相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い 作:赤いティントリップ (活動停止中)
人使が第1試合で早々に負けてしまった為、表彰台からヒーロー科を引きずり落とそうぜ作戦の実行には私しかいなくなってしまった為、観客席に座っていると、普通科の生徒がまるでご機嫌でも取るように上目遣いで、少し離れて視線を向けてくる
そして、何故、近付いて来ずに、少し離れているのかというと、初めに話しかけてきた人達に試合前集中したいから話しかけるのはもちろん近寄らないで欲しいと頼んだからだ
人使の試合の時はクラスの人全員最前列の席にすら座りもせずに、皆観客席から身を乗り出すようにして全力応援をしたのだが、即終わった轟、瀬呂戦では皆下がっていった
最前列に座り、今始まったばかりの飯田、発目戦を注視する、次の対戦相手はこの試合に勝った方となるので、作戦、身体能力などを見るのだが、発目さんの心境を見た瞬間、私はすぐに控室に行く事を決めた
私の二回戦の対戦相手はよっぽどの何かが起きない限り飯田くんで決定だ
まず自分の初戦の対戦相手の宍田くんを倒さないといけないのだが、まあ、相性的に問題はないので、私は、私の事を呼び止める声が試合に向けての緊張でまるで全く聞こえなくなってしまってるとでも言わんばかりの演技をして控室に向かった
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ここから人使視点です
サポート科の発目と言う人の商売根性逞しすぎる試合が終わった舞台に交代するように上がってきた心理と対戦相手のヒーロー科B組宍田、心理は女子にしてはかなり身長が高い方で流石モデルという感じで、宍田よりも高いが、宍田は発動型の異形、しかもビーストという身体能力がとても向上するもので、強力なものだ
例え心理が身体能力が高く、相手の考えを読めるからと言って、正直勝てる想像ができない
怪我してしまわないといいが、これは試合、相手も手加減なんて今まで予選であれほど好成績だった心理にはしないに決まってる
不安に気持ちで見ていると2人が試合開始位置に着いた
『ごめん!未だに目立つ活躍なし!だけど、頑張ってね!ヒーロー科宍田 獣郎太!
ヒーロー科じゃないのに2位、1位と強すぎるよ!子役の理里ちゃん!けど個性はまだ目立って使ってないし、芸能プロフィールにも一般公開されてないから個性が分からないよね!普通科読解 心理!』
心理の個性は確かに傍目からでは使ってるか使ってないかが全く分からない
正直その気になれば無個性だと完全に偽れると思う
先程ささっと検索に理里とかけてみたところ、様々な俳優や女優と同じように非公開となっていた
そう言う職業の人は公共の場で個性を使用してはならないと言う規則を遵守しなければならない為、常時発動型の異形系以外公共の場に晒さないように徹底している
もし、晒してしまい、そして個性が珍しかった場合、闇市出品用に攫われやすくなり、自分の身が非常に危なくなる
その為、芸能人で個性が分かっている人はかなり限られている
『そんじゃ早速始めようか
レディィィィイイイ!!!FIGHT !!!』
始まりの合図と共にビーストを発動した宍田が真っ直ぐに突っ込んで行く
結局ヅラをつけ直すのを諦めたのか、キラキラと光を受けて輝く金髪を揺らして危なげなく宍田の突進をかわした
『読解やるなぁ!流石障害物競走、特に変わった事もせずにただ走り続け、最後に男子を2人こかしてゴールをした女子!ただの普通科女子じゃねぇなぁ!』
全くその通りだ、正直あんなの男の俺でも避けられない
いくら考えが読めるからと言って、あの動きは普通じゃない、あれは、戦闘にある程度慣れた人の動きだ
『怒涛のように振り下ろされる拳!当たれば終わりだぜ!シビィー!』
ほんと、マジでシビィって
そう思いながら、拳を少しずつ下がりながら避けていた心理が線ギリギリにまで追い込まれてしまった
最後の一撃が振りかぶられる
『これで終わりか!読解ー!』
マイク先生がそう言い、もしもの時は直ぐに保健室に駆けつけようと思ってより前のめりになって見ていると
振り下ろされた拳をスレスレでもう一度避けた心理はその空振りした腕を引っ張り、そして、足を引っ掛け、体勢を崩させて、場外に顔面から突っ込ませた
『し、宍田くん場外!!よって読解さんの勝ち!』
ミッドナイト先生の宣言で試合が終わると会場がワアッと盛り上がる
心理は追い込まれたように見せかけて、場外ギリギリまで誘導していたことに気付き、思わず笑いが出てくる
流石心理、本当にやってくれる
「人使ー!私がそんな簡単にやられる訳ないでしょ!」
舞台から降りてきた心理がVサインをしながら笑顔でそう叫んできた
まるで青春ドラマのワンシーンのように輝いて見える心理にVサインを返した
観客席にヒラヒラと手を振りながら心理はすぐに戻ってきた戻って
「ほんと、皆して心配しすぎなんだよ!そんな簡単に蹴落とされるほど私は柔くないからね!」
ワラワラと出迎えたクラスの皆ににこりと笑ってそう言うと、皆も心配してた表情が少しマシになるが…
「でもやっぱり心配だよ!ヒーロー科は個性使用の訓練してるんだよ!?けど普通科はサポート科みたいにアドバンテージ何1つないし!読解さん身長高いし、運動神経もいいけど、取り敢えず細いし!!私でも本気で蹴れば折れそうなくらいなんだもん!」
「私確かに細いけど、流石に折れないよ、ほら腹とか触ってみて?普通にモデルの仕事するときに腹出しNGになるくらいには割れてるよ?」
心配する言葉を発した女子の手を掴み、自分のお腹を触らせると、その子は触った瞬間ギョッとした表情で心理の顔を見た
その様子を見て、他の子もソワッと心理の腹を触りたそうに視線を向けた
「みんなに触らせるわけにいかないから、これ見せるの特別だよ、ほら、みんな円になって」
心理の言葉に合わせて皆で円陣でも組むようにギュッと円になる
「カメラに映されるわけにもいかないからちょっとだけだよ」
そう言って上の服をペラっとめくると、ハッキリと縦と横に線が入った腹が現れる
正直女子の腹?と言うレベルだ
そして、またすぐに隠された腹、こんな可愛い顔してヤバイ腹してるな、と言う視線がまた心理に集まってる
「私、露出が高い服はイメージに合わないからって理由で着ないからこれでもいけるんだけど、そろそろどうにかしないといけないんだよね」
そのセリフはまるで太ってる人が出ている腹をどうにかしないと、と言っているようだった、まあ、真逆だが
「このまま表彰台目指すからねー!」
「いや、そこは優勝目指せよ」
思わずツッコムとケラケラと軽い笑われた
その笑い方にむすっとした顔をすると、ごめんごめん、と謝られる
「まあ、なるべく頑張るよ?けど相性とかもあるからね、期待はしないでほしい」
「ああ、わかった…」
「よし、じゃあ私が対戦しなければいけない相手の観察をしないといけないから、集中するね」
隣にいた俺をシレッと連れて試合前からずっと取っていた最前列の席に向かった心理に対してクラスの連中は大きく頷き一言応援だけ口にし、少し離れていった