友『TSしたら?』俺『おk、人生やり直すわ』改稿版 作:二ツ井 五時
7月ももうすぐ終わりそうな、夏休みが始まったばかりのある日。
私は冷房の効いたリビングで自由研究を纏めながら考え事をしていた。
ちなみに自由研究のテーマは『誰でも出来る!八艘飛びの方法』である。
「なーんか夏っぽいことしてみたいなぁ…」
そう、折角小学生になったのだ。
友達も出来たし、この先高校生や大学生になっても思い出に残る、そんな夏休みにしたい。
小学生だから出来る事、大人になったら出来なくなること。そういうのって沢山あると思うんだ。
子供心を持った今だからこそやれることをやりたい。
「でもそういうのって、意外に出てこないもんだよね…」
思わずテーブルに項垂れる。
前世では、もっとあんなことすればよかった、こんなこと出来たはずなのにと色々と後悔してきた。
だから今世では後悔しないような夏休みを過ごすためにこうして宿題を早めに終わらせたり、自由研究に手を付けたりしてるわけなんだが、いざ何しようって考えるとパッと出てこない。
困った、どうしよう。
逆にみんなはどういう事をしたいんだろう?
聞いてみたいが私は携帯を持っていない。
というより現時点で携帯を持ってる小学一年生なんてごく僅かどころかいないに等しい。
居るとしたら余程自分の子供を信用してるかお金持ちのお家か。
そうなると直接聞きに行くのが良いんだけど…
「湊士くんは多分私がやりたいことならなんでもいいって言うだろうし、燈ちゃんは真面目すぎる所があるから聞いても勉強とかそういうの言いそうだし…となると行くとしたら」
ふと脳裏に思い浮かぶ男の子の顔。
彼は確かに乱暴だけども最近は鳴りを潜めていて、遊ぶのが楽しいやんちゃ坊主程度に収まっている。
遊びたい盛りの彼ならきっといい案をくれるだろう。
彼の宿題は是非夏休み終わるギリギリに終わらせてもらうことにしよう。
「さて!そうと決まればしゅっぱーつ!」
私はお母さんに佐藤くんの家に行ってくると伝えると、菓子折りを持たせてくれたので、準備して佐藤くんの家に向かう事にした。
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「さーとーくーん!!!あーそびーましょー!!!」
「うるせぇ!!そんな叫ばなくても聞こえる!てかなんで俺んち知ってんだよ!!」
勘と表札。
多分ここだろうなーと思ってピンポンとチャイム押したら、元気な女の人が出てきた。事情を聞いたその人は、
「
「え?誰?」
「いいからこっち来な!こんな可愛い女の子待たせんじゃないよ!」
「痛って?!母さんそんな引っ張んな!…あ?」
とまぁこんな感じに佐藤君を引っ張ってきたのだ。
その人に菓子折を渡したら、上がっていきなと言われたので折角なのでお邪魔させてもらっている。
今私の恰好はキャミソールワンピースとか言うやつ。
夏って感じするよねこの格好。前世に見たアニメのロリキャラとかこんな格好してて可愛いなぁって思ってた。
誰だって可愛く変わりたいんだ。
佐藤くんのお母さんから貰ったお茶を飲んで水分を補給していると、佐藤くんはめちゃくちゃ不機嫌そうにこちらを睨んでいた。
「なんでこっち見てるの?」
「出てけよ」
おっとこれはかなり嫌われてるか?
まぁ子供の時ってこんな感じだよね。こっちは18年分のアドバンテージがあるから、心に余裕がある。
「私の用事が済んだら出ていくよ」
「知らねぇよ消えろよブス。お前不審者でケーサツにツーホーするぞ!」
おうおう、凄いね。元気だねぇ。
なんて彼の悪口ににこやかに対応していると、佐藤君のお母さんがすっ飛んで来て、
「あんたお友達になんてこと言ってんの!」
「いって?!」
ガツンとゲンコツを一発。
おおう、こりゃ痛そう。
「なんで殴んだよ!」
「あんた如きが女の子にブスとか言うんじゃないよ!そうやって女の子とつるまない俺カッコイイとか思ってるんだろうけどね、他人の見た目を悪く言うやつの方がみっともないんだよこのバカ息子!」
「バカって言った方がバカなんだよ!」
「じゃあアンタはそのバカな親から産まれたかやっぱりバカ息子じゃないか!バカにバカって言ってなにがわるいんだい!?」
すっげ、佐藤君のお母さんの方が一枚上手だ。
まあ小学生相手だしそんなもんか。
すると佐藤君のお母さんが佐藤君の頭を掴んでこちらに下げさせる。
「ごめんね深月ちゃん!うちのちゃらんぽらんが…!」
「気にしてないのでだいじょぶです!」
そうそう、別に嫌われても私には絶対無敵の幼なじみがいるのだから!
さて、まあこの通り一悶着あったが、お母さんに怒られてムスッとしながらも大人しくなった佐藤君。
さっさと要件を済ませてしまおう。
「佐藤くん。聞きたいことあるんだけどいいよね?」
「…チッ、んだよ」
「夏ってなったら何して遊びたい?」
「お前そんなこと聞くために俺ん家来たの?」
「そうだけど?」
おい、なんだそのこいつってこんなやつだったみたいな顔は。
お前私の何を知ってるんだ。
まだ会ってそんなに経ってねぇだろ。おい。
彼は答えるかどうか迷ってるようだが、またお母さんに怒られるのは嫌だと思ったのか観念して話し始めた。
「プールとか?あと夏祭りとか。虫取りとかするんじゃねぇの?知らねぇけど」
「なるほど!ありがとう!じゃあプールに行って夏祭りしながら虫取りすればいいんだね!」
「…お前バカだろ」
んだとコラ。
バカって言った方がバカなんだよ。