王は至高なり、常に我は一人……だからバレンタインとかちょっと何言ってるか分からない。 作:のろとり
オリジナル:ファンタジー/コメディ
タグ:転生 バレンタインデー 魔王 秘書 チョコレート 異世界 ご都合主義
みんなから恐れられている魔王様はチョコが貰えるのか?
バレンタインデー。
それは2月14日に女性が男性にチョコレートを渡すと言う、非リアには無縁な日である。
そもそも、チョコレートを渡すのは日本企業が……っと、少し長くなりそうだな。
「…………」
そんなバレンタインデーも、世界を越えて伝わっていたりもする。
……まぁ、
そんな転生者は椅子に座ってじっと待っていた。
「……来ねぇよ」
彼、とでも言えば良いのだろうか。
椅子に座っている人物は人ではなかった。
2メートルは越える巨体、頭から生えている二本の角。
これだけで、なんとな~く察する人はいるだろう。
そう、魔物の頂点魔王です!
「……泣きてぇ」
その魔王は泣きそうであるが。
さて、この魔王の説明を軽~くしていきましょう。
この魔王は前世で死んだが、転生した。
フツーの魔物として転生したけど、努力して魔王になりました。以上!
メメタァな話をすると、時間が無いので巻きました。
「……チョコを、くれよぉ」
そんな魔王であるが、自身が魔王になり暇になったのだ。
たまに人間が攻めてくることはあるが、魔王が出てくるのは全滅の危機の時である。
その間は自分の部屋でゴロゴロ、ゴロゴロ……あれ、これってニートじゃねぇか!
そう魔王は考えた。
それに、他の魔物に会うと恐れられるのが悲しいのだ。
見た目は凶悪、中身は繊細……その名は、転生者・魔王。
「……うぅ」
どうにかしてスキンシップを取りたい、そう思い魔王は前の世界の遊びや、行事を取り入れることにした。
すごろく、人生ゲーム、TRPG……他にも、クリスマスや休日も取り入れた。バレンタインデーもその一つである。
まぁ、バレンタインデーは自身が欲しいから。という気持ちもあるが。
「……どしよ」
魔王から何か発表があるときは、この世界の全魔物の前で話すのである。
分かりやすく言うと、校長の話聞いてる感じ。
なので「バレンタインデーってのは、女性が男性にチョコレートをあげる日である!」と高らかに説明したのだ。
説明した本人が貰えないって、貰えないって……
「失礼します」
「……!?」
そうネガティブになっていると、ある人物が部屋に入ってきた。
魔王は涙目になっている目を擦り、部屋に入ってきた人物を見た。
「……秘書か」
魔王の側近であり、事務やらなんやら手伝ってくれている秘書であった。
魔王いわく、自身より有能で頭が上がらない人物、だそう。
たまに自分のベットに顔を埋めてたり、服の匂いを嗅いでいるのが気になるようだが。
「魔王様、ちょこれーと? とやらは貰えましたか?」
「……ふっ、我は常に一人である。何が言いたいかは、分かるよな?」
カッコいいことを言ってように思えるが、翻訳するとこうなる。
『……ふっ、我は常に
締まらないし、とてもカッコ悪くなる。
言葉の意味を読み取るのはとても大切なのである。ほら、ここテストに出るよ!
「そうですか」
秘書は顔を暗くし、何かを魔王に見えないように後ろに隠した。
だが、隠した『何か』は見えなかったが、『隠した』という動作はバレてしまった。
「……ところで、どうした」
「いえ、魔王様が貰えたかの確認だけです」
悲しくなるから止めてくれ……
そんな魔王の気持ちを他所に、秘書は部屋を出ていこうと扉を開けたが、何かを思い出したようでふと、止まった。
「魔王様、私が部屋を出るまでの間、目を瞑ってくれませんか」
「……分かった」
魔王は目を瞑り、扉が閉まる音が聞こえるまで待った。
ドクン、ドクン……心臓の音がうるさく聞こえてくる。
数秒、数十秒、数分、数十分……いくら待ったのだろう、実際はあまり経っていないのかもしれない。それでも、魔王にはそれほど長く感じたのである。
バタン
そう音が聞こえたと同時に魔王は目を開く。
そして部屋を見渡すと、テーブルにラッピングされている細長い箱を見つけた。
餌を与えられた犬のように、魔王は食い付きラッピングを綺麗に開けた。無駄にそういうところは気になるようだ。
「……え?」
魔王は箱を開けると同時に、その言葉が出た。
箱には数十枚の紙と小さな紙が入っていた。
多い紙は文字がビッシリと書いてあり、見るのを避けたくなるほどの量である。
小さな紙の方には『仕事してください by秘書』と綺麗な字でかかれていた。
「……くそがぁ!」
バレンタインデーなんて大嫌いだー!
そんな声が部屋に響いたような……
「魔王様、どんな反応してるますかね」
場所は変わって魔王が居る部屋から少し離れた廊下。
コツコツと、同じリズムで足音が響いていた。
ロボットのように無表情な顔で誰も居ない廊下を歩いていた、一体と何を考えているのやら……
「ああ、魔王様の反応が面白いなぁ」
訂正、顔を赤くして歩いていた。
「ちょこれーと? が貰えると思ってワクワクしてたあの表情、堪らないなぁ」
訂正、やべぇことを考えてました。
「はぁ、はぁ……」
訂正するよ、こいつやべぇ!ドSだったよ!
秘書は先程の光景を思い出しながら、頬を緩める。
「……私にはまだ、これを渡す勇気は無いけど、いつか渡せたらいいなぁ」
そう呟く秘書の手には、一口サイズのチョコレートがあった。
【没の話】
非リアがリア充を恨み、魔王に八つ当たり
あれ、そうえば王様って結婚してるよな
よし、王様倒すか
こんなのを作る予定でした。