相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い 作:赤いティントリップ (活動停止中)
中学唯一の雄英進学者という箔は自分の隣に立つデクと脅したにもかかわらず、普通科にシレッと合格しやがったインキャ女によって無くなった
先生の前で問題は起こせない為、先生の話が終わり、職員室から出るなり、デクとインキャ女の腕を掴んで校舎裏まで引っ張って行こうと思い、実行に移して腕を掴むと
「ちょっと爆豪くん、いくらなんでも一人で受かりたかったから私ら締めるってのはおかしいんじゃ無い?緑谷くんも大人しくこいつに連れてかれなくてもいいよ、一緒に帰ろう、もう」
そう言いながらも、今回は警戒してしっかりと二の腕のあたりを掴んでるからか、インキャ女は逃げ出せていない
その場に留まろうとするが、所詮女子の力なのでデク共々力尽くで引きずっていく
2人の腕を校舎の壁に叩きつけるようにして離すと、インキャ女の方は上手いこと叩きつけられないように体を捻っていたが、デクは壁にぶつかる
「ちょっと、爆豪、危ない!」
「うるせえ黙ってろブス」
「え、女子にブスって酷いね、君、モテ無いでしょ」
「いいから黙ってろ!」
軽く爆発をおこして脅すと、癪なことに俺より高いが、いつも丸めている背を真っ直ぐにして、睨み返してくる
「よ、読解さんっ!?危ないよ!」
臨戦態勢の俺たちを見て、そう言い、震えながらも俺たちの間に入ってこようとするデクの姿が更にイラついてくる
「緑谷くん、下がってて、大丈夫だから」
「でも、怪我したら…」
インキャ女はデクにそう言われて、納得したような顔をしたと思ったら、こっちを向き、手で拳を作り
「確かに怪我しそうなことは危ないよね、よし、爆豪じゃんけんで私が負けたら大人しく話聞こう」
そんな提案をしてきた
「は?じゃんけん」
「そ、じゃんけん、って事で、いくよー、最初はグー、じゃんけんポン!」
慌てて手を出すと、こっちがパーで向こうがチョキのため、負ける
「よし、これで大人しく私は話し聞かなくていいね、じゃあ、次は緑谷くんとだよ」
そう言って、自分の背後にしたデクを自分の前に押し出した
「ほら、いくよ、最初はグー、じゃんけんポン」
インキャ女の声に合わせて手を出すと自分がグーでデクがチョキなので勝つ
「俺の勝ちだ」
「ちょっと、なんで負けてるの、緑谷くん」
「僕今までかっちゃんにじゃんけん勝てた事ない……」
「それ先に言ってよ、知ってたら別の方法提案してたのに」
「さっさと黙れクソインキャが」
そういうと、インキャ女は目元が見えない中、なかなかに顔を動かして全力で表情に不満を表しながらも一応引き下がった
「どんな汚ねぇ手使やあ無個性(テメェ)が受かるんだ
あ!!?」
デクの胸ぐらを掴みながら怒鳴ると、いつも通りデクはオドオドとしながら顔を背けるように顔の前に手をやる
「っ…!!」
ビビりまくったいつも通りの反応をするデクのことを視界の端に写るインキャ女はさっきまで味方をしていたくせに冷めた目で眺めていた
「史上初!唯一の雄英進学者、俺の将来設計が早速ズタボロだよ!他行けっつったろーが!!」
そう怒鳴ると急にデクが俺の腕を掴んだ
デクは怯えながらも、震えながらも口をひらく
「いっ…っ、言ってもらったんだ『君はヒーローになれる』って…!かっちゃん…!!『勝ち取った』んだって…!だ…だから…僕は行くんだ…!!」
強い意志を持っていたその言葉は明らかに俺に対する反抗で、今までそんなことなかったので、背中が粟立つかのような不快感に襲われる
「よく言ったね、緑谷くん、じゃあ、一緒に帰ろうか」
俺たちの様子を横で見ていたインキャ女はデクが俺に逆らったことが嬉しいのか、笑顔で横から入ってきて、サッとデクの手を引いて自分の目の前から歩き去っていった
まだ文句は沢山あったはずなのに、俺には2人を止めることができなかった
1人その場に残されて、唯々イライラが募った
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僕と読解さんと2人で歩いて帰っていると、すぐにどもって赤くなる僕に彼女は楽しそうに根気良く話を続けてくれる
「来年からも一緒の学校だね、科が違うから関わりはあんまりないと思うけど、よろしくね」
「も、ももも、もちろんです!」
「そうだ、折角だし連絡先交換しておこうよ」
「へえっ!?連絡先っ!?」
「そう、連絡先、スマホ出して」
「は、はい!」
スマホを出してワタワタと作業していると横から、サッとスマホを取られ、ささっと作業をしたかと思うと、すぐに返してくれる
「これでいけたよ」
新しく追加された読解 心理という名前を見て気分が上がる
連絡先として登録されている人の少なさの中、母親以外で初めて女子の連絡先が増えたことがとてつもなく嬉しい
「あ、ありがとう、読解さん!」
「いえいえ、私こそありがとうね」
恥ずかしさから合わせられなかった顔を上げて、そうお礼を言うと、急に強い風が吹いてきた
その瞬間、読解さんの前髪が上がり、顔が晒された
慌てて読解さんが前髪を下ろしたため、ほんの少ししか見えなかったが、紺色の大きめの眼鏡をかけている彼女の顔はとっても整っていて綺麗だった
思わず赤面すると、読解さんも照れたように笑う
「顔、見られちゃったね」
前髪をしっかりと直しながらそう言われるが、まだ上手いこと声が喉から出てこずゆっくりと頷くだけになってしまう
「ど…どうして読解さんはいつも目元隠してるの…?」
聞いていい質問かどうかわからないため、恐る恐るそう質問すると、やっぱり気になるよねー、と呟いた後に
「目元を隠してる理由はね、視線を悟られたく無いからなの、個性の関係で、ジッと見られてたら、何かを知られてるって分かるの嫌でしょ?目が見えてたらたとえ偶然視線が合っただけでも誤解されやすいし」
「そうなんだ、だから隠してるんだね」
確かに、人に心が読まれてるって考えると、落ち着かない気もするし、彼女が目元を隠す理由は分かる
「うん、でも今のはみんなには秘密にして、警戒されたく無いから」
「分かった、秘密にするよ」
「ありがとう、じぁ、私はこっちの道だから、バイバイ」
「あっ!うん!バイバイ!」
ヒラヒラと手を振って別の道の方に行く読解さんに手をブンブンと振って見送り、自分も家に向かって足を進めた