相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い 作:赤いティントリップ (活動停止中)
前話が前編、今回が中編、次が後編となる予定です。
ただ、予定なので、もしかしたらこれが中編その1、次が中編その2となってからの、後編になってしまうかもしれません。
「怒鳴っちゃってごめんな、驚かせたよな」
食器を片付け終わった所でそう謝ると、丁度隣に居た切島くんがキョトンという表情になってから、ニカっと人好きのする笑みを浮かべた
「別に構わねぇよ!無理にコピーしようとしたらあいつが悪いし」
「ああ、まあ、そうなんだけど、別に怒鳴って机叩く必要は無かったからな…感情的になりすぎた、気を付けねぇと」
「それにしても、どうしてそこまでコピーされたくないんだ?」
「え?あー、まあ、昔色々あったんだ」
ボカすように答えると、同時に硬直から復活した物間くんがまた懲りずに近づいてきていた、そして、それに注意を向けていると拳藤さんに捕まった
女子同士だからか、腕ごと胴体に抱きつくことに躊躇いが全く無い上に個性柄強めの腕力のため、抵抗しても直ぐには離せない
まさか、物間くんのストッパー役として良く活躍している彼女が加担してくるとは思っていなかったのと、食器返却の場所ということで壁際、積み上がった食器やゴミ箱が近くにある上に、周りに切島くん達が居た事により結構しっかりとやられた
そして、そんな私から拳藤さんを相手が女子のため遠慮しつつも離させようとしてくる一番近くに居た切島くんが引き剥がすよりも早く物間に触れられた
「やった!これで君の昔のことも暴いてやる!お前は特別じゃない!」
「やめて!駄目!」
女子だという事に全く遠慮をしない爆豪が無理矢理拳藤さんの首根っこを掴み私から引き剥がした事により腕から解放されるが、コピーをさせてしまったことによるショックでその場にへたり込んでしまう
そして、つい一瞬前まで喜んでいた物間の顔が急速に青ざめていった
「な、なんだこれ…」
そう言いながら、大変気分が悪そうに、口元に手を当てたので、丁度近くにあるゴミ箱を座り込んだまま、引き寄せ、押し付けるようにして口元を押さえて震える物間に渡すと、さっきまで食べていたであろう物を全て吐き出した
その様子を拳藤はもちろん、周りの人は唖然とした様子だが、私はこうなってしまった人見るのは初めてじゃなかった
物間の状態はやっぱり、昔私の個性で壊れてしまった人と同じ状態だった
ヨロヨロと震える足に無理矢理力を入れて立ち上がり、膝をついて止まるところを知らないほど吐き続ける物間を見ると、かなり苦しそうだ
「だから言ったんだ!お前にこの個性は使いこなせないって!」
そう言いつつも、昔みたいに、私の個性で脳にダメージが行き、人が廃人になってしまう訳にはいかないので、嘔吐の苦しさからか、夏とは思えないほど、冷え切った背中をさする
「なあ!物間!俺はやめろって言ったのに!それなのに!本当に何してんだよ!」
多くの情報をなるべくシャットダウンできるように周囲の喧騒が搔き消えるほど大声で叫ぶ
この個性が取り込む情報は視界に映る物の量や聴こえる音の量などに左右されるので、個性による意識を私にだけ向ける様に叫ぶ
だが、それでも個性による周辺情報の強制大量入手は止まらないので、物間の症状は酷くなるばかり、今はもう嘔吐するものがなくなったのか、ただえづいている
顔は蒼白で、全身がガタガタと震え、吐き気と、激しい頭痛で、涙まで流している
「物間!俺の声だけに集中すんだ!早く!俺の話を聞いて!意識を私に!だからやめとけって言ったんだ!お前にはこの個性は使えない!クソが!なんとか5分持耐えてくれ!頼むから!じゃないとお前は廃人だ!」
そう言いながら、一通り吐くものがなくなったからか、口から特に何も出てこなくなった物間の吐瀉物で汚れた口元を拭う時間すら惜しく、胸元が汚れるのも気にせずに物間を横抱きで抱え上げた、目指す場所は人が少ない場所だ
もし近く、かつ、人気のないところにいるならこの状態を解除できる相澤先生の元に走っても良いが、生憎人の多い職員室にいる為、連れてはいけない
ただでさえ食堂という人の多いこんな最悪の場所なんだ、早くここから離れないと、取り返しのつかない事になる
たとえ自業自得とはいえ、自分の個性で廃人になられるなど、目覚めが悪いどころの騒ぎではない
人の波を一睨みして、道を開けさせて、その間を走る
「ねえ!本当に廃人になる訳ないよね!?」
拳藤が焦った様子で付いてくるが、正直人が多ければ多いほど取り込む情報量の多い状態の物間に姿を見せたり、声を聞かせるの良くないので、胸元に物間の顔を少し抑えつけながら強く睨むと、ヒッと短く悲鳴をあげる
「こいつの今の状態はカセットテープ流す機械にSDカード入れ無理矢理読み込ませようとしたようなものだ!壊れる可能性が高いに決まってんだろ!何事も駄目なものには理由があるのにやったのはお前らだ、覚悟はしておけ」
周りでざわざわと何事かと騒ぐ野次馬を胸元に物間を抱えながらぐるっと見渡して睨みつける
「全員黙れ!今すぐ黙れ!そしてさっさと離れろ!決してこいつの意識に入るな!声も聞かせるな!存在を認知させんな!拳藤は職員室の相澤先生に事情の説明!単独で仮眠室に走って来るように伝えろ!」
「わ、わかった!」
あーくそっ、吐瀉物の付いた胸元が気持ち悪い、本当ならこんな馬鹿野郎の事なんてこんなに必死に助けたくない、けど、自分の個性で万が一にでも死にでもしてしまったらと思うと、怖くて見捨てる事なんて出来ない
というか、死ななくても、廃人の時点で見捨てられない
私だって、昔はどんどん強くなってくる個性に対応しきれずに、何度も嘔吐を繰り返し、貧血を起こし、ぶっ倒れて、それでも何とか耐え、ここまで何とかやってきたんだ
そんな簡単にコピーして使いこなすなんてできるわけがない
その上この個性、危険性に対して発動条件が緩すぎる
せめて、相当意識をしなければ発動できないものであれば良かったが、そんな優しい個性ではない
怒鳴り散らしたい気持ちを抑え、物間に声をかけながら好奇の視線に晒される校内の廊下を走り抜けていった
心理描写、単純に力量不足な所はまあ、努力あるのみだなって思うんですけど、わざと心理ちゃんの性格が悪そうに見せるために心理描写や過去を書いてない場合、そう仕向けたのは自分なのに、いざ、性格が悪いと言われると、心が痛むぅ〜
でも、仕方がないのぉ〜
どうしようもないんだよぉ〜
だって、過去編まだかけてないんだものぉ〜
情緒不安定でした、お見苦しい所をお見せしてしまい申し訳ございません。