相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い   作:赤いティントリップ (活動停止中)

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皆さん、長らくお待たせしました。
漸く大体ですがこう言う方向性で話を書いていきたいと言う筋が出来たので、投稿させていただきました。



第34話

 

 

 

保須市にあるスタジオでCM撮影の合間、耳に飛び込んできた速報はこの近くで脳無が大量発生したという、直ぐにでもこの場から逃げなければならない知らせだった

 

 

 

最近、保須市ヒーロー殺しも出たし、不穏すぎじゃない?

 

 

 

撮影の合間だっため、衣装の綺麗なフリルのワンピースにフルメイクの状態でスタジオから出て、避難をする人波にスタッフと共に混ざる事になったのだが、ガッツリ芸能人らしい状態の私は人混みの前に出た瞬間、群衆の足の進みを緩めてしまう原因となる程目立つ

 

 

 

一応スタッフや警備の人が囲ってはくれているが、何しろ、状況が状況のため、殆ど意味がなく、寧ろさらに避難速度を遅めてしまう

 

 

 

個性を使って周りを見てみると、この場所はまだ発端となった場所からは少し離れているため、避難する人でごった返してはいるが、早急に避難をすれば問題ない距離なのだが、モタモタしていると、正直どうなるかわからないが、かといってパニックを起こして走り出すのも危ない、だが、あの人造敵である脳無の怖い所は予想をつけにくい所なので、なるべく早く避難をしたい

 

 

それか、避難は無理でも、何かが起こった時に人混みに揉まれ、何もできないという事にはなりたくない

 

 

その為、自分という存在が避難の邪魔になってる事を酷く苦痛に感じ、仕方がないので、近くに登ってもいい少し高くなってるところに目を付け、マネージャーと警備員に短く要件を伝え、素早く目をつけていた場所に立ち

 

 

 

 

手を大きな動作で大きく叩いて鳴らし、リズムを刻み、注目を集める

 

 

 

「皆さん!!落ち着いて迅速に避難をお願いします!!」

 

 

 

少し早足で歩く程のテンポで手を叩く事により、個人個人の歩く速度が一定となり、避難の列の進みが良くなる

 

 

 

腹の底からできるだけ多くの範囲の人に届くように声を張り上げる

 

 

 

 

「足を止めたら周りの人に影響が出ます!!ちゃんと周りを見て歩いて下さい!!」

 

 

 

 

「避難列から離れようとしないでください!!事件現場の方に近づいてしまうと危険です!!」

 

 

 

 

「周りの人を押さないで下さい!!危険です!!」

 

 

 

 

手は一定のテンポを保って叩きながらも、個性をフルで活用して避難誘導と注意喚起を行う

 

 

 

 

かなり人が避難出来てきているが、それでもかなりの脳無が出てしまった分、避難区域が広く、避難はまだ完了しない

 

 

 

 

今避難誘導を行なっているこの通りは避難経路の大通りになっているので、ここの流れがスムーズになった分、避難完了までの時間は大分短くなり、まだかかるが、大人数が事件に巻き込まれてしまうような事は起きなさそうだ

 

 

 

適当なタイミングで自分も避難したいのだが、もしこの誘導をやめた瞬間、今までの誘導が無駄になる程流れが乱れるのも嫌なので、自分が避難するのは最後の方になりそうだと諦めつつ、近くにいてくれていたマネージャーと警備員には先に行くように促し行ってもらう

 

 

 

誰か脳無の相手に向いていないヒーローでもいれば避難誘導を代わってもらうのだが、ヒーローはヒーローの方で一杯一杯なのか、避難誘導の応援は望めなさそうだった

 

 

 

まあ、視線を集めるという点では、そういう個性持ちでない限り、殆どのヒーローよりその能力には優れているので、根気強く避難誘導をし続ける

 

 

 

 

避難ももうそろそろ終了となってくると、かなり中央に残ってしまい焦って走ろうとする人と、野次馬精神で現場に残りたがる人が出てくるので、さらに声を張って落ち着いて歩かせる

 

 

 

 

「足を止めないで下さい!!周りの人にも迷惑がかかります!!」

 

 

 

 

「スマホを構えている場合ではありません!!周りをよく見てください!!」

 

 

 

 

「無理に進もうとするのはやめて下さい!!危険です!!」

 

 

 

 

 

野次馬精神で残ろうとする馬鹿を睨みつけ、女の人を突き飛ばしてでも逃げようとした男を指差して怒鳴り、注意する

 

 

 

 

 

もう、避難誘導が必要ないほど人がはけてから、避難するのに補助が必要で逃げ遅れた人などが近くにいないかと個性で探ってみると、少し事件現場の方に近づいたところの路地で足を痛め、立てなくなってる人を見つけ、慌てて、そっちの方に向かって走っていく

 

 

 

途中で見つけたポールを持ち、個性をフル活用して次に助けなければならない人を探す

 

 

 

「お兄さん大丈夫!?これ支えにして頑張って逃げて!」

 

 

 

手を引っ張り、立ち上がらせ、持っていたポールを渡し、避難方向を指差して、向かわせる

 

 

 

「気をつけてね!」

 

 

「ああ!ありがとう、理里ちゃん」

 

 

 

杖をつく様にして、避難していたのを見送ることすらせずに、親とはぐれて細い路地の物陰に蹲って泣いていた6歳くらいの女の子を個性で見つけたところまで全力で走る

 

 

 

また、事件現場の方へと近づいてしまってるが、まだ大丈夫

 

 

 

何かが起こったとしても直前に察知して避ける事は私なら可能だ

 

 

 

「ねえ、お嬢さん、私が来たからもう大丈夫、一緒にお母さんを探しに行こう」

 

 

 

避難先でお母さんが彼女のことを必死に探してるのを感じながら声をかける

 

 

 

「り、理里ちゃん…?」

 

 

「うん、私は理里だよ、危ないから私と一緒にお母さんのところに向かおう」

 

 

「……っ、うん」

 

 

こういう風に、簡単に子供に信用してもらえると、いつもは面倒に感じることもある自分のとても高い知名度もとてもいいものだと思える

 

 

「危ないし、何かあるといけないから、私がおんぶするけどいい?」

 

 

「うん、いいよ」

 

 

 

へんじをもらってから背中を向けて、乗ってもらい、しっかりと背負う

 

 

 

「ちゃんと捕まっていてね」

 

 

 

「分かった」

 

 

 

 

背中に背負った状態で、既に人が避難しきり、人気のない路地から出て、少し太めの道に出ようとして、慌てて後退した

 

 

 

なぜなら、その道を一直線に走る脳無を少し遠くに見つけしまった上に目が合うという超特大のアンラッキーを引き当ててしまったからだ

 

 

 

自分だけならまだしも、女の子を背負ってよくわからない存在と直接対決するわけにはいかないので、女の子を背負った状態で細い路地を全力疾走

 

 

個性のせいか、変な走り方をして追いかけてくる脳無から死に物狂いで逃げる

 

 

 

距離を詰められたら終わりと思え、私

 

 

 

もし、脳無に直接会ったら、体の構造がどうなってるか、A組の人達を介してではなく、直接個性で読み取ってみたいと思っていたが、そんな事は余裕なぞなく、ただ走る、ひたすら走る

 

 

 

本当なら、避難場所に逃げたいが、背後をついてくる余計なものを避難した人に近づける訳にはいかないので、致し方なく近場で脳無の処理をしているヒーローがいる方向に走っていく

 

 

 

誰かヒーローに出会えればきっと助けてもらえる

 

 

 

そう信じて、細い路地を個性をフル活用して走り抜け、至る所で脳無が暴れる大通りに出て

 

 

 

「助けてください!!」

 

 

 

 

そう叫び、路地から出て直ぐの所から真横に飛んだ

 

 

 

その瞬間、鋭い爪を振り下ろす脳無が路地から出てくる

 

 

 

「あっぶなぁ!!」

 

 

 

そう叫びつつ、距離をしっかりととり、この場にいるヒーローの中でだれが一番実力が高く守ってくれそうかを判断して、直ぐに1人のヒーローへと近づき

 

 

 

「エンデヴァーさん!!どうにかしてください!!」

 

 

 

炎で脳無をどんどん丸焼きにしていってるエンデヴァーさんに叫んで、脳無を指差してお願いする

 

 

 

「導線上から退け!!どうにかしてやる!!」

 

 

「ありがとうございます!!」

 

 

 

再度振り下ろされる爪から庇うように、背中に背負っていた女の子の体を自分の体の前に手早く持ってきて、しっかりと抱き締めながら、地面を強く蹴って導線上から横に退き、地面を勢いよく転がった

 

 

 

その瞬間、眩い炎が脳無の白い体を焦がした

 

 

 

 

脳無が完全に沈黙したのをみて、地面から起き上がる

 

 

 

「ごめんね、痛いところはない?大丈夫?」

 

「痛いところはない…理里ちゃんが守ってくれたから私は大丈夫、だけど……理里ちゃん腕とか足とかから血が出てる…」

 

「これくらい大丈夫だよ、平気」

 

 

そう言って安心してもらうために優しく笑う

 

 

まあ、嘘だけど、正直凄い痛い

 

 

間一髪で爪の直撃は避けたが、少し掠ったみたいで、鋭い痛みが背中に少しと、地面を勢いよく転がった時に打った体の至る所が痛い、けど、私は笑わなくちゃいけない

 

 

 

 

「お前、その子はどうしたんだ?」

 

 

「この子は迷子です、見つけたので保護しました」

 

 

「よくやった、誰か怪我をしていないヒーローにでもあとは頼め」

 

 

「分かりました」

 

 

 

ヒーローの1人、おそらくエンデヴァーのサイドキックの1人が素早く女の子を保護しに来てくれる

 

 

 

そして、怪我をした一般人の私も保護対象だと思い、保護してもらえるのを待っていたら、サイドキックの人は私に感謝と賞賛の言葉だけを行って何処かに行ってしまった

 

 

え?なんで?

 

 

私は保護してくれないの?ほら、怪我人だよ

 

 

 

そして、疑問の目をエンデヴァーに向けると同時に、こんなパニックで忘れていたが、エンデヴァーの近くに職場体験に来ているはずの轟くんがいないことに気付いた

 

 

その事になんだか嫌な予感がして、個性で見てみると、案の定、今回の脳無大量発生事件の中で危険度が指折りで高い奴と戦っているとのことが読み取れる

 

 

いや、飯田くんや緑谷くんと一緒に何やってんだよ轟くん

 

 

飯田くん、折角お兄さんは助かったのに、なんで君が危ない目に首突っ込んでるのかな!

 

 

 

 

「エンデヴァーさん、ここいらの脳無の相手は大体終わりましたね、早く轟くんが先程指定してきた応援に向かいましょう」

 

 

「貴様がそう言うってことは何かあったんだな、わかった急ごう、それとお前も来い、近くにいた方が守りやすいからな」

 

 

 

 

近くにいた、手が空いているヒーローを呼び、指定の場所に向かい始める

 

 

 

 

「じゃあ、私がサイドキックに保護されなかったのは、エンデヴァーさんが直々に守るため?」

 

「ああ、そうだ、あの脳無は明らかにお前を狙っていたし、なんせお前は自身が有名人な上に親も親だ、また強いヴィランに狙われるかも知れんしな」

 

 

「成る程、それは心強いですね、私この騒動が一区切りつくまで、絶対にエンデヴァーさんから離れません」

 

 

 

轟くん達がいる方へヒーローを引き連れてぞろぞろと走って向かっている途中、翼が生えた脳無に手こずってるヒーロー達に出会う

 

 

 

「まだ残っていたか」

 

 

 

エンデヴァーが脳無を見た瞬間、炎で撃ち落そうとするが、ひらりと避け、飛んで逃げて行ってしまう

 

 

 

「くそっ!外した!追うぞ!」

 

 

「分かりました!」

 

 

真っ直ぐと何処かへ向かって行ってしまう脳無を追いかけて、入り組んだ路地を最短ルートを通って追いかける

 

 

個性を使った私と本気の鬼ごっこ、逃げ切れると思うなよ

 

 

 

まるで何かを探す仕草をして飛んでいく脳無に対して、追いつくことだけを考えて個性を使用して走る

 

 

そして、路地を抜けたタイミングで漸く脳無の真下にまで追いつく

 

 

その通りの少し先にには私達と同じように路地から出てきた轟くん達がヒーロー殺しを捕まえたボロッボロの状態でいる

 

 

そんな状態の彼らを見つけて、死ななくてよかったと思って安心したのがよくなかった

 

 

脳無が急に加速して滑空しながら急降下してきて彼らへと近付いて行った

 

 

 

「そっちに脳無が一体行った!!!」

 

 

エンデヴァーさんが慌てて叫んで知らせるが、間に合わず、緑谷くんが呆気なく引っ掴まれ、空へと向かって行ってしまう

 

 

 

どうにかして脳無から緑谷を取り戻せないかと個性の出力を最大まで上げて、脳無を見た瞬間

 

 

 

あまりに悪意に塗れた、最早死んでいた方がマシだと言うカラダの詳細が頭に流れ込んできた

 

 

 

グロテスクで悍ましい、倫理観への冒涜行為を煮詰め固めたかのような存在について詳しく知ってしまい

 

 

 

抑える事さえ出来ずに、道路に胃の中身を全てぶちまけた

 

 

 

まだ、道の端に寄れただけ良かったのだろうか

 

 

 

仲が別に言い訳じゃなかったが、仮にも、去年まで学校が一緒だった奴があの疎ましい存在に混ぜられていると思うと、吐き気が止まらない

 

 

 

「うっ……オエッ…ゴホッゴホッ…オエッ…っ!…ゲホッ……」

 

 

 

 

吐き気が全く治らない上に、涙が抑えが効かない程流れてきても、それでも脳無の方をもう一度見ると、攫われた緑谷の事はヒーロー殺しが救出してくれていた

 

 

 

ああ、緑谷くんはヒーロー殺しに認められたのか

 

 

 

 

ヒーロー殺しに緑谷を殺す意思がないのを読み取って安心する

 

 

 

 

ヒーロー殺しが緑谷くんを救出した後、地面に放り捨て、自分の信念を貫く意思でヒーロー達を圧迫した

 

 

ヒーロー殺しの思想は英雄回帰といわれる思想で、私とは合わない考え方だった

 

 

自分と同じ人に物語の中の主人公のような高潔さを求めるな、イカレ野郎

 

 

 

根気だけで吐き気をなんとか抑えて、ハンカチで涙を拭った後に口元も拭って少し離れた道路の端からヒーロー殺しの前へと大股で歩き出た

 

 

 

「お前のような考えをする奴がいるからただの人だと言うのに、英雄になれると信じる勘違い野郎が出てくる!いい加減目を覚ませ!人は万人の英雄になどなれない!」

 

 

 

正面切って言い返して、ヒーロー殺しを見ると、刃物を使い、切りかかろうとしてくる

 

 

だが、私が対応しようと思っていた有効打撃範囲内に入る前にヒーロー殺しは沈黙した

 

 

どうやら、怪我の状態がかなり酷いらしく、気絶してしまったようだった

 

 

 

 

 

ヒーロー殺しが気絶してしまった事により、彼に殺された脳無を再度視界に入れてしまい、無理矢理抑えていた吐き気がぶり返し、道の端に駆け寄り、しゃがみこんでえづく

 

 

 

もう、吐くものなんてないのに、吐き気が収まらず、足から力が抜けて立ち上がれない

 

 

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

 

エンデヴァーが背中に手を当てて気遣うように聞いてくれる

 

 

 

 

「ど、どうもしていません…」

 

 

 

ハンカチで口元を拭い、なんとか笑顔を作ってエンデヴァーに答える

 

 

 

「何がどうもしていないだ、そんなに顔面蒼白にしやがって、どうした?ヴィランの個性にでもやられていたのか?」

 

 

 

 

背中を優しくさすりながらそう聞かれ、首を横に振る

 

 

 

 

「あの、あの人だったモノを個性で見てしまったせいです………ヴィランの個性の影響ではありません」

 

 

 

視界には決して入れずに、脳無を指差して、そう伝えると、エンデヴァーは驚いたように目を少し目を見開いた

 

 

 

「そうか、よし、じゃあお前も怪我をしているあいつらと一緒に病院に搬送だ、外傷もある事だしな」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「何かがありそうなら、3人に知らせて守ってもらえ」

 

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しするとボロッボロのヒーロー殺しステインを搬送する護送車と、ステインとの戦闘で怪我をした3人と私を搬送する救急車が現場にやってきた

 

 

端の方で大人しく座り込み、口元を押さえて耐えていた状態から、よろよろと立ち上がろうとするが、力が入らずよろけると救急隊員の人に支えられて、救急車へと乗せられた

 

 

 

「大丈夫?読解さん」

 

 

 

先に救急車へと乗り込んでいた緑谷くんに能天気にそう尋ねられた

 

 

先程まで道路に吐き散らかし、顔を苦痛に歪めている私に対して心配そうな表情で無神経な言葉選びをする緑谷くんに対して、いつもの私なら、なんとも思っていない振りをできたのだろう

 

 

だが、心身共に疲弊していて、心に余裕がなくなってしまっていた私は思わず視線は決してやる事なく脳無の方を指差して口を開いてしまった

 

 

 

 

 

 

「ねえ、緑谷くん、貴方はどうしてアレを見て何も思わないの?

 

どうしてアレに自分が狙われたんだと思う?

 

どうしてアレは君の元へと一直線に来たんだと思う?

 

どうしてアレは個性を複数持ってるんだと思う?

 

どうしてアレにはあんな羽が生えてるんだと思う?

 

ねえ、君が知ってるあの羽を持っていた人はどうしたんだと思う?

 

君が昔からしている周りの人の個性調べは無駄だったの?

 

あんなに周りの人の個性を調べていたのにどうして思い至らないの?

 

ヒーローになるための個性ノートは一体何だったの?

 

どんな個性でも凄いと言って褒め称えていたのは何だったの?」

 

 

 

 

 

そう、緑谷くんに向かって一息で言ってしまう

 

 

 

 

ああ、やってしまった

 

 

 

 

怪訝そうな顔をした轟くんや飯田くんを視界の端に捉えつつ、1つ1つの質問を聞くたびに青ざめていく緑谷くんの顔を見て、言い切った事に対する後悔がどっと押し寄せてくる

 

 

 

 

「い……いや……そんな…まさか…いや、嘘…だ、よね…?」

 

 

 

 

縋るような視線から私は顔をただ逸らした

 

 

 

 

「いや、だって、彼が……まさか、そんな…そんな事……あり得るわけ……」

 

 

 

 

震えて頭を抱えながら嘘だと言い続ける緑谷くんに対して何も言わずに私は視線を下に落とした

 

 

 

仕方がない、いつだって世界は深く知れば残酷な事ばかり

 

 

皆、知らない方が幸せに生きていける

 

 

だからこそ、私は緑谷くんに言うべきではなかった

 

 

知らせるべきではなかった

 

 

でも、言ってしまった

 

 

 

 

 

後悔が胸中を一杯に満たす中、救急車の扉は閉められて、発車した

 






本当にお待たせ致しました。

こんなに長い事更新していなかったのに、読んでもらえて本当に嬉しいです。


主人公がオールマイトの事を嫌う理由なども、粗方は元から決まっていたのですが、詳細までは決めておらず、かなり迷ったのですが、それもかなり細かく決まったので、近いうちにちゃんとした文章に仕上げて投稿していきます。




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