友『TSしたら?』俺『おk、人生やり直すわ』改稿版   作:二ツ井 五時

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今回のお話は最初からそこそこ文量があったのであまり手をつけてません。
旧作の方を読んだことがある人はちょっと物足りないかも?
とりあえず9話です。どうぞー


第9話 【親来ないと寂しい】お遊戯会、開催【来たら来たで恥ずい】

私と湊士君は、あのしょんぼり湊士君事件以降、お遊戯会の練習をひたすらに頑張った。

私は元々頑張ってはいたけど、熱の入った湊士君を見てるとさらに頑張りたくなったんだ。

思わずその場でブレイクダンスを踊りだす位には気合いが入ってた。

そしたら、先生が「深月ちゃん、危ないから止めなさい」と、割と本気で止めてきた。

反省。

そして湊士君。

彼は練習を途中参加したので、かなり周囲よりも出遅れてしまっている。

着いて行けるか心配だったが、杞憂だった。

歌も担当のセリフもバッチリ覚え、寧ろより上手く、より素晴らしくとクオリティをどんどん上げていく。

やはり頭の出来が違うんだろうね。

他の子も各々練習を重ね、私達年少組は上の年中や年長組にも一目を置かれる存在となった。

 

そして、今日がそのお遊戯会当日。

親の席を見ると、既に席はいっぱいになっている。

私の母はカメラを構えて、今か今かとその時を待っているのが見えた。

休日、湊士君の家にお邪魔した時にたまに会う彼のお父さんは、まだ来ていなかった。

少し湊士君の顔が陰った。

私は湊士君の手をそっと握る。

 

「だいじょうぶだよ」

「…うん」

 

彼の表情が少しだけ明るくなった気がした。

 

─────────────

 

私達年少組の部は、このお遊戯会のトップバッターを務める。

そこから順に年中、年長と年齢が高い順に発表する。

だから、そろそろ湊士君のお父さんは席に座ってなくても来てなきゃいけない。

私も遠目から探してはいるが、それらしき人は見つけられていない。

 

『それでは年少組の皆さん、お願いします』

 

アナウンスが入った。

私達の演技が始まる。

先生達が用意してくれたポリ製の衣装を身に纏い、私達は踊る。

キレッキレに。

観客席がざわめいた。

 

「今やってるのって年少さんだよな?」

「すっごいキレのある動きしてるわね…」

「ひとつひとつの動きに無駄が無いというか」

 

そりゃそうだ。

私達は先生がいない自由時間でも練習してきたのだから。

踊りについては私が、最後の合唱は湊士君がみんなに教えてる。

最初は不平不満を口にしていたが、もしかしたら欲しいの買ってもらえるかもとか、好きな物を食べさせてもらえるかもとか言って女子は聞かせた。

男子は、女子の圧力と湊士君に任せたら(あとちょっと挑発した)、渋々ながらも練習に参加してくれた。

お陰でステップや振り付け、途中の移動なんかは全て体に染み付き、迷いなく踊る事が出来ている。

先生は少し引いてたなぁ。

 

ダンスは終わり、次は合唱だ。

これについては湊士君に丸投げした。

彼なら3歳でも上手くやってくれるのでは?という謎の信頼の下任せてみたら、案の定上手くいった。

統率を私を見て学び、歌の音程を先生のピアノを聞いて覚え、自分なりに解釈したものを他の子に分かりやすく伝えていた。

歌を歌うのも音程が合うだけで、かなり上手く歌ってるように聞こえるものだ。

 

「…ホントに年少さん?歌めちゃくちゃ上手いんだけど」

「私の子供が年少の時、こんなに上手かったかしら…」

 

なんだかんだで歌も終盤に差し掛かってきた。

未だに湊士君のお父さんの姿は見えない。

私もやはり来ないかと思ったその時、

 

「湊士ッッッ!!」

 

彼の名前を呼ぶ声がした。

湊士君も私も聞き覚えのある声だった。

声のした方を見るとそこには、走って来たのか汗だくで、スーツを着た湊士君のお父さんが大きく手を振っていた。

歌うのは辞めないが、嬉しそうな湊士君。でも、少し恥ずかしいのか顔が赤くなっていた。

いやー美少年の赤面とかメシウ…ごほん。

良かったね湊士君、やっぱり君のお父さんは湊士君の事が大好きなんだよ。

この合唱は私達が今まで歌ってきた中で1番上手く歌えたと思う。

こうして私達のお遊戯会は幕を閉じたのだった。

 

──────────────

 

帰り道、羽柴親子と私達小鳥遊親子は一緒に帰ることとなった。

幼稚園は家から近いし、何よりお向かいさんだからね。

湊士君のお父さん、羽柴(はしば)(とおる)さんから聞いたが、どうやら湊士君の妹が今年中にはもう生まれてくるらしい。

だとしたら私達と3歳差になるのか。

小学校はもしかしたら一緒になるかもしれないね。

あとは私の母と娘息子自慢しまくってた。

恥ずかしいなぁもう。

 

「みつきちゃん」

 

ふと湊士君に呼ばれる。

 

「ほんとうにありがとう。ちゃんとおとーさんきてくれた」

「ううん、わたしじゃないよ。みなとくんのおとーさんがみなとくんのことだいすきだからきてくれたんだよ!」

 

私は別に何もしてない。

ただ寂しそうにしてる幼馴染を励ましただけだ。

 

「それでも、ぼく、うれしかった。だから、ありがとう」

 

そう言われたら、お礼を受け取らない方が失礼だなぁ。

 

「わかった!どういたしまして!」

「うん」

 

私と湊士君は、手を繋ぎながら仲良く帰路に着く。

夕焼けが私達と空を、紅く染めた。




いかがでしたでしょうか?
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では次回もまたよろしくどうぞー
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