相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い   作:赤いティントリップ (活動停止中)

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サイドストーリー・心操 & 宍田

「なぁ!私の記憶が朧げなのは其方のせいですな!?」

「ああ、そうだよ、俺が個性で洗脳した」

「騎馬戦の時の他の2人もか?」

「ああ、だがあの2人は騎馬戦の時からだ、初めから洗脳したのはお前だけ、すげぇ助かった、ありがとな」

「記憶が無いのにそんなお礼言われても受け取れるわけがなかろう!それに何もできていないのに、本戦に行くなんて…」

「いや、お前が本戦に行けるのは、俺に操られたからじゃない、お前は俺が操らなくてもお前は本戦に行ける実力があった、だから俺は、俺だけの力じゃ、本戦に行けなかったから、お前の力を無理矢理借りた、だが、まあ、そりゃあ納得出来ねぇよな、初めっから操られちまってたら」

「……はぁ、本戦では必ず活躍してみせますぞ」

「本当に応援してる、嘘じゃないからな」







サイドストーリー、またの名を話の帳尻合わせのための前置きとも言う、会話だけでごめんなさいね!一応シチュはは人気のない通路で2人きりで話してる設定だよ!


第19話

19

 

 

 

「よー、人使、もう直ぐトーナメント発表だね」

 

 

自分と同じく普通科で本戦に出場する権利を得た心理がお気楽そうに控え室に戻ってきた

 

運動神経が良く、かなり侮れない奴だとは分かってはいたが、まさか、今までの競技を2位、1位グループと通過する程だとは思っていなかったので、正直びっくりしているが、それよりも、上手いこと使える人材を教えてくれた感謝の方が多い

 

 

「人使が無事に本戦出場圏を得られて良かったよ、運良く宍田くん洗脳できたみたいだし」

 

 

心理はやはり何も言わなくても、全てを分かってくれている

 

 

「実力は別に隠してた訳じゃないんだよ?体力測定の時も、中学までと違って全力で挑んだし」

 

「中学までは手を抜いてたんだな」

 

「うん、完璧なインキャになる為にね、この見た目で運動できるのも不思議でしょ?」

 

「まあ、そうだな、そういえば、心理、その髪型動きにくくないのか」

 

 

そう言って、俺はつい何となく隣の席に座る心理の黒く長い括られていることすらない横髪を髪を撫でる様に触ってしまった

 

 

「っ!?」

 

 

急に俺が触った事に驚き、心理が飛びのくが、俺は触った時に気付いてしまった

 

この触り心地は地毛じゃない

 

 

俺はつい何となくで、心理がヅラである事を暴いてしまったんだ

 

 

心理は女子だし、もちろん同い年なので、もちろん若い、それなのに、ヅラを使ってる事なんて、絶対に周りにバレたくないに決まってる、それなのに、俺は迂闊なことに暴いてしまった

 

 

そして、心理には、この俺の不味い、心理の髪の毛はヅラだったという考えはもちろん、もしかして心理ってハゲてんの?なにそれすげぇ気になる、というもっと不味いことも筒抜けだ

 

 

恐る恐る心理の方を見ると、疲れた表情で顔を額を肩で抑えていた

 

 

「あ、あの、心理、ごめんな?俺は心理がどんな髪の状況でも…」

 

 

自分も立ち上がり、両手を合わせて謝る

 

 

「自分の名誉の為に言うけど、私髪の毛生えてるからね、確かにこれは地毛じゃないけど、これをつけている理由は、ハゲだからじゃないからね」

 

 

もう一度俺の隣の椅子に座りなおした心理が深く息を吐いた後にそう言うが、正直、信じられない

 

 

「心理、別に隠さなくても…」

 

 

俺、この歳でハゲでも全然気にしないし

 

 

「私が気にするよ!」

 

 

力強く言いながら机をダァンッと叩いてる

 

まあ、確かに、女子がこの歳でハゲだとしたらかなり気にするだろう

 

 

「だから違うって!」

 

 

そう言ってあまりに強く否定するので、どうせなら確認したくなり、椅子に座っている心理に立ったまま近づき、髪に手を伸ばす

 

 

が、普通に避けられた

 

 

まあ、ど正面から愚直に手を伸ばしてもそんなものだろう、のけぞれば終わりだ

 

だが、心理は椅子に座っており、避けるには限界がある、少し、少しでも髪をめくれれば目的は達成できる

 

 

そう思って、手を1、2度、手を出すが、うまく捌かれる

 

 

流石にそこまで隠されると、見たくなるのが人の性だ

 

 

まさか、心理の見た目を占める殆どの長い黒髪ロングがヅラだとは思ってなかったが、地毛ではなかったので、膝下スカート、黒タイツ、第1ボタンまできっちり締められたネクタイ、たまに少し見えたかと思うと、でかい青フレーム眼鏡のせいで、ほとんど見えない彼女自身について知ってることが減ったことになる

 

 

心理はかなり仲良くしてくれている

 

俺を個性で判断して怖がったりなんてしない

 

けど、俺は心理の事を殆ど何も知らない

 

心理は俺の事を沢山知っているのに、俺は

 

俺は何も知らない

 

だから、せめて

 

 

せめてハゲかどうかぐらいいいだろ!?

 

 

「いや、だからハゲじゃないって!」

 

「なら、無理にでも見るだけだ」

 

 

手を出して払われるなら、もう身体ごといくしかない

 

 

俺はそう思い切って、座っている心理を覆うように抱き締めた

 

 

そして、後頭部の方のヅラの髪をかきあげると、本当に髪が生えていた

 

 

地毛はそれはもうはっきりとした綺麗な金髪だった

 

 

もっと地毛の方を見たくて、よく見ると、何本も刺さっているピン留を丁寧に抜いからヅラを外してみると、ふわりと軽いウェーブのかかったこれまたロングの金髪が出てくる

 

まさかこんなに綺麗な髪だとは思っていなくて、驚嘆する

 

 

思わず、ヅラを机に起き、胸元に顔面を押し付けさせたまんまの心理の肩を掴み、顔を見ようとすると、いつも覆っている黒髪の代わりに、両手で顔を隠していた

 

 

「人使がまさかウイッグ完全に取るとは思ってなかったよ」

 

 

両手で覆ったままで文句を言われる

 

 

「いや、だって、ハゲだと思ってたら、すっごい綺麗な金髪で、思わず、しっかりとみたいって思ってしまって」

 

「そう、もう十分見たでしょ?その手に持ってるウイッグ被せてくれない?」

 

「いや、ここまできたら顔も見たい」

 

 

本来なら女子とここまで近くに寄るのは恥ずかしいが、心理は元からパーソナルスペースがかなり狭く、いつも割と近いため、今更抱きしめたいくらいでは問題ないし、そして、顔を覗き込もうと顔面を近づけても、大丈夫だ

 

 

まあ、女子にかなり失礼なのはわかっているが、心理の見た目が陰気な感じで、あまりキャピキャピした女子らしい女子でなかったのも関係していたりする

 

 

という事で、片手は逃げられないようにしっかりと背中に回しながら、もう片手で手を除けようとするが、流石に強い

 

 

とても白く、細い手のどこにそんな力があるのか分からないくらい離れない

 

 

「俺の素顔知ってるくせに…っ、俺は知らないのは狡い…っ!」

 

 

俺も体を鍛えているわけではないが、かなり体格のいい方の男子だ、流石に顔から離れてくれたっていいだろう

 

というか、本当に見たい

 

俺だって、大切な、俺なんかと仲良くしてくれる、心理のことを知りたいんだ

 

心理に感謝していて、心理の事を好きだから、お願いだ、見せてくれ

 

 

本心から願えば、心理は優しいから、大抵軽く笑って俺のお願いを聞いてくれる

 

 

だから、こうやって口に出さずに、見たいという気持ちだけ心の中で考えるのは少し狡いと分かっていてもやってしまう

 

 

そこまでしても、俺は大切な心理の事を知りたかった

 

 

誰よりも仲のいい心理の素顔さえ知らないままなんて嫌だった

 

 

 

「うわぁー、もう、分かった!分かったよ、見せてあげるから、だからそろそろ、所々小っ恥ずかしい心情やめて、照れる」

 

「そんな事言っときながら、耳さえ赤くなってないくせに」

 

 

 

文句を言うと、肩が小刻みに揺れ、笑い声は聞こえないが、かなり笑われているのが伝わってくる

 

 

 

「素顔見せるの、特別だからね」

 

 

 

そう言って両手の離された顔を見て、俺は口から心臓が出るかと思った

 

まさか心理が実は芸能人だとは思ってもいなかったので、慌てて、体に回していた腕を離し、離れようとするが、いつのまにか、首に回されていた腕をのせいで離れられない

 

意地の悪い表情を浮かべていても、同じ人だと思えない程綺麗な顔を至近距離で見てしまい、顔が瞬間的に真っ赤になる

 

正体を知ったことによる驚愕と、最早天上の人と言っても過言でもない美形の芸能人とお互いの顔の間僅か15cm程と言う顔から火が出てもおかしくない位に感じる恥ずかしさ

 

 

「どう?私の素顔」

 

 

ニッと片方の口角を上げた心理に対して、真っ赤になりながら何か言おうとするが、テンパりすぎて何も言葉が口から出てこない

 

美人だとか、綺麗だとか、実は正体理里だとは思っていなかっただとか、色々言いたいのに、何一つ口から発せられない

 

パクパクとただ口を開閉していると、その様子に心理は漸く意地の悪い笑顔をやめ、ヘラっと純粋に笑った

 

 

柔らかい笑顔に思わず、こっちも少し気が抜け、軽く笑顔を返せるようになった……

 

 

 

 

かと思ったら、ギョッとした表情をした心理が、急にジッと一息に俺の上の体操服の前チャックを開け放ち、素肌に直接抱き着いてきた

 

そして、それと同時くらいの時に、勢いよくクラスの連中が控え室に入ってきた

 

 

 

 

 

そのお陰で、心理の急な変質者のような行為の理由がわかった

 

純粋な隠れ蓑にする気だ、コイツ

 

机の上に置いてあったウイッグをしれっと取り、髪をまとめて、ささっといつもの黒髪バージョンに戻ろうとしている

 

 

 

丁度心理が座っている位置は俺を挟んで扉と対角線なので、俺の服に隠れるように抱き着けば、体操服を着ている体しか見えないので、誤解はそれはもう沢山生まれそうだが、取り敢えず素性はバレは防げる

 

「え、あ、し、心操…その、何やってんの?」

 

 

引き攣った表情で明らかに女子に抱き着かれている、と言っても、正確には、凄く近くまで近づいて、体操服の内側でヅラを付け直してるだが、取り敢えず、俺にその質問が来るのはまあ、当たり前だな

 

 

「まあ、ちょっと色々あってな」

 

「へー、やっぱ心操、心理さんとデキてたんだね、お邪魔しちゃってごめんね、けど、もう、第2試合出場者の集合時間だから行こう」

 

 

まさか、心理だと言い当てられるとは思っていなかってのに、当てられ焦る上に、普通に恋人認定されていて余計に焦る

 

 

「違うよー!デキてないよ、人使とは」

 

 

ピンはさし終わってないが、見た目上いつも通りに戻った心理がさっと俺からはなれ、誤解をしたクラスメイトに否定する

 

まあ、芸能人相手にそんな噂など恐れ多いので、正直ささっと誤解を解いてほしい

 

 

「そう、でも怪しいなぁ〜」

 

「そんな怪しまれても、違うものは違うしねー」

 

「まあ、そうだよね、行こっか」

 

「うん、分かった」

 

 

 

 

ピンをさし終わってない状態で大丈夫なのかと不安だったが、本戦のトーナメント発表がされた後も本戦まで時間があるから激しい運動もしないし大丈夫だろうと思い、クラスメイトに手を引っ張られ連れて行かれる心理の後を追った




迷走に迷走を最近重ねています
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