オリ主が茨木童子になって鬼滅の世界にGOする話   作:鉢巻

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胡蝶の屋敷にて参

ご機嫌よう、茨木童子(嘘)だ。

珠世さんの所で治療を終えた俺は今、胡蝶さんの屋敷へ戻る為の帰路を辿っている。

とは言っても、完全回復した訳では無い。今は杖を使ってなんとか歩いている状態だし、おまけに『変化』のスキルがうまく発動しなくなってしまっているのだ。一時的に姿を変える事はできるのだが、今までのように長時間変化を維持する事ができない。体力が戻れば、元通りになる気はするのだが…

なので今は、愈史郎君の血鬼術で作った札を使い、姿を変えている。あの子、当たりは強いけど根はいい子なんだよな。

ーーーなどと考えている内に、蝶屋敷が見えてきた。いやー、ようやく着いたぜ。…うん、着いたんだけれども、

 

「吾、どうなるんだろうな………」

 

任務中に独断で突っ走って敵に捕まえられた挙句、そのまま二ヶ月もの間失踪。とりあえず、俺の信頼度が一気に地に落ちた事は間違い無いだろう。数時間後、俺の首が繋がっているかどうかも危ういかもしれない。

かと言って他に行く宛も無いし、珠世さんの所でいつまでも世話になる訳にもいかない。…愈史郎君の目も怖いし。

 

「…そうだ、茶屋の女将の所で匿ってもらうか。吾とて心の準備は必要だ。さて、今日の所は出直し「茨木さん?」ふひゅぅー…」

 

この声は間違い無い、胡蝶さんだ。さて、振り向いた瞬間まず最初に何が飛んでくる?拳か?毒か?うん、毒だな。『仕切り直し』がうまく発動してくれればいいが…

 

「こ、胡蝶よ。久し「一体何処をほっつき歩いてたんですか⁉︎」ひぅ…」

 

やばいやばいやばいやばい!やっぱり滅茶苦茶怒ってる!

ーーーと、思っていたら、

 

「本当に…心配したんですよ……無事で…良かった…!」

 

震える声。胡蝶さんの目には、微かに涙が浮かんでいるように見えた。

 

(…あれ?何か思ってた反応と違うんですけど?)

 

 

それから俺は、蝶屋敷の居間へと連れてこられていた。ちなみに、事情を説明して変化は解いている。

居間にいるのは俺と胡蝶さん。そして、偶然炭治郎達の様子を見にきていたという煉獄さんがいる。後から宇髄さんも来るらしい。

 

「何はともあれ、無事で良かった!しかしこの二ヶ月は少々口が寂しかったぞ!君の作った甘味が食べられなかったからな!ハハハハハハッゴホッ、ゴホッ」

 

無理はしないで下さいよ煉獄さん。後俺の作ったプリンそんなに気に入ってくれてたんですか。

 

「煉獄さん、肺に負荷が掛かるので、あまり大きな声は出さないで下さい」

 

「うむ!失敬!」

 

うむ、って言ってるけど絶対分かってないよね、この人。胡蝶さんもため息ついちゃってるし。

 

「…こんな事を言うのはなんだが、結構心配してくれてたのだな。吾はてっきり、戻り次第吊し上げにされる物とばかり…」

 

「そりゃあ上弦の陸の奴が自慢げに宣ってやがったからな。派手な厄介事に巻き込まれたのは分かってた、って訳よ」

 

この声は宇髄さん!重傷だったって聞いてたけど、無事だっ…た……

 

「う、宇髄…その体は……」

 

左眼に眼帯、おそらく傷を負って見えなくなってしまっているのだろう。そして着物で隠れてはいるが、左手が………無い。

 

「おっと待ちな。自分のせいだとか地味な事言うんじゃあねえぞ。そりゃ自惚れって奴だ。それに、こうなったのは俺自身の力不足が原因だ。お前は関係ねぇよ」

 

「し、しかし…」

 

「しかしもおかしもねえっての。んなしけたツラすんじゃねえよ。せっかく生きて帰ったんだからよ」

 

宇髄さんにわしゃわしゃと頭を撫でられる。ゴツゴツとした、男らしい手だ。

…これ以上後ろめたい事を言ったら、この手で殴られてしまいそうだな。

 

「それより、お前の身に起こった事を聞かせな。あの鬼も詳しくは喋りやがらなかったからな」

 

「う、うむ。そうだな。しかし、何から話したら良いものか…」

 

「焦るこたぁねえよ。ゆっくり簡潔に、順番に話しな。何を聞かされようと、俺達ぁ狼狽えねえからよ」

 

そうか、だったら…

 

「鬼舞辻無惨に会った」

 

「…………は?」

 

「…………うん?」

 

「…………はい?」

 

…うん、やっぱりそういう反応だよね。だから言葉に迷ってたのよ。

 

「待て待て待て。いたのか、あの街に、鬼舞辻が⁉︎」

 

「戦ったのか?どんな能力だった?」

 

「分かる事は全て話して下さい。出来る限り詳細に。…ふざけたら許しませんよ?」

 

うーん、見るからに狼狽えてる。後胡蝶さん怖いッス。目がマジだ。

 

「順を追って説明するとだ。あの日の夜、吾は自分を囮にして上弦の陸を誘い出そうとした。そして作戦通り、奴を誘き出す事に成功したのだが、他の鬼の血鬼術に嵌り、鬼舞辻の下へと転送された」

 

「転送…ですか?」

 

「うむ。琵琶の音がした後障子戸のような物が現れてな、そこに落とされた。戸が消えた後、上弦の陸の気配も消えたからな。おそらくあの街から遠く離れた場所、もしくは完全な異空間に飛ばされたとみて間違いないだろう」

 

「場所は分かるのか?」

 

煉獄さんがそう問い掛けてくる。

 

「いや、飛ばされた先も血鬼術で作られた空間のようでな。すまぬが詳しい場所は…」

 

「そんで、鬼舞辻はどうだったんだ。その体だ。挨拶だけしてハイさよなら、って訳じゃなかったんだろ」

 

宇髄さんの言葉に、俺はコクリと頷く。

 

「目が合った瞬間、こいつには勝てんと体が判断した。逃げようとしたが結局捕まり、右腕を斬り落とされ、臓物を掻き回された。悪いが、奴の能力が分かる程戦えておらん」

 

思い出しただけで右腕と腹部にズキリと痛みが走ったような感覚がする。傷は残っていないのにな…

 

「この二ヶ月連絡がつかなかったのは、その傷を癒していたのか。それなら納得だが…」

 

「いや、それは少し違う。傷の方はとっくに治っていた」

 

「む?ならば何をしていたのだ?君の事だ。今まで鬼舞辻に捕まっていた、という訳では無いのだろう?」

 

……あんまり言いたくないけど、仕方ないよな。

 

「あの時、吾は死にかけた。そして死の間際に、ある力に手を伸ばした。だがそれは、本来手を出してはならぬ代物でな。傷は治ったものの、吾は自我を失い、暴走した」

 

聖杯によって一時的に得た鬼神の力。凄まじかったが、代償も大きかった。

 

「最早記憶も朧げだが、敵味方の判断もできていなかっただろうな。ひたすら暴れ、破壊の限りを尽くした。それを見兼ねたのか、最後にはまた奴らの血鬼術で別の場所へと転送された。そしてその先で吾は意識を失い、二ヶ月の間眠っていた、という訳だ。転送された後、あのまま暴れ続けていればどうなっていた事か………街一つ滅ぼしていたかもしれんな」

 

言いたくは無かったが、これは紛れも無い事実だ。俺を信頼してくれている以上、話しておかなければいけない。たとえ今の言葉で信頼を失う事になろうとも。

 

「それで、その力で鬼舞辻に手傷を負わせる事はできたのか」

 

「う、うむ。はっきりとは覚えておらんが、奴の動きを封じる程度はできていたと思う」

 

「そうか。なら、今後のお前の課題はその力を使いこなせるようになる事だな。使う度に二ヶ月も眠られたらたまったもんじゃねぇからな」

 

うん、そうだよな……………って、え?

 

「待て待て、それだけか?」

 

「あ?他に何かあんのかよ」

 

「言っただろう、暴走したと!それについては何もなしか⁉︎吾は…下手をすれば人を殺していたかもしれんのだぞ…」

 

「だから言っただろうが、使いこなせるようになれって。できなくても根性でなんとかしろ。大体、実物を見てもねえのに判断のしようがねえだろうが」

 

「それに、鬼舞辻を倒すなら手段を選んでいる場合ではありません。使える物は使っておかないと損ですよ?」

 

「精神面を鍛えるというなら、滝行をお勧めするぞ!前に俺と手合わせをした場所なんてもってこいだ!」

 

…マジかよ。牢獄に入れられるくらいは覚悟してたんだけど……信頼してくれているんだな。

 

「とりあえず分かったのは、空間を操る鬼がいるという事、鬼舞辻が思ってた通りの化物という事、そして、その化物と多少とはいえやり合える手段がある事、か。そんで…」

 

宇髄さんが縁側へと通じる戸に目を向ける。そして胡蝶さんがその戸を開けると、三つの影が雪崩れ込んできた。

 

「うわぁやばい!見つかった!」

 

「だから言ったじゃないか!盗み聞きなんてやめようって!」

 

「つか重てぇんだよ!さっさとどけてめぇら!」

 

善逸、炭治郎、伊之助。よく見知った三人衆だった。

 

「盗み聞きたぁ良い度胸じゃねえか。覚悟はできてんだろうな、オイ」

 

「「ヒイッ!」」

 

三人が一斉にその場を去って行き、その後を宇髄さんが追って行く。あの様子を見る限り、みんな無事に復帰できているようだ。

 

「茨木さん、傷の方はもう大丈夫なんですよね?」

 

「うむ。後は体力が戻るのを待つのみだ」

 

「念の為、一度検診をしておきましょう。問題無ければ、その後お茶にしましょうか。煉獄さん、あなたも一緒にどうです?」

 

「うむ、では御相伴にあずかろうか。茨木童子、肩を貸そう」

 

「ああ、助かる」

 

そうして居間を後にする。遠くから、三人の絶叫が聞こえた。南無。

 

 

あれから少しして、変化を維持できる体力が戻った俺は、アオイちゃん達の下で機能回復訓練を行っていた。

 

「大分体力が戻ってきましたね」

 

「まだ全快とはいかんがな。すまないな、苦労をかける」

 

「気にしないで下さい。これが私達の役目ですから」

 

なんて良い子なんだ。後でマカロンをあげよう。

そんなやり取りをしていると、ドタドタと足音を立て、誰かがこちらへ向かってくる。

 

「ーーー茨木ちゃん!良かった無事だったのね!」

 

その正体は、桜色の髪を三つ編みにした女性、恋柱の甘露寺さんだった。

甘露寺さんは俺の姿を見るなり、その豊満な体で抱きついてきた。

 

「知らせを聞いて急いで飛んで来たの!本当に無事で良かったわ!」

 

うん気持ちは分かりましたありがとうございます。でも女性経験皆無の俺には刺激が強すぎるのでそろそろ離れてくれませんかね⁉︎

 

「か、甘露寺様!茨木さんはまだ体力が戻っていないので、そのあたりで…」

 

「あ、そうだったよね!ごめんね!」

 

危ない危ない。もう少しで意識が飛ぶ所だった。アオイちゃん、グッジョブです。

 

「あ、そうだ。茨木ちゃん、体力が戻ってないのなら…」

 

可愛らしい笑みを浮かべる甘露寺さん。なんだろう、天使だろうか。

 

「一緒に温泉、行きませんか?」

 

▼おまけ 珠世さんの屋敷での出来事

 

「茨木!茨木はいるか⁉︎」

 

「む……どうしたのだ愈史郎。鼠でも出たのか」

 

「鼠どころじゃない!あの火の球、お前の血鬼術だという話だったよな⁉︎」

 

「うむ、確かにそうだが…」

 

「そいつが患者用の茶菓子を食い尽くしやがったんだ!お前、自分の血鬼術ならちゃんと制御したらどうだ!」

 

「マジかー…すまぬ。奴は自我を持っていてな、吾が抑えつける事はできんのだ。菓子の代金は払う故、それで勘弁してもらえんか」

 

「チッ!珠世様の言葉が無かったら殴り付けている所だ!次はこいつ用に菓子を買ってくるから、それ以外に手を出さんようしっかり躾けておけ!金はいらん!」

 

「うむ、了解した……」

 

(俺の目が届かない所で勝手しないでくれよ。しかも菓子ばっかり狙うってまるで………)

 

「…………いや、まさかな」




閲覧ありがとうございます!
外出自粛が続く中、皆様いかがお過ごしでしょうか。作者は今、どうぶつの森で無人島ライフを楽しんでいます。
話は変わりますが、FGOではまさかのぐだぐだファイナルが復刻とは…柴田勝家、ピックアップ来ないかなぁ(願望)
ちなみに、星五交換はアキレウスにしました。決め手は宝具のモーションとセリフです。
さて、次回は投稿が少し遅くなりそうです。決して無人島ライフに集中するからではありません。ご了承下さい。それではまた次回!
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