相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い   作:赤いティントリップ (活動停止中)

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久しぶりの投稿、なんか、懐かしい




忘れられない記憶・1

 

 

 

「心理ちゃんは可愛いね」

 

 

 

 

 

昔から言われ慣れた言葉だった

 

 

「賢いね」

 

 

「偉いね」

 

 

「美人さんね」

 

 

「綺麗だね」

 

 

 

 

この世にある褒め言葉の全てはきっと私自身を褒めるためにあるんじゃないか

 

 

 

そう幼い頃に錯覚してしまった事があった程私はよく褒められる子だった

 

 

 

でも、大人は口先ではそう言っても心の中では蔑んでいる事も多かった事を知ることになってしまったのもまた幼い時だった

 

 

 

 

「心理ちゃんは可愛いね」

""純粋無垢で馬鹿な子""

 

""どうせ大人になるに連れて大衆に埋もれるに決まってる""

 

""親の七光りでここまでやってこれてる""

 

 

 

 

相手が口で発した言葉が私の鼓膜を揺らすよりも先に個性の影響で直接頭に相手の意思が流れ込むこともあった

 

 

 

「賢いね」

 

 

""ガキのくせに小賢しい""

 

 

 

 

「偉いね」

 

 

""偉そうで鼻に着く態度だ""

 

 

 

 

「美人さんね」

 

 

""まるで作り物みたいで気持ち悪い""

 

 

 

 

「綺麗だね」

 

 

""芸能人としてちやほやされるには微妙だな""

 

 

 

 

 

 

頭が割れそうだった

 

 

 

酷い感情の濁流に飲まれもう2度と戻って来れないと感じた

 

 

 

憎悪に体の内側から汚染されていくような感覚だった

 

 

 

相反する感情が渦巻く心の中

 

 

 

でも、決して皆、誰であろうと知ることができないと信じて

 

 

 

私も周りと同じように嘘を吐いた

 

 

 

 

そう言った方が耳障りがいいから

 

 

 

そう言うことにしておけば当たり障りがないから

 

 

 

 

そんなつまらない何よりも大事な理由で吐いた嘘はまるで汚染されてとごった水は流れないのと同じように私の心に溜まっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

個性が発言した頃は何度も高熱を出し、食道が荒れるほど胃の中のものを口から戻し続けた

 

 

 

 

個性が体に対して強力過ぎた

 

 

 

 

もちろんその理由が大半だったが、関わる人全てから必ず少しは感じる負の感情に当てられて気持ち悪くなる事も決して少なくなかった

 

 

 

 

 

 

 

何度も狂いそうだった

 

 

 

 

 

 

 

 

いつだって頭に満ちているのは自分以外の知りたくない数々の情報

 

 

 

 

 

 

 

だが、もし、このまま狂えばどうなる?

 

 

 

3歳の頃から芸能活動を始め、2年経って個性が発現した現在5歳、芸能界が自分の世界だと、どれほど周りに疎まれても、妬まれても、多くの羨望の眼差しと重たい期待を背負ってきた

 

 

 

 

ここで止めれば自分の背中をせせら嗤い、私の立ち位置を奪う奴がいる事が自分にはどうしても許容できなかった

 

 

 

 

 

 

年の近い子供はまだいい、ここがどう言う場所かよくわからないまま周りに言われたまま動かされるそんな純粋な存在、心の中と言う事が矛盾している事は殆どなく害が限りなく少ない相手

 

 

でも、その親や周りの人間は違う

 

 

自分の子供が一番可愛い、親がそう考えるのは至って普通の事だ

 

 

そして、その可愛さを周りに知って欲しいのもわかる

 

 

そして、その為には一際目立つ可愛い私はただの目の上のたんこぶだ

 

 

切除できるなら少々荒技も厭わない、そう思ってる狡猾な思惑が筒抜けで恐ろしかったし、鬱陶しかった

 

 

 

 

 

だから、私に清らかな期待と憧れを抱いてくれている人達の為に

 

 

 

私に醜い憎悪を抱く人達を素知らぬふりして踏み潰す為に

 

 

 

 

 

 

私は輝かしい舞台に意地でも立ち続けた

 

 

 

 

 

 

ある時、センターを私が取った写真を撮った時にサブの方となってしまった子の両親が視線だけで殺せそうなほど私の事を睨んできた事があった

 

 

 

どれだけ苦しくてもこの場を誰かに譲る気は無い、そう決めていたが、自分の横にいるこの子は両親に望まれてこの仕事をしていて、しかも自分もこの仕事が好きなんだ

 

 

 

その事を無駄に流れ込み続ける情報の中で知り、心の底から羨ましくなってしまった

 

 

 

 

 

自分は父親からは生まれて欲しくないと望まれ、母親は別れた父親との繋がりだと思うと、堕ろすに堕ろせなくなった世間から隠された子供

 

 

 

 

そんな自分とは違う、明るい存在

 

 

 

 

 

その子に罪や悪気があるわけじゃない

 

 

だが、私が嫌いになる理由としては十分すぎた

 

 

膨大な量が取り込まれ続ける情報の中からカメラマンが撮りたいショットを頑張って読み取り、その撮影中、私は一度もフレームアウトする事なく終わった

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

幼くして、人生の酸いも甘いも経験し過ぎてる上に、日々取り込み続けていた情報量を意識的に減少方向に持っていけていけるようになってきていた時だった

 

 

偶然オールマイトが自分の撮影しているスタジオがある局にいる事を人から情報を読み取って知った

 

 

 

オールマイト、誰だってしってるNo. 1ヒーロー

 

 

 

そして、よく、ママの記憶の中にいる人

 

 

ママに優しく笑いかけ、甘やかな時間を過ごし、冷酷に別れを告げた酷い人

 

 

オールマイトと過ごした時間が楽しかった分だけ、別れが辛かった記憶はママの暗い記憶としてよく読み取っていた

 

 

ただ、人越しに人を読み取る能力はまだ未発達で、ママの弱い個性で読み取ったものをそのまま読むのが幼い当時の限界だった

 

"一緒に居られない"

 

"守りきれない"

 

"後悔"

 

"懺悔"

 

 

 

 

そして、そんな事を思っているくせに強く感じる""愛している""という思い

 

 

 

 

そのせいで嫌いになれなかったママを愚かだと言い切るには冷徹さが足りなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もし、直接オールマイトに会うことができれば

 

 

 

 

私は私が生まれた意味の正解を知ることができるのだろうか

 

 

 

 

そう考え始めたら、止まらなかった

 

 

 

 

使い過ぎたら頭が痛くなって、熱が出てしまうことくらい分かっていた、それでもこの広いビルの何処かには必ずいる

 

 

 

 

個性を使って走り回れば、私なら絶対に会える

 

 

 

 

そう確信した私は、自分の撮影を全力で巻いてすぐさま終わらし、なるべく偉くてオールマイトの居場所を知ってそうな人と手当たり次第に握手をして目を合わせて情報をわざと大量に読み取った

 

 

 

欲しいものだけ読み取る能力があれば良かったが、大雑把な量の調節しかできなかった私は相手の頭から必要なものを取り残してしまわないように沢山取り入れた

 

 

 

その瞬間、身体の内側でけたたましく警鐘が鳴るが無視をして走り出した

 

 

 

 

場所は最上階

 

一番広いスタジオで収録

 

放送時間はゴールデンタイム

 

内容はエンデヴァーとの対談

 

収録時間は不明

 

 

 

 

 

廊下ですれ違う人全ての声を大きくなってくる体内の警鐘を無視するのと同じように無視してエレベーターに乗り込んだ

 

 

 

収録現場は関係者以外立ち入り禁止だが、それくらいどうにかしてやる

 

 

それに、もし止められたとしても

 

 

 

 

エンデヴァーが憧れのヒーローでどうしても会いたい

 

 

 

 

そう幼い子供が強請れば通して貰える

 

 

 

私は脳内で何パターンもの作戦を組み立てながら上へと向かい、収録スタジオがあるフロアに着く頃には心を決めた

 




大変お久しぶりです。
リアルが忙しいのと、どうしても話が纏まらないのダブルコンボで大分更新できていませんでした。
今回の過去話は何部かに分けての投稿になる予定です。
ただ、現在の方との折り合いもあるため、どう言う順で投稿できるかは正直作者にも分かってないです。申し訳ございません。


後ただの自分の話なんですが、ハールメンの機能使いこなせないのがすっごい悔しいです、はい
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