とある休日の午後。
プロヒーローチーム・プッシーキャッツのメンバーの一人であるマンダレイは、雄英高校に向かっていた。
その目的は、ヒーローの先輩として、とある卵の特訓に付き合うことになったからだ。
その相手は最近出来た寮の近くにある林の中で、既に一人で特訓を始めている。
……相変わらず頑張ってるんだなあ。
初めて会った時は本当に子供に見えたんだけど。
最近会ったばかりなのに、そんな感慨深い思いを抱くほどに、彼女は『彼』の事を、親しく思っている。特に最近は、会う度にドキッとさせられることも……。
……いや、何を考えているのかしら。私は……
マンダレイは頭を振り、妄想を振り払う。そう、今日は先輩として、指導者として彼に会うのだから、しっかりしなければ……。
彼女は一人、気合いを入れ直した。
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「確か、こっちだったわね」
出久から聞いた話を思い出しながら、マンダレイは少し早歩きに約束の場所に向かう。
待ち合わせ場所は、新しく建てられた学生寮付近の森だ。
さて、彼は何処にいるのだろうか?
「緑谷く~ん」
辺りを見回していると、誰かが倒れているのが見えた。
「えっ?み、緑谷君!?」
それが誰だか気づいた彼女は慌てて駆け寄った。
彼を起こさないように頭を動かし、そっと膝枕をしてあげた。
すると、彼のあどけない笑顔に、つい頬が緩むのを自覚してしまう。
……なんか、この前見た時より凛々しくなってるかも
マンダレイはそっと自分の顔を出久の顔に近づけた……のだが。
「んん……ん?」
出久がいきなり目を覚ました。
「っ!」
その焦点の合ってない瞳に驚きはしたのだが、マンダレイは何故か動くことができなかった。
「……え?」
「…………」
至近距離で視線が絡み合い、物音一つ立てることもできない気まずい沈黙が生まれる。
しかし、それも数秒の事で、本格的に目が覚めた出久はあたふたと慌てだした。
「マ、マンダレイ!?な、何で!?」
「こんにちは、デクくん。あはは……びっくりした?」
「そ、それはもう!ど、どうしたんですか、いきなり!?」
「いきなりっていうか……約束通りの時間に来たら、君が疲れて倒れてたから……ね?」
「……あっ!そ、そうでした!す、すみません!」
予想外の出来事に、出久は慌てて起きようとするが、マンダレイはそれを優しく押さえた。
「いいわよ。まだ休んでて。また無理してたんでしょ」
「は、はい……すいません」
「ふふっ…………たまにはこういうのもいいかも」
「えっ?」
「なんでもないわ。それより、休憩終わったら、みっちりしごいてあげるから覚悟しててね」
「……はいっ」
出久はそのやわらかな大人の微笑みに胸を高鳴るのを感じた。
だが彼がその理由に気づくのは、もっと先の話である。
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「お、おい、あれ……!」
「み、緑谷の奴ぅ~~!」