オリ主が茨木童子になって鬼滅の世界にGOする話   作:鉢巻

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鍛冶屋の隠れ里にて

「あ゛〜〜〜〜〜、生き返る〜〜」

 

おっと思わずおっさんくさい言葉が出てしまった。だがそれほどに染み渡るのだ、この温泉は。

 

「ホントに気持ちいいねぇ〜。…ところで茨木ちゃん?」

 

隣にいる、恋柱こと甘露寺さんが声を掛けてくる。

……何?お前、前回女性経験皆無とか言ってなかったか?そんな奴が甘露寺さんのNice Bodyに耐えられるのか?だと?

確かに茨木童子になって性別が変わり、女性と接する機会は増えたものの、流石に裸の付き合いをするレベルには至っていない。

甘露寺さんは、男だけでなく同じ女性でもたじろいでしまう程の美貌の持ち主だ。そんな彼女と俺が、どうやって一緒に温泉に入っている?答えは一つ。

 

「どうして目隠しをしてるのかな?もう里の中に着いたんだから、外してもいいと思うんだけど…」

 

対策をしているからに決まっているだろうがッ!このマァヌゥケェが〜〜‼︎

 

「甘露寺よ、これは感知力を鍛える訓練なのだ。視界を塞がれようとも、心の眼を以ってすれば湯浴みなど朝飯、いや夕飯前よ」

 

「そ、そうなの?でもそれ、別に今やらなくてもいいんじゃないかな?」

 

「いやいや、こういう物は日常生活の中でこそ鍛えるべきだ。吾はそう思う。うむ、そうでありたいと信じたい」

 

さて、言い訳も苦しくなった所でそろそろ上がろうか。えーと、確か着替えは向こうの方に…

 

「あ、茨木ちゃん!この辺り岩が多いから、ちゃんと足下見ないと危ないよ!」

 

「案ずるでない。岩の配置なら完璧に把握してお『ゴッ』ぎにゃあああああああああああああああ‼︎⁉︎」

 

小指‼︎岩に小指が‼︎いや小指が岩に‼︎折れてない⁉︎温泉で心眼は無理があったか‼︎※温泉に限らず、ちゃんと周りを見て歩きましょう。

 

 

甘露寺さんと共に、隠さん達のバケツリレーを経てやって来た刀鍛冶の里。まさか里の人間全てがひょっとこお面をしているとは思わなかった。廃刀令が出されているこのご時世、顔を隠すという意味もあるのだろうか。

温泉を堪能した後、俺は甘露寺さんに連れられ、この里の長の屋敷へと向かっていた。里長に挨拶するのが先だったのでは?と指摘すると、

 

「…うん、確かにそうだよね!ごめんね、茨木ちゃんと温泉入るの楽しみだったから!」

 

うーん、この天然ぶり。とても可愛らしくて良いと思います。

そんなこんなで屋敷に到着。ひょっとこお面の小さな里長、鉄珍さんと相見えた。挨拶をした後、甘露寺さんは刀を研磨してもらう為、里長の側近へ刀を預ける。そしてその後、甘露寺さんが不意にこんな提案をして来た。

 

「そうだ!せっかくだし、茨木ちゃんの刀も見てもらったら?」

 

思っても見なかった提案だ。考えて見れば、刀の手入れなんて全然してこなかったな。切れ味とか落ちる気配全く無いし。

でも急に来てこんな割り込みみたいな事は…

 

「ええよええよ。こんな可愛いお嬢ちゃんの頼みなら、断る理由もあらへんわ」

 

それで良いのか、里長。

そう言ってくれるなら、と俺は一旦部屋を出る。流石に刀の霊体化を解く所を見せるわけにはいかないからね。

部屋に戻り、鉄珍さんの前に刀を置く。その瞬間、お面越しにも分かる程に、鉄珍さんの様子が変わった。

 

「………お嬢ちゃん。これ、何処で手に入れたんだい」

 

先程とは明らかに違う低いトーン。里長に相応しい圧が伝わってくる。

だがしかし、本当の事をそのままペラペラと話すわけにもいかない。真実を混ぜ込みつつ、うまく説明しなくては。

 

「借り物だ。相手は吾の知人…とは言っても、もう顔も記憶に残らぬ程会っていないがな。本来の出処は吾にも分からん」

 

鉄珍さんは「そうか」と言うと、刀を見つめたまま押し黙る。そして数秒経った後、

 

「妖刀じゃな、これ」

 

お面越しに俺の眼を見据え、そう言い放った。

 

「それもとんでもない大業物や。人が造った物や無い。いや、そもそも鉄ですら無い。これは……骨か。人ならざる者、幻獣、怪異、或いは……鬼」

 

「‼︎」

 

すごいな。刀一つ見ただけでそこまで見抜くか。流石里長といった所か。

 

「日輪刀は刀身に宿した陽光で鬼を滅ぼすが、この刀は違う。幾日もかけて込められた呪が、鬼を呪い殺すのか。いやはや、まさかこの歳になってこんな代物を拝める日が来るとはのぉ」

 

呪い殺す、か。日輪刀じゃないこの刀で、鬼を殺せたのはそういう事だったのか。

 

「見た所刃毀れも無し。ワシらが手を付ける必要は無さそうやわ。まぁ、手を付けた所でどないもできんやろけどな」

 

鉄珍さんにそう言われ、刀を自分の手元に戻す。

 

「しかしお嬢ちゃん。そないなモン使うとって大丈夫なんかいな。普通の人間やったら、刀に魅入られて狂ってしもておかしないで」

 

「なら、吾が普通の人間では無いという事だろう。いやそれとも…人では無いが故に狂っていない、か」

 

ニヒルな笑みを浮かべ、里長に目を見つめる。そして誰も口を開かないまま一秒、二秒、三秒…

ーーーーーーヤバイ、やってしまった。ちょっと中二心を擽られ、変な事を言ってしまった。甘露寺さんもポカンとした顔でこっちを見てる。やめて、痛い痛い。心が痛い。

 

「………ジョウダンダゾ」

 

「ほっほっほ、面白い子やな」

 

ああ痛い。鉄珍さんの良心が俺の心にグサグサ刺さる。

その後、俺は顔を真っ赤にしながら甘露寺さんと共に部屋を後にした。甘露寺さんがさっきの言葉についてぐいぐい聞いてくる。ごめんなさい、本当に勘弁してください。

 

「む、あれは…」

 

質問攻めの最中、鬼殺隊の隊服を着た人達が目に入った。

 

「里に常駐してる子達よ。ここが鬼に襲われる事は滅多に無いけど、やっぱり警備は必要でしょ?」

 

うん、確かにその通りだ。だけど俺が気になった事はもう一つある。さっきの人達の中に、どこかで見た覚えのある人がいたのだ。ポニーテールの女性だった。はて、どこで見たのか…

 

「さて、挨拶も終わって刀も預けたし、ご飯にしよっか!ここの里の人達、料理も上手だから楽しみね〜」

 

料理当番の人、ご愁傷様です。しばらくの間地獄を見る事になるだろう。

さて、そろそろ叢原火が火の粉を散らす頃だ。長旅用にと金平糖を買って置いてよかった。今日はこれで綿飴でも作ってみるか。

 

▼おまけ 挨拶の後の出来事

 

「それにしても凄い刀でしたね」

 

「ああ。しかもあの刀をあんな小さな女の子が使うなんてな。やっぱり鬼殺隊は普通の人間とは違うな」

 

「…」

 

「長、どうかされましたか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『人では無いが故に狂っていない、か』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「人生、何があるか分からんモンやなぁ」

 

「長?」

 

「何でもあらへん。ほな、甘露寺ちゃんの刀の研磨にかかろか。ほら行くで」

 

「は、はい!」




閲覧ありがとうございます!
更新が遅くなり申し訳ありません!次回はもう少し早くしようと思いますが、FGOのイベントが始まりそうなので…(遠い目)
そして鬼滅の刃が完結…ネタバレになるので詳細は言えませんが、とにかく良いラストでした!吾峠先生お疲れ様です!
こちらの本編はもう少し日常回が続きます。どうか気長にお待ち下さい。
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