大変お久しぶりでございます。今回は2千字ちょい。
それでは、第5話をどうぞ。
エリカに連れて行かれた「ケーキ屋」はその実「デザートの多いフレンチのカフェテリア」だったので、そこで昼食を済ませ短くない時間お喋りに興じて(メンバーは女子3人に男子2人だが、ガールズトークがメインだったので俺も達也も殆ど聞いているだけだった)、家に着いたのは夕暮れ時であった。
着替えを済ませるとリビングのテレビ電話から着信音が鳴る。確認してみたら番号が九島家本宅の電話番号だった。
(たぶん、爺ちゃんだな。大丈夫かな・・・いろんな意味で・・・)
かなり不安だったが、覚悟を決め(近所迷惑になる事を)電話に出る。
「もしも・・・」
『悠馬!久しぶりじゃな!!会いたかったぞ!!!』
(やっぱ、出るんじゃなかった・・・)
電話に出て1分も経たない内に後悔するがもう遅い、俺に出来る事は爺ちゃんが大声出して近所迷惑にならない事をを祈るだけだ。
「久しぶり、爺ちゃん」
『元気にしておったかの?』
「見ての通り元気だよ、爺ちゃんも元気そうで何よりだよ」
「ひ孫を見るまで死んでも死にきれんからの」
この爺ちゃんはなんて事口走ってんだ。
「そういえば、悠馬には入学祝いを渡していなかったな」
「入学祝いなんて、そんなのいいよ」
「儂が送りたいから良いじゃろ。それに悠馬もきっと喜ぶぞ」
そんな事言われたら無性に気になるじゃん。何をくれるんだ。
「それで、何を送るつもりなの?」
「響子から聞いたが、電動スクーターの免許取ったのであろう?」
「い、一応・・・」
とはいえ、免許はあるが肝心の電動スクーターはまだ持って無いが。なんせ、取った目的が独立魔装大隊で電動スクーターとか使う時があるかもしれないからとか言われて取ったのものだからだ。聞いた時に地球○衛軍かと思ってしまったのはきっと俺だけだろう。
「で、電動スクーターは買ったのか?」
「い、いや・・・まだだけど?」
「なら、決まりじゃ。お主に、電動スクーターをプレゼントしよう」
「い、いや良いって。自分で決めたいし」
「儂の事を信用出来んのか?」
「爺ちゃんだと、派手なのとか選びそうで怖いんだよ!!」
「な、何を言っておるんじゃ!?」
「だって、爺ちゃんから貰った服はダサいか派手なのかのどっちかだけじゃん」
服とか別に何でも良いと思っているが、爺ちゃんの服だけは着たいとは終ぞ思わなかった。
「分かった。誰かにスクーター代を持たせるから悠馬の好きなのを決めて良いぞ」
「分かった。それじゃもう切るよ」
「うむ、今度会えるのは九校戦になるじゃろうからそれまで待っとるぞ」
電話を切った俺は力が抜けてソファの上にへなへなと座った。爺ちゃんの孫バカぶりには本当に疲れる。
その後も俺の従姉の響子さんから電話があったが、その後は特に何も無くさぁ寝るぞという所で着信音が鳴る。掛けて来た相手を見ると顔を顰めたが無視したらしたで面倒なので渋々電話に出る。
「もしもし」
「もしもし、悠馬さん。お久しぶりですね」
掛けて来た相手は四葉家当主であり達也と深雪の叔母にあたる四葉真夜だった。
なんでこの人から電話が来るのか未だに謎だ。
「お久しぶりです、真夜さん。それで今回はどういったご用件で」
「悠馬さんの入学祝いですよ」
「赤の他人に等しい人にですか?」
「赤の他人とは心外ですね。悠馬さんは私の師匠の孫じゃないですか」
確かに俺の爺ちゃんの九島烈は真夜さんと真夜さんの姉である深夜さんを弟子してたらしいけど、俺にはまったく関係無いじゃん。
「俺なんかよりも貴方の甥と姪に入学祝いの電話を送った方が良いですよ」
「深雪さんには電話しましたよ」
「その言い方だと達也には電話して無いようですね。ガーディアンとはいえ差別のし過ぎでは?」
「あら?悠馬さんは四葉の御家事情に口出しするのですか?」
「そんな馬鹿な事はしませんよ。貴方に潰されてしまいますから」
「私が潰そうとしても貴方が全て跳ね返して私が潰されそうですが」
「ご謙遜はその辺にしていただいてそろそろ切りますよ。学校あるので」
「分かりました。では、またの機会に」
またの機会なんて一生来ないで欲しいと思いながら電話を切った。
その後達也から鍛錬を一緒に行かないかと誘われた俺は勿論OKと返し明日の用意を済ませてベッドに潜り込んだ。
〈翌日〉
俺はトレーナーを着て待ち合わせ場所の公園のベンチに座って達也が来るのを待っていた。
「悪い、待たせたな」
「今来たばっかだし気にすんな」
「深雪が一緒だが大丈夫だよな」
「構わないが、制服で大丈夫なのか?」
「はい。先生にまだ、進学のご報告をしておりませんので・・・それに私ではもう、お兄様と悠馬さんの鍛錬について行けませんから」
やはり、制服だった理由は高校の制服姿を見せに行くためであるようだった。
「俺達と同じ事をする必要は無いと思うけどな。ただ、大丈夫か?深雪の制服姿なんて見たら師匠のたがが外れるぞ」
「その時はお兄様と悠馬さんが守ってくださいね?」
可愛いらしく、片目を瞑る深雪。それを見た達也の顔には自然と笑みが浮かんでいた。
「守るのは良いが間違っても師匠をバラバラにしたり消滅させたりするなよ」
このシスコン兄貴ならマジでやりかねないからな。
「そんな事はしないから安心しろ」
「どうだが」
「それに度が過ぎたらお前が魔法で吹き飛ばすだろ」
「違いない」
お互い悪い笑みを浮かべながら公園を後にするのだった。
久しぶりでしたが如何だったでしょうか?
何気にとんでもない人達が初登場しますが、この二人は今後とも大きく関わっていくとだけ言っておきます。
それでは、また次回お会いしましょう。