緑谷出久とマンダレイのほっこりするお話です。

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大人の女性2

 とある休日の午後。

 プロヒーローチーム・プッシーキャッツのメンバーの一人であるマンダレイは、雄英高校に向かっていた。

 その目的は、ヒーローの先輩として、とある卵の特訓に付き合うことになったからだ。

 その相手は最近出来た寮の近くにある林の中で、既に一人で特訓を始めている。

 ……相変わらず頑張ってるんだなあ。

 初めて会った時は本当に子供に見えたんだけど。

 最近会ったばかりなのに、そんな感慨深い思いを抱くほどに、彼女は『彼』の事を、親しく思っている。特に最近は、会う度にドキッとさせられることも……。

 ……いや、何を考えているのかしら。私は……

 マンダレイは頭を振り、妄想を振り払う。そう、今日は先輩として、指導者として彼に会うのだから、しっかりしなければ……。

 彼女は一人、気合いを入れ直した。

 

 *******

 

「確か、こっちだったわね」

 

 出久から聞いた話を思い出しながら、マンダレイは少し早歩きに約束の場所に向かう。

 待ち合わせ場所は、新しく建てられた学生寮付近の森だ。

 さて、彼は何処にいるのだろうか?

 

「緑谷く~ん」

 

 辺りを見回していると、誰かが倒れているのが見えた。

 

「えっ?み、緑谷君!?」

 

 それが誰だか気づいた彼女は慌てて駆け寄った。 

 彼を起こさないように頭を動かし、そっと膝枕をしてあげた。

 すると、彼のあどけない笑顔に、つい頬が緩むのを自覚してしまう。

 ……なんか、この前見た時より凛々しくなってるかも

 マンダレイはそっと自分の顔を出久の顔に近づけた……のだが。

 

「んん……ん?」

 

 出久がいきなり目を覚ました。

 

「っ!」

 

 その焦点の合ってない瞳に驚きはしたのだが、マンダレイは何故か動くことができなかった。

 

「……え?」

「…………」

 

 至近距離で視線が絡み合い、物音一つ立てることもできない気まずい沈黙が生まれる。

 しかし、それも数秒の事で、本格的に目が覚めた出久はあたふたと慌てだした。

 

「マ、マンダレイ!?な、何で!?」

「こんにちは、デクくん。あはは……びっくりした?」

「そ、それはもう!ど、どうしたんですか、いきなり!?」

「いきなりっていうか……約束通りの時間に来たら、君が疲れて倒れてたから……ね?」

「……あっ!そ、そうでした!す、すみません!」

 

 予想外の出来事に、出久は慌てて起きようとするが、マンダレイはそれを優しく押さえた。

 

「いいわよ。まだ休んでて。また無理してたんでしょ」

「は、はい……すいません」

「ふふっ…………たまにはこういうのもいいかも」

「えっ?」

「なんでもないわ。それより、休憩終わったら、みっちりしごいてあげるから覚悟しててね」

「……はいっ」

 

 出久はそのやわらかな大人の微笑みに胸を高鳴るのを感じた。

 だが彼がその理由に気づくのは、もっと先の話である。

 

 *******

 

「お、おい、あれ……!」

「み、緑谷の奴ぅ~~!」


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