オリ主が茨木童子になって鬼滅の世界にGOする話   作:鉢巻

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茨木童子になっちゃった

拝啓 父上、母上、元気にお過ごしでしょうか。上京してはや三年、辛い事もありましたが、何とか乗り越えて今までやってこれました。でも、今回はどうもダメそうです。だって…

 

「茨木童子になっちゃったもん。吾」

 

涙ぐみながら山の中でぼやく俺(茨木童子)。どうしてこんな事になってしまったのだろうか。訳が分からなくなって、この後一時間くらい泣いた。

 

 

「フゥー、スッとしたぜ。吾はちと荒っぽい性格でな〜、混乱してトチ狂いそうになると泣き喚いて頭を冷静にする事にしているのだ」

 

ウン、イバラギンボイスカワイイ!

声までFGOで聴いたそのまんま。角もしっかり生えてるし、どうも逃れようがないらしい。

待てよ、姿は茨木童子だけど、力とかはどうなってんだろう。そこまで同じだと流石にテンション上がっちゃいそうだ。

 

大木にパンチ!小枝のように簡単にへし折れた!

50メートル(目測)走!一秒もかからなかった!すっげぇや!

思いっきりジャンプ!うわぁ二つ向こうの山が見える!お星様が綺麗だなぁ。

 

ーーうん、茨木童子ですわ、俺。

テンション上がるかと思ったけど、そうでもないわ。てか怖いわ。自分が怖い。

ちなみに霊体化はできなかった。という事は受肉してるって事か。魔力切れで消えてしまうなんて事はなさそうだから、そこは安心した。あと骨刀。イバラギンが持ってるあのでかいやつ。何か念じたら出た。刃物怖いから消えろと念じたら消えた。武器は霊体化できるのね。

さて、問題はこれからどうするかという事だ。ここは見知らぬ山の中、道なんか分かるはずもないし…

そうだ、さっきみたいにジャンプして町を探してみよう。町に行けばこの世界について分かる事があるかもしれないし。

そう思って両脚に力を込めた時、何かの足音が聞こえた。

 

(な、何だ?まさか、熊とかじゃないだろうな)

 

まあ、熊が出てきたところで、茨木童子の力があれば問題無い訳だが。

そして姿を現したのは…

 

「気配がすると思って来てみたら、同類かよ。ここは俺様の縄張りだ。荒らす奴は、誰だろうとぶっ殺す!」

 

死人みたいに白い肌+血走った眼+額から生えた角。明らかに人間じゃないですねありがとうございます!しかも交渉の余地無しときた!

 

「死ねぇ!」

 

化物が拳を振りかぶり、飛びかかってくる。慌てて横に飛び退いて攻撃を回避ーードゴォン!ーーん?何今の音?目を向けると、地面が小さなクレーターのようにへこんでいた。

 

(力、強っ!)

 

間髪入れず化物が向かってくる。体勢を立て直す前に、化物は眼前に迫っていた。

 

「うわぁーーー⁉︎」

 

こっちにくるな、と虫を払うかのように腕を振り回す。その内の一発が化物の脇腹に当たった、次の瞬間。

 

「ぐべらぁ⁉︎」

 

化物が吹き飛んだ。文字通りに、だ。化物は頭から木にぶつかり、ぐちゃり、と嫌な音が山に響く。

…やってしまった。不可抗力とはいえ、殺してしまった。でも、向こうも俺を殺そうとしてたし、正当防衛…いや、そういう問題じゃないか。

 

「てめぇ…やってくれるじゃねぇか」

 

え、嘘。この声…いやでもさっき頭潰れて…

 

「決めたぞ。てめぇも潰して、肉団子にして喰ってやる!」

 

生きてるの⁉︎頭潰れたのに⁉︎不死身なの⁉︎何この世界⁉︎

しかも何か腕ムキムキになってるし!ヤバそうな気配プンプンするんですけど⁉︎

狼狽する俺を横目に再び化物が跳躍する。丸太みたいに太い腕。あの攻撃を受ければいくら茨木童子の体とはいえただでは済まないだろう。

こうなったら、と俺は手元に骨刀を出現させる。

 

(頭と体を切り離す。そうすれば、しばらくは時間を稼げるだろう。頭が潰れても治るくらいなら、それくらい大丈夫なはず!)

 

迫る化物を見据えーー今!

ザンッ、と俺(茨木童子)の骨刀は容易く化物の首を切断した。

 

「よしっ!」

 

切り飛ばした化物の首を見る。うんグロい。でもどうせすぐに治ってーー

 

「ちくしょう!てめぇ、何だその刀は⁉︎体が再生できなーー」

 

そこまで言うと、化物は灰のように崩れて消えていった。

 

(……死んだんですけどーーー⁉︎)

 

わ、訳が分からない。

精神力が限界を迎え、俺の意識は途切れた。

 

 

「む…朝、か」

 

日の光で目を覚ます。自分の体を確認してみるが、変化はない。茨木童子のままだ。

 

「これからどうするか…」

 

寝起きの頭で考える。まずは町に行く。できるだけ早く、だ。昨日みたいに化物に襲われないように。そこから情報収集だ。この世界の事早く知らなければ。

…何でこんな事になったか分からないままだが、悩んでばかりいても仕方ない。こういう時は切り替えが大事なのだ。そうと決まれば、

 

「吾の名は茨木童子。大江山の鬼の首魁よ。此度はこの異界にて、吾の名を轟かせて見せよう!クク、クハハハーーーッ!」

 

……………うん、恥ずかしいな!声はイバラギンだけど元の俺が言ってると思うとゾッとするわ!カラスも鳴いて馬鹿にしてるっぽいし!

 

こうして俺(茨木童子)の物語が幕を開けた。これから先、鬼が出るか蛇が出るか。気合!入れて!行きます!

 

「……あ、鬼は吾か」




閲覧ありがとうございます!
何番煎じか分かりませんが、楽しんで頂ければ幸いです。
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