配は日本全国から見れば、褒められたものではなかった。

 琉球が琉球藩になったあと、島津はその事の沙汰を心配したが、

 幕府の公式見解として『琉球支配は問題なし』と決められた瞬間だった。

 

 斉彬は島津の心配事が1つ無くなり胸をなでおろす。

 

●1つ、薩摩藩がイギリスとの不幸な事故で得ることとなった船舶・物資は、薩摩が所有権を持つものとする

 

 本来であれば大型軍船は『幕府のみ』保有することが許されている。

 それを薩摩藩の所有物として認める。

 西欧の現役武装が島津のモノとなる。

 つまり他の藩とは隔絶した武力を保有できるという事になるのだ。

 

「ただし、条件としてイギリスの武装、船体構造など技術に関する全てを幕府に書面で纏めて報告する義務が付随する。

 これが飲めない場合は、この特権を許可することは出来ぬ」

 

「問題ありません。」

 

 次代当主として全権を委任された斉彬は了承する。

 イギリスの技術を解析して『天保野砲』がさらに強力になることは島津にとっても対外戦闘における優位になると今回の戦闘で理解しているからだ

 

●1つ、幕府が保有する総鋼鉄製汽帆船(ディーゼル式ウィンドジャマー)10隻の優先使用権を薩摩藩に与える

 

 イギリスが乗って帰った木製クリッパーは島津に貸与していた商船だった。

 これの代替として幕府が用意した新たな10隻は最新のディーゼル機関を積んだ汽帆船だ。

 その積載量は木製クリッパーの10倍を遥かに超える

 

 

※世界最初の航洋型ディーゼル船である『セランディア』は積載量は7,400t。

 木鉄混合船であった有名なクリッパーの『カティ・サーク』ですら積載量は600tを超える程度

 総木製クリッパーであれば、それ以下である事は明白であるため

 

 

 乗員数もさほど変わらないため、航海辺りの収入は単純計算で10倍以上となる。

 この3つを以って、島津への恩賞としたのだ。

 

「以上とする。」

 

「は、謹んで頂戴致します」

 

 島津としては名目上の勝利はイギリスに与えたが、

 大きな実利を得ることとなった。

 

 

「しかし、我々がスペインに手が届くというのは事実なのでしょうか……?」

 

 斉彬はイギリスが言っていたスペインならば将来勝てる見込みはある

 という言葉を疑っていた。

 イギリスの下等艦で構成された艦隊を撃破したところで、スペイン全軍を打ち破れるなど到底思えないと考えたのだ。

 

「我々日本が総力を結集すれば、という但し書きがつくのであろう」

 

「なるほど。」

 

 

 

 

(確かに島津の軍略を全ての藩が持てば、とてつもなく大きな力となるだろう

 島津の力は日本が世界と争うには必要。

 上様が仰られていた『大政奉還』。

 時代がそれを求めているのやもしれぬ。)

 

 

(名目上は敗北であれど、幕府の外交戦は見事であった。

 得たものは英国の大砲を含む大量の軍事物資。

 それに甲板やマストなどは損傷しているが、修復すれば10隻の軍船。

 日本が失ったのは旧式のクリッパー船と焦げ付いていた債券のみ。

 トータルで考えた場合、収入の方が多いのではないか?

 私にそこまで出来たであろうか……

 今の幕府の統治力であれば、臣従してやるのも吝かではないのかもしれぬな)

 

 

 

 互いに若干のズレはあれど、

 徳川と島津が互いに認め合ういい機会となったのは間違いないだろう――――

 

 

 

――――――――――――――――

 

【大本営発表】

 

 日本における薩英戦争の発表は

 

『島津、善戦シ英国ニ喰ライ付クモ、惜敗セシメル』

 

 島津、結構頑張ったけど負けちゃった。

 という感じで公表された。

 

 それは日本中に知れ渡り――――

 

 

「島津が世界最強の英国に一矢も二矢も報いただと!?」

 

「やはり島津。侮りがたし」

 

 今まで西欧には全く手が届かないと、

 誰もが思っていたが故に非常に好意的に取られることとなった。

 しかも相手は大英帝国、完敗しないこと自体が快挙だったのだ。

 

「それに幕府も英国相手に一両たりとも賠償金を払わなかったらしい」

 

「支払いの悪かった債権を押し付けたそうだ。

 負けたのになんたる強気!」

 

 負けた事になっているので、債券支払いだけで済んだことも幕府の評価を上げた

 

 

 統治の徳川、戦の島津。

 

 

 英国と渡り合った事により、

 日本の中でも徳川と島津は他家とは隔絶した威信を手に入れる事となった。

 

 

 そして、箝口令が敷かれ戦場を知っている島津藩士も

 

「主君がその様に決めたのだ。

 死してもこの口割ることは出来ぬ。」

 

 忠義に厚い名より実を得ることにした主君の決定に従い事実を黙することに決めた。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 今回の顛末により、

 

 徳川と島津が手を組み日本となれば或いは――――と

 『日本人』民族意識が芽生えたであります。

 

 そして日本は東洋の時代遅れではなく、

 欧州に一矢報いるだけの力があると

 強い自負、自信、そしてアイデンティティを手に入れる事となったであります。

 

 大きな脅威によって一致団結するという事はよくあることで、

 植民地の独立戦争もそんな感じでありますな。

 

 これにより、仮に日本が多民族国家となった場合でも

 自分が何者かというアイデンティティに悩むことは無くなったであります。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

【サイケンリアリティ・ショック】

 

「ドーモ。オランダ=サン。イギリスです」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「どうしたの?

 ロシア戦線の打合せ?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「センジサイケン、回収しに来ました」

 

「え? イギリスへの戦時債権は今年丁度完済したはずよね?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「では、この債券は何でしょうね~?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ヒラヒラとたなびく紙をオランダは手に取る

 

「え!?何で? 完済したはずなのに……!?」

 

「これはね、日本から分捕ってきたものです。

 『今は』英国に支払う債券ですけどね!」

 

(ヤバい……。シャレにならないくらいヤバい……。)

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さてさて、我が英国に一切支払いが無いという事がどういうことか分かっているのでしょうね~!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「お金払うべし! サイケン、履行すべし!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「アイエエエエ! サイケン!? サイケンナンデ!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「いつになったら返してくれるんですかねぇぇ!! ええ!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「待ってください!! すぐに払いますから待ってください!!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「もぉ~!! 何でイギリスに売るのよ!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「いや、売ったのではなく賠償金のカタに持っていかれたであります」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「あぁ、例の……」

 

「仕方ないでありますよ。『焦げ付いた債券でも可』なんて言われたら

 そうしてしまうであります」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「いや、まぁ……ね。

 誰だってそーする。私もそーする。(形兆感)」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 イギリスから『それでもいい(提案)』というのは『そうしろ(命令)』であるからだ。

 それはオランダの方が熟知している。

 

「今回はともかく、建設国債とか売るのはやめてよね」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「勿論でありますよ。

 本来は譲渡するものではないでありますし。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「頼むわよ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

(無事、日蘭の印象は悪くなったようですね)

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

――――――――――――――――

 

British(ブリカッス)movement(ムーヴメント)

 

●イギリス本国

 

 薩英戦争が終わって事の顛末がヴィクトリア女王へ報告された後――――

 

 

 外務省官邸にて二人の上級官僚が話を始める

 

「いや、よもやこの様な事態が待っているとはね。

 とても驚いたよ。」

 

「ええ、軍船10隻も失ったと思ったら

 どうしても手に入らなかったクリッパーを10隻も手に入れてくる

 どうすればそうなるのでしょうね?」

 

「日本の強さも驚きの対象です」

 

「外交力の低さにも、と但し書きは必要ですが。」

 

 二人は笑う。強くて扱いやすい。

 マスケット銃とよく似ていると思ったのだ。

 

 

「それにしてもオランダには驚かされました。

 図らずしも危機的な状況に陥っていたとは……」

 

「彼の想像通りだったらと思うと肝が冷えましたよ。

 あ、そうそう、上手いこと日英通商を結んで来た彼は何処に?」

 

「本国に帰ってきた翌日、外務省に転属となりましたよ」

 

「それは素晴らしい。優秀な人材は適材適所であるべきだ」

 

 薩摩を攻めた彼は本国に戻った後、外務省へと転属になった。

 負けても勝利するという離れ業が評価された結果だ。

 

 

「スペインという物差しまで提供してきたのは機転が利くとしか言いようがない」

 

「そうですね。我々は何の損害もなく日本の総力を知ることが出来る。

 それに――――」

 

 一方が不敵に笑うと、言葉の先を感じ取ったもう一人も笑みを浮かべる。

 

「時間に関しては我が方が不利。

 ならば我々が差し上げるもので、時間の差を埋める」

 

 つまり、日本からオランダの間にある100年以上の国交という事実はイギリスには埋めようがない。

 ならばそれを上回る利で日本を英国寄りにさせる。

 

 

 

「差し詰め、『塔作戦(コード・ルーク)』でしょうか?」

 

 二人の目の前にあるアジアの地図。

 そのフィリピン領にチェスのルークの駒を置く。

 

「まさしく中盤戦に相応しい。」

 

 日西戦争の目的は日本の総力を知ると同時に、

 日本のフィリピン獲得を英国が承認することで、英国は損失無く日本に領土を贈る。

 国交の時間を埋められないのであればそれ以上の利を渡す。

 

 領土を得て嬉しくない国など存在しない。

 日本とてサラワクを得ていることから領土欲求があることは明らか。

 オランダからは長年かけても得られなかった領土というエサをチラつかせる

 もし日本が負けるのであればそれはそれで構わない。

 使い道はいくらでもある。

 

「ついでに我が英国の推薦で列強に招待するのもいい。

 単独でスペインに勝利できるのであれば、(将来)死に体となっているオスマンの代わりも務まる」

 

「フランスのエジプトを列強に担ぎ上げる策のカウンターにもなる。

 功績としてはロシア戦の火事場泥棒(エジプト)より大きいですからね。」

 

 フランスが陣営を強化するのを防ぎ、

 イギリス陣営として日本を列強にエスコートする。

 これもオランダにはできない芸当だ。

 当然ロシアが邪魔してくるだろうが、彼らにも日本を引き込めるほどの手はない。

 

「東洋のブリテンとでも呼んであげましょうか?」

 

 もちろん日本の事である

 島国であり大陸に巨大な国家があるという立地の関係上、日本とイギリスは似てなくもない。

 

「ははは。ならば実が伴うように(有料で)支援してあげる必要があるかな?」

 

「我が国と日本の交易が開始されれば、それも可能でしょう」

 

 イギリスであればフランス、プロイセンなどに配慮せず

 ガンガンに東洋製品をバラまける。

 もちろん貿易摩擦が起こるがさほど問題ではない。

 

 

 

「さて、少し話が脱線しましたね。

 東洋に戻りましょうか。」

 

「日本がここを領土にしたときは煩わしさも感じましたが……」

 

 そういって、ボルネオ島のサラワク州にキングの駒を置く

 

「今ではこれ以上にない一手となっている。」

 

「ええ、『淑女心(おとめごころ)と国際情勢』。

 少し目を離すだけで様変わりしてしまう。

 全く手を焼かせてくれるよ。」

 

 そういいつつ口髭をピンと伸ばす。

 

「だからこそ、外交官はやめられない」

 

 これをどれだけ思い通りに操れるか。

 悪手になった手を好手に変えるか。

 彼らにとっては、それが愉しくて堪らないのだ。

 

 

 

「さて、ボルネオ島で打つ手は2つでよかったかな?」

 

 ポーンの駒をサラワクの東、サバ州に置く。

 

「確かスールー王国というフィリピン南西の島国が実効支配している州ですね?」

 

「あぁ、ブルネイは既に返還をあきらめているが、これに火をつけよう。」

 

 ブルネイ皇帝を焚きつけて、サバ州もサラワクと同様に日本に継承させる。

 スールーが支配するより日本が支配した場合、どれだけメリットがあるかを示せばすぐに転ぶ

 一度継承しているのだ、一度も二度も変わらない。

 

「これでスペインとオランダに対して対日感情の狼煙を上げよう。」

 

 『歩兵作戦(コード・ポーン)』、サバ継承戦争(日本vsスールー)によってゲームスタート

 危なげなく日本がサバ州を継承することで、ボルネオ島で支配を広げないと思っていたオランダとの軋轢

 スールーを併合して、ボルネオ島の足掛かりとするはずだったスペインへの牽制となる。

 

 そして、『塔作戦(コード・ルーク)』によってスペインを蹴落とし

 広大な国土と植民地を手に入れた日本が列強入りを果たす。

 

「そして……ここでチェックです」

 

 次に置かれたのはクイーンの駒

 置かれた場所は――――

 

 サラワク州の南にある日本とオランダの国境

 定規で引いたような滑らかな国境線。

 

「やすりと国境線はよく削れた方がいい。」

 

 滑らかであるという事は、厳密な国境を持っていないという事と同義

 上から(日本とオランダ)で決まらないのであれば下から決めればいい。

 

「『幸いな事』にボルネオ島の住民は親日。

 我々が『中立な立場』で調査して、ボルネオ島の住民に自分たちがどちらに所属しているか聞いて回ればいい。」

 

 そんなことをすれば、

 原住民を消耗品として使い潰しているオランダと

 対等の人として扱う日本

 どちらを選ぶかは考えるまでもない。

 

「良くもまぁ、これだけ偶然の様にお膳立てとなるポイントがあるものだ。」

 

「薩英戦争での交渉は稚拙極まりなかったのに、

 原住民の懐柔――――

 これが日本の策だとしたら、とんだ狸だ。

 

 あぁ、そういえば日本のトクガワも

 初代(いえやす)は『狸親父』と言われていたそうですね」

 

「同じアジア人だからか、世界進出の足掛かりの策かは

 腹の内はそのうち見えるでしょう。」

 

「それは楽しみだ。」

 

「楽しみのためにも、

 日蘭の国境線をどれだけ南下させられるか

 我々の腕の見せ所ですね。」

 

 イギリスの思い通りに事が運べば

 イギリスの援護によりフィリピン、ボルネオ島の多くを日本が得る事となる

 

 フィリピンで日本の国土のおよそ80%(300,000km²)

 ボルネオ島全土で日本の国土の200%(743,300km²)

 日本の国土(378,000km²)は最大で現状の4倍近くに広がる(1,400,000km²)

 

 欧州換算でドイツ+フランス+スペインくらいの国土となるのだ

 武士道とやらが残っていれば、イギリスに感謝しないわけはない。

 

(インドとカナダとオーストリアにいずれにも及びはしないが)

 

 ここまですれば、日本を親蘭から親英に変えるのもイギリスの外交戦術があれば困難ではない。

 オランダにアジアの制海権を取られかけそうだった事態が、オランダ包囲網に変わる。

 そして、極東における対中華、対ロシア、対アメリカの重要拠点ともなる

 ついでにスペインも締め出せる。

 

「是非ともこの絵を描きたい!」

 

「では、状況開始と致しましょうか。」

 

 イギリスの暗躍がアジアで開始される――――

 

 

 

――――――――――――――――

 

 いやはや、恐ロシアではなく、

 恐ろしイングランド(語呂感劣悪)でありますな。

 

 日本としてはオランダとの友好関係をリリースすれば十分に可能な範囲でありますな。

 皆様の世界であればともかく、基本好戦的な人ばかりのこの世界であれば

 日本もオランダとの軋轢より国土を選ぶでありましょうな。

 

 サバ州には2010年代まで稼働していた銅山がありますし、海底油田もあるであります。

 西カリマンタンにはタヤン鉱山という現代でも稼働中の『ボーキサイト鉱山』が

 そう!アルミの原料の『ボーキサイト』があるでありますよ!!!

 

 資源足りない病を患っている日本にとっては友情より大事でありますな。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 車、船、機関車に必須の『石油』

 電気の時代には欠かせない、電線の材料となる『銅』

 飛行機などに必要不可欠な『アルミニウム』

 いずれも現代で採算が取れるだけの採掘が出来る規模でありますからな。

 それが自国の領土にある。

 

 オランダ。先に謝って置くでありますよ。

 

 あ、そうそう。

 フィリピンも銅、ニッケルの一大生産地でありますよ。

 

 

 

――――――――――――――――

 

【Silk war】

 

「そうそう、日本。

 通商祝いではありませんが、出来るだけ多くの絹製品が欲しいのですが

 準備できますか?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「オランダに卸している量と同じくらいでありますか?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「いえ、全部です。輸出できるだけ全部下さい。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「まぁ、構わないでありますよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 それから暫くが経ち――――

 

「ぎゃあぁぁ!!何でこんな大量のシルクが出回ってるの!?

 フランスのシルク産業が~~~!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「イタリアのシルクも売り上げ半分も無くなったんだよぉ!!

 何が起きてるの!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「いやぁ、儲かって仕方がありませんね。

 おや? そんな辛気臭い顔してどうしたんですか?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「お前かぁぁ!!!!

 オランダにしては遠慮がないと思ったら!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「???

 国民が自由経済の理念に則って商売しているだけですが?」

 

「流通量を考えろよ!!

 ウチのシルク産業が致命傷じゃないか!!」

 

「不思議ですね。なんで売れてないんでしょう……??

 もしかして…………品質が劣る?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「そんなわけないだろ!!!

 フランスのシルクは世界一だ!!!!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「じゃ、何も問題ないですね。

 いいモノは売れる。商売の常識ですよ。

 少し値段がお高いようですので、値下げしては如何でしょう??」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 日本での工場生産とフランスの職人の手作りの生産量の差

 ヨーロッパの人件費(高額)と日本の人件費(安価)の差

 輸送費含めても日本の方が半分近く安いのだ。

 しかも品質もいい。

 余程品質が高くなければ、並大抵の工房では太刀打ちできないのだ。

 そこそこのモノを作っていたフランスと、イタリアのシルク工房は軒並み瀕死状態になっている

 

「老婆心ですが、高い関税駆けて保護貿易でもしては如何でしょう?

 ま、

 

 『やれるもんなら――――

  や っ て み なっ !(大●田常務感)』

 

 産業を護れますよ?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ぐぬぬ………… 」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 保護貿易にするという事は、品質と値段のバランスで劣っているから

 関税かけて外国製品より国内製品を優位に立たせることになる

 プライドの高いフランスがそんな選択を取れすはずもない。

 

「ウチは保護貿易するよ……

 元々東洋のモノだし、なかなか手ごわいね」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「そうそう、それで紡績機とか機械とか輸入できない?

 これだけのモノ作ってるなら、そこそこの機械使ってるんでしょ?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ありますよ。ジャガード織機ってのがありましてね――――」

 

「ウチの発明じゃないか!!!

 特許料払えよ!!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「東洋にそんな先進的な概念あると思います?

 特許とは何か?そっから教えてあげた方がいいと思いますよ

 で、お値段ですけど……バラした状態でしたら輸送費込みで……」

 

「マジで!(フランスより)安いじゃん!!

 ぜひ仕入れてよ!」

 

「ご購入ありがとうございます」

 

 

---System message---

 

※フランス→イギリスの好感度が下がった

 既に最低値であるため、これ以上下がりません。

 欧州式の同盟締結には影響ありません

 

※イタリア→イギリスの好感度が下がった

 欧州式の同盟締結には影響ありません

 

結論:変化なし

 

--------------------

 

――――――――――――――――

 

【ロシアと薩摩】

 

●鹿児島港

 

 ロシア極東軍と薩摩は飲み仲間(こうりゅう)であるため

 イギリス侵略の報を聞いて心配になってきたのだ。

 

「イギリスが攻めてきたにもかかわらず、

 大きな被害も無さそうでよかったよ。」

 

 ロシア兵は芋焼酎を飲みながら薩摩藩士と話す。

 

「あぁ、殿のお陰だ。」

 

 薩摩藩士も芋焼酎を飲みつつ、

 しかし箝口令に従い言葉を選んでいるためその言葉には淀みがある。

 

(にしても市街地に被害がないのはイギリスにしては不自然だな)

 

 清の惨状はロシアも当然知っているので、この差には不思議に思う。

 不思議には思うが、友人がイギリスの魔の手に落ちなかったのは幸運だと、そう思うことにしたのだ

 

 

 

●サンクトペテルブルク

 エカテリーナ宮殿

 

「そうか。日本は大きな被害を受けなかったか。」

 

 今年も大量の食糧とマスケット銃、弾薬を受け取ったニコライ1世は安堵する。

 泥沼になりそうだった場合、日本に援軍を送るつもりですらあった。

 そのくらいには日本を評価していたのだ。

 

「役立たずのエジプトやペルシャ、バルカン諸国とは違い

 日本は十分な支援を行っている。

 ふんっ!役に立つのが潜在的な敵性国家である日本とポーランドだったとはな。」

 

 敵国と認識するくらいなのだから、ポテンシャルは高いのだろう。

 

「とはいえ、不可解な点は多いな。」

 

「はい陛下。懲罰行為と言いつつ、市街地には被害がない

 そればかりか、遠めで見ただけでも街は活気があったとのこと。

 まるで――――」

 

「まるで勝ったかのようにか?」

 

「はい。しかし、ならば何故敗北したことになったのかが不可解です。

 確かに大破した船が停泊しているのも確認は取れています。」

 

※イギリス軍船

 

「大方、イギリスの発表した『完勝』というのがウソなのだろう。

 クリッパー船を拿捕したのは事実だろうが『辛勝』あたりが妥当か。

 それならば、日本の浮かれようも

 イギリスが大人しいのも納得できよう。」

 

「薩摩が国際貿易港でないため、イギリスも油断したのかもしれません」

 

「薩摩との交流がこんなところで役に立つとはな」

 

---System message---

 

※ロシア→日本の好感度が上がった

 

--------------------

 

――――――――――――――――

 

【日本の製鉄】

 

●イギリス本国

 

「極東ロシアに諜報員を送ったところ

 面白い報告が上がってきました。」

 

「何かな?」

 

「日本はロシアから石炭、木材など製鉄に必要な物資を大量に輸入していることが判明しました。

 これは我々がオーストラリアから輸出している鉄鉱石が増えるごとに

 これらの輸入も増加しております。」

 

「ほぅ? それは興味深い」

 

 つまり、日本は製鉄における木材調達を輸入で補っているということ

 製鉄における木材の消費量に危機感をいち早く覚えられたことに他ならない

 

「なるほどなるほど。

 それであの鋳鉄輸出量を維持しているのか。

 我が英国にはできない芸当だな。」

 

 ロシアからイギリスに製鉄に使える木材が流れてくるはずもない。

 戦争中の今は特にだ。

 

「オランダは中々面白い国を見つけたものだ」

 

 日本という駒が如何盤上で動いてくれるか、

 イギリスは一層興味深く動向を見守るのだった。

 

 

――――――――――――――――

 

【日本の技術レベル】

|科学:20(基本的な理学)

|工学:24(モノづくり)

|材料:24(素材、エネルギー)

|生物:24(農業・医学)

|電磁:20(電気製品・発電)

|環境:17(建築・自然保護)

|流通:10(物流や兵站)

|政経:10(政治経済や社会問題の解決力)

|文化:16(外交・異文化・芸術・娯楽)

|軍事:21(兵器開発・戦術)

 

※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします

レベルアップは次回実行されます

 

 

――――――――――――――――

 

【年表】

・1837年

 【徳川家慶 第12代征夷大将軍就任】

 【医学】予防接種の普及

 【??】和製活版印刷の開発

 【経済】オランダ提供の居留地開発

 【国家】育児補助令の施工

 【国家】保育園の開設

 

・1838年

 【経済】新貨条例

 【工学】スクリュー船の発明

 【教育】近代的教育制度の発令

 【国家】樺太、千島列島入植

 【工学】空気入りタイヤの発明

 【建設】鉄筋コンクリート

 【経済】鉄道開通(横浜―新宿)

 

・1839年

 【経済】ロシア提供の居留地開発

 【農業】窒素肥料の工業化

 

・1840年

 【国家】サラワク獲得

 【軍事】次世代兵装の開発

 【全て】内燃機関の実用化

 【全て】蒸気タービンの実用化

 【経済】日本列島改造計画開始

 【経済】合成染料、合成塗料の実用化

 【軍事】薩英戦争

 

 

――――――――――――――――

 

・【防護巡洋艦】秋津洲建造(2枠)(1ヶ月)

・飛行機開発(4枠)(1ヶ月)

・日本銀行の設立、および管理通貨制度(2枠)(3ヶ月)

・WW1相当の陸軍兵器開発、およびドクトリン開発(5枠)(4ヶ月)

+新江戸城建設(2枠)(8ヶ月)

+サラワク藩産業振興(8ヶ月)

+ディーゼル機関車実用化(3枠)(8ヶ月)

 

★研究専用13枠:科学+5

★研究専用13枠:工学+5

★研究専用13枠:生物+5

★研究専用13枠:環境+5

 

 多分、お忘れだと思うので実行中の閃きを載せて置くであります。

 次回は日本初の装甲艦『秋津洲』の就航でありますな。

 

 あと一年薩英戦争が遅ければ、イギリスはとんでもない目にあっていたかもしれませぬな。

 そういう意味でもイギリスは『持っている』のでありましょうな。

 

 

――――――――――――――――

 

 

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