相手をねじ伏せる方法は何も腕力だけじゃ無い 作:赤いティントリップ (活動停止中)
「緑谷くん、急に手を引っ張ってきちゃってごめんね」
「ぜっ、ぜぜっ…ぜ、全然大丈夫、だよ」
読解さんに手を握られ、そのまま人気のない校舎裏まで連れてこられて、正直少し怖い
「うん、全くもって大丈夫そうじゃないけど、気にしないことにするね、あのさ、前にどうして目を隠しているのかって聞いてきたじゃん?」
「僕なんかが読解さんに質問してすみません」
「いや、別にそんなことで咎めたりはしないんだけどさ、あれもう一つ理由があって、それ他の人にノリとテンションだけでバラしたから緑谷くんにも教えてあげようと思って」
ニコニコと口角を上げながらそう言った彼女はクルリと周りを見渡したかと思うと、髪にさしていたピン留をどんどん取っていく、正直そんなにどこに刺さってたんだろう、と言う数あり、全てを外しきると、彼女は髪に手をかけ、するりと持ち上げた
すると、綺麗な金髪が流れ落ちた
「……えっ?」
顔の大半を覆っていた大きめのメガネを外すと、画面の中で活躍する、僕なんかとは住む世界の違う女の子の顔が晒された
「実はこの顔を隠す為でもあるんだよね、あの髪型は、どう?驚いたでしょ?」
「う、うん、とっても驚いたよ、まさかあの理里ちゃんだったとは、でも確かに言われてみれば前に見た顔確かに理里ちゃんだったし、それに芸能人が顔を隠して生活するのは当たり前だよね、素性がバレるだけでパニックになりそうだし、と言うか、理里ちゃんが雄英にいるって事は、一時テレビを賑わせていた雄英に行けば心理ちゃんに会えると言うのは本当だったんだ…」
「長いから一回ストップね、でさ、緑谷くん、そんなにNo. 1のウキペディアみたいな知識がある緑谷君なら何かに気付けない?ついでに私の母親はこの学校の普通科出身でーす」
金色の髪の毛をさらっとさせながらそう聞いてくる
それだけで、なんだかいい匂いが鼻をくすぐり、思わず赤面するが、彼女のことを見ながらオールマイトと同じ色をした髪や目を見て考えると、一つの可能性に気付いた
「………っ!?も、ももも、もしかしてっ!?いや、でも、女優の心音さんは妊娠で休んで……いや、精神的ショックって言って半年程の休養を取ってた……けど、その休みを取る前もお腹は膨らんでなかったし、いや、でも、腹筋がある人とかなら、4ヶ月と少しくらいなら誤魔化せるかのか?でも彼女今だにお腹を出すほどで、妊娠線は特になかったし、それに何よりオールマイトのことをいくら調べても子供がいるなんて、いやでも2人は付き合ってたんだし、できちゃう事くらいありえる……ってなったらやっぱり…」
「そろそろ長いから話切るねー、まあ、そういうことだから、で、しかも私はアレに最近まで認知されてなかったの、母親の周りの人に聞いて少し探偵でも雇えば分かることなのに」
昏い瞳でそう言う彼女は怒りが前面に推し出た、でもどこか悲しそうな、辛そうなそんな顔をしている
「まあ、私にはアレがいなくても大切な家族が何人もいるからどうでもいいんだけどね」
本当にオールマイトの事をどうでも良さそうに軽く笑って彼女はそう言う
「よし、じゃあもう帰ろっか、私と一緒に帰るって言って手を引っ張ってきたけど、本当に私と一緒に帰るのでいい?」
聞きながら手早くウイッグを付け直している
「も、もちろんいいよ!むっ、むむむ寧ろ、僕なんかと一緒に帰ってくれるの?」
「うん、全然いいよ、というか、前も帰ったよね」
「そ、そそうだね」
「よし、じゃあ帰ろう」
「う、うん!」
彼女とそれぞれの授業での事を話しながら帰るのは楽しかった