魔法科高校とチート転生者   作:カトポン

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 どうも、おはこんばにちは。
 また、サブタイが英語ですが単純に3日目という意味です。後、今回は最長文字数です。といっても、8千弱ですが・・・。
 それでは、第10話をどうぞ。


第10話 The 3rd Day

 第一高校生が利用する駅の名は「第一高校前」。

 駅からは学校までほぼ一本道だ。

 途中で同じ電車に乗り合う、ということは、電車の形態が変わった事により無くなってしまったが、駅から学校までの通学路で友達と一緒になる、というイベントは、この学校では頻繁に生じる。

 昨日もそういう事例を数多く見たし、今朝も先程から、そういう実例を何度も目にしている。

 

「よう達也!悠馬!」

「おはよう」

「おはよう、レオ」

 

 司波兄妹と一緒に通っていた俺達はレオとエリカと美月と合流した。

 

「しっかし昨日は大変だったな」

「あぁ。そうだな」

「光井さんと北山さんだっけ?一科生にも話が分かる子がいたのは良かったけどよ」

「あの方達ならお友達になれそうですね」

 

 と、話しながら6人で校門までのんびり歩いていた時だった。

 

「達也く〜ん、悠馬く〜ん」

 

 背後から真由美がぶんぶんと手を振ってやって来た。

 

「達也さん・・・会長さんとお知り合いだったんですか?」

「この場で知り合いなのは悠馬だけ・・・の、はず」

 

 美月の疑問に、達也本人も一緒になって首を捻っている。

 

「悠馬のついでなのか?」

「けど、あんな風に呼ぶ?普通」

 

 とても俺のついでとは思えない状況に誰もが困惑していた。

 

「達也くんに悠馬くん、オハヨ〜。深雪さんも、おはようございます」

「おはようございます、会長」

「おはよう、真由美。で、朝からどうしたんだ?」

「お、おい悠馬。会長にそんな口聞いていいのか?」

 

 俺の真由美への言葉遣いにレオが狼狽える。

 

「気にするな、レオ。悠馬はタメ語じゃないと怒られるからな」

「そ、そうなのか・・・」

「けど、どうして会長が・・・」

「もしかして昨日の事で・・・」

 

 レオと美月とエリカが後ろでコソコソ話している。

 

「只の挨拶に決まってるじゃない」

「会長、お一人なのですか?」

 

 深雪が見れば分かることをわざわざ訊ねたのは、このまま一緒に来るのか、という問いかけでもある。

 

「うん。朝は特に待ち合わせたりしないの」

 

 肯定は肯定でも、言外の質問に対する肯定だった。

 

「深雪さんと悠馬くんに少しお話ししたい事もあるし・・・ご一緒して構わないかしら?」

「はい、それは構いませんが・・・」

「もしかして、話ってのは生徒会の事か?」

「えぇ。一度、ゆっくり説明したいと思ってね。達也くんと深雪さん、それに悠馬くんを生徒会室でのランチに招待しようと思ったの。あっ、アナタ達もどう?」

 

 さりげなくレオとエリカと美月を誘う真由美。

 

「「「いえ、結構です」」」

 

 それに対し3人は真由美の誘いを声を揃えて断った。

 やや、気まずい空気が空気が流れる中俺は口を開いた。

 

「生徒会室でランチって言われても弁当とか無いぞ」

「生徒会室にはランチボックスの自販機が置いてあるから大丈夫よ」

 

 そういや、そんなもんが生徒会室に置いてあったな。

 すぐに使われなくなった気がするけど。

 

「・・・生徒会室にダイニングサーバーが置かれているのですか?」

 

 物に動じない深雪が、驚きを隠せずに問い返す。

 そういや、自動配膳機が生徒会室に置かれていたのは覚えているが、なんで置かれているのかまでは覚えていない。

 しかも、自動配膳機は空港の無人食堂や長距離列車の食堂車両に置かれているものであり、普通、高校の生徒会室に置かれるようなものではない。

 

「入ってもらう前からこういうことは余り言いたくないんだけど、遅くまで仕事をすることもありますので」

 

 真由美は、ばつ悪げに照れ笑いながら、俺と深雪に対する勧誘を続けた。

 口調が丁寧語なのは深雪の質問に対してだからであろう。

 

「生徒会室なら、達也くんが一緒でも問題ありませんし」

 

 その時、真由美の笑顔が一瞬、人の悪い、悪く言えば邪悪な笑みに変わった。

 俺は心の中で「ドンマイ、達也」と呟いた。

 

「・・・問題あるでしょう。副会長と揉め事なんてゴメンですよ、俺は」

 

 確かに、達也が気安く生徒会室で昼食を摂っていようものなら、喧嘩を売りつけられること、ほぼ間違いなしである。

 しかし、達也の言う事が、真由美にはすぐに思い当たらなかったようだ。

 

「副会長・・・?」

 

 真由美はちょこんと首を傾げ、すぐに、芝居じみた仕草でポンッと手を打った。

 

「はんぞーくんのことなら、気にしなくても大丈夫」

「・・・それはもしかして、服部副会長のことですか?」

「そうだけど?」

「そうですか・・・」

「はんぞーくんなら、お昼はいつも部室だから」

 

 ニコニコと真由美は笑みを絶やさずに勧誘を続ける。

 

「分かりました。深雪と悠馬の3人でお邪魔させていただきます」

「そうですか。良かった。じゃあ、詳しいお話はその時に。お待ちしてますね」

 

 何がそんなに楽しいのか、くるりと背を向けた真由美は、スキップでもしそうな足取りで立ち去った。

 同じ校舎へ向かうというのに、俺達の足取りは重くなるのだった。

 

◇◇◇

 

 午前の授業が終わり昼休みとなった。

 俺と深雪は達也と合流するとそのまま生徒会室へと向かう。

 目的の生徒会室は4階の廊下の突き当たりにあった。

 扉の中央には「生徒会長室」と刻まれた木彫りのプレートが埋め込まれており、壁にはインターホン、そして巧妙にカムフラージュされているであろう数々のセキュリティ機器があった。

 昔というよりも俺の前世だとノックして入室だが、俺の前世よりも遥かに進歩しているこの世界では、インターホンを鳴らして入室するのだ。変な感じはするものの、俺はインターホンを鳴らす。

 

「どうぞ」

 

 真由美の入室を促す声がインターホンのスピーカーから返されると、耳をそばたてていないと気づかない程度の、微かな作動音と共にロックが外れる。

 

「失礼します」

 

 俺が扉を開けて中に入ると、深雪・達也の順で入室する。

 中には真由美と渡辺先輩、そして生徒会と思しき2人の女子生徒がいた。

 俺が頭を下げると、達也と深雪もそれに続く。

 自分で言うのもなんだが礼儀作法は幼い頃から叩き込まれているので、俺の礼儀は完璧に近いだろう。ちらっと深雪を見ても、礼儀作法のお手本のようなお辞儀を見せている。

 

「えーっと・・・ご丁寧にどうも」

 

 宮中晩餐会でも通用しそうな所作を見せられ、真由美も少したじろいている。

 生徒会の役員であろう2人の女子生徒もすっかり雰囲気に呑まれている。

 生徒会役員以外で唯一同席している風紀委員長の渡辺摩利先輩は、平静な表情を保っているが、それが少し無理をしたポーカーフェイスである事は、余程人を見る目が無い者以外だったら誰でも分かっただろう。

 

「どうぞ掛けて。お話は、お食事をしながらにしましょう」

 

 真由美が会議用の長机を指差しながら言う。

 今時、情報端末が埋め込まれていないのは、飲食用途を見越してのことなのかは定かではないが、学校の備品としては珍しい重厚な木製の方卓に、俺・深雪・達也の順で椅子に腰掛ける。

 

「お肉とお魚と精進、どれがいいですか?」

 

 どうやら、自動配膳機があるのみならず、メニューが複数あるらしい。

 

「魚で」

「精進で」

「お兄様と同じ物を」

 

 俺達が頼んだのを受けて、生徒会役員と思しき小柄な女子生徒が、壁際に据えつけられた和箪笥ほどの大きさの機械を操作した。

 後は出来上がるのを待つだけだ。

 

「入学式で紹介しましたけど、念の為、もう一度紹介しておきますね。私の隣が会計の市原鈴音、通称リンちゃん」

「・・・私のことをそう呼ぶのは会長だけです」

 

 「でしょうね!」と心の中で叫ぶ。

 整ってはいるが顔の各パーツがきつめの印象で、背が高く手足も長い市原先輩は、美少女というよりも美人と表現するような容姿なので、真由美以外「リンちゃん」とは呼ばないだろう。

 

「その隣は知っていますよね?風紀委員長の渡辺摩利」

 

 会話が成り立ってないことに誰も気にしていないのはいつもの事と割り切っているからなのだろうか。

 

「それから書記の中条あずさ、通称あーちゃん」

「会長・・・お願いですから下級生の前で『あーちゃん』は止めてください。私にも立場というものがあるんです」

 

 彼女は小柄な真由美よりも更に小柄な上に童顔で、本人にそのつもりが無くとも上目遣いの潤んだ瞳は、拗ねて今にも泣きそうな子供に見える。

 あぁ、本人には悪いがこれは「あーちゃん」だわ。

 

「もう1人、副会長のはんぞーくんを加えたメンバーが、今期の生徒会役員です」

「私は違うがな」

「そうね。摩利は別だけど。あっ、準備が出来たようです」

 

 自動配膳機のパネルが開き、無個性ながら正確に盛り付けられた料理がトレーに乗って出てきた。

 トレーから出てきたのは6つ。普通なら7つ出てこないとおかしいが渡辺先輩は手作り弁当なので何の問題もない。

 自動配膳機はその名の通り、自動的に配膳する機能もついているのだが、自動配膳機対応のテーブルなければ人の手を使った方が早いので、俺と中条先輩は席を立つ。

 中条先輩がまず自分の分を机に置き、真由美と市原先輩の分を両手に持つ。

 俺はというとトレーを両手で持ち左前腕でトレーを支えて持って行く。こんな事が出来るのも前世でやっていたファミレスのバイトのおかげである。

 

「すまない、悠馬」

「ありがとうございます、悠馬さん」

「どういたしまして」

 

 そこから、奇妙な会食が始まった。

 

「そういえば、九島くんはトレーを同時に3つ持って行ったがウェイターのバイトでもやっているのか?」

 

 さっきまで当たり障りの無い話題だったのに、いきなりそんな事を聞かれた。

 

「・・・そんなどうでも良い事気になるんですか?」

「十師族の人間がウェイターのバイトやってたら面白いじゃないか」

「俺には面白いかどうか分かりませんが、ウェイターはやってないですよ。ただ、本邸に居た時は暇だったらお手伝いさんの手伝いをしていたりしたので自然と出来るようになりました」

 

 手伝いとは言っても、皿洗いぐらいしかやっていないので嘘なのだがバレたりしないだろう。

 

「でも、悠馬くんは今一人暮らししているのでしょう?生活費とかどうしているの?」

 

 と、今度は真由美に聞かれる。

 

「毎月生活費が振り込まれることになってるし、仕送りもあるから大丈夫」

 

 その後の話題はウェイター繋がりでは無いが今食べている料理のことになる。

 自動調理だからレトルトになるのは仕方が無いのだが、最近の加工食品は普通の料理に比べてもそれほど遜色が無い。とは言うものの、それは「平均的な」料理に比べてのことであり、物足りないなさは否めないのだが。

 

「そのお弁当は、渡辺先輩がご自分でお作りになられたのですか?」

 

 深雪の意図は、単に会話を円滑にする為のセリフで、他意は無かったはずだ。

 

「そうだ。・・・意外か?」

「いえ、別に」

 

 達也が間髪容れずに否定する。

 達也が渡辺先輩の指を見ていると、渡辺先輩は気恥ずかしさを覚えたのか顔が赤くなった。

 まぁ、達也に見られていると全てを見透かされているような気分になるので分からなくもない。

 

「私達も、明日からお弁当に致しましょうか」

 

 深雪のさり気ない一言で、達也も自然に視線を外す。

 

「深雪の弁当はとても魅力的だが、食べる場所がね・・・」

「あっ、そうですね・・・まずそれを探さなければ・・・」

 

 2人の会話は、この年頃の異性の肉親同士としては、少し親しすぎるものだろう。心なしか、空気も甘い。

 ブラックコーヒーが欲しくなるが、こんな所にはないのでいつもの事と割り切る。

 

「・・・まるで恋人同士の会話ですね」

 

 市原先輩がにこりとも笑わず、爆弾発言を投下した。

 

「そうですか?まぁ、確かに・・・考えたことはあります。血のつながりが無ければ恋人にしたい、と」

 

 しかし、達也に軽く返され、爆弾は不発に終わるどころか先輩達に誤爆した。ついでに、達也に恋人にしたいと言われた深雪は顔を真っ赤にしていた。

 

「・・・もちろん、冗談ですよ」

 

 これまたニコリともせず達也は淡々と告げた。

 

「ん?」

 

 達也は顔を真っ赤にして固まっている深雪を見る。

 

「いえ、あの・・・」

「面白くない男だな、君は」

 

 つまらなさそうに評する渡辺先輩に、

 

「自覚しています」

 

 棒読みで回答する達也。

 

「はいはい、もう止めようね、摩利。口惜しいのは分かるけど、どうやら達也くんは一筋縄じゃ行かないようよ?」

 

 このままではキリが無いと見たのか、真由美が苦笑い混じりに割って入った。

 

「・・・そうだな。前言撤回。君は面白い男だよ、達也くん」

 

 ニヤリと笑い評価を翻す渡辺先輩。渡辺先輩は美人な女子生徒なのに、その笑みは随分と男前だった。

 

「そろそろ本題に入りましょうか」

 

 少し唐突な感はあるが、高校の昼休みにそう時間的な余裕があるわけではない。

 既に食べ終わっていたことでもあるし、フォーマルな口調に直した真由美の言葉に、俺達3人は揃って頷いた。

 

「単刀直入に言います。深雪さんに悠馬くん。貴方達が生徒会に入ってくださることを希望します」

「一つ聞いてもよろしいですか?」

「なんでしょう?」

「主席入学の深雪はともかく、どうして俺も勧誘するのですか?後、一年生を2人も勧誘しても良いんですか?」

 

 別に入りたくないとかなのではないのだが、原作では一年生の前期は深雪しか入ってないので規則的に大丈夫なのかと不安だったからだ。後は単純に自分が勧誘されている知りたいだけだ。

 

「前にも言ったけど、悠馬くんの実技は深雪さんよりも評価が高いですし、筆記も本来なら成績はトップですからね。それに『生徒会に2人勧誘してはいけない』みたいな規則も無いので大丈夫です」

「そうですか。分かりました、謹んでお受けいたします」

「・・・会長は兄の成績をご存知でしょうか?」

「えぇ、知ってますよ。凄い成績でしたよね。先生も驚いてましたし、こっそり答案を見せてもらった時は、正直自信を無くしました」

「・・・成績優秀者や有能な人材を生徒会に迎え入れるのなら、私よりも兄の方が相応しいと思います」

「深雪!?」

 

 予想外の展開にに達也が叫ぶ。それだけ達也も驚いているんだろう。

 

「私を生徒会に加えていただけるというお話については、とても光栄に思います。喜んで末席に加えていただきたいと存じますが、兄も一緒にというわけには参りませんでしょうか?」

「残念ながら、それは出来ません」

 

 回答は、問われた真由美ではなく、その隣の席に座っている市原先輩からもたらされた。

 

「生徒会の役員は一科から選ばれます。これは不文律ではなく、規則です。この規則は生徒会長に与えられた任免権に課せられる唯一の制限事項として、生徒会の制度が現在のものとなった時に定められたもので、これを覆す為には全校生徒の参加する生徒総会で制度の改定が決議される必要があります。決議に必要な票数は在校生徒数の3分の2以上ですから、一科生と二科生がほぼ同数の現状では、制度改定は事実上不可能です」

 

 淡々と、どちらかと言えばすまなそうに、市原先輩が告げる。

 市原先輩も、一科生と二科生をブルーム・ウィードと差別している現在の体制に、ネガティブな考え方を持っているということが十分に分かる声音だった。

 

「・・・すいません。出すぎたことを申しました」

「いえ、デスクワークなら成績優秀者はむしろ適材なので本来なら欲しいところなのですが、生徒会が規則を破るわけにも参りませんので・・・」

 

 この後、深雪の生徒会入りが決定し深雪が書記、俺が会計となった。

 

「そういえば、渡辺先輩」

「どうしたんだ?九島くん」

「風紀委員ってどうやって選任されるんですか?」

「基本的に各委員会の生徒会、部活連、教職委員会の3者が3名ずつ選任される」

 

 俺はチラッと達也を見る。

 

「つまり、一科生の制限があるのはあくまで、生徒会役員だけなんですよね?」

「そうだが・・・!真由美、風紀委員の生徒会選任枠がまだ一枠空いていたな」

「えぇ。生徒会の最後の一枠は達也くんにしましょう」

「ちょっと待ってください!俺の意思はどうなるんですか?大体、風紀委員が何をする委員なのかも説明を受けていませんよ」

 

 いきなりすぎる展開に動転していた達也だがすぐさま抗議の声を上げた。

 

「俺と深雪はまだ具代的な仕事の内容を聞いてないんだが?」

「それはそうだが・・・」

「真由美、達也は仕事の内容を聞いたら考えるそうだ」

「ちょっと待て、俺はそんなk「達也くん、風紀委員は、学校の風紀を維持する委員会です」・・・それだけですか?」

「聞いただけでは物足りないかもしれないけど、結構大変・・・いえ、やりがいのある仕事よ?」

「だとよ」

 

 達也は真由美からそれ以上の情報を手に入れるのは無理と判断したのか視線を右にスライドさせる。

 俺も視線を右にスライドさせた先には市原先輩が居た。市原先輩の目には達也に対して同情の目はありそうだが、助け船を出す気はなさそうだ。

 その隣にスライドさせると渡辺先輩が居たが、たぶん面白がっているので達也の味方にはならないだろう。誘導した身で言うのもなんだがドンマイ。

 さらに隣にスライドさせると中条先輩が居たが、達也と視線を合わせると、中条先輩の目に狼狽が浮かんだ。

 

「あ、あの。当校の風紀委員会は、校則違反者を取り締まる組織です」

 

 達也にじっと見られ続けた中条先輩が口を開いた。

 

「風紀といっても、服装違反とか、遅刻とか、そういうのは自治委員会の週番が担当するので、魔法使用に関する校則違反者の摘発と、魔法を使用した争乱行為の取り締まりが風紀委員の主な任務です。風紀委員長は、違反者に対する罰則の決定にあたり、生徒側の代表として生徒会長と共に、懲罰委員会に出席し意見を述べます。いわば、警察と検察を兼ねた組織ですね」

「すごいじゃないですか、お兄様!」

「いや、深雪・・・そんな『決まりですね』みたいな目をするのはちょっとm「起動式を読み取る事が出来るお前には天職だろ」・・・それをお前が言うな。念の為に確認させてもらいますが」

「何だ?」

 

 達也は、説明させていた中条先輩ではなく、渡辺先輩へ視線を向ける。

 

「今のご説明ですと、風紀委員は喧嘩が起こったら、それを力ずくで止めなければならない、ということですね?」

「まぁ、そうだな。魔法が使われていなくても、それは我々の任務だ」

「そして、魔法が使用された場合、それを止めなからばならない、と」

「できれば使用前に止められるのが望ましい」

「あのですね!俺は、成績が悪かったから二科生なんですが!」

 

 達也が珍しく大声を出す。

 大方、風紀委員は魔法で相手を捩じ伏せられる力量を前提とした職務であり、どう考えても魔法技能に劣ったニ科生に与える役職ではない、とでも思っているんだろう。

 だが、難詰された渡辺先輩は、涼しい顔で簡潔すぎる返事をあっさり返した。

 

「構わんよ」

「何がですっ?」

「力比べなら私がいる・・・っと、そろそろ昼休みが終わるな。放課後に続きを話したいんだが、構わないか?」

「・・・分かりました」

 

 達也にとっても有耶無耶ではすまされない話なのでそう選択するしか道はないだろう。ま、元を辿れば原因は俺なのだが。

 

「では、また此処に来てくれ」

 

 理不尽を押し殺して頷く達也の横で、深雪は達也を気遣いながらも、喜びを押し隠せずにいる。

 

「失礼しました」

 

 俺達は一礼して生徒会室を退室した瞬間

 

「悠馬・・・!!」

 

 後ろからドスの効いた声が聞こえる。

 後ろを振り返ると殺気を放ち睨みつける達也がそこには居た。もし、此処が戦場だったら確実に消されていただろう。

 まぁ、此処で捕まっても何されるか分からないので俺は教室まで全力疾走で逃げるのだった。




 如何でしたか?
 もし舞台が学校じゃなくて戦場だったら主人公が脱落し物語が未完で終わってしまう所でした。
 次回はあの人が登場予定です。まぁ、誰なのかはお察しください。
 それでは、また次回お会いしましょう。
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