相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い   作:赤いティントリップ (活動停止中)

8 / 50
第8話

「本当に行かないといけ無いですかね…」

 

昼休みが終わりかける頃、机に座ったまま、自分の周りをグルリと囲むクラスメイトに対して、顔を痙攣らせつつ駄目元で聞いてみる

 

「行くに決まってるでしょ!」

「そうよ!普通科代表として行くべきよ!!」

「心理、宣戦布告に行こう」

 

なんでも、あの敵襲撃を受けたA組の敵情視察に行きたいのだが、自分達個々では不安な為、最高戦力となる私を連れて行きたいみたいなのだが、生憎私はヒーロー科なんぞ、どうでもいい

 

当日は祖父母が孫の運動会と楽しみにしてくれているので、それなりには頑張るつもりだが、ヒーロー科に編入したいわけではないし、勝手にしてくれって感じだ

 

「お願いだってー、ねー、付いてきてよー、そんでもって相手を煽りに行こうよー」

「宣戦布告しに行こう」

「俺は勝ち負けはどうでもいいから、A組がどんな奴が見たいから、何かあった時用に来て欲しい」

「私も興味本位だから、何かあった時対処してくれる心理についてきて欲しい」

 

これは行くって言うまで煩いやつですね、はい

 

「分かったよ、しょうがないからついてってあげる、だけど、やるからには全力で煽るよ、分かってるよね、人使」

 

何気にずっと正面に立ち、不穏なことばかり言ってる心操に向けてそう言うと、力強く頷くので、放課後の敵情視察は決定した

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは、ガタイのいい生徒の波簡単に突破できないように軽くスクラムみたいなの組もうか、興味本位の人はそれの外側、本気の人はそれの内側に居てね、で、人使、君が特攻隊長だよ、頑張ってね」

 

気付いたらC組だけでなく、普通科の全クラスとB組まで居たので、指示を出してA組の前を埋めるのだが、普通科の人達は全体的に交流があるので、素直に従ってくれるのだが、B組の人達は眉を潜めて何故普通科の女子に従わないといけないのかと不満げだ

 

そして、案の定金髪の奴がアハハハハハッと笑いながら馬鹿にするようにこっちに来た

 

「あれあれあれ〜?どうして普通科の女子なんかがここを取り仕切ってるのかなー?」

「あらあらあら!これはこれはB組の物間君じゃないですか!!すみませんねぇ!貴方達B組に宣戦布告しに行く人員を割けなくて!!A組だけで手一杯なんですよ!!」

 

思いっきり煽る口調で出会い頭にそんなことを言われたので、素早く個性で名前や個性だけでなく、感情まで読み取り、全力で煽る言葉を返す

 

「へぇー?!言ってくれるじゃないですかぁー?!」

 

煽り文句の効果は覿面で、物間くんはもちろんだが、彼の後ろに付いてきているB組からも敵意の篭った視線をもらう

 

「ちょっと、その言い方は無いんじゃないの」

 

すぐ後ろにいた女子がそう言ってきたので、彼女の方を向き、グッと笑みを深める

 

「あら?どうしてですか?拳藤さん、実際よく話題に上がるのはA組で、注目度は比べるまでもないでしょう?」

 

なるべく嫌な奴っぽく見えるように身振り手振りも付けて煽る

 

「あ゛あ゛!?例えそうでも体育祭で活躍するのは俺達B組だ!」

 

嫌そうに顔を歪めた拳藤さんと、冷たい表情をする物間を押しのけて勢いよく、そう言いながら1人の男子が出てくる

 

「へぇ!その心意気いいね!鉄哲くん!何処かの誰かのように折角の宣戦布告の用意に口出しできたり、煽りに対して、怒るだけの人達と違って好感持てるよ!って事で君は内側、他の人らは下がってよっか」

 

鉄哲だけ腕を掴み引っ張り寄せると、普通科の人達が私の言葉に合わせて、他のB組をスクラムの外に押し出した

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ!?なんだよこれ!!」

 

 

爆豪くんが扉を開けるなり、上鳴くんがとてもいいリアクションをくれる

 

 

「おい、テメェ、どういう事だ陰湿女」

「クソモブインキャ女から変わってるじゃん」

「黙れヒョロノッポ」

「また変える、他にはどんな呼び方があるのかな?」

「………オーr」

 

禁断の言葉を口にしようとしていた爆豪くんの顔の頬をかするようにハイスピードで拳をつきだした

 

唐突な行動に、皆ギョッとしたように私のことを見てくるが、気にしてる場合では無い

 

「ねえ、今、なんて言おうとした?」

「………」

 

耳に口を寄せて聴くが、顰めっ面で爆豪は口を閉じたままだ

 

「まあ、分かってるだけどね、あなたの考えくらい、まあ、言いたきゃあ言えば良いわ、社会的にその事が公になって一番困るのは、あなたが尊敬するアレだけよ」

 

 

そう言われてしまったら爆豪には反抗できない

 

爆豪は大人しく黙り込んだ

 

 

「うん、それで良いんだよ」

「黙れインキャ女」

「人の名前もロクに呼べない人に黙れと言われても、むーり」

 

 

語尾にハートでもつきそうなイントネーションでそう言うと、複雑そうな表情を向けられる

 

 

「まあ、こんな余計な話はとりあえず置いといて…」

「お前が始めたんだろ」

「ははっ、で、本題なんだけどね、宣戦布告と敵情視察をしに来たんだ、ここにいる皆はね、皆がA組を引き摺り下ろす気満々なんだ」

 

 

軽く両手を広げ、自分の背後にいる人達を見せる

 

 

「と言っても、私はヒーローになりたくは無いからどうでも良いんだけどね」

 

 

そう快活に言いながら遠慮なくA組に入り、扉のすぐ近くでワタワタしていた緑谷くんの腕をガッシリと掴む

 

 

「飯田くん、麗日さん、今日は緑谷くん私と帰るから先帰ってて」

 

 

近くにいた2人にそう伝えて、緑谷の事を引きずって教室を出る

 

そのまま人使の横を通り過ぎようとしたら腕を掴まれた

 

 

「おい、何してる」

「場は整えてあげてんだから早く宣戦布告したら?私はちょっと緑谷くんとオハナシがあるから、じゃ」

 

 

腕を外させて、人波を割り、私は緑谷くんとその場を離脱した




この後、困惑しながらも言うと決めていた事を律儀に煽りながら伝える心操と勢いで喧嘩を売りに行くテツ
その辺は原作通りでいて欲しいからわざわざ書きませんでした


修正のお知らせ
自己紹介の時にお互いに名前呼びにしたくせにシレッと心理と人使がお互いの事を苗字で呼んでいたので、少し直しました
内容に変更はございません
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。