1945年に滅びる日本を救って欲しいであります(未来知識チート) 作:火焔+
時代は1841年6月であります。
ブルネイ帝国から依頼があるようでありますよ。
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●ブルネイ帝国の御用聞き
【イスタナ・ヌルル・イマン(ブルネイ宮殿)】
阿部正弘ら日本外交官はブルネイ帝国に招かれ、イスタナ・ヌルル・イマンに迎えられていた。
「良くいらしてくれた阿部殿。」
「はっ!
オマル・アリ・サイフディン2世陛下におかれましても
ご健勝のことと存じます」
「はははっ!健康だとも。
日本のお陰で懐もさみしくないしな!
我々も助かっているよ。」
サラワク藩からの『十分の一税』により、ブルネイ帝国の財政は大きく向上した。
また、食料もサラワク藩から購入することで飢えはすでに過去のものとなっていた。
ブルネイ帝国の人口は2万人に満たない程度。
その程度の食糧であればサラワク藩の食糧事情を圧迫はしないのだ。
食料が満たされれば国民も大人しくなる。
後は外敵からの危険がなくなれば――――
「早速宴を開きたいところだが、
貴公をお呼びした理由を話さねばな。」
本来であれば外交官同士で水面下で交渉を終えた後、このような場を設けるのだが
サイフディン2世はサプライズを好む性格であり、正弘は情報を知らされては居ない。
本来、皇帝がそうであってはいけないのだが……
(悪い事では無いとの事前情報は受けてはいるが――――)
正弘も慣例とは異なる外交に胃を痛めていた。
『サラワク継承』の事もあり、大事なのではないかと身構えてしまう。
「正弘殿はサバ州を知っているかな?」
「はい。貴国の領土であると」
実際はスールー王国に実効支配されており
ブルネイすらも取り戻せないと諦めている体たらく。
ブルネイ帝国の領土と思っているのは日本だけだ。
もちろん日本も知っているが、ここで言っていいはずない。
そして、サバ州が出てきた時点で面倒事であることも理解できた。
(まさかな――――)
「正弘殿は察しがいいな。
貴公の想像の通り、サバ州を奪還してほしいのだ。
報酬はサラワクと同じ条件で――――」
正弘の嫌な予感は見事に的中。
サバ州(北海道の0.9倍程の土地)割譲
更にスールーを降せば、スールー諸島、パラワン島(両方で四国と同程度の国土)が手に入る。
非常に魅力的な提案ではあるが――――
(確実にオランダとスペインが干渉してくる)
サラワク取得時にオランダからこれ以上カリマンタン島で勢力を広げるなと釘を刺され
フィリピン諸島の一部であるスールー諸島、パラワン島を手に入れれば国交が断絶しているスペインを刺激する。
「この正弘、陛下のご意向に添えたくは存じますが、何分大きな話
今回ばかりは本国へ持ち帰る必要がございます。」
流石に前回と同じく直ぐに決めろといわれたら断るしかない。
「勿論だ。期限は特に設けない、じっくり考えてくれ。」
ブルネイにとっては既に失われた土地。
金になって帰ってくれば儲けもの。くらいなのだ。
そう、これはブルネイが考え出したものではないからだ。
「話はこれで以上だ。」
サイフディンはパンパンッ!と手を叩き
「さあ!宴の準備をせよ。」
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皇帝との謁見を終え、正弘達を歓迎する宴が開かれた。
正弘は再びの大事に悩みは尽きぬが、今回は江戸に持ち帰る事が出来る。
その安堵から宴を楽しんでいたが――――
「Hi! YouがJapanese外交官かな?」
マレー語が公用語のブルネイ帝国では耳にする事は無い『
正弘は合わせて後ろを振りむく。
「あ、貴方は――――!?」
そこに居たのは英国外交官。
何度か顔を合わせた事のある人物であり間違うはずも無い。
「な、何故貴方が?」
「東南アジアが私の管轄です。
東南アジアの国に居るのは不自然ではありますまい?」
(不自然過ぎる!!
彼は下っ端の英国外交官では無い。
失礼ではあるが、主賓以外でこんな所にいる人物ではない……)
完全に話の主導権は英国外交官にある。
登場の仕方といい、話の持って行き方といい、外交官としての能力は正弘を凌駕していた。
「して、日本外交官がどうしてこちらへ?」
「ブルネイ帝国へご招待いただきまして」
「なるほど、偶然ですね。
私も先日(英国的には)招待頂いたのですよ。
ところで――――」
ここで英国紳士は爆弾を落とす
「サバ州という、す、す、す――――
まぁいいです。す『なんたら』国に占領された土地を知っていますか?」
この言葉を聞き正弘は理解する。
英国外交官がここにいる理由、ブルネイ帝国がスペインの神経を逆なでしてでもサバ州奪還を依頼した理由。
期限が特に指定されなかった理由。
(真の依頼者は英国か)
先の薩英戦争で耳にした『日本ならスペインに勝てるだろう』というイギリスの評価
(スールー王国を仕留めろというのは、英国から日本に課された『侵攻能力』試験
本日からどれだけ早くスールー王国を落とせるかを。
だからこそ、ブルネイ帝国からは期限の指定は無かった。
余計な外乱を入れたくなかったのだろう。)
文明国でも西欧諸国でもないスールー王国くらい迅速に、簡単に降して見せろ。
英国はそういっているのだ。
(スールー王国であれば、ついでにスペインの神経を逆なでできる。
おまけにサバ州を獲得することでオランダのカリマンタン島における領土拡大をするなという要求を無視させる
それにより、英国の影響圏に日本を引き入れようとしている。
だが、悪い話ばかりではない。
広い国土が手に入るのは勿論のこと
列強の中の列強たる英国が日本に強い関心を持っているという事実。
英国の後ろ盾が得られれば、日本が欧州の植民地にされる可能性は限りなく低くなる
西欧の技術を取り入れ、さらなる日本の発展が見込める
ともあれ、この情報を一刻も早く伝えねば――――)
ブルネイ帝国の無茶ぶりを想定して、今回は伝書鳩を用意してある。
コレであれば一月以内に江戸へ情報が送れる。
情報を送るために、如何にしてこの場を離れようかと正弘が模索していると
「おや、お二人は知り合いかな?」
この場に現れたのはオマル・アリ・サイフディン2世だった。
「えぇ、正弘とは他国で何度か。
おっと主賓を独り占めし過ぎてしまいました。
私はこれにて失礼します。」
どうやって自然に英国外交官と分かれるか思案していたところに渡りに船。
正弘はサイフディン2世と軽く話し、伝書鳩を飛ばすためにパーティー会場を後にした。
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●ブリティッシュ外交
これは正弘がブルネイに来るより少し前――――
ブルネイ帝国が日本にサラワク州を譲渡してから早1年、サラワク藩の税収の10%をブルネイへ譲渡するという条件により国家収入がみるみる増加していった。
そんな中、英国外交官がやってきた。
「お久しぶりです皇帝陛下。」
「これはこれは、遠路遥々よく来てくれた。」
18世紀末からブルネイとは交易していたが、昨今の奴隷貿易絡みで関係が冷え込み始めていた両国。
(英国は奴隷貿易廃止、ブルネイは奴隷貿易をしていた。
ただ、この頃は他の東南アジア国家も奴隷狩りを行っていたため、ブルネイのみに非があるわけではなかった)
「最近は好調の様で何よりです。
我が英国との友好国、日本のお陰でしょうか?」
英国はブルネイと日本の条約を当然知っている。
「あぁ。余の友人、日本には助けられているよ。
奴隷狩りも不要になる程にはね。」
ブルネイとしても英国、日本両国の反感を買う奴隷狩りよりも
さらに稼げるマーケットが出来ればそちらに移るのは当然なのだ。
「それは素晴らしい事です。
我が陛下もお喜びになるでしょう。」
過程はどうあれブルネイは奴隷貿易をやめた。
それは英国の威信向上につながる。
きっかけと結果を見れば「イギリスが奴隷貿易の停止を要求」「ブルネイは奴隷貿易をやめた」
西欧にはそれくらい伝われば十分。
「今回は共通の友人、日本に関することで伺いました。」
少しの雑談の後、英国は本題へと入る。
別にブルネイなど英国にとって些細なことでしかない。
「貴国の領有であるサバ州がスールー王国に実効支配されていますよね?
あそこを日本に取り戻してもらい、サラワク州の様に譲渡するのは如何でしょうか。
貴国は国土を取り戻すことで威信を回復し、その後は利益になるでしょう?
悪い話ではないと思いますが。」
英国は他国の国土を使って日本へ恩を売り、
さらにはオランダと国境問題を誘発して日蘭関係を冷え込ませる。
英国は損無く利益のみを得る。
日本は国土、ブルネイは威信と財貨を獲得できる。
全てを失うのはスールーだけ。
「余も考えてはいたが、日本にそこまでして貰うのはな……」
「問題ありません。我が英国が日本を支えて(誘導して)あげましょう。」
皇帝たるオマル・アリ・サイフディン2世は考える。
イギリスの提案は非常に魅力的である。
だが、肝心のイギリスのメリットがブルネイからは分からない。
「ご懸念も分かります。
簡単な事ですよ。
我々は現在、清と事を構えているのはご存じですね?」
「あぁ。そうであるな。」
知らないはずも無い。
アジアが西欧の狩場であると象徴しているかのような出来事を近隣国家が知らぬはずない。
ただ、日本がそれを支援しているのは知らないが。
「日本とは友好を結んでいる関係上、補給を受けているのですよ。
つまり日本にはある程度国力をつけて欲しいと思っているのです。
十分な補給を受けられるようにね。」
(イギリスは日本を清攻略の
他の西欧諸国も清にご執心である事は、現在の戦況からわかる。
他の西欧国家を出し抜くために、この提案を持ち掛けてきたという事か。)
サイフディン2世の考えも間違いではない。
イギリスもその様な考えも持っている。
ただ、最優先事項では無いが。
(このまま西欧諸国が清に注視してくれれば、
東南アジアに暫しの平穏が訪れる可能性もある。
恩ある日本には悪いが、私も国を預かる身。
国家の為に最善の手を打つ責務がある)
皆が清に目を向ければ、海を挟んで隣の日本に飛び火する可能性は高い。
だが、ブルネイも国を遺さなければならない。
そんな考えを英国は看破していた。
「安心してください。
我が英国がバックについてる限り日本が戦場になる事はありませんよ。
我が国の邪魔をする場合は、西欧でも相応の覚悟が必要ですので」
実際、イギリス、ロシア両雄が通商条約を結んでいる国家に手を出すなんて、
余程の愚か者でもない限りあり得ない。
もしくは国家存続に関わる余程の事が起きない限りは。
「そうか。
ならば日本に掛け合ってみよう。
阿部殿が頷いてくれるといいが。」
英国の思惑の下に、ブルネイは日本と交渉することとした。
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●vsスールー王国戦準備
【新・江戸城】
正弘が飛ばした伝書鳩を受け取った江戸城では、大パニックに陥っていた。
何かあるかも知れないとは思っったが、対外戦争を求められるとは予想の斜め上を行っていた。
「遅くとも10月までには開戦出来る様に準備するのだ!」
開戦を10月と設定した場合、9月初旬に江戸を出港する必要がある。
残された時間は3か月。
(ディーゼル機関車、ディーゼル船舶を利用してもギリギリ間に合うかどうか……)
忠邦は正弘から提案された作戦を承認し、成功した際にできる猶予を考える。
(あの案が上手く行けば、2か月は稼げる。
更には海戦の物資を減らせ、9月にさえ間に合わせられる。
危ない橋にはなるが、間に合わぬのであれば渡るしかあるまい)
伝書鳩での連絡を密にしつつ、忠邦は正弘へ想定されるスケジュールと作戦の許可を送った。
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【日本の技術レベル】
|科学:25(基本的な理学)
|工学:★★(モノづくり)
|材料:24(素材、エネルギー)
|生物:★★(農業・医学)
|電磁:23(電気製品・発電)(+2)
|環境:24(建築・自然保護)(+2)
|流通:19(物流や兵站)(+4)
|政経:19(政治経済や社会問題の解決力)(+4)
|文化:23(外交・異文化・芸術・娯楽)(+4)
|軍事:22(兵器開発・戦術)
※00を史実相当、30(Max)を2020年相当とします
技術レベルは後61で全て最大値になるでありますな。
速ければ来年中、遅くても再来年に技術のレベリングは終わりでありますな。
優先順位としては、科学技術関連の「材料」「環境」「電磁」
次点に「軍事」「文化」
余力で「科学」「流通」「政経」でありましょうか。
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【5ヶ月】
・昭和世代の食糧品種改良(2枠)
・保存食の量産(2枠)
【7ヶ月】
・タイ、ベトナム国交開設(2枠)
・国家備蓄量増加(1枠)
【1年8ヶ月】
・大量生産方式(2枠)
【2年5ヶ月】
・【防護巡洋艦】松島、厳島、橋立建造(2枠)
【2年7ヶ月】
・大政奉還(2枠)
【2年8ヶ月】
・佐久間ダム建設(2枠)
【新規】
・新師団編成(7師団)(2枠)(7ヶ月)
・陸軍訓練+28(12枠)(7ヶ月)
・海軍訓練+28(12枠)(7ヶ月)
・品質管理(3枠)(1年8ヶ月)
・北海道産業振興Step2(2枠)(1年)
・樺太産業振興Step2(2枠)(1年)
・研究専用13枠:材料+5
・研究専用13枠:環境+5
「今月完了した6枠と『サラワク藩の産業振興』での+1で空きは7枠でありますな。」
「今年中に戦争が始まるので、研究枠を潰して『陸軍(海軍)訓練』を実施するであります。
原作のデノミ前では各訓練は1枠で6か月、研究と同じく小数点以下切り捨てとした場合
『4枠』使用することで、一月で練度が向上するであります。
新師団編成では2枠で一個師団でありますな。兵数は現代の自衛隊であれば、約7,000人でありますが
今の時代では1950年代の15,000人くらいでありましょうか。」
「というか、一月で一個師団が出来上がるとか
促成栽培も真っ青の速さでありますよ……」
「謎の閃きパワーで何とかしたのでありましょうな。」
「必要な師団数は7師団であります。
サバ州で2個師団、パラワン島で2個師団、スールー諸島(敵国本土)で3個師団あれば完勝できる人数でありましょう。」
「残りの閃きは忘れていた品質管理であります。
大量生産と同時期までに閃いておかないと、
史実世界の明治みたく、欧州から安かろう悪かろうというレッテルを貼られてしまうでありますからな。」
「残りは産業振興に割り当てたであります。
石油プラットフォームと迷ったでありますが、
海上生活に問題がある為(脱塩処理と電気)現時点では難しいと判断したであります。」
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「次回は『昭和世代の食糧品種改良』または『保存食の量産』でありますよ。
昭和の米と言ったら半世紀たってもNo1地位を保持している『コレ』しかありませんな。」
「『他人の不幸』で飯がウマい。」
「違いますか?」
「違います。」