オリ主が茨木童子になって鬼滅の世界にGOする話   作:鉢巻

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煉獄の屋敷にて弐

はいどうも、茨木童子(偽)だよ。

上弦の参、猗窩座との戦いから三日が経った。

あの後は色々と大変だった。蝶屋敷で応急的な治療を受けた後、俺を待っていたのは事情聴取の嵐だった。

猗窩座の姿、能力、強さ、分かる限りの事を全て聞き出された。そして俺自身に起きた変化の事も。流石に、霊基の再臨がどうのこうのと説明するわけにもいかないので、感情が昂ったらこうなってた、壁的な物を越えた感覚がして、そしたら力がみるみる湧いてきた、と適当な理由を付けて誤魔化した。まあ実際その通りだったしな。

傷の方は一日でほぼ完治した。心なしか、以前より回復力が上がっている気がする。これも霊基再臨のおかげだろうか。

ここまでで二日。そして三日目の今日、胡蝶さんの所で体を調べられていた俺に、ある人物から呼び出しがかかった。

それがなんと、煉獄さんのパパ上である。

 

(……やっべぇ超怖い‼︎)※変化中

 

という訳で、煉獄家の客間で正座で待機中の俺である。

煉獄さんパパ、槇寿郎さんと俺の関係は、決して良いものであったとは言えない。

もちろん俺の方は何も悪い事はしていないつもりなのだが、顔を合わせればいつも憎まれ口を叩かれていたし、何より槇寿郎さんは、俺が鬼だという事に初めから気付いていたようなのだ。

実は一度その事を指摘された事があったのだが、その時はたまたま持って行っていたプリンのおかげで難を逃れられていた。

 

(今日呼び出されたのって…やっぱり、煉獄さんの事だよな……)

 

と、言うのもだ。あの戦いの後、なんと煉獄さんが柱を辞める事になってしまったのだ。

どうも、猗窩座から受けた怪我が呼吸器官に影響を及ぼしてしまっているようで、『全集中の呼吸』が使えなくなってしまっているのだ。時間を掛ければ治る可能性はあるようなのだが、どうも一年やそこらの話にはならないらしい。それで煉獄さんは、第一線から退き、治療をしつつ後進の育成を行うようにする、との事だ。

俺が今日呼び出されたのは、その事についての責任追及、いや、もしかしたら刀を持ち出してきて即斬首、という事もありえるかもしれない。これは、腹を括らねば。

 

「…何をそんなにびくついておるのだ」

 

「ほへぁッ⁉︎」

 

か、完全に不意を突かれた。心臓に悪いですよ、槇寿郎さん。

 

「その姿、本来のものではないのだろう。気を張る必要はない。楽にしてくれ」

 

刀は持ってきていない。ならば殺されるという事はないのだろうか。

とりあえず、槇寿郎さんの言葉の通り変化を解く。第二再臨の姿だと髪が燃えて危ないので、第一再臨の姿で、だ。

 

「ふむ、面妖だな」

 

そう言って槇寿郎さんは俺の前に座り込む。

 

「まずは、今日ここに来て貰った事についてだが…」

 

早速きました。さて、何を言われるだろうか。

 

「……息子の命を救ってくれた事、それについて礼を言いたかった」

 

………はい?

え、お礼?いや、あなたそういうキャラじゃなかったよね?

 

「…夢を見てな。先の戦いで、杏寿郎が死んでしまう夢だ」

 

槇寿郎さん曰く、猗窩座との戦いの時、俺はその場におらず、死闘の末煉獄さんが命を落としてしまう。そんな夢を見たそうだ。

 

「莫迦らしい話かもしれんが、私にはどうも現実味のある夢に感じてな。そこに、あの知らせが舞い込んできた」

 

槇寿郎さんの言う知らせとは、無限列車での一件の事だ。

 

「夢が現実になってしまった。私の見てない所で、また大切な物を失ってしまった。そう考えると、胸が苦しくなって仕方なかった」

 

だが、と槇寿郎さんは言葉を続ける。

 

「実際は違った。君が、杏寿郎を助けてくれた。煉獄家を代表して、心より感謝の意を示す。本当に…ありがとう」

 

槇寿郎さんはそう言うと、俺に向かって深々と頭を下げた。鬼の姿をしている俺に対して、だ。

 

「…礼など言われる覚えはない。現に煉獄…杏寿郎も、無事とはいかなかったのだからな。呼吸の技が使えなくなってしまった。それについては、戦いに出遅れてしまった吾に責任がある」

 

「なに、上弦を相手に命があっただけでも重畳という物。君がその事を負い目に感じる必要はない。重ね重ねになるが、本当にありがとう」

 

…なんだか、予想していた事態と違い過ぎて言葉に困る。

 

「礼と言ってはなんだが、もし私にできる事があれば、いつでも連絡をよこしてくれ。その時には、必ず君の力になろう」

 

おおう、またしても予想外のお言葉。ここまでされると、逆に怖いくらいなんだけど…

 

「…そうだ。早速で悪いが、一つ教えて欲しい事がある。もっとも、もし分かればという話なのだが…」

 

構わない、槇寿郎さんは頷く。

 

「槇寿郎殿は、ヒノカミ神楽という言葉に聞き覚えはあるか?」

 

「ヒノカミ神楽?いや、初耳だな。それがどうかしたのか?」

 

俺は事の経緯を説明する。煉獄さんは知らないと言っていたが、代々炎柱で担い、技について探求してきたこの人なら、何か知っているかもしれない。そんな期待を込めて。

 

「…もしやそれは、『日の呼吸』の事か?」

 

俺が説明の中で、炭治郎が日の模様の耳飾りを付けている、と言った所で、槇寿郎さんが口を挟む。

 

「日の呼吸?それは何だ、ヒノカミ神楽と関係があるのか?」

 

「おそらくだがヒノカミ神楽の本来の名称が日の呼吸なのだろう。その耳飾りについて、歴代炎柱の書に書いてあった。書いてあったのだが…」

 

そこまで言うと、槇寿郎さんは後ろめたそうに言葉を詰まらせた。どうしたのだろうか?

 

「い、いや、何でもない。ともかく、それについては私と千寿郎で調べておこう。何か分かれば、すぐに竈門君に鎹鴉を送るよ。任せておきたまえ」

 

…何か隠してる風だな。まあ深くは聞かないけど。

 

「では、日の呼吸について今分かる事だけでも教えてくれぬか?」

 

その言葉に槇寿郎さんは「ぐっ」と顔をしかめるも、渋々と言った様子で口を開いた。

 

「…始まりの呼吸、一番最初に生まれた呼吸、最強の御技。それが日の呼吸だ」

 

始まりの呼吸?なんだか想像以上にすごい言葉が出てきたな。

 

「そして、他の全ての呼吸は日の呼吸の派生に過ぎない。猿真似し、劣化した贋作だ」

 

「贋作?なぜそうなるのだ?」

 

「なぜって…日の呼吸が使えないが故に派生した物だぞ。贋作と言わず何というのだ」

 

なるほど、そういう事か。でも、

 

「贋作が本物を上回る事もあるだろう?できないから派生したのではなく、己の戦い方に合う形に派生したのではないのか?」

 

煉獄さんから学んだ教え。それで俺はあの時、壁を越える事ができた。きっとこの人達の祖先だって、そうだったに違いない。

すると槇寿郎さんはキョトンとした顔をし、その後、

 

「ぷっはははははは!」

 

突然笑い始めた。なぜだろう。何かおかしな事を言ってしまっただろうか。

 

「いや、君は面白い子だな。鬼でなければ、杏寿郎の嫁に欲しい所だ」

 

それは前にもないって言ったよね?セクハラで訴えますよ。

そうして、俺は客間を後にした。流石にこれ以上お世話になる訳にもいかない。預けていた荷物を纏め、門の方へと歩いて行く。

 

「茨木さん!」

 

声を掛けてきたのは、千寿郎君だった。

 

「また、いつでも来て下さい。待ってますから!」

 

心なしか顔が赤いのは、走って来たせいだろうか。千寿郎君に手を振り、俺は門の外へと踏み出した。

 

「もういいのか」

 

…気配を消さないで下さいよ。

声の方へ顔を向けると、水柱の冨岡さんが目に入った。

 

「うむ、待たせてしまってすまなかった」

 

「気にするな。他に行く所はあるのか?」

 

「ああ、少し向こうの茶屋に寄りたい。煉獄達の見舞いの品を買おうと思ってな」

 

そうか、と言うと冨岡さんは黙って歩き始めた。前の柱合会議の時もそうだったけど、この人無口なんだよな。何を考えているかイマイチ分からないし…

 

「…」

 

冨岡さんが足を止めてこちらを見てくる。なんだろう、ちゃんと変化はしてるし、おかしな所はないよな?

 

「いや、なんでもない。行こう」

 

…本当になんなのだろうか?

ちなみに、茶屋に寄った時、冨岡さんはおはぎを買っていた。何でもこの後、不死川さんと稽古をするので、その時にあげるとの事。なんだ、結構いい人なんだな、この人。

 

 

「御報告に参りました、無惨様」

 

とある屋敷、猗窩座は書物を前にする少年を前に跪く。

 

「例の物は見つけたのか?」

 

少年の眼球が赤く変色する。そして猗窩座は少年の問いに対し、答えを返した。

一通り報告を聞き終え、少年ーーー無惨が口を開く。

 

「で?あの場にいた鬼狩りを一人も始末出来なかったようだが、それはどう説明するのだ」

 

「影牢を倒した鬼、茨木童子という者に邪魔をされました。次に会った時には、必ず仕留めて見せます」

 

「邪魔、だと?」

 

無惨が眼球を見開く。すると猗窩座の体に血管のような模様が現れ、血が吹き出してきた。

 

「違うな猗窩座。お前は私の命令よりも、自身の闘争欲を優先したのだ。それがこの結果だろう。違うのか?」

 

猗窩座は沈黙を保つ。もしここで口を開いていたら、すぐさま無惨に殺されていただろう。

 

「お前には失望した。上弦の参も堕ちたものだな。下がれ」

 

猗窩座が姿を消す。誰もいなくなった部屋で、無惨は再び書物に手を伸ばす。

 

(茨木童子…貴様は一体何者だ?)

 

自分の血で鬼と化した者ではない、別の存在。もしかしたら、彼女が太陽を克服する鍵となり得るかもしれない。

 

(見つけ次第死なない程度に痛めつけ、捕獲するよう、他の上弦に命じておくか)

 

猗窩座ではダメだ。奴では遭遇した途端に殺し合いになる。そう考えた無惨は、猗窩座を除いた上弦に指令を飛ばす。

当然、茨木童子はこの事を知らない。自身の知らぬ所で、この世界の鬼の首魁に目をつけられた事を。茨木童子は、知る由もない。

 

▼おまけ 蝶屋敷での出来事

 

「じゃあな、俺はここまでだ」

 

「うむ。ではな、冨岡。…さて、まずは炭治郎の見舞い…に?」

 

「刀を失くすとはどういう料簡だ貴様ァアアアア‼︎万死に値する…万死に値するゥ‼︎」

 

「すみませんすみません‼︎もう本当にごめんなさい‼︎」

 

「何だあのひょっとこお面は⁉︎貴様!炭治郎に何をしておる!」

 

「黙れェ!関係ないガキが口を挟む…な…」

 

「な、何だ。急に黙りおって」

 

「…ハッ、茨木!もしかして君、みたらし団子を持っているのか⁉︎」

 

「あ、ああ。汝への見舞いにと思い、女将の所で買ってきたのだ。それがどうかしたのか?」

 

「俺はいいから、そこの鋼鐵塚さんに渡してくれ!鋼鐵塚さんはみたらし団子が大好物なんだ!」

 

「し、しかしこれは汝への「いいからお願い!」ええい分かったわ!ほれひょっとこお面!鬼ヶ島の女将特製みたらし団子だぞ!」

 

「炭治郎貴様ァ!人を物で釣ろうとはどういう料簡だァ‼︎性根まで腐り切ったかァ‼︎」

 

「ごもっともです‼︎ごめんなさい‼︎」

 

「な、なんだか知らんが、吾はもう行くぞ、っておい!団子は持って行くのか⁉︎物で人を釣るなとか言ってなかったか汝⁉︎」




閲覧ありがとうございます!
Q. 猗窩座から負った怪我が呼吸器官に影響したって、どう影響したの?具体的には?A.細かい事以下略
もう少し日常回は続きます。次回は炭治郎達との絡みをメインにする予定です。それではまた次回!
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