相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い   作:赤いティントリップ (活動停止中)

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第27話

心理は世間に事故とはいえ、かなり派手に素性暴露されたので、いくら毎朝一緒に駅から登校してるとはいえ、流石にもう無理だろうと思っていたら、いつも通りの時間にいつもと同じように登校するから安心して、と連絡が来た

 

また一緒に登校できると分かり、嬉しいと思う反面、芸能活動を行う彼女のファンに殺されてしまわないだろうかと思いながら、いつも以上に落ち着かなくて、待ち合わせの時間より早く駅に着いてしまい、ソワソワと落ち着きなく待っている

 

 

 

少しすると、軽く肩を叩かれ名前を呼ばれたので振り向くと見覚えのない男子生徒がそこに立っていた

 

 

身長は同じくらい、濃紺の髪で、全体的にモサッとした黒いメガネをかけた、心理と同じ青が………

 

 

「って、まさかお前しっモガッ……」

「お前が名前言っちまったら意味ねぇだろ」

 

 

前髪に隠れ気味な両目でジトッと睨みながら口を塞いだ手を離される

 

 

「悪い…」

 

 

口調はもちろん、立ち方まで完全男に変装した手間を全て無駄にしてしまいかけてのは悪いと思い素直に謝る

 

 

「まあ、驚くよな、急にこういう変装にしたらな」

 

「あ、ああ、だけど、違和感が無いのが凄いな、流石って感じがする」

 

「まあ、別人になるプロだからな」

 

 

並んで学校に向かうが、誰一人として俺の隣にいる男が心理だと気付かない

 

まあ、歩き方まで完全に男な心理を心理だと気付けたらそいつは相当な観察眼でも持ってるのだろう

 

顔の造形が分かりにくいように俯きがちで歩いてる姿は少し陰気なただの男子生徒にしか見えない

 

 

 

「この姿はいつまでもつかなー」

 

「クラスメイトの良心次第ではかなり持つと思う」

 

「んー、まあ、みんないい人だしいい回ったりはしないとは思うけど、学校内で隠し切るのはほぼ不可能だと思うし、取り敢えず外歩く時に呼び止められて囲まれさえしなければいいからなー」

 

「同世代の中でトップで有名なのも大変だな」

 

「同世代どころか上下1つづつの世代合わせてもトップなんだよな、これが」

 

「自分で言うか、それ」

 

「まあ、言うべきではないよな」

 

「それを分かってて言ったのかよ」

 

 

 

軽い感じでいつも通り話しながら登校するのだが、なんだかいつもより視線を感じ、もしかして誰も話しかけてこないだけで実は心理の変装がバレてるんじゃないかと思い不安になってくる

 

 

ただ、もし、周囲にバレてる場合、そう言う人の機微に鋭い心理が気付かないわけが無いが、それでも不安で落ち着かなくなってきていると、隣で普通に歩いてた心理の肩が小刻みに震えてるのに気付いた

 

 

「さては心理、俺の内心の不安を笑ってるな」

 

「ごめん、だってお前、周囲から見られる原因を自分だという可能性を全く考えて無いから」

 

「は?俺がどうして見られるんだよ」

 

「普通科で雄英体育祭の決勝トーナメントに出たんだぞ?注目の的にもなるさ」

 

 

 

そう言われてハッとした、そう言えば俺もテレビに映ってたじゃねーか

 

 

 

「電車の中で声をかけてられた時て驚いてたのに、もう忘れてたのかよ」

 

「シレッと見て無いに決まってる時の話だしてくるな」

 

「まあ、そう言う個性ですし?世間的には私の個性母親と全く同じの〈読心〉だって予測されてたけどな」

 

「ああ、後他には〈先読み〉とかもあったよな」

 

 

昨日テレビでタレントや、番組に呼ばれたヒーロー達が何が正解だろうと真剣に話し合い考えていた時の内でとかに押されていたものを1つあげる

 

 

「俺の個性の使い方的にその2つが有力説だったよな、後は〈バックグラウンド〉とかもテレビで言われてんの見たな」

 

「あー、あったな、まあ、正解は母親から遺伝した読心だけど、母親より強力、ってところだよな?」

 

「まあ、強力になりすぎて個性名〈読心〉じゃねぇけどな」

 

「は?そんなこと聞いたことないぞ」

 

 

シレッと今までは嘘の個性を言っていたことを暴露され眉間にシワが寄る

 

 

「言ったことすらねぇな、基本人に個性は口外しないし、しても軽い読心で、集中すればなんとなく好きな人がわかるんだ、程度だな」

 

「それ、今年の4月にしてた個性紹介だな、シレッと嘘つくな」

 

「嘘は嘘だとバレなきゃ嘘じゃねぇんだ、だからバラしてくれんなよ人使」

 

「俺は今この瞬間犯罪の片棒を担がされた」

 

「しっかり担ぎ切ってくれよ」

 

 

 

そんな軽口を叩きあってると、ようやく雄英の校門が見えてきた

 

正直毎朝どうして雄英はこんな山の上に建ってるのかと文句が浮かんでくるがどうしようもない

 

 

 

 

 

 

「心操、おはよう、隣の男子は…えー、心操の兄弟?」

 

 

靴箱のところで会ったまだ話せる方のクラスメイトが挨拶と共に俺と一緒にいた心理について少し悩んでから訪ねてくる

 

うん、俺ら兄弟に見られるのか、もしかしてそれも考慮して心理は髪色を選んだのだろうか

 

俺の髪は紫色だし、心理の着けている濃紺の髪色と系統で括れば一緒だ

身長も、嬉しくはないが同じくらいなので、兄弟で通そうと思えば通せそうだ

 

 

そう思っていると、そのクラスメイトに少し近づき、手招きしてむこうからも少し寄らせてから

 

黒いメガネをクイッと持ち上げ顔が見えるようにし、ニッと怪しく笑ってこの事は秘密でお願いしますね、と囁いてからまた眼鏡をかけ直した

 

 

いくら心理が女子とはいえ、今は男装中だ、しかもその男装をしている心理は、顔面偏差値が天井知らずなのはもちろん、女子にしては高めな身長、そんなかのじょが発したいつもより低い声

 

そんな様々な要因により、彼女は一気に茹で蛸なようになってしまった

 

 

コクコクと頷いた後、心理に促されるまま教室に浮ついた足取りで向かっていった彼女の背中を見てるとなんだか申し訳ない

 

 

「誑かすなぁ、心理は」

 

「失礼な言い方だな、けど、間違ってないな、役者は本当の自分とは違う姿に化けて、人の心を魅了し、誑かす職業だからな」

 

 

ニヤリと口元を歪めた心理は自慢げな笑い声を小さく漏らした

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