ヴィランネーム Green Valley   作:lane

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far様
エーロン様
 感想を下さりありがとうございます!一日中小説書いてる気がする!!

また、この拙作を、お読みいただいた皆様、高評価、お気に入りをして下さった皆様、感謝の極みです!!

 初めに投稿してから、1週間。ノンストップです!!夢中になってしまったよ!!HAHA!!寝食忘れてました!!

 さて、色々と展開を考える中で、自分の技量不足が憎いです。展開も本当にこれでいいのか?と思うばかりです。もっと心の中を上手く魅せれたらいいのに!!!
それでもお読み頂ければ幸いです!




喪失

「思い出せ!!!!!緑谷出久!!!!」

 

 爆豪勝己のその言葉を聞いた瞬間。頭にヒビが入る。緑谷…出久?違う!!ボクは緑谷デクだ!!何を言っている!!

 

 

 

 勝手に超思考が発動する。今この状態の理由を突きつけられる。個性の反動。感情を薪にしてエネルギーを生み出す個性?脳のメモリを増やす個性? ボクが怨みだと言われた個性は、ボクの全ての感情を燃やしていて、薪が無くなれば廃人になるような代物で、超思考と言われた個性は実は副産物で、脳のメモリを増やす代わりに記憶を捧げる個性だった。そこまでわかってから先生の目的も弾き出す。そのあまりにも残酷な結論に辿り着いた時、個性が制御できなくなった。

 

 

 足の先からすうっと力が抜けて冷たくなる。知らないと否定する度にガラスが一枚一枚割れていく。その度に何かをどんどんと忘れていく。ボクがボクたらしめる理由が抜け落ちる。

 

 次第に遠くなっていく思考。だというのに頭痛がどんどん激しくなる。 あぁ、ボクは今、何をしているんだっけ…?

 

 時間の感覚がない。こちらへ錐揉み回転しながら爆破を撃ってくる誰か。体が勝手に動いて、迎え撃った。

 

そして止めを刺そうと思った時、相手の体が光り輝いて爆発した。

命の輝きがボクを包み込んだ。でも、不思議と痛みは感じなかった。懐かしい、光り…!

 

そうだ…君は…!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「かっちゃん…!ごめん…!!ボクが……僕が!!!不甲斐ないばかりに!!!!!!!」

 

光が晴れ、目を開ける。折り重なるように倒れている僕たち。痛む体を起こして、いつからだったかは忘れてしまったけれど、とても大切な幼馴染の顔を見る。

 

 

 

 死んでいた。最後の爆破で力尽きその目は硬く閉じられていて、息なんてしちゃあいなかった。

 

「おい、かっちゃん…死なないでよ…!僕を……!!僕を助けて勝手に死ぬなよ…!!!」

 

 ノイズが走る。殆どのことを忘れてしまったけれど、かっちゃんという幼馴染みがいたことは覚えている。

 

 

「こんなの、認められるか…!!認め……られるかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

 

 

「助ける!!今度は僕が…!!君を助けるよ!!!」

 

 

 かっちゃんの胸に手を当てる。絶対助けるんだ!

 

 感情が溢れて、体から力が吹き荒れる。キラキラとした青い幻想的な輝きが僕たちを包み込んだ。

それが全てかっちゃんへと流れていく。

 

「助ける…!助ける!助ける!!!助けなきゃいけないんだぁぁぁ!!!!」

 

 たとえ、記憶も感情も失おうとも絶対に君を助けるよ。

 

 

 

僕の想いを目の前の誰かに注ぎ込む。何故かは分からないけれど、さっきまでそうしていたから。霞む頭を振りかぶり、さらに注いでいく。そうして、何も考えられなくなって…

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕はなにをしていたんだっけ」

 

「僕は…誰なんだ?」

 

 空白。頭にはもうノイズすら走っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ自我が残っているのか」

 

 何かに話しかけられる。

 

「だけど、この程度の残りカスなら無いも同然だ」

 

「ありがとう、■■■■。君は僕のヒーローだ」

 

 頭の中を何かが入ってくる。やめて!入ってこないで!!嫌だ!嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 

 

 

 

 

「目が見える。足が動く。苦しくない」

 

 

「筋骨バネ化。瞬発力×10。膂力増強×12。さらに増殖。肥大化、槍骨。鋲。」

 

「素晴らしい体だ…!!これだけ掛けてもまだ余裕がある…!!」

 

 全身を覆うまるでセンスのないグチャグチャとした個性の集合体。

 

 「もう、警戒する必要すらない。運がいいねOFA継承者、生かしてあげるよ」

 

「どうせ、僕には敵わない…!!」

 

 

 最悪の怪物が誕生した。緑色の破壊者が。

 

 

 

 

 

 

 

 

俺にとって緑谷出久という存在を一言で言い表すなら弟だった。俺と一緒に社会を壊すと約束した。俺を気にかけるお節介な奴。ヴィランのくせしてヒーローみたいだから、パシらせてみたら行ってしまって、少し後悔した。目標に努力して冷静に判断しながら次のステップへ進む。俺が最も信頼する男。

 

 

「おい、どういうことだよ?先生」

 

「様子見に来たら、いきなりこれだ。説明しろよ。今、俺はかつてないほどムシャクシャしてんだ…!!」

 

 いきなり3人もやられ、危険だと判断した。駒を失うわけにはいかないと思った俺は回収地点に赴き、ことのあらましを聞いた。聞けば生徒に瞬殺されたそうじゃないか。野放しにできなかったから、至急全員撤退させた。捕まっちまった奴までは回収出来なかったから、俺の怒りは抑えきれなくなっていた。そんな時だったのに。

 

 目の前には、緑谷出久の体を動かしている、何かがいた。

 

「弔か。ククッ僕は今完全無欠となった!もう後継を育てるのは止めだ」

 

「そして彼は、私の素敵な木偶人形だったってわけだ!」

 

 あいつの顔で話すな。その鬱陶しい面をぶん殴りたくなる。

 

 

 

「返せよ…」

 

「返さない」

 

「俺の仲間を返せよ…!!寄生虫!!!!」

 

 あたりを全て崩壊させる。あいつの顔をした、寄生虫が空中に浮き、逃れる。

 

「おっと、空にいれば君は無力だ。そのまま指を加えて見ているがいい!!新しい時代をね!!」

 

 それだけ言い残して、消え去る。

 

「ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 怒りが爆発した。壊す!!あいつをぶっ壊す!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 雄英高校をまた、ヴィラン連合が襲撃した。そのニュースは瞬く間に全国的に報道されている。

 奇跡的に撃退することができ、主だった被害は軽度のガスによる生徒の気絶と一名の意識不明者のみ。目立った外傷は無くこちらも気絶しただけという診断が出た。

 攻め入られたことは恥ずべき失態だけれど、被害が出ていないんじゃつつきようも無い。

 

 

 

 そんなニュースが霞むほどに、その後起こったことは、世界を揺るがした。

 

 たった1人のヴィランが一日で、都市を壊滅させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒煙が上がり、街が火の海に包まれる。建物が全て倒されたその風景はこの世の地獄と言ってもおかしくなかった。

 

 

「ふふふ…ふはははははは!!素晴らしい!!何もかも思い通りだ!」

 

 スーツを着た緑髪の少年が中心に居た。この場所に似つかわしく無い貌に、その身から溢れる異常な悪意は一目でこの惨劇を起こした張本人だと看破出来た。

 

そこに1人のヒーローが現れる。

 

 

「オールフォーワン!!!!!返してもらうぞ!少年を!!!」

 

 彼の名はオールマイト。金髪の髪。極限まで鍛え上げられてはちきれんばかりの筋肉。全てを救う青い目。その顔は憤怒に染まっていた。

 

 

「返す?おかしなことを言う。これは僕の体だ」

 

 悪びれることもなく、両手を広げ醜悪に笑う。

 

「そもそも、君は彼の手を振り払ったじゃないか。だから僕が貰った。今更ヒーロー面しようと君は遅すぎた。だからこうなる」

 

 彼の手から空気が押し出され、台風が巻き起こる。瓦礫を呑み込みながらオールマイトに襲いかかる。

 

 

「デトロイト…スマァァッシュ!!」

 

 拳から繰り出される極大の風圧。両者が衝突し、周囲を更地に変える。しかし、オールマイトの風圧を掻き消し、その体を無数の瓦礫が襲う。

 

「中々のパワーじゃないか。無理をしているのに、よく出せる」

 

 コスチュームが血に染まる。膝をついたオールマイトの口から血が漏れる。

 

「しかし、無意味なことをする。君が彼を助ける?戦闘力しか取り柄のない君がどうやって彼を僕から解放する?」

 

 

「まさか、殴ればなんとかなる…とでも思っているのか?そこまで脳筋だったのかな?」

 

 相手をただひたすら嘲る声。

 

「ッ…!!…それは…」

 歯噛みし拳を握り、地面に叩きつけるオールマイト。自分じゃもう彼を助けられない…その現実を突き付けられる。

 

 「自分の犯した間違いを悔いながら死ね。オールマイト!!」

 

 

 走り出すオールフォーワン。救えなかったヒーローを踏み潰すために。

 

 オールマイトは立ち上がり構える。たとえ無意味だとしても、折れるわけにはいかないと奮起しながら眼前を見据える。

 

 

「なに?」

 

 不意にオールフォーワンの足が縺れる。地面に膝をついた。

 

「残りカスが…!!無駄な抵抗をするな!!!」

 

 心を呑み込んだはずの存在が抵抗する。

 

「オールマイト!!オールマイトォォォォォォ!!!!!」

 

 突然頭を抑え始める。悶絶し、地面を転げ回る。体を苦痛から逃すよに。

 

 

 

 そして、意識が切り替わる。

 

 

 「オール…マイト…!」

 

 

 

 少年の体から青い輝きが空へと昇り天を貫く。黒く染まった雲を吹き飛ばし、太陽が顔を出す。

 

 

「少…年…!なのか…!?」

 

 問い掛けるオールマイト。

 

「貴方が…大好き…でした…!」

 

 

 手を伸ばす少年。それに応えようとして。オールマイトは手を伸ばそうとして……

 

 

 

「勝手なことをされては困る」

 

 その手をまた振り払った。意識が切り替わる。

 

 

「全く…残りカスの分際で生意気な。だけど、残念だけど最後の手も届かなかったね。オールマイト」

 

 

 

「いいや…届いたさ…!!!」

 

 顔に笑みを浮かべるオールマイト。そして、全身に力を込める。振動で地面が震え、力強く、気高い青いオーラが立ち上り風が舞う。

 

「少年の想いは最後に私に届いた!!!!!」

 かつてないほどのパワーに空気すら青く発火する。

 

 

「貴様の敗因は、ただ一つ!!!!!少年の心を見誤った!!!!!!!!!」

 

「調子に乗るな!!死に損ない!!!!」

 

 体を歪に隆起させる。肥大した筋肉に纏わり付く大量の個性。

 

「ユナイテッドォォォォォォ!!ステイツオブ!!!!」

「膂力増強×100!!!!オォォォォォォォォォ!!!!!!!!」

 

 

 

「スマァァァァァァァァァァァァァァァッッッッシュ!!!!!」

 

 互いの拳がぶつかり合う。しかし、均衡はしない。青く美しい光の輝きが全てを呑み込んでいく。

 

 そして、青い光の奔流が弾けた。その衝撃は天へと貫き、余波で全ての雲が晴れる。

 

 

 

 

 

 どこまでも青い空が広がっていた。

 

 

 

 

 

 

「少年…!やはり私は君を救うことが出来なかった…!」

 

 力無く、倒れ伏す緑髪の少年。たとえ悪意に打ち勝ったとしても、奴の言う通り。脳に巣食った怪物を取り除くことはできない…!オールマイトは少年を抱き抱え、悔恨に身を震わせる。

 

 

「すまない…!すまない!!しょうね」

 

「何、勝手に終わってやがる」

 

 その空気を壊すかのように、オールマイトの頭を小突く手。振り返ったオールマイトは驚愕に目を開かせる。

 

「君は…!!死柄木弔!!!」

 

「うるさい…!!黙っていろ。集中出来ない」

 

 言うなり、出久の頭を五指で掴む。しかし、崩壊は訪れない。

 

「何をして…!?」

 

 警戒するオールマイト。

 

「俺の崩壊でこいつの頭の中に居る寄生虫を粉々にする」

 

 

 

「そんなことが…出来るのか!?」

 

 驚愕のカミングアウトにさらに目をひん剥く。

 

「出来なきゃやらねぇよ」

 

 そして、手を離して立ち上がり、踵を返す。

 

「今日はムカつくお前を殺すのは我慢してやる。社会のゴミ」

 

 

 

 

 

 ワープゲートの中に消える死柄木。

 

「緑谷出久を救って頂いたことに、感謝を。しかし、次会う時は敵同士ですので悪しからず」

 

 黒い靄の主、黒霧もそう言葉を残し、消える。

 

 

 戦いは終わった。しかしまた、次の戦いがやってくる。1人の少年を降ろして。

 

 

 




 だから言ったじゃん…出久くんはヒーローにしかなれないって…
 自分のことなんて二の次で、目の前の誰かを救うことしか頭にないその精神!!
 でもそれは、職業としてじゃなく、心がそうなんだ!!
 泣いてる誰かを笑顔にさせる曇りなき信念!

 彼はやはりナチュラルボーンヒーローさ!!闇堕ちしても最後はヒーロー!!
 だってヒーローかっこいいもんね!!
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