今回はあのブラコン・シスコン兄妹の登場です。
そして、第1話から沢山のお気に入りのご登録ありがとうございます。
また、Jubi_tagさん、未元通行さんは誤字報告とご感想ありがとうございます。また、神威混淆さん、ご評価してくださりありがとうございます。
それでは、入学編第1話をどうぞ!!
第1話 入学式それは兄妹の再会
魔法。それが空想の産物ではなく現実の技術となってから一世紀が経とうとしていた。
時は二十一世紀末−西暦2095年。未だ統一される気配すら見せぬ世界の各国は優れた魔法の才能を有する者「魔法技能師」の育成に競って取り組んでいる。当然日本もその例に漏れる事なく現在第一から第九までの魔法科高校が存在している。
舞台となるのは国立魔法大学付属第一高校。毎年、国立魔法大学へ最も多くの卒業生を送り込んでいる高等魔法教育機関として知られている。それは同時に、優秀な魔法技能師(略称「魔法師」)を最も多く輩出しているエリート校ということでもある。
そして、そんなエリート校に1人の少年が門をくぐろうとしていた。
◇◇◇
あれから16年が経った。俺は十師族の一つである九島家当主、九島真言の三男、九島悠馬へと転生した。3歳ぐらいの時に前世の記憶を思い出したり、特典として指名した『一方通行』と『未元物質』が強過ぎたり、俺の祖父にあたる九島烈(他の人からは老師、九島閣下って呼ばれている)が孫である俺の事を溺愛し過ぎて俺の前だとキャラ崩壊したり、俺の従姉である響子さんからハッキング技術を学んだり、爺ちゃん(九島烈)のコネで国防陸軍第101旅団・独立魔装大隊へ特尉として入隊したり、七草家の長女である七草真由美と仲良くなったりとイベントがひっきりなしだったが今日まで何不自由なく(家柄の関係で妬みとかはあったが)過ごして来た。そして、俺の頼みで東京にある第一高校に入学したいと言った時も反対する事なく応援してくれたのだから本当に恵まれている。そんな俺だが今どうしているかというと・・・
「はぁ〜・・・まさかこんなに早く着くなんて・・・」
東京に行くにあたり九島家が用意してくれたマンションで1人暮らしをする事になった俺は第一高校の場所を詳しく知らず携帯端末のナビ機能を使いながら早めにマンションを出たのだが想像以上に近くて入学式が始まる2時間前に第一高校に着いてしまった。
(どうしよう?帰ろっかな・・・)
「納得出来ません!!」
一回帰ろうとした俺に聞き覚えのある声が聞こえてきた。俺は声のした方向に向かうと俺の予想通り二人の人物がそこにはいた。
「何故お兄様が補欠なのですか?入学の成績はトップだったじゃありませんか!本来ならば私ではなく、お兄様が新入生総代を務めるべきですのに!」
激しい口調で食って掛かる女子生徒の名は司波深雪。人の目を惹かずにはおけない、十人が十人、百人が百人認めるであろう可憐な美少女である。
「何処から入試結果を手に入れたのかは横に置いておくとして・・・魔法科学校なんだから、ペーパーテストより実技が優先されるのは当然じゃないか。それに俺の実技能力は深雪も良く知っているだろう?自分じゃあ、ニ科生とはいえよくここに受かったものだと、驚いているんだけどね」
その司波深雪を何とか宥めようとしている男子生徒の名は司波達也。
一見ピンと伸びた背筋と鋭い目付き以外、特徴が無さそうな平凡な容姿に見えるが、よくよく見れば深雪程では無いが精悍に整った顔立ちをした少年だ。そして、会話から分かる通りこの二人は兄妹であり俺とこの兄妹はとある事情で知り合いなのである。
「はぁ・・・こんな朝っぱらから兄妹二人で何を言い合ってんだ?」
「ッ!?誰だ!!・・・って悠馬?」
「え!?悠馬さん!?どうして此処に?」
「どうしてって、見りゃ分かる通り入学式に参加する為だけど」
「九島家は奈良に本邸があった筈だが・・・」
「そうだけど、俺が父さんと母さんに頼み込んで此処に受験したんだ。それで合格したってわけ」
「そうだったのか・・・」
「それでさっきも言ったが何を言い合って・・・って、深雪?」
深雪の顔を見た俺は途中で言葉を止めてしまった。深雪の顔は納得いかないという顔からもう怒っているようにしか見えない顔にシフトチェンジしていた。
「どうしてなのですか!!?お兄様が新入生総代ではなく補欠なのも実技試験の評価方法上一万歩譲って認めます」
「一万歩も譲らないと認めないのね・・・」
「ですが、悠馬さんは実技試験の評価方法を踏まえても私と同等以上の評価を受けている筈です。それなのにどうして悠馬さんではなく私なんですか!?」
「いや、俺はその・・・ペーパーテストの方をちょっとやらかしてしまいまして・・・」
深雪の迫力にたじろいてしまった俺はまるで初対面の人のように丁寧な口調になってしまった。
「お二人ともそんな覇気の無い事でどうしますか!勉学も体術もお兄様や悠馬さんに勝てる者などいないというのに!魔法だって本当なら」
「深雪!」
達也に強い口調で名前を呼ばれ、俺と達也の弱気発言を厳しく叱咤しようとしていた深雪はハッとした顔で口を閉ざした。
「分かっているだろ?それは口にしても仕方のないことなんだ」
「・・・申し訳ございません」
達也は深雪の項垂れた頭にポンと手を置き、艶やかな癖のない長い黒髪をゆっくりと撫で始めた。
「深雪。お前が俺の事を思っていてくれる気持ちは嬉しいし俺もお前の事を思っている」
「お兄様・・・そんな、『想っている』だなんて・・・」
達也の言葉に何故か頬を赤らめる深雪。俺は達也に近づき深雪にバレないよう気をつけて話す。
「達也、良いのか?何か二人の間に無視出来ないような齟齬が生じてる気がするんだが?」コソコソ
「今はそれどころじゃ無いだろ。とりあえず、深雪を納得させないと何をしでかすか分からん」コソコソ
確かに達也の言う通りだ。このままだと深雪が第一高校の教員に直訴するかもしれないし最悪直訴された教員が氷漬けで発見されるなんていう可能性も無いとは言い切れない。俺も達也も此処で生じた齟齬は棚に上げ差し迫った問題の解決を優先するという結論に至った。
先ずは妹である深雪の扱いに長けた達也が先陣を切る。
「深雪。お前が答辞を辞退しても、悠馬は分からないが俺が代わりに選ばれることは絶対に無い。この土壇場で辞退したりすれば、お前の評価が損なわれることは避けられない。深雪も本当は分かっているんだろ?お前は賢い娘だから」
「それは・・・」
「それにな、深雪。俺は楽しみにしているんだよ。お前は俺の自慢の妹だ。可愛い妹の晴れ姿を、このダメ兄貴に見せてくれよ」
「頼りない友達にもな?」
「お兄様や悠馬さんはダメ兄貴でもましてや頼りなくなんかありません!・・・ですが分かりました。我儘言って、申し訳ありませんでした」
「謝ることでもないし、我儘だなんて思ってないさ」
「俺も気にしてないから大丈夫だよ」
「それでは、行って参ります。本番は見ていてくださいよお兄様、悠馬さん」
「あぁ、行っておいで。本番は楽しみにしているから」
「頑張れよ、深雪」
はい、では、と会釈をした深雪は講堂の中へと入っていた。これでもう大丈夫だろう。俺は溜め込んでいた息をそっと吐き出した。
この時、俺の目に時計が写ってしまったのはきっと偶然だったのだろう。入学式が始まるまでまだ2時間もある事をすっかり忘れていた。
「なぁ、達也」
「なんだ、悠馬」
「まだ始まるまで2時間もあるんだけど、俺達これからどうすればいいんだ?」
「俺に聞かれても困る」
場所を詳しく知らず早めに登校した少年と、総代を渋る妹の付き添いでリハーサル前に登校した少年は、入学式が始まるまでの2時間をどう過ごすか、悩み、途方に暮れるのだった。
如何でしたか?
自分で書いておいてなんですか、無理矢理繋げた感がありまだまだだと痛感します。ストーリーも原作と変わりませんが暫くの間は原作通り進むと思います。
それと、ヒロインですが考え抜いた結果七草先輩に決めました。
次回は、ヒロインに決めた七草先輩の登場予定です。果たしてオリ主は弄ばれるのか弄ぶのかどちらになるでしょうか?
それでは、次回もお楽しみに。